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第一部
第6話 侯爵護衛依頼2(1)
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三日目以降も貴族会議は順調に進んだ。
初日に両侯爵家の次期後継者と紹介されたエトワールさんは他の独身貴族から食事のお誘いの後が立たず、あれから話す機会が減ってしまった。
セリスお姉様も他の貴族達……特に逸材と噂される下級貴族達からのアタックが凄い。
二日目の夜に私を食事に誘ってくれたギニャール公爵にも「是非とも我が娘を!」と推す貴族達が群がっていた。
今回は護衛として参加している他、マラブル侯爵家の次女である故に後継者でもない私には縁のない話である。
政略結婚を行わないとお父様が公言しているし皆大変そうだけど関係ないかなと思っていたのだが、時折、会議に同席している若い子爵や騎士の方から声を掛けられる様になってきた。
「サラ令嬢。会議が終わってから私と30年物のベルフェゴールワインを共に飲みませんか?」
「サラ嬢。今宵、スイートルームの極上の枕で語り合い――」
呆れた。
この国の将来を担う銀鷲の玉枝亭の冒険者達と一緒である。
私は後でお父様へ告げ口し、貴族会議閉会後、全員に厳しい処罰が下った。
そして最終日。
特段トラブルは起こらず、このまま会議は無事終息し依頼も達成出来そうだ。
初日に伝えられていた通り、お父様とお姉様はこのまま私と一緒に交易都市フィルドへ向かう。
多分わざとではないとは思うが、去年あやまって(?)私の胸を揉み、それ以来お母様は荷物をまとめ、妹のクレアを連れてフィルドにある別荘へ来てしまっている。
触ったコトは多分わざとじゃないと思うけど、あの時私の胸に目線が釘付けだったのは覚えている。
「貴族会議も今日でおしまいね、サラ」
会議中断中に家族で寛いでいるとエトワールさんが話しかけてきた。
「そうですね。お父様、依頼は今日何もなければ達成で宜しいですか?」
「ああ、そうだね。……エトワール嬢は会議後どうするのかね?」
「あたしはフィルドへ帰ります。おじい……侯爵は首都で用事があるので残りますが」
エトワールさんも帰るんだ、と思ったら、セリスお姉様が私の背中に手を当てて身を寄せながら言った。
「でしたら私達と同じ馬車で向かいませんか? サラが普段どんな風に冒険者の宿で暮らしているかお聞きしたいですし」
「わぁ、是非。サラから素敵なお姉様だとお聞きしていたのでお誘い嬉しいです。恐らく本人が絶対に言わないコトもあると思いますしその辺りをお伝え致します」
「あ、あのう二人とも……」
いつの間にか二人が仲良くなって喜ばしいものの、帰りの馬車の中が恐怖であると感じた。
午後。
最後の議題も順調に進む。
このまま会議も閉会だと誰もが思っている時。
突然入り口の扉が開いた。
その先には全身に紫色の法衣の様なものを纏った――。
表情は見えないが、恐らく男と思われる人物が立っていた。
「…………」
不審者? 廊下に居た兵士達は??
紫の男は無言で手に持っていた青い水晶玉を掲げる。
――何か、する。
瞬間。
武芸の心得のある下級貴族や私の様な護衛者等が。
一斉に紫の男を無効化しようと各々の際的手段を用いようとした。
同時にガブリエル第一皇子を囲う様に近衛兵が四人集結する。
私もお父様とお姉様の前に立ち杖を構えていた。
その時。
「呪術だ、伏せろ!」
ヴィルフリート様が叫ぶ。
彼の声に反応し皆は一斉に屈むと、鋭利なブーメラン状の衝撃波が一同の頭上を越えた。
剣聖様の適切な指示のお陰で風の刃は誰も傷を付けずにほっとする。
そう思った瞬間。
ビュンッ!
ギニャール公爵がいつの間にか持っていた兵士の槍を右手で大きく振りかぶる。
瞬きをする間もなく槍は男の顔面を射抜き、そのまま廊下の壁へ磔になった。
男が立っていた位置で水晶玉が粉々に砕け散っていた。
「て、敵襲だ!」
兵士の一人が魔術師の死体を確認しに会議室を出て廊下へ出る。
「…………!!」
初めに室外へ躍り出た兵士は何かを確認してしまうとその場で腰を抜かし、尻餅をつく。
何事だと思い他の兵士や貴族達も廊下へ出ると、そこには目を疑いたくなる程凄惨な光景が視界に飛び込んだ。
視界には飛び込んだ赤。
嗅覚には思わず意識を失いそうになる悪臭。
天井や壁等、あらゆる方向に鮮血と、人であったモノの肉片が廊下を紅に染めていた。
少なくても会議室の前のこの通路だけでも二十人以上の兵士が警備していた筈だ。
それなのにまるで、猛獣の様に人を引き千切って振り撒いた様な形跡があり、あの魔術師が単独で行った仕業とは到底思えない。
「これは、一体――――」
動揺を見せまいとしながら、セリスお姉様は辺りを見渡す。
一見して分かるコトはあの魔術師が行ったのかは分からないがココで殺戮が行われたコト。
それも物理的な方法で、だ。
ここまですれば当然大きな物音した筈である。
それなのに、音の漏洩を防ぐ為に気密性が高く作られているこの会議室の中であれ、戦闘の衝撃は伝わる筈であるが誰も気づかなかった。
千切れた肉片から漏れる臓物の強い匂いは紛れもなく本物だ。
現実なのだ。
現実を受け入れて急いで考える必要がある。
「他にも敵が居る筈だ、探せッ!」
一部の貴族や兵士達が館内を進み始める。
公爵御三家とその関係者は全員、兵士達を束ね指示を出すと共に廊下を北側に向かった。
出入口は南側だが館内を制圧する様である。
一方で戦う力の無い貴族達はその場でどう動くか迷っていた。
護衛と共に出入口へ向かうのか、それともどこかに避難するか……。
「サラ、あたし達は戦えるから悪魔の討伐をしてくるわ」
「お気を付けて、エトワールさん」
彼女はマルシェ侯爵と共に剣を抜き、廊下を北側へ進んで行った。
S級冒険者で剣士の彼女が居れば、余程の事が無ければ無事だとは思う。
手伝いたい気持ちもあるが、私は第一に家族を守らなければならない。
先ずは、どう行動するかを決めなくては。
周囲の状況を正確に確認する為、私は魔力感知の魔法を唱えた。
…………?
掌に魔力が上手く集まらない。
魔力を集めようとすると分散されてしまう。
もしかして、あの紫の男が持っていた水晶は――。
(あっ!)
私は皆に聞こえる様に叫んだ。
「魔法が封じられています! 先程の男は、封魔の水晶を持ってたんです!」
「なんだって?」
お父様は指先に火を点けようとするが、転化した火は一瞬で霧散する。
やはり魔法が封じられてしまったらしく、魔術師にとって致命的な状況である。
「ちっ、これでは……」
珍しくお父様が苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「悪魔だッ!」
貴族達が進んだ通路の北側から叫び声が聞こえた。
その方向を見ると蝙蝠の翼をもつ人型で巨大な悪魔……ガーゴイルが乱舞し兵士達の槍を避けている。
恐らく廊下での殺戮を起こした張本人である。
悪魔が二体・三体と次第に数が増えて乱戦となる。
兵士達の他、腕に覚えのある貴族達が応戦して押している雰囲気はあるものの、次々と増援が来ると厳しい。
何より魔法が使えない為に人と悪魔では肉体の能力で分が悪い為、一部の卓越した能力を持つ兵士や貴族達を除いては苦労している様だ。
「サラ殿、お逃げ下さい! 皆様も、さあ!」
ウェイン卿が私達の方へ駆けつけ、私はこくりと頷き皆で南側の通路に駆ける。
戦う能力が皆無の貴族達は皆同じ方向へ走り出し、私も父と姉から離れない様に共に逃げる事にした。
だが、本来ギニャール公と共に悪魔との戦線に参加する筈のウェイン卿は何故か私と並走している。
「ウェイン様、あなたは公爵のお傍に居なければならないのでは?」
「彼なら大丈夫でしょう。今や私よりも遥かに剣技は上です」
「そうではなく、公爵の護衛騎士としてのお役目が――」
私が問うとウェイン卿はニヤリと笑う。
「主人の勅命により命に代えてもあなた様をお守りする様にと仰せつかっております。故に、ご一緒に同行させて頂く栄誉を賜り下さい」
「えっ?」
四人しか居ない名誉騎士。
ギニャール公爵は、そんな彼を第一王子ではなくたかが私なんかの護衛につけると言うのだ。
捉え様によっては王族に対する背信行為ともされるリスクを負って彼は、どうして……?
共に逃げるお父様とお姉様は先程から表情を崩しており、ウェイン卿もその意味を分かっている様で口元が笑みを含んでいた。
釈然としないけど……後で公爵に感謝しなければならない。
「ありがとうございます、ウェイン様。ご協力お願い致します」
「とんでもございません。私の方こそマラブル家を護衛させて頂き光栄で御座います」
走れば、外へ出るだけなら数分で事足りる距離。
私達は他の貴族達を共に懸命に出口へ向かうのだった。
初日に両侯爵家の次期後継者と紹介されたエトワールさんは他の独身貴族から食事のお誘いの後が立たず、あれから話す機会が減ってしまった。
セリスお姉様も他の貴族達……特に逸材と噂される下級貴族達からのアタックが凄い。
二日目の夜に私を食事に誘ってくれたギニャール公爵にも「是非とも我が娘を!」と推す貴族達が群がっていた。
今回は護衛として参加している他、マラブル侯爵家の次女である故に後継者でもない私には縁のない話である。
政略結婚を行わないとお父様が公言しているし皆大変そうだけど関係ないかなと思っていたのだが、時折、会議に同席している若い子爵や騎士の方から声を掛けられる様になってきた。
「サラ令嬢。会議が終わってから私と30年物のベルフェゴールワインを共に飲みませんか?」
「サラ嬢。今宵、スイートルームの極上の枕で語り合い――」
呆れた。
この国の将来を担う銀鷲の玉枝亭の冒険者達と一緒である。
私は後でお父様へ告げ口し、貴族会議閉会後、全員に厳しい処罰が下った。
そして最終日。
特段トラブルは起こらず、このまま会議は無事終息し依頼も達成出来そうだ。
初日に伝えられていた通り、お父様とお姉様はこのまま私と一緒に交易都市フィルドへ向かう。
多分わざとではないとは思うが、去年あやまって(?)私の胸を揉み、それ以来お母様は荷物をまとめ、妹のクレアを連れてフィルドにある別荘へ来てしまっている。
触ったコトは多分わざとじゃないと思うけど、あの時私の胸に目線が釘付けだったのは覚えている。
「貴族会議も今日でおしまいね、サラ」
会議中断中に家族で寛いでいるとエトワールさんが話しかけてきた。
「そうですね。お父様、依頼は今日何もなければ達成で宜しいですか?」
「ああ、そうだね。……エトワール嬢は会議後どうするのかね?」
「あたしはフィルドへ帰ります。おじい……侯爵は首都で用事があるので残りますが」
エトワールさんも帰るんだ、と思ったら、セリスお姉様が私の背中に手を当てて身を寄せながら言った。
「でしたら私達と同じ馬車で向かいませんか? サラが普段どんな風に冒険者の宿で暮らしているかお聞きしたいですし」
「わぁ、是非。サラから素敵なお姉様だとお聞きしていたのでお誘い嬉しいです。恐らく本人が絶対に言わないコトもあると思いますしその辺りをお伝え致します」
「あ、あのう二人とも……」
いつの間にか二人が仲良くなって喜ばしいものの、帰りの馬車の中が恐怖であると感じた。
午後。
最後の議題も順調に進む。
このまま会議も閉会だと誰もが思っている時。
突然入り口の扉が開いた。
その先には全身に紫色の法衣の様なものを纏った――。
表情は見えないが、恐らく男と思われる人物が立っていた。
「…………」
不審者? 廊下に居た兵士達は??
紫の男は無言で手に持っていた青い水晶玉を掲げる。
――何か、する。
瞬間。
武芸の心得のある下級貴族や私の様な護衛者等が。
一斉に紫の男を無効化しようと各々の際的手段を用いようとした。
同時にガブリエル第一皇子を囲う様に近衛兵が四人集結する。
私もお父様とお姉様の前に立ち杖を構えていた。
その時。
「呪術だ、伏せろ!」
ヴィルフリート様が叫ぶ。
彼の声に反応し皆は一斉に屈むと、鋭利なブーメラン状の衝撃波が一同の頭上を越えた。
剣聖様の適切な指示のお陰で風の刃は誰も傷を付けずにほっとする。
そう思った瞬間。
ビュンッ!
ギニャール公爵がいつの間にか持っていた兵士の槍を右手で大きく振りかぶる。
瞬きをする間もなく槍は男の顔面を射抜き、そのまま廊下の壁へ磔になった。
男が立っていた位置で水晶玉が粉々に砕け散っていた。
「て、敵襲だ!」
兵士の一人が魔術師の死体を確認しに会議室を出て廊下へ出る。
「…………!!」
初めに室外へ躍り出た兵士は何かを確認してしまうとその場で腰を抜かし、尻餅をつく。
何事だと思い他の兵士や貴族達も廊下へ出ると、そこには目を疑いたくなる程凄惨な光景が視界に飛び込んだ。
視界には飛び込んだ赤。
嗅覚には思わず意識を失いそうになる悪臭。
天井や壁等、あらゆる方向に鮮血と、人であったモノの肉片が廊下を紅に染めていた。
少なくても会議室の前のこの通路だけでも二十人以上の兵士が警備していた筈だ。
それなのにまるで、猛獣の様に人を引き千切って振り撒いた様な形跡があり、あの魔術師が単独で行った仕業とは到底思えない。
「これは、一体――――」
動揺を見せまいとしながら、セリスお姉様は辺りを見渡す。
一見して分かるコトはあの魔術師が行ったのかは分からないがココで殺戮が行われたコト。
それも物理的な方法で、だ。
ここまですれば当然大きな物音した筈である。
それなのに、音の漏洩を防ぐ為に気密性が高く作られているこの会議室の中であれ、戦闘の衝撃は伝わる筈であるが誰も気づかなかった。
千切れた肉片から漏れる臓物の強い匂いは紛れもなく本物だ。
現実なのだ。
現実を受け入れて急いで考える必要がある。
「他にも敵が居る筈だ、探せッ!」
一部の貴族や兵士達が館内を進み始める。
公爵御三家とその関係者は全員、兵士達を束ね指示を出すと共に廊下を北側に向かった。
出入口は南側だが館内を制圧する様である。
一方で戦う力の無い貴族達はその場でどう動くか迷っていた。
護衛と共に出入口へ向かうのか、それともどこかに避難するか……。
「サラ、あたし達は戦えるから悪魔の討伐をしてくるわ」
「お気を付けて、エトワールさん」
彼女はマルシェ侯爵と共に剣を抜き、廊下を北側へ進んで行った。
S級冒険者で剣士の彼女が居れば、余程の事が無ければ無事だとは思う。
手伝いたい気持ちもあるが、私は第一に家族を守らなければならない。
先ずは、どう行動するかを決めなくては。
周囲の状況を正確に確認する為、私は魔力感知の魔法を唱えた。
…………?
掌に魔力が上手く集まらない。
魔力を集めようとすると分散されてしまう。
もしかして、あの紫の男が持っていた水晶は――。
(あっ!)
私は皆に聞こえる様に叫んだ。
「魔法が封じられています! 先程の男は、封魔の水晶を持ってたんです!」
「なんだって?」
お父様は指先に火を点けようとするが、転化した火は一瞬で霧散する。
やはり魔法が封じられてしまったらしく、魔術師にとって致命的な状況である。
「ちっ、これでは……」
珍しくお父様が苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「悪魔だッ!」
貴族達が進んだ通路の北側から叫び声が聞こえた。
その方向を見ると蝙蝠の翼をもつ人型で巨大な悪魔……ガーゴイルが乱舞し兵士達の槍を避けている。
恐らく廊下での殺戮を起こした張本人である。
悪魔が二体・三体と次第に数が増えて乱戦となる。
兵士達の他、腕に覚えのある貴族達が応戦して押している雰囲気はあるものの、次々と増援が来ると厳しい。
何より魔法が使えない為に人と悪魔では肉体の能力で分が悪い為、一部の卓越した能力を持つ兵士や貴族達を除いては苦労している様だ。
「サラ殿、お逃げ下さい! 皆様も、さあ!」
ウェイン卿が私達の方へ駆けつけ、私はこくりと頷き皆で南側の通路に駆ける。
戦う能力が皆無の貴族達は皆同じ方向へ走り出し、私も父と姉から離れない様に共に逃げる事にした。
だが、本来ギニャール公と共に悪魔との戦線に参加する筈のウェイン卿は何故か私と並走している。
「ウェイン様、あなたは公爵のお傍に居なければならないのでは?」
「彼なら大丈夫でしょう。今や私よりも遥かに剣技は上です」
「そうではなく、公爵の護衛騎士としてのお役目が――」
私が問うとウェイン卿はニヤリと笑う。
「主人の勅命により命に代えてもあなた様をお守りする様にと仰せつかっております。故に、ご一緒に同行させて頂く栄誉を賜り下さい」
「えっ?」
四人しか居ない名誉騎士。
ギニャール公爵は、そんな彼を第一王子ではなくたかが私なんかの護衛につけると言うのだ。
捉え様によっては王族に対する背信行為ともされるリスクを負って彼は、どうして……?
共に逃げるお父様とお姉様は先程から表情を崩しており、ウェイン卿もその意味を分かっている様で口元が笑みを含んでいた。
釈然としないけど……後で公爵に感謝しなければならない。
「ありがとうございます、ウェイン様。ご協力お願い致します」
「とんでもございません。私の方こそマラブル家を護衛させて頂き光栄で御座います」
走れば、外へ出るだけなら数分で事足りる距離。
私達は他の貴族達を共に懸命に出口へ向かうのだった。
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