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第二部
第9話 私が冒険者になった理由(4)
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扉を開き、私達は部屋に入る。
魔術師の研究室の様な部屋で数多の本棚や魔法陣、変な液体……そして一人のピンク色の髪の女が居た。
この屋敷の主人の様で、紅い瞳と私に劣らずの白衣を着ても分かる巨乳が目を引く。
「家をうろつく芋虫共め……何処の誰かしら」
会話する備えはあるらしい。
上手く行けば戦闘も無く立ち退いて貰うコトも可能そうだ。
魔術師の領域内で本人と戦闘する事はどう考えても愚策である。
「彼女はこの屋敷を公爵から買い取ったヴェルダンディの魔塔の使者で私は護衛の冒険者ラフィーナ。
所有権は魔塔にあるのだからあんたにはココから立ち退いて貰うわよ」
「マラブル侯爵家の次女サラと申します。
ラフィーナさんが仰る通りにここは我がヴェルダンディの魔塔の所有物であり貴方な不法占拠をしております。
直ちに立ち退いて頂けるなら穏便に済ませるコトをお約束し致ましょう」
私達がそう伝えると、当然の様に女は一笑した。
「笑わせないで。ココを追い出されたら私、どこでにわとり魔法の研究をすればいいのよ」
「に、にわとり魔法?」
間抜けな単語に対し思わす私は聞き返す。
「そうよ、私は魔術師リュシー。
にわとり魔法を極める為にこの場所で研究しているの」
彼女は机の下から一階の天井に設置してあった鳩時計を取り出す。
魔法で鳩時計を宙に浮かせ、えいっ、と一声上げるとその中からにわとりが一羽、ぽとりと床に落ちた。
「ねっ、ねっ、見た?
この無限にわとり時計があればいつでもどこでもにわとりを生み出せるの。
卵から成長するする過程をスッ飛ばし、食べるも良し、愛でるも良し、産ませるも良しの三拍子よ!
一家に一台あれば貧しくても最低限の生活は保障される……特許取らなきゃ」
熱弁する桃髪の女に唖然としながら聞く私達。
食べられる魔法生物なのかとふと思ったが、そんなコトはどうでも良い。
「……分かったから、さっさと出ていきなさい」
「にわとりを愛でらえるコトは魅力的ですが、他の場所でやってください」
「…………。邪魔はさせないわ。魔素が濃いこの場所が研究に丁度良いんだから。
あんた達なんて、懲らしめてやるんだから!」
******
白衣の女は杖を召喚し空に掲げる。
私はサラの前に出て、如何なる魔法に備えた。
「冒険者風情とつるぺた魔術師……にわとり様に跪きなさい!」
「なっ、我が一族を愚弄するなんて許しませんからね!」
何故一族を巻き添えにすると思ったが、そう言えばマラブル家は貧乳の家系としても有名だった。
「貴女は他人に見せびらかす位大きいのでしょうけど、すぐに垂れるんですから!」
「やめてサラ、その言葉はあたしにも効く」
「ふ、ふざけるなーっ!」
空中に浮く女の杖がぐるぐると回り始める。何か始まる。
回転する杖から桃色の光の円が発生し、その中から次々とにわとりが現れた。
――拙い、十匹以上居る!
「行けッ、愛しきにわとり様よ!」
攻撃性の高い魔法生物のにわとり達が一斉に私達の元に雪崩れ込む。
「ちっ!」
私はサラを抱きかかえる。
「ラフィーナさん!」
「離れない様にしがみついて!」
サラは私の服を掴む。
私は半呼吸軽く行い、壁際の本棚まで跳躍した。
「なっ……なんなの?!」
ピンク頭が驚いている内に私はサラを本棚の最上段に優しく下す。
すぐさま本棚の上から跳び、床に着地してにわとり達を次々と蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされた鶏は壁にめり込みながら動かなくなる。
「あ、あああ何てコトを……ぎゃっ!」
「煩いねぇ」
にわとりの内一匹を女めがけて蹴り飛ばす。
吹き飛んだにわとりは女の頭に命中し、彼女は気絶した。
彼女が気絶すると杖は消え、同時ににわとり達も消滅し、私はその間に女をロープで縛ってやった。
******
「ん、ん……いたたたぁ」
数分後、女は目を覚ました。
「目が覚めたね。さあ、どうする?」
私がピンク頭に聞くと、彼女は首を横に振った。
「負けたわ。諦めてココを出ていくよ。迷惑かけてごめんね?」
意外と素直に従ってくれる様だ。
それにしてもこの女、魔法はとても個性的ではあるがその力には目を見張るものがある。
道を誤らなければ稀代の魔術師になっていたのかもしれない。
いや、もしかしたら今からでも――。
私はサラを見ると少女は首を縦に振った。
「恐らく私もラフィーナさんと同じコトを考えています。お任せ頂けませんか?」
私は返事の代わりに微笑んだ。
「リュシーさんと仰いましたね」
「やめてっ、私を引ん剝くつもり?!」
突然このピンクは何を言い出すのかと思ったが、少女は淡々と言葉を続ける。
「差し支えなければ……魔塔で貴女の力、活かしてみませんか?
にわとり魔法は私には高等な魔法で理解が追いつきませんが、貴女には自身で仰った通り、誰かの生活を豊かに出来る可能性がございます。
リュシーさんが宜しければ、私と共にヴェルダンディの魔塔へ来て頂きたいのです」
「まぁ、魔塔はどこも慢性的な人手不足なんだ。
生活に結び付く魔法だって研究してるし、寧ろ最近はそっちが主流だ。
あたしにはあんたのその方向性が正しいかはわからないけど大量にあの強力なにわとりを産む魔力は本物だし、サラと魔塔へ行ったらどうだい?」
暫く黙るピンク頭の女。
サラからの提案に迷っている様であり、下を向いて考えている。
少し間を置いて彼女は口を開いた。
「……本当に私、誰かの役に立てるかなぁ」
「あのにわとりが簡単に食べられるのなら飢える人は確実に減るね」
「そっかぁ。じゃあ私、二人の言う通りにする」
「有難う御座います、リュシーさん。これから宜しくお願いします」
嘘はついていないなと思い、私はリュシーの縄を解き彼女の手を握る。
彼女は私の手を掴み、ゆっくりと立ち上がった。
「ラフィーナさんも本当に有難う御座います。貴女のお陰で依頼が上手く行きました」
「なーに、何かあったらあたしを指名して依頼するんだよ。それじゃあ帰ろうか」
(嫌な予感がずっとしていたのだけれども……気のせいだった様かぁ。
私のカンも偶には外れるものだね)
私達は部屋を後にした。
******
廊下を歩き出した瞬間。
「…………?!」
突然、身の毛がよだつ。
同行している二人も異変にすぐ気づき、それぞれ杖を構えた。
――何故か、急に銀鷲の玉枝亭で出会った際のサラの言葉を思い出す。
『北のソルボン領に在る、とある屋敷の調査を行って頂きたいのです。
その屋敷を含む一帯に非常に高い魔素が含まれている事が判明しました。
故に魔塔で周辺の土地ごと屋敷をソルボン侯爵から買い取っています。
屋敷自体の入場は今回が初めてであり、護衛及び調査、そして危険の排除をお願いする為に今回の依頼に至りました』
見落としていた。
何故、この場所は魔素が濃いんだろうか?
理由は色々あるが今回のケースは……成程、そう言うコトか。
嗚呼、我ながら何て体たらく。
新鋭だと煽てられれば調子に乗り、大切な情報を私は見落としていた。
******
「ああっ、これは……」
強い力に当てられたからか、サラは腰を抜かしその場に崩れてしまう。
部屋を出て廊下を進もうとしたら突然目の前の空間が歪み始めたのだ。
私は天を仰ぎたくなる気分を必死で抑える。
やはり、嫌な予感は当たるのだ。
魔素が濃い理由は異界と繋がり易いからである。
どうやら私達は運悪く、数十年に一度あるかどうかのこの世界と異界が繋がる瞬間に立ち会ってしまったらしい。
それは大体の場合、災厄とも称する事が出来る規模の異界の生物を一体産み落とし、歪みは少しずつ消えていく。
役目を終えた歪みが完全に消えた。
代わりに歪みは『何か』を産み落とす。
牛の倍程の大きさの青い竜が、赤い目で私達を見下ろしていた。
魔術師の研究室の様な部屋で数多の本棚や魔法陣、変な液体……そして一人のピンク色の髪の女が居た。
この屋敷の主人の様で、紅い瞳と私に劣らずの白衣を着ても分かる巨乳が目を引く。
「家をうろつく芋虫共め……何処の誰かしら」
会話する備えはあるらしい。
上手く行けば戦闘も無く立ち退いて貰うコトも可能そうだ。
魔術師の領域内で本人と戦闘する事はどう考えても愚策である。
「彼女はこの屋敷を公爵から買い取ったヴェルダンディの魔塔の使者で私は護衛の冒険者ラフィーナ。
所有権は魔塔にあるのだからあんたにはココから立ち退いて貰うわよ」
「マラブル侯爵家の次女サラと申します。
ラフィーナさんが仰る通りにここは我がヴェルダンディの魔塔の所有物であり貴方な不法占拠をしております。
直ちに立ち退いて頂けるなら穏便に済ませるコトをお約束し致ましょう」
私達がそう伝えると、当然の様に女は一笑した。
「笑わせないで。ココを追い出されたら私、どこでにわとり魔法の研究をすればいいのよ」
「に、にわとり魔法?」
間抜けな単語に対し思わす私は聞き返す。
「そうよ、私は魔術師リュシー。
にわとり魔法を極める為にこの場所で研究しているの」
彼女は机の下から一階の天井に設置してあった鳩時計を取り出す。
魔法で鳩時計を宙に浮かせ、えいっ、と一声上げるとその中からにわとりが一羽、ぽとりと床に落ちた。
「ねっ、ねっ、見た?
この無限にわとり時計があればいつでもどこでもにわとりを生み出せるの。
卵から成長するする過程をスッ飛ばし、食べるも良し、愛でるも良し、産ませるも良しの三拍子よ!
一家に一台あれば貧しくても最低限の生活は保障される……特許取らなきゃ」
熱弁する桃髪の女に唖然としながら聞く私達。
食べられる魔法生物なのかとふと思ったが、そんなコトはどうでも良い。
「……分かったから、さっさと出ていきなさい」
「にわとりを愛でらえるコトは魅力的ですが、他の場所でやってください」
「…………。邪魔はさせないわ。魔素が濃いこの場所が研究に丁度良いんだから。
あんた達なんて、懲らしめてやるんだから!」
******
白衣の女は杖を召喚し空に掲げる。
私はサラの前に出て、如何なる魔法に備えた。
「冒険者風情とつるぺた魔術師……にわとり様に跪きなさい!」
「なっ、我が一族を愚弄するなんて許しませんからね!」
何故一族を巻き添えにすると思ったが、そう言えばマラブル家は貧乳の家系としても有名だった。
「貴女は他人に見せびらかす位大きいのでしょうけど、すぐに垂れるんですから!」
「やめてサラ、その言葉はあたしにも効く」
「ふ、ふざけるなーっ!」
空中に浮く女の杖がぐるぐると回り始める。何か始まる。
回転する杖から桃色の光の円が発生し、その中から次々とにわとりが現れた。
――拙い、十匹以上居る!
「行けッ、愛しきにわとり様よ!」
攻撃性の高い魔法生物のにわとり達が一斉に私達の元に雪崩れ込む。
「ちっ!」
私はサラを抱きかかえる。
「ラフィーナさん!」
「離れない様にしがみついて!」
サラは私の服を掴む。
私は半呼吸軽く行い、壁際の本棚まで跳躍した。
「なっ……なんなの?!」
ピンク頭が驚いている内に私はサラを本棚の最上段に優しく下す。
すぐさま本棚の上から跳び、床に着地してにわとり達を次々と蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされた鶏は壁にめり込みながら動かなくなる。
「あ、あああ何てコトを……ぎゃっ!」
「煩いねぇ」
にわとりの内一匹を女めがけて蹴り飛ばす。
吹き飛んだにわとりは女の頭に命中し、彼女は気絶した。
彼女が気絶すると杖は消え、同時ににわとり達も消滅し、私はその間に女をロープで縛ってやった。
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「ん、ん……いたたたぁ」
数分後、女は目を覚ました。
「目が覚めたね。さあ、どうする?」
私がピンク頭に聞くと、彼女は首を横に振った。
「負けたわ。諦めてココを出ていくよ。迷惑かけてごめんね?」
意外と素直に従ってくれる様だ。
それにしてもこの女、魔法はとても個性的ではあるがその力には目を見張るものがある。
道を誤らなければ稀代の魔術師になっていたのかもしれない。
いや、もしかしたら今からでも――。
私はサラを見ると少女は首を縦に振った。
「恐らく私もラフィーナさんと同じコトを考えています。お任せ頂けませんか?」
私は返事の代わりに微笑んだ。
「リュシーさんと仰いましたね」
「やめてっ、私を引ん剝くつもり?!」
突然このピンクは何を言い出すのかと思ったが、少女は淡々と言葉を続ける。
「差し支えなければ……魔塔で貴女の力、活かしてみませんか?
にわとり魔法は私には高等な魔法で理解が追いつきませんが、貴女には自身で仰った通り、誰かの生活を豊かに出来る可能性がございます。
リュシーさんが宜しければ、私と共にヴェルダンディの魔塔へ来て頂きたいのです」
「まぁ、魔塔はどこも慢性的な人手不足なんだ。
生活に結び付く魔法だって研究してるし、寧ろ最近はそっちが主流だ。
あたしにはあんたのその方向性が正しいかはわからないけど大量にあの強力なにわとりを産む魔力は本物だし、サラと魔塔へ行ったらどうだい?」
暫く黙るピンク頭の女。
サラからの提案に迷っている様であり、下を向いて考えている。
少し間を置いて彼女は口を開いた。
「……本当に私、誰かの役に立てるかなぁ」
「あのにわとりが簡単に食べられるのなら飢える人は確実に減るね」
「そっかぁ。じゃあ私、二人の言う通りにする」
「有難う御座います、リュシーさん。これから宜しくお願いします」
嘘はついていないなと思い、私はリュシーの縄を解き彼女の手を握る。
彼女は私の手を掴み、ゆっくりと立ち上がった。
「ラフィーナさんも本当に有難う御座います。貴女のお陰で依頼が上手く行きました」
「なーに、何かあったらあたしを指名して依頼するんだよ。それじゃあ帰ろうか」
(嫌な予感がずっとしていたのだけれども……気のせいだった様かぁ。
私のカンも偶には外れるものだね)
私達は部屋を後にした。
******
廊下を歩き出した瞬間。
「…………?!」
突然、身の毛がよだつ。
同行している二人も異変にすぐ気づき、それぞれ杖を構えた。
――何故か、急に銀鷲の玉枝亭で出会った際のサラの言葉を思い出す。
『北のソルボン領に在る、とある屋敷の調査を行って頂きたいのです。
その屋敷を含む一帯に非常に高い魔素が含まれている事が判明しました。
故に魔塔で周辺の土地ごと屋敷をソルボン侯爵から買い取っています。
屋敷自体の入場は今回が初めてであり、護衛及び調査、そして危険の排除をお願いする為に今回の依頼に至りました』
見落としていた。
何故、この場所は魔素が濃いんだろうか?
理由は色々あるが今回のケースは……成程、そう言うコトか。
嗚呼、我ながら何て体たらく。
新鋭だと煽てられれば調子に乗り、大切な情報を私は見落としていた。
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「ああっ、これは……」
強い力に当てられたからか、サラは腰を抜かしその場に崩れてしまう。
部屋を出て廊下を進もうとしたら突然目の前の空間が歪み始めたのだ。
私は天を仰ぎたくなる気分を必死で抑える。
やはり、嫌な予感は当たるのだ。
魔素が濃い理由は異界と繋がり易いからである。
どうやら私達は運悪く、数十年に一度あるかどうかのこの世界と異界が繋がる瞬間に立ち会ってしまったらしい。
それは大体の場合、災厄とも称する事が出来る規模の異界の生物を一体産み落とし、歪みは少しずつ消えていく。
役目を終えた歪みが完全に消えた。
代わりに歪みは『何か』を産み落とす。
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