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10話

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唇に噛みつかれた私は、何度もしているのに未だ慣れることがない息苦しさに翻弄されていた。空気を得ようと僅かに開いた隙間から熱い舌が捩じ込まれ、涙目で必死に応える私の口の中を好き勝手に動き回りながら、先生の手は大胆にキャミソールごと制服を捲り上げた。初めてのことで驚いた身体はピクリ、と震えるも薄らと細められた瞳で見下ろす先生は私が嫌がるどころか、寧ろ望んでいることをとっくに知っているから辞めるわけがない。

流石にブラジャーも押し上げられて、露になった細身に似合わない胸の先端に強く吸いつかれた時はひゃっ!と変な声をあげてしまったけど、先生はその初心な反応を面白がっているみたいにクスクスと笑う。

生暖かい舌が先端をぬるりと舐め上げて、甘噛みされる。もう一方の先端を指でキュッ、と摘まれると出したことのない甘ったるい声が口から溢れて止まらない。

敏感な所を舐めたり捏ねられると、肌がゾワゾワと粟立つが決して不快感ではない。感じたことのない感覚で、恐らくこれが気持ちいい、ということなのだろうとぼんやり思った。

先生は私に痛くないかと声をかけながらも、割としつこく乳首を舐めしゃぶり、果実のように赤く腫れるくらい弄り続けた。時折チリ、とした痛みが走る。私の肩がビクンと跳ねると先生は顔を上げて、宥めるように何度かキスをした。

「悪い、痛かったか?」

私がゆるゆると首を振ると「痕、付けてた」と教えてくれる。

「瑠衣が俺のだって印だよ」

「…そういうの見えるところに付けるんじゃないですか」

「こんなの人から見えたら瑠衣が困るだろ?だから代わりに見えないところにたくさん付けてる」

一週間もしたら消えるけど、と呟く先生は悪戯を成功させた子供を彷彿とさせた。私が先生の…とても良い響き。

後で私も付けたいと言うと二つ返事でOKしてくれる。私が先生のなら、先生も私のだ。だからすぐに消えてしまう痕でもたくさん先生の身体に残したい。そんな自分の中に眠っていた独占欲に驚かされていた。

胸に舌を這わせていた先生の手がゆっくりと下がる。太腿を撫で、スカートの中に入り込み辿り着いた下着の上からグイ、と敏感な箇所を押した。クチ、という水音が聞こえ私はここで自分の身体の変化に気づき顔を赤くした。

「良かった、濡れてる」

嬉しそう呟く先生は下着の隙間から指を差し込み、濡れそぼったそこにヌプリと入り込んでくる。初めての異物感に身体は驚くも、痛みは感じない。スカートの中から聞こえる卑猥な水音がその理由を如実に語ってくれていた。

耳を塞ぎたくなる程の音を態と立てながら、先生はゴツゴツとした指で中を掻き回す。

「んっ、あ、あぁっ…!」

先生の指が自分の中に入っている、と意識するだけで身体がドンドン昂ってくる。未知の感覚に怯えながらも喘ぎを抑えられない私は、先生に聞かれまいと唇を強く噛み顔を逸らす。それを見た先生は顔を顰め、やや乱暴に私の顔を正面に向かせ唇を塞ぎにかかる。

「んんぅ…ふっ…」

舌が口の中を動き回り、互いの唾液が混ざり溢れたものが口の端からツーっと漏れる。

「唇噛むな、顔も隠すな」

「だ、だって、恥ずかしい…」

経験もないのに、キスして少し触れられただけでこんなにも乱れている姿を見られたくなかった。

「俺しか見ないのに、恥ずかしがる必要ないだろ」

正論を言っているが、恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。ヤダヤダと腕で顔を隠す私に、何を思ったのか濡れて役に立たない下着を突然下ろした。抵抗する間も無くそれが足首まで下され、ギョッとした私は咄嗟に腕を外し、先生を見上げると彼は満足げに口角を上げていた。

「あ、やっと顔見れた」

可愛い、とまたキスされるも私は混乱し続けていた。

「な、何を」

「?だって邪魔だろ」

邪魔って何が、と問う前に先生はとんでもない行動に出た。フワリとスカートを捲り上げ、私の足を大きく左右に開こうとする。瞬時に何かを察知した私は足を閉じようとするものの、先生の身体が間に入り込んでその上太腿を押さえつけられているため叶わない。

明るい部屋の中、自分ですら見たことのない場所が先生の眼前に晒されている。その事実に頭が沸騰しそうな程の羞恥に襲われ、ジタバタと踠く。

「や、やだ…見ないで…っ」

プルプルと震える私に先生はじっとりと熱のこもった瞳で濡れた秘裂を見下ろしながら、平然と言った。

「無理だな、ここ。こんなに濡れて…エロい匂いがする」

そして何を血迷ったのか、先生が私の足の間に顔を埋めた。ぬるりと生暖かいものが秘裂に這わされ、それが先生の舌だと気付いた時私はパニックに陥った。そういうことをするのは知識として知っていたが、ファンタジーだと思った。まさか本当に舐める人がいるなんて。

「だ、だめ…先生、そんなこときたな、ああ、う、ああっ」

「汚くない…寧ろ甘い…」

先生は本当に美味しいものでも味わっているかのようにピチャピチャと蜜口を舐めている。制止の言葉を発しても無視された。

彼の舌が下から上へゆっくりと何往復も舐め上げ、溢れた蜜をズズ、ジュル、ジュルと下品な音を立てて啜られた。恥ずかしいのに、辞めて欲しいのに指より柔らかいもので秘所を舐められるのは、また違う気持ちよさに襲われる。割れ目の周辺を丁寧に舐めていた先生は今度は中に舌を挿し込んできた。

「!…は、入っちゃだめ…」

生き物みたいな舌が膣内を縦横無尽に動き回る。襞を抉り、舐め上げ花弁を甘噛みされると途轍もない快楽で満たされ、私は引っ切り無しに喘ぐ。ある一点を舌が掠めた時、鋭い快感が身体を走りピクンと腰が跳ねた。

「あああっ!」

「…ここ?」

ヌポ、と舌を抜いた先生が一言呟く。私は辞めてくれたんだ、と心の底から安堵した。指より気持ち良かったけど恥ずかしくておかしくなるところだった。

だけど私は先生のことをよく分かってなかった。あんなに余裕な態度を取っていた裏で先生がどれだけ我慢して、自分を押さえ込んでいたか。

ふーっと大きく息を吐いた先生は再び顔を埋め…秘裂の上にある腫れ上がった陰核をベロリと舐められた。その瞬間目の前がチカチカと点滅し、今までで一番の刺激に身体がビクン、と跳ね上がる。

「ひゃっ!、そこ、やめ!」

当然辞めてくれるわけもなく、パクリと陰核を口に含まれ舌で嬲られる。ぐちゅりと指2本を捩じ込まれ、バラバラに動かして刺激されると私は涙を流しながら首を振りたくった。特にさっき舌で擦ったところに指が当たるともう駄目だった。我を忘れそうなくらい、一際大きい嬌声を上げ身を捩る。

気持ち良すぎることが寧ろ辛いなんて知らなかった。私の太腿はガクガクと震え、強すぎる刺激に追い詰められ今まで蓄積した熱が弾けそうになっている。知らない感覚が迫ってきて、私は不意に怖くなった。

「こ、こわい…」

涙声混じりで本心を吐露すると、先生が陰核から口を離し顔を上げる。やだと言っても辞めてくれなかったが、あれは本心ではなかったから。今の怖いは紛れもない私の気持ちだから先生は辞めてくれたのだ。

「…怖くない」

「…」

「俺は瑠衣に怖いことや痛いことはしない」

散々恥ずかしいことはされたけど、妙に真剣な顔で言われたから口は挟まなかった。

フワリと優しい顔で微笑まれ、空いた手で髪を撫でられるとそれだけで安心する。さっきまで私の中に確かにあった恐怖心が、それだけで霧散した。

私は先生と目を合わせ、ゆっくりと頷いた。もう大丈夫、続けて良いよと伝える。

…すると先生はみたび身体を下げて顔を足の間に埋めると、これが最後と言わんばかりに陰核に歯を立てて甘噛みされた。

「あっ、あ、ああぁぁん!」

目の前が真っ白に爆ぜて身体が痙攣する。足の先まで力が入り、背中が弓形にしなると、ゆっくりと弛緩していった。コプリ、と秘裂からは蜜が溢れ返り先生は勿体無いとばかりに啜り上げてゴクン、と嚥下する音が妙に響く。中に入り込まれ、襞に丁寧に舌を這わせて蜜を舐め取られると、達したばかりの敏感な身体はそれだけで反応し「あぅ…」と弱々しい喘ぎを漏らす。

喉が何だか痛いし身体に力が入らない。ソファーの上でだらんと四肢を投げ出す私の股の間からやっと先生が退く。下着を足首に引っ掛け、それ以外の服は乱されているだけで身に付けている私の姿はある意味卑猥だった。

あまり喋らなかった先生はハッとしたように慌てて私に覆い被さると、ちょっと強い力で抱き締める。なんか良い匂いがして、すんと息を吸った。

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