結婚六カ年計画

魂祭 朱夏

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小学校編

結婚六カ年計画 15

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 2017年7月15日 土曜日。10時30分。


「梨杏ちゃーん、おじさん、おはよう!」
「おはよー、夕花ちゃん」

 西口の某デパート前。
 私は夕花ちゃんと一緒、明日海水浴できる水着を買いにきた。
 保護者として左右さんもついて来てくれている。

「あのー、すみません。もしかしてモーモのLianちゃんですか?」
 私より少し年下そうな女の子二人。moomの読者の人から声をかけられた。
「うん、これからよろしくねっ」
「わぁ、本物だー」
 女の子達に握手を求められる。少し照れ臭いが嬉しい。
 一昨日9月号が出たコトもあり私を知る人も増えているのだと感じる。
 知らない人から声を掛けられるのは相変わらず苦手だけど、左右さんが自分のコトの様に笑顔を浮かべるのがとても嬉しかった。


 ******
 
 
 目的の店に到着した。
 学校指定の水着とは違い当然の様に露出度が高い。勿論、大人用だ。
 左右さんが心配そうな表情を浮かべた。
 
 小学生用の売り場を見る。可愛い水着が一杯で、露出度も比較的低いと思う。
「梨杏ちゃん、これ、可愛い?」
 夕花ちゃんは攻めて水玉のビキニを試着し選んだ。左右さんは気を使って後ろを向いてくれている。
「おじさんも見てよー!」
「う、うん。とても似合ってるね」
 結局見て褒める左右さん。ちょっとやきもちを妬いてしまいそうになる。
 ……私には、遠慮するコトはありませんよ?

「パパ。私も着替えるので似合うか確認して下さい」
「う、うん。でも正直肌が多く見える水着は着て欲しくないかも」
 心配されているコトが伝わり、口元が綻びそうになる。
 私は試着室へ入り、カーテンを閉め、一枚ずつ脱ぎ始めた。
 因みに、去年の秋頃から胸が気になりはじめ、院長先生からの勧めでブラも付けている。

「パパ、似合いますか?」
 着替え終わりカーテンを開ける。
 すると夕花ちゃんがきゃあと声を上げ、左右さんは目を大きく見開いた。
「梨杏ちゃんかわいー!」
「ふふっ、ありがとう」
 白いワンピースタイプの水着。
 袖とスカートの様に下腹部にフリル付いていて、爽やかさと可愛さを連想させるこれに決めた。
 左右さんは、感想は?

「……うちの娘が、こんなに可愛いなんて」
 思わず目元が弧を描き、頬が浮く。
 それはそうだ。左右さんに見て欲しいから来たのだから。
「有難う御座います。海へ行ったら沢山、写真撮って下さい」
 思い出がまた増えそうで、とても明日が楽しみである。
 因みにこの後、試着した左右さんの肉体美を拝み卒倒しそうになった。
 
 
 ☆新規計画達成項目
 ・2017年7月15日 左右さんと初めて水着の買い物(ついでにいいものが見られた)。
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