結婚六カ年計画

魂祭 朱夏

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小学校編

結婚六カ年計画 17

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 2017年7月21日 金曜日。12時00分。


 今日は1学期最終日。
 明日から夏休みで今日は午前中で授業が終わる。
 
 4時間目はミーティングになり、相田先生は夏休みの過ごし方と沢山の宿題を私達生徒に伝えた。
 宿題は今日から4日あれば全部終わらせるコトは出来そうだ。

 夏休み中なので撮影も多いし、初めての長期休暇なので主婦体験も出来るし、七夕まつりもあるし……。
 それに終戦記念日は左右さんの誕生日なのだ。
 夏休みは時間がある様でとても忙しい。

 授業が終わり、荷物をまとめていると夕花ちゃんと悠翔君が同時に私の元へ近付いてきた。
「梨杏ちゃん、一緒に帰ろー?」
「お、俺もー!」
「うんっ、帰ろうか」
 普段は夕花ちゃんと一緒に帰るけど、今日は珍しく悠翔君も一緒に帰るコトとなった。


 夕花ちゃんと別れ、次の横断歩道を渡れば悠翔君とも別れる。
 一緒に帰ろうと話してきた悠翔君はずっと無言のままで、どうしたのかなと思っていた。
 すると、悠翔君が私の名前を呼び突然手を握る。
「ど、どうしたの?」
 思わず私は彼に尋ねる。

「な、なあ! 梨杏は七夕祭りに行くのか?」
 七夕祭り。
 毎年8月の6日から8日の3日間に渡り中心部で行われる行事であり、陸宮三大祭りとも呼ばれている。
 因みに5日の夜に前夜祭が行われ、沢山の花火が打ち上げられる。
 今年は5日が丁度土曜日の当たり年で、勿論左右さんと一緒に行くつもりである。
 あっ、その前に浴衣を買いに行かないと。

「勿論行くよ。パパと前夜祭と次の日の初日、一緒に回るの」
「そ、そっかぁ。それなら7日、俺とも一緒に回らないか?」
 流石に3日……前夜祭も含めると4日連続はちょっと難しい。
 他にも8日、Ruiちゃんと一緒に見て回るコトになっている。

「ごめんね。その日は用事があって難しいの」
「そっかぁ。それじゃあ仕方ないな。じゃ、またな!」
 悠翔君はそう言うと駆け出して帰って行く。
 急に、どうしたのかな?


 *******


 家に帰り、一息吐く。
 ランドセルを置いて冷蔵庫の残り物と冷凍したご飯を取り出し、炒飯を作る。
 おばあちゃんの味は完璧にコピーしているつもりだけど、やはりどこか深みが足りない味の気がした。

 亡くなるまでずっと口癖のように、幸せになれと言い続けてくれたおばあちゃん。
 貴女が私に最も与えてくれたものは、数多の知識や技術ではなく愛でした。

 
 だから私は、おばあちゃんの願いに報いる為、幸せを求め続ける。
 

 ☆新規計画達成項目
 ・2017年7月21日 初めての白藤小学校の夏休み。

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