結婚六カ年計画

魂祭 朱夏

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小学校編

結婚六カ年計画 25

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 2017年9月6日 水曜日。 18時40分。


 夏休みが終わり、早9月。
 相変わらず悪天候が続き、陸宮地方南部は今年梅雨明けが無い年となった。
 でもそれも終わり、寧ろこれからが残暑本番と言う所か今日も30度を超えている。

 
 ノー残業デーで早く帰ってきた左右さんと共に、広瀬道場へ向かう。
 4月から通いもう5か月通い、柔道は3級になった。空手はまだ始めたばかりで5級だけど、卒業までに黒帯になりたい。
 柔道は14歳にならないと試験を受けられないのでそれまでの我慢である。黒帯になればどちらも、左右さんとお揃いである。

 
「押忍っ、美花先生。今日も宜しくお願いしますっ!」
「押忍、梨杏ちゃん今日もヨロシク!」
 道着に着替え、広瀬館長の娘である美花さんの前で正座し、お辞儀をする。
 今日は空手の日。元々小学生の部で道場に通う人は居らず、女子は私だけ。
 それでも将来この道場からオリンピックの金メダリストを輩出する為に女子空手の部を昨年から創設はしたものの、やはり広瀬道場と言えば柔道のイメージなので成績は思わしくない。
 8月に美花さんへ空手も覚えたいと伝えた時の喜び様は凄まじいもので、オリンピックに興味ありませんと言いつつもどこか期待をされている気がする。
 因みに空手はフルコンタクトである。
 初めは左右さんに反対されたけど、何とか説得して習わせて貰える様になった。

 
 与える方でも受ける方でも、痛みを知ってこそ学ぶコトもある。
 自分のも他人のも痛みを知る人は強い。
 ――おばあちゃんが私にそう教えてくれたコトがあった。
 

「そう、その調子! 相変わらず綺麗に打てるわね、梨杏ちゃん!」
「はいっ、有難う御座います!」
 美花さんが構えるミットに上段突き、中段突き、下段蹴りとコンビネーションを当てる。
 おおっ、と遠くから左右さんの声が聞こえた。少し恥ずかしい。
「いいねっ、ちゃんと衝撃が伝わってるわ。今すぐでも大会に出れるわよ!」
「ほっ、褒め過ぎだと思います!」
 
 今日の稽古も終わり、左右さんと家に帰った。


 ******


「美花。梨杏ちゃんは褒めて伸ばす教え方の様だな」
「いや、あの子本当に凄いのよ。私が一度教えて見本を見せるだけで全部完璧に再現しちゃうんだもん。
 すぐに自分の体格に合わせてモノにして……正直普通じゃないし褒めるしかないわ」
「ほう、左右君がいつも娘の頭が良いと褒めちぎってるが、本当なんだな」
「でも、空手も柔道もオリンピックには出るつもりは無いみたいなの。勿体ないナァ」


 ☆新規計画達成項目
 ・2017年9月6日 空手が上達した。
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