結婚六カ年計画

魂祭 朱夏

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小学校編

結婚六カ年計画 23

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 2017年8月15日 火曜日。9時。


 七夕祭りが終わり、今日は終戦記念日。
 そして左右さん35歳の誕生日だ。


 誰かに誕生日プレゼントを買うコトが初めてだったので2週間前にRuiちゃんへ相談したら色々とアドバイスをして貰えた。
 Ruiちゃんも毎年お父さんにプレゼントを渡していると言い、とても仲良しだそうだ。

 左右さんは11日の海の日から会社が長期休暇で、今日は一人で県北の井筒市の実家へお墓参りに向かっている。
 元々今日は誕生日をお祝いすると伝えていたので、気を使って準備時間を作ってくれたのだ。
 お昼を食べて帰ってくると言うコトなので帰ってくるのは恐らく15時過ぎ。
 それまでに全部終わらせよう。


 ******
 

 ケーキ作り。
 定番の白いショートケーキでスポンジから焼き上げ、フルーツを贅沢に使った。
 意外と左右さんは甘い食べ物が好きなので贅沢に生クリームを塗ろう。

 部屋の飾り付け。
 金魚鉢までリボンを添えて、左右さんがお帰りになった時は三角帽子を被り、クラッカーを鳴らしてお迎えをする予定。

 プレゼント。
 ラッピングしたてのひらサイズのプレゼント箱をふたつにメッセージカード。
 喜んでくれるかなぁ。

 後は夕食。
 時間的にケーキを食べた後に料理を食べる事になるので量は多すぎない様に。
 左右さんは肉類が好きなので漬け込んだ後にオーブンするタンドリーチキンがメインディッシュだ。


 大好きな人が喜んでくれる姿を見たい。
 その為に入念な準備を行い今日、遂に迎える二人で誕生日。
 想像するだけで幸せになり笑顔が溢れてくる。


 ******


 15時半頃。

「ただいまー、今帰ってきたよ」
 『誕生日おめでとう』とマジックで書かれた米袋を抱えた左右さん。
 予想外の小道具に思わず笑いそうになるが、お帰りなさいと三角帽子を被った私は玄関へお出迎えする。
 彼も私の恰好に予想外だった様で少し驚いていたが遠慮なくクラッカーを鳴らした。

「お誕生日おめでとうございます、左右さん!」

 茫然としている左右さん。
 誕生日の準備をしたいと伝えていたけど部屋に飾り付けたりクラッカーを鳴らしたりと言うコトは予想していなかった様だ。
「あ、ありがとう、梨杏ちゃん! 前ケーキを作るって聞いてたから、その準備だけかと思ったら……。
 凄い、こんなにお祝いして貰えたのは初めてだよ」
 満面の笑みを浮かべる左右さん。私もつられて笑顔になった。
 
 好感触。
 掴みは成功した様だ。
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