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小学校編
結婚六カ年計画 29-2
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2017年10月14日 土曜日。 9時15分。
運動会の開会式が滞りなくはじまり、先ずは徒競走。
一年生から男子女子の順番で次々と走り始めた。
5年生男子。2組の代表は悠翔君。
圧倒的な速さで校庭内のトラックを一周し一位。
……差を見ると、もしかして私が走っても勝てたかも?
男子が終わり女子の部。
私の出番になり、2組のスタート位置に並ぶ。
すると、隣の3組の所にふわりとした長い金髪の女の子が並んだ。
見覚えが無いが、まるでピスクドールが動いている様に欠点のな無い可愛さで、正直羨ましいと思う程である。
そして何故か私を睨んでいる様にも見える。
目が合ってしまうと、金髪の女の子が私に話しかけてきた。
「あなたが華燭梨杏さんですね?」
流暢な日本語。私と同様に日本で生まれ育ったのかな。
「うん、そうよ。宜しくね」
「絶対に負けませんからね!」
ええっ、と私は驚く。
名前を教えてほしかったけど、先生から位置についての声が上がり私はとりあえず目の前のスタートに集中した。
よーい。
競技者が一斉に構える。
隣の金髪の女の子は構えながらもじっと大きな青い目で私を伺っており、正直恐怖すら感じた。
スタート!
フライングぎりぎりで飛び出し、私はスタートと同時に先頭に駆け出す。
悠翔君意外には負けないし、女子の中では圧倒している筈だ。
かと思ったらやや私が優勢だが、あの金髪の子が並走している。
速い。少しでも気を抜くと負けそうだ。
ひとつ目のコーナーに差し掛かる。
私は最短の内側ギリギリを走り、カーブを抜ける頃には少しだけあの子との距離をとれた気がした。が、直線に入ると再びほぼ並ばれる。
ふたつ目のコーナー。
あとは直線勝負のためここでまた少し前に出たい。
他のクラスの子達はまだコーナーに入ったばかりである。
そして直線に入ると5年2組の応援席が見える。
応援している左右さんが目に映る。
おや? 隣にリース院長先生とマネージャーの春佳さんが座っている。
そして傍に相田先生も。思わず私はむきになった。
「おっ、ここで梨杏ちゃんがラストスパートだわ!」
いつの間に仲良くなったのか春佳さんと院長先生がふたりで手を握っている。
それはいいとして全力で走っているのに金髪の女の子は離れない。
むしろ徐々に追い詰められている。
ゴールまであと僅か。
先にテープを切るんだと、ゴールを通過する瞬間に私は胸を前に張り出す。
ほぼ同時に、ゴールした。
運動会の開会式が滞りなくはじまり、先ずは徒競走。
一年生から男子女子の順番で次々と走り始めた。
5年生男子。2組の代表は悠翔君。
圧倒的な速さで校庭内のトラックを一周し一位。
……差を見ると、もしかして私が走っても勝てたかも?
男子が終わり女子の部。
私の出番になり、2組のスタート位置に並ぶ。
すると、隣の3組の所にふわりとした長い金髪の女の子が並んだ。
見覚えが無いが、まるでピスクドールが動いている様に欠点のな無い可愛さで、正直羨ましいと思う程である。
そして何故か私を睨んでいる様にも見える。
目が合ってしまうと、金髪の女の子が私に話しかけてきた。
「あなたが華燭梨杏さんですね?」
流暢な日本語。私と同様に日本で生まれ育ったのかな。
「うん、そうよ。宜しくね」
「絶対に負けませんからね!」
ええっ、と私は驚く。
名前を教えてほしかったけど、先生から位置についての声が上がり私はとりあえず目の前のスタートに集中した。
よーい。
競技者が一斉に構える。
隣の金髪の女の子は構えながらもじっと大きな青い目で私を伺っており、正直恐怖すら感じた。
スタート!
フライングぎりぎりで飛び出し、私はスタートと同時に先頭に駆け出す。
悠翔君意外には負けないし、女子の中では圧倒している筈だ。
かと思ったらやや私が優勢だが、あの金髪の子が並走している。
速い。少しでも気を抜くと負けそうだ。
ひとつ目のコーナーに差し掛かる。
私は最短の内側ギリギリを走り、カーブを抜ける頃には少しだけあの子との距離をとれた気がした。が、直線に入ると再びほぼ並ばれる。
ふたつ目のコーナー。
あとは直線勝負のためここでまた少し前に出たい。
他のクラスの子達はまだコーナーに入ったばかりである。
そして直線に入ると5年2組の応援席が見える。
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おや? 隣にリース院長先生とマネージャーの春佳さんが座っている。
そして傍に相田先生も。思わず私はむきになった。
「おっ、ここで梨杏ちゃんがラストスパートだわ!」
いつの間に仲良くなったのか春佳さんと院長先生がふたりで手を握っている。
それはいいとして全力で走っているのに金髪の女の子は離れない。
むしろ徐々に追い詰められている。
ゴールまであと僅か。
先にテープを切るんだと、ゴールを通過する瞬間に私は胸を前に張り出す。
ほぼ同時に、ゴールした。
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