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26話

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「…すぐ挿れてしまったから、せめてリゼットをことをたくさん気持ち良くする」

既に泣きそうなくらい気持ちいいのに、これ以上の快楽を与えようというのか、と慄いていると奥まで剛直が突き入れられた。達したばかりなのに、浅いところから深いところまでゴリゴリと抉られたリゼットは恥も何もかも捨て去って喘ぐ。

「あっ!、やぁっ、ふかいっ…!」

「気持ちいい?」

「…気持ち、いい、から…もっとっ!」

「ん?もっと奥まで?分かった…」

今度は右足も肩にかけて、両足を掲げ上げた状態で体重をかけて押し潰される。さっきより肉棒が深く突き刺さりビリビリと電流が流れた。それだけでも涙が出るほど気持ちいいのに、テオドールはパチュパチュと腰を強く打ち付けてくる。これは駄目だ、おかしくなってしまう。最奥を硬く大きいもので擦られる快感が全身を走り抜ける。

「あっ、これやだっ…ああっ!!」

「やだ?その割には気持ちよさそうだし、さっきから締め付けてるみたいだが?」

羞恥心を煽る言い方にプルプルと震える。

「おかしくなるからっ…!これ辞めてっ…」

「リゼットの頼みは聞いてやりたいが、こればかりは無理だな」

何で?と涙目で訴えるリゼットに汗で張り付いた銀髪を掻き上げながら教えた。

「この体勢だと、繋がっているところ丸見えなんだよ…良い眺め…」

うっとりとしたテオドールの熱の籠った視線が注がれるのは…結合部。リゼットの中に赤黒い肉棒が出し入れされる卑猥な光景がテオドールにのみ晒されている。その事実に全身が茹だりそうになるくらい熱くなり、どうにか逃れようとするも、この状態だとテオドールに全てを委ねられているためどうしようもないと気づく。自分は何も出来ない、テオドールの思いのまま…そんな状況にすらリゼットは興奮してギリギリと彼を締め付けた。

「…リゼット締めすぎ…っ」

端正な顔を歪めて呻くと、激しい律動を再開させた。上から押し潰しながら何度も何度も貫かれるとリゼットは盛大に達し、ほぼ同時にテオドールもブルリと身を震わせ最奥に熱を吐き出した。ビュルビュル、と熱いものが胎の奥に注がれているのをボーッとした頭で感じているとテオドールが肩から両足を下ろし、繋がったまま抱きしめにかかる。埋まったままの屹立が奥に突き刺さり強い刺激が身体を走った。「んっ?ああっ…!」と嬌声が漏れてしまい、それで埋まっていたものが硬くなった気がする。テオドールが身じろぎ、耳元で囁く。

「…やり過ぎた、本当にすまない」

さっきと打って変わり弱々しい態度。リゼットを苛めた自覚はあるらしい。

「…何度でも謝る、だから俺のこと嫌わないでくれ」

「…これくらいで嫌いませんよ」

肩口に埋まる銀髪に手を差し入れ、ゆっくりと梳く。その声にテオドールが顔を上げ、懇願するようにリゼットを見下ろす。両手で柔らかな髪を撫でながらこう言った。

「…優しくしてくれたら、許します」

その言葉を意味を読み取ったテオドールの瞳に再び熱が篭り、リゼットに深く深く口付ける。枕で髪が擦れるくらい、執拗に唇を貪られた。

今度は互いに服を脱がせあってから繋がった。経験のないリゼットにぎこちない手付きで服を脱がされたテオドールは、終始嬉しそうに微笑んでいた。やはり素肌で抱き合うと、テオドールの体温と匂いをより感じられて心地良い。

希望通り、テオドールはこの上なく優しくリゼットを抱いた。全身に口付け、舌を這わせながら愛でる。服の上からでも感じてしまうほど、胸が弱いと気づいたテオドールは執拗に胸を可愛がった。乳首をすり潰すように摘まれ、舌の上で舐め転がされ続けたリゼットはそれだけで達しそうになる。

「胸だけで達することが出来るか、試してみようか?」

笑顔で恐ろしいことを口にし出したので首をブンブンと振って拒否した。本気で嫌がることはしないのか、テオドールは不服そうな顔をしながらも諦めてくれた。それでも乳房は散々揉みしだかれたので何回か星が見えたが。

全く萎えていない肉棒で、出された白濁液をかき混ぜながら奥を突かれるとリゼットはすぐに絶頂し、卑猥な音を立て続けて容赦なく責め続けたのちテオドールもまた射精した。その間ずっと口付けを交わし続けていた。前回程ではないにしろ、たっぷりと注がれたリゼットは何もしていなかったら孕んでいたのだろうな、とぼんやりと思った。

テオドールは2回で辞めてくれた。薬が無ければ1度で2回が基本だということをリゼットが知るのはもう少し後のこと。


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