3 / 60
小学校編
結婚六カ年計画 2
しおりを挟む
2017年4月1日土曜日。午前10時半。
今日は左右さんと初デート。
在来線の他に新幹線や地下鉄が通る、御鶴県の玄関口でもある美田園中央駅までバスで移動し、駅西口に並ぶデパートでお買い物である。
明日は車でドライブへ連れて行ってくれるとのコトだし、二日連続でデートだなんてとても嬉しい。
左右さんと手を繋いだままバスを降りる。
スーツ姿の左右さんも素敵だけど、私服も素敵であり正直目のやり場に困る程だ。
鍛えているだけあり、筋肉質でありながら細身の身体でスタイルも抜群。それでいて大変な美形である。
それ故に異性の注目を浴びやすく、通り過ぎた若い女性達の黄色い声が耳に入り、私は危機感を覚えた。
「ねぇ、今の男の人かっこ良くなかった? 子連れだったけど」
「うんうんっ! モデルかな?」
左右さんも聞こえてた様で、あははと苦笑した。
内心不満にも思ったけれど、あのおば……お姉さん達の評価は正しいので私は左右さんに言った。
「ふふっ、リアンのパパはモテモテです」
「あはは、ありがとう。
でもね、もし本当に僕がモテるなら34歳になっても独身じゃないさ」
それは今まで出会った女達の見る目が無かったからだ。
でも私は違う。
半年前にあなたと出会った時に私は、すぐ恋に落ちてしまったのだから。
「ええと、梨杏ちゃん。
君は僕の元へ来てくれたけど、何かやりたいコトってある?
可能な限り協力するよ」
やりたいコト。
そんなのは一つに決まっている。
「う~ん……今はわかりません。思い浮かんだらお伝えします」
今日は日が悪いので明日伝えるコトにした。
「分かった。何をしようとしても応援するからね」
嬉しいなぁと思いながら私は左右さんの手を強く握る。
「代わりに、今日欲しい物をお伝えしても良いですか?」
「うんっ、欲しいものある?」
「本屋でmoom(子供向けのファッション誌)を買って、
一緒にご飯を食べてから午後は服や下着を買いたいです!」
最後の言葉に左右さんが反応し、ピタリと足を止めた。
まだ3月なのに首元に汗がだらだら流れて始めた。
「ふ、服や下着は……お金渡すから自分で選べる?」
困った表情を浮かべ左右さんが訪ねてくる。
「…………。私、寂しいです」
「…………!」
私は俯いてぼそりと呟くと左右さんは慌てた。
悪いと思いながらもものすごく心配してくれているのが分かり、彼が訂正した。
「さ、寂しい思いをさせてごめん。
確かに梨杏ちゃんを一人にしたら危ないし、
保護者としてずっとついてるよ!」
――よし、言質取ったり。
「ありがとうございます、パパ。
試着してお見せしますので、感想教えて下さいねっ」
「うんっ……って、ええっ?!」
私は、左右さんの手を引いて一件目の本屋へ向かった。
☆新規計画達成項目
・2017年4月1日 左右さんと初デート。
今日は左右さんと初デート。
在来線の他に新幹線や地下鉄が通る、御鶴県の玄関口でもある美田園中央駅までバスで移動し、駅西口に並ぶデパートでお買い物である。
明日は車でドライブへ連れて行ってくれるとのコトだし、二日連続でデートだなんてとても嬉しい。
左右さんと手を繋いだままバスを降りる。
スーツ姿の左右さんも素敵だけど、私服も素敵であり正直目のやり場に困る程だ。
鍛えているだけあり、筋肉質でありながら細身の身体でスタイルも抜群。それでいて大変な美形である。
それ故に異性の注目を浴びやすく、通り過ぎた若い女性達の黄色い声が耳に入り、私は危機感を覚えた。
「ねぇ、今の男の人かっこ良くなかった? 子連れだったけど」
「うんうんっ! モデルかな?」
左右さんも聞こえてた様で、あははと苦笑した。
内心不満にも思ったけれど、あのおば……お姉さん達の評価は正しいので私は左右さんに言った。
「ふふっ、リアンのパパはモテモテです」
「あはは、ありがとう。
でもね、もし本当に僕がモテるなら34歳になっても独身じゃないさ」
それは今まで出会った女達の見る目が無かったからだ。
でも私は違う。
半年前にあなたと出会った時に私は、すぐ恋に落ちてしまったのだから。
「ええと、梨杏ちゃん。
君は僕の元へ来てくれたけど、何かやりたいコトってある?
可能な限り協力するよ」
やりたいコト。
そんなのは一つに決まっている。
「う~ん……今はわかりません。思い浮かんだらお伝えします」
今日は日が悪いので明日伝えるコトにした。
「分かった。何をしようとしても応援するからね」
嬉しいなぁと思いながら私は左右さんの手を強く握る。
「代わりに、今日欲しい物をお伝えしても良いですか?」
「うんっ、欲しいものある?」
「本屋でmoom(子供向けのファッション誌)を買って、
一緒にご飯を食べてから午後は服や下着を買いたいです!」
最後の言葉に左右さんが反応し、ピタリと足を止めた。
まだ3月なのに首元に汗がだらだら流れて始めた。
「ふ、服や下着は……お金渡すから自分で選べる?」
困った表情を浮かべ左右さんが訪ねてくる。
「…………。私、寂しいです」
「…………!」
私は俯いてぼそりと呟くと左右さんは慌てた。
悪いと思いながらもものすごく心配してくれているのが分かり、彼が訂正した。
「さ、寂しい思いをさせてごめん。
確かに梨杏ちゃんを一人にしたら危ないし、
保護者としてずっとついてるよ!」
――よし、言質取ったり。
「ありがとうございます、パパ。
試着してお見せしますので、感想教えて下さいねっ」
「うんっ……って、ええっ?!」
私は、左右さんの手を引いて一件目の本屋へ向かった。
☆新規計画達成項目
・2017年4月1日 左右さんと初デート。
1
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。



ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる