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小学校編
結婚六カ年計画 10
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まぶたをゆっくりとひらいたら、まぶしくしろいひかりがめにとびこむ
めをほそめ、だんだんひかりになれると、わたしをみるえがおがふたつ
わたしはおもわず、ないてしまった
******
2017年5月26日 金曜日。午前5時半。
瞼をゆっくりと開いたら、眩しく白い光が目に飛び込む。
カーテンの隙間から飛び込んだ朝日。
私は起き上がり、窓を開けるとやや寒さを感じる空気を体に浴びた。
さあ、今日も頑張ろう。
朝食を食べ、左右さんと一緒に白藤小学校へ通う。
左右さんに学校まで送って貰う為、8時半にホームルームが始まる所を7時頃に着いてしまう為、一番最初に学校へ着く。
左右さんにもっと遅く通学しても良いよと言われたけど、出来るだけ一緒に居たいので一緒に家を出ていた。
ちなみに今日は夕方4時から家庭訪問がある。
2月から始まったプレミアムフライデーと言う、月末の金曜日の仕事は3時で終了して、土日と併せて旅行へ行ったり買い物をさせようとする政府が推奨している新しい慣習の様だ。
幸い、左右さんが勤務するわたぬき商事でも今月からその制度を導入するらしく、ちょうど良かったらしい。
学校へ到着すると、ホームルームが始まるまで予習をしていたり、図書室で借りた本を読んで過ごす。
大体の友達は8時頃まで来ないけど、最近は7時半位に来る子も居た。
そろそろ来るだろう。
「おはよー、梨杏!」
「おはよー、悠翔(はると)君!」
同じクラスの悠翔君が来た。
去年まではいつも遅刻ギリギリに学校へ来ていたそうで、5年生になってから早く学校へ来る様になったらしい。
休憩時間はいつも友達とかけっこをしたりサッカーで遊んだりととても元気だなぁと思う。
でも、学校へ早く来るけど特に何もせず、ぼーっとしている様だ。
読書をしていると、時折視線を感じる。
「なぁ、梨杏」
読書をしていると、悠翔君が私の机の前に来た。
「どうしたの?」
見上げると、彼の頬は少し赤くなっている。
「り、梨杏ってさー、どうしてこんなに朝早く学校へ来てるんだ?」
「私、通勤するパパと一緒に学校へ来てるの。だから朝は早いのよ」
ふーん、と何故か窓に目線を移しながら口元を指で掻く悠翔君。
このままだと会話が終わってしまうので、私は彼に聞いた。
「悠翔君も今年から学校へ来るのが早くなったって聞いたけど、どうして?
それに学校に来ても特に何もしてないし……」
訪ねた瞬間、ぎょっと彼の目が大きく見開き額から汗がだらだら流れてきた。
「え、えぇー? 特に理由は無いけど、気分かなぁ~、あはは」
変わってるなぁ、と感じる。
でも友達なのだからちゃんとアドバイスをしてあげないとと思い、私は彼に伝えた。
「学校に早く来るコトってとてもイイと思うわ。
でも、折角だから勉強したり本を読んだりすれば時間を有効に使えるよ?」
悠翔君は運動神経が良いけど、あまり勉強は出来ない。
スポーツ少年団の野球のチームで5年生になったばかりなのにレギュラーだったりしてとても凄いのだ。
「り、梨杏は頭が良い人って好きなのか?」
左右さんの顔が浮かんだ。
「うん、好き」
「そ、そっかぁ。運動が得意なヤツは?」
また左右さんの顔が浮かぶ。
「好きだよ。勉強も運動も出来る人は大好き」
勿論、左右さんのコトだ。
「そ、そっかぁ。よーし、俺も勉強頑張るよ。
これから早く来た時、梨杏に聞いてもイイ?」
「うんっ、いいよ」
友達が勉強をするコトは良いコトだ。
私は快く悠翔君のお願いを聞いた。
☆新規計画達成項目
・2017年5月26日 友達と仲良くなった。
めをほそめ、だんだんひかりになれると、わたしをみるえがおがふたつ
わたしはおもわず、ないてしまった
******
2017年5月26日 金曜日。午前5時半。
瞼をゆっくりと開いたら、眩しく白い光が目に飛び込む。
カーテンの隙間から飛び込んだ朝日。
私は起き上がり、窓を開けるとやや寒さを感じる空気を体に浴びた。
さあ、今日も頑張ろう。
朝食を食べ、左右さんと一緒に白藤小学校へ通う。
左右さんに学校まで送って貰う為、8時半にホームルームが始まる所を7時頃に着いてしまう為、一番最初に学校へ着く。
左右さんにもっと遅く通学しても良いよと言われたけど、出来るだけ一緒に居たいので一緒に家を出ていた。
ちなみに今日は夕方4時から家庭訪問がある。
2月から始まったプレミアムフライデーと言う、月末の金曜日の仕事は3時で終了して、土日と併せて旅行へ行ったり買い物をさせようとする政府が推奨している新しい慣習の様だ。
幸い、左右さんが勤務するわたぬき商事でも今月からその制度を導入するらしく、ちょうど良かったらしい。
学校へ到着すると、ホームルームが始まるまで予習をしていたり、図書室で借りた本を読んで過ごす。
大体の友達は8時頃まで来ないけど、最近は7時半位に来る子も居た。
そろそろ来るだろう。
「おはよー、梨杏!」
「おはよー、悠翔(はると)君!」
同じクラスの悠翔君が来た。
去年まではいつも遅刻ギリギリに学校へ来ていたそうで、5年生になってから早く学校へ来る様になったらしい。
休憩時間はいつも友達とかけっこをしたりサッカーで遊んだりととても元気だなぁと思う。
でも、学校へ早く来るけど特に何もせず、ぼーっとしている様だ。
読書をしていると、時折視線を感じる。
「なぁ、梨杏」
読書をしていると、悠翔君が私の机の前に来た。
「どうしたの?」
見上げると、彼の頬は少し赤くなっている。
「り、梨杏ってさー、どうしてこんなに朝早く学校へ来てるんだ?」
「私、通勤するパパと一緒に学校へ来てるの。だから朝は早いのよ」
ふーん、と何故か窓に目線を移しながら口元を指で掻く悠翔君。
このままだと会話が終わってしまうので、私は彼に聞いた。
「悠翔君も今年から学校へ来るのが早くなったって聞いたけど、どうして?
それに学校に来ても特に何もしてないし……」
訪ねた瞬間、ぎょっと彼の目が大きく見開き額から汗がだらだら流れてきた。
「え、えぇー? 特に理由は無いけど、気分かなぁ~、あはは」
変わってるなぁ、と感じる。
でも友達なのだからちゃんとアドバイスをしてあげないとと思い、私は彼に伝えた。
「学校に早く来るコトってとてもイイと思うわ。
でも、折角だから勉強したり本を読んだりすれば時間を有効に使えるよ?」
悠翔君は運動神経が良いけど、あまり勉強は出来ない。
スポーツ少年団の野球のチームで5年生になったばかりなのにレギュラーだったりしてとても凄いのだ。
「り、梨杏は頭が良い人って好きなのか?」
左右さんの顔が浮かんだ。
「うん、好き」
「そ、そっかぁ。運動が得意なヤツは?」
また左右さんの顔が浮かぶ。
「好きだよ。勉強も運動も出来る人は大好き」
勿論、左右さんのコトだ。
「そ、そっかぁ。よーし、俺も勉強頑張るよ。
これから早く来た時、梨杏に聞いてもイイ?」
「うんっ、いいよ」
友達が勉強をするコトは良いコトだ。
私は快く悠翔君のお願いを聞いた。
☆新規計画達成項目
・2017年5月26日 友達と仲良くなった。
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