12 / 14
12話
しおりを挟む陸に打ち上げられた魚みたいにピクピクと全身を震わせ、乱れた呼吸を整えている間に先生はズボンも下着を脱ぎ捨て、裸になると手早くゴムを付け、私の中心に昂りを押し当てた。圧倒的な大きさのものがいよいよ挿入ってくる。さっき受け入れる決心をしたとはいえ、やはり身体は緊張で強張る。それを先生も分かっているのか、すぐに挿入れることはせずクチ、クチと入り口の浅い所や陰核に擦り付けてきた。
硬いもので敏感な粒を擦られると1人でに腰が跳ねて、もっとと言わんばかりに自分から押し付けるというはしたない真似をしていた。だが決定的な快感を与えられることがなく、身体に熱が燻り逆に苦しくなってくる。
先生はそんな私の反応に、意地悪気に口角を上げて観察している。が、呼吸は荒く瞳も劣情を孕んでいるのでかなり無理をしているのが何となく分かった。
何故先に進まないのだろうと潤んだ視界が紅潮した先生を映す。
しかし、やはり限界が近かったのか緩く擦っていた昂りの先端がヌプ、と蜜口に入り込んでくる。私は突然の衝撃に引き攣った声を漏らした。
けど先生は何も言わず、苦しそうな顔でゆっくりと腰を進めてくる。
「いっ…!…あっ…やっ…!」
最初に感じたのは圧迫感、遅れてやってきたのは内側が引き攣るような痛みだった。
目で見た時より、今私の中を犯しているものは大きい。十分に濡れていたとはいえ、メリメリと押し広げながら進んでくる昂りは苦しさと痛み、そしてほんの少しの快感を与えてくる。が、手放しで気持ちいいと感じる余裕はまだない。
「…っ、きつ…力抜け…」
「む…り、おっきい…」
両の目からはポロポロと涙が溢れてくる。行けると思ったが、早速挫けそうになってきた。
はあ、はあと荒い呼吸を繰り返す先生はそんな私に啄むようなキスを繰り返し、然りに髪を撫でたりして意識を逸らそうとしてくれる。
苦しいし痛いし熱い。けど先生は私以上に何かに耐えるような顔をして歯を食いしばっている。
慎重に、私にこれ以上の痛みを与えない為に腰を進めている。多分、欲望のまま突き入れないようにしてくれているのだ。
あそこまで勃ち上がった状態だと、早く動きたくて仕方ないはずだ。でも私に必要以上の負担をかけないように我慢してくれている。
私もきついけど、先生も同じくらいきつい。そう思うとこの痛みにもどうにか耐えられる気がしてくるのだから、不思議。
チラリと結合部に目をやると、まだ半分しか埋まってない。
もう全部収まったと思ったのに。私は愕然とした。
「ま、まだはんぶん…」
すると、黙ってた先生が応える。
「…悪い、痛いよな…?やっぱり抜いた方が」
「だ、だめ」
腰を引こうとする先生を私は咄嗟に止めた。
「このまま、つづけてください」
「いや、でも」
「い、痛いですけど、それよりも先生ともっと深く繋がりたい…」
好きな人と身も心も深く結ばれたい、というのは私の夢だった。それが叶いそうなのに、辞めるのは嫌だ。さっきまでは苦痛が何よりも上回っていたが、今は先生との繋がりを求める渇望の方が勝っている。
先生は目を見開き、汗で張り付いた前髪を掻き上げた後大きく息を吐いた。
「…分かった。けど無理はするなよ、痛かったらちゃんと言うか背中に爪立てろ」
「は、はいっ…」
先生が進むスピードを上げた。確かにゆっくりするより、早く挿入れてしまった方が良い気がする。
相変わらず鈍い痛みを伴うが、後半分と思えば耐えられる。それでも顔を顰めて荒い呼吸を繰り返す私に先生は徐にキスしてきた。捩じ込まれた肉厚の舌に自分の舌も呼吸すらも絡め取られ、くぐもった声を漏らす私の身体を突然、鋭い快感が走り抜けた。
「んーー!んぅ…っ」
先生の手が結合部の上、陰核をキュと摘み捏ね出した。与えられた刺激に私の身体はビクビクと跳ね、じんわりと蜜が滲んでくる。それが潤滑油となったのか、剛直の進みが良くなり遂にコツン、と子宮口に亀頭が当たる感覚がした。だが先生は最後の仕上げとばかりに更に腰を押し進め、亀頭をめり込ませる。下から押し上げられる圧迫感が凄い。
未だに私の口腔内に居座っていた先生はやっと唇を解き顔を上げる。何処かホッとした表情だ。
「全部挿入った…ありがとな、頑張ってくれて」
優しく微笑みながら、また髪を撫でる。この仕草が子供と思われてるのでは、と少し不満だったが子供相手にこんなことをするわけもない。その事実に些細な不満は消し飛んだ。
「痛くない?」
「痛みはそんなに…それより、お腹苦しい…」
「あー、やっぱり。腹ちょっと膨らんでるし、きついか」
先生が大きな手でお腹を撫でる。私もお腹を見ると、確かに少し膨らんでるような気が…。あんなのが収まってるならこうなってもおかしくはない。だが、何故だろう。普通に撫でてるだけなのに、いけないことをされてる気分になるのは。
やがて撫でてるだけの先生の手が、突然お腹を優しく押した。その瞬間私は甘ったれたような、か細い喘ぎ声が出てしまった。
「ひぅ…!お、おさないで…」
「悪い、痛かった?ここまで俺の埋まってるんだな、と思ったら興奮して」
謝っといて悪びれてない先生は、わざわざ手のひらを当ててどこまで自分のが挿入っているのか教えてくれる。無駄に色気たっぷりの声で。
更に悪いことに私の脳裏にはさっきの凶器の如き先生の先生が蘇った。あれが今自分の中を隙間なくみっちりと埋めている…。
はしたないことを考えたせいか、膣内が収縮し先生を締め付けてしまった。先生が低い呻き声を出し、眉根を寄せ困ったように笑う。
「…いやらしいこと考えただろ?今締まった…」
「考えてないっ…」
涙目で否定すると「ふーん、まあそういうことにしといてやる」と不遜に言った後深く嘆息し目を閉じた。それから先生はすぐに動こうとはせず、私が慣れるまで待ってくれる。段々息が荒くなり、無理してるのが痛いほど伝わってきた。
散々心配させてしまったからだろうけど、何だか申し訳なくなってきた。圧迫感にも慣れて、痛みも殆ど感じない。だから動いていい、と言おうとしたら先を越された。
「…そろそろ動いていいか?じっとしてるのキツくなってきた」
私の返事を聞く前にゆるゆると律動を開始する。ずっと留まっていたものが急に動き出し、襞に絡みついて擦れる。グチュ…グチュと淫猥な水音と共に膣内を行き来する剛直が奥を優しくノックすると、緩やかな快感を身体が拾い始めた。
12
お気に入りに追加
59
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

密室に二人閉じ込められたら?
水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……


【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる