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小学校編
結婚六カ年計画 5-2
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2017年4月12日 水曜日。午後6時半。
左右さんが仕事から帰って来てすぐ、私は夜の街を一緒に歩いている。
おばあちゃんちや孤児院と違い、ここは夜も明るい。
これから向かうのは左右さんが毎週水曜日通っている広瀬道場である。
******
昨日、夕食後。
「毎週水曜日は残業は無いんだけど、僕は道場に通ってるから先にご飯を食べてて良いよ」
「パパ、武道を習ってるのですか? 私も一緒に通いたいです」
営業なのに細身ながら筋肉質の左右さんは何か運動をしているのかなと思ったら、なんと毎週柔道の道場へ通っているとのコト。
空手をやっていたコトは知ってたけど、他にも剣道の経験もありとても強いのだ。
「凄く嬉しいけど、梨杏ちゃんが怪我をするのは嫌だなぁ」
「大丈夫です。それに私も自分の身を護れる様になりたいのです」
左右さんは逞しい腕を組んで首を傾ける。悩む姿も素敵である。
でも結局は折れて、明日仕事から帰って私を連れて行ってくれるコトにした。
******
マンションを出て3分ほど歩くと、広瀬道場に到着した。
中に入ると広い部屋一面に畳が敷かれてあり、私よりも小さな子からお爺さんまで様々な練習を行っている。
「わたぬき商事に入社してからずっと通ってるんだ。柔道の他にも空手もここで習ってたよ。
今は柔道だけ続けてるけどね」
「ふふっ、強い人は素敵です」
左右さんが照れて可愛いと思っていると、道場の奥から彼よりも一回り大きな男の人が私達の前に来た。
「よぉ、左右。この子がお前の娘になった子か?」
まるで着ぐるみを着ている様に身体が大きな人。
見上げると、顔は怖いけど笑顔で私を向いていた。
「か、華燭梨杏です。宜しくお願いしますっ」
「可愛いお嬢ちゃんだ。俺は広瀬和幸って言うここの道場主で、オリンピックで柔道の金メダルも獲ってるんだぜ」
金メダリスト。
左右さんが小さく見えるこの人はとても凄い人の様だ。
「ところで、左右よぉ。こんなちっこい……可愛らしい女の子に本当に柔道をさせるのか?」
「僕も正直気が進まないけど、娘がそうしたいって言うならさせてあげたいんです」
左右さんが私を心配してくれて嬉しい。
でも、私だって自分の身を護れる様になりたいし目標だってある。
「リアン、パパと同じ黒帯が欲しいです。だから一生懸命頑張ります」
「梨杏ちゃん……」
勿論本当の目標である。
でも一番は、左右さんが道場に通っている間に1人で待つのなら、一緒同じコトをやりたいのだ。
「ほう、良いガッツだ。良し、早速着替えてきなさい」
「はいっ」
私は広瀬さんから道着を渡されて更衣室で着替え、戻ってきた。
生地が厚く、これならテレビで観る様に幾ら引っ張っても破れたりしなさそうだ。
「……広瀬さん、娘の写真を撮って良いですか?」
「おう、構わん。どんどん撮れ!」
許可を貰うとすぐに、左右さんは道着姿の私を色んな角度から撮影した。
撮られるコト。
後々の為に今の内から慣れなければいけない。
ちなみに、柔道の黒帯(初段)の取得は14歳になって初めて受験出来る様になるのでそれまで頑張ろう。
☆新規計画達成項目
・2017年4月12日 左右さんと共通の趣味が出来た。
左右さんが仕事から帰って来てすぐ、私は夜の街を一緒に歩いている。
おばあちゃんちや孤児院と違い、ここは夜も明るい。
これから向かうのは左右さんが毎週水曜日通っている広瀬道場である。
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昨日、夕食後。
「毎週水曜日は残業は無いんだけど、僕は道場に通ってるから先にご飯を食べてて良いよ」
「パパ、武道を習ってるのですか? 私も一緒に通いたいです」
営業なのに細身ながら筋肉質の左右さんは何か運動をしているのかなと思ったら、なんと毎週柔道の道場へ通っているとのコト。
空手をやっていたコトは知ってたけど、他にも剣道の経験もありとても強いのだ。
「凄く嬉しいけど、梨杏ちゃんが怪我をするのは嫌だなぁ」
「大丈夫です。それに私も自分の身を護れる様になりたいのです」
左右さんは逞しい腕を組んで首を傾ける。悩む姿も素敵である。
でも結局は折れて、明日仕事から帰って私を連れて行ってくれるコトにした。
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マンションを出て3分ほど歩くと、広瀬道場に到着した。
中に入ると広い部屋一面に畳が敷かれてあり、私よりも小さな子からお爺さんまで様々な練習を行っている。
「わたぬき商事に入社してからずっと通ってるんだ。柔道の他にも空手もここで習ってたよ。
今は柔道だけ続けてるけどね」
「ふふっ、強い人は素敵です」
左右さんが照れて可愛いと思っていると、道場の奥から彼よりも一回り大きな男の人が私達の前に来た。
「よぉ、左右。この子がお前の娘になった子か?」
まるで着ぐるみを着ている様に身体が大きな人。
見上げると、顔は怖いけど笑顔で私を向いていた。
「か、華燭梨杏です。宜しくお願いしますっ」
「可愛いお嬢ちゃんだ。俺は広瀬和幸って言うここの道場主で、オリンピックで柔道の金メダルも獲ってるんだぜ」
金メダリスト。
左右さんが小さく見えるこの人はとても凄い人の様だ。
「ところで、左右よぉ。こんなちっこい……可愛らしい女の子に本当に柔道をさせるのか?」
「僕も正直気が進まないけど、娘がそうしたいって言うならさせてあげたいんです」
左右さんが私を心配してくれて嬉しい。
でも、私だって自分の身を護れる様になりたいし目標だってある。
「リアン、パパと同じ黒帯が欲しいです。だから一生懸命頑張ります」
「梨杏ちゃん……」
勿論本当の目標である。
でも一番は、左右さんが道場に通っている間に1人で待つのなら、一緒同じコトをやりたいのだ。
「ほう、良いガッツだ。良し、早速着替えてきなさい」
「はいっ」
私は広瀬さんから道着を渡されて更衣室で着替え、戻ってきた。
生地が厚く、これならテレビで観る様に幾ら引っ張っても破れたりしなさそうだ。
「……広瀬さん、娘の写真を撮って良いですか?」
「おう、構わん。どんどん撮れ!」
許可を貰うとすぐに、左右さんは道着姿の私を色んな角度から撮影した。
撮られるコト。
後々の為に今の内から慣れなければいけない。
ちなみに、柔道の黒帯(初段)の取得は14歳になって初めて受験出来る様になるのでそれまで頑張ろう。
☆新規計画達成項目
・2017年4月12日 左右さんと共通の趣味が出来た。
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