人間不信気味のイケメン作家の担当になりましたが、意外と上手くやれています(でも好かれるのは予想外)

水無月瑠璃

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第二部

41話…※

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「挿れるよ。優しくするつもりだけど、我慢出来なかったらごめん」

それが合図だったように、屹立の先端がぷつりという音と共に中に侵入し始める。櫻井は言葉の通り、優しくゆっくりと押し進めた。ぐちゅ、ぐちゅという隠微な音と共に暴力的な大きさの分身はぬかるんだ膣内を侵す。

「…やっぱりきつい」

数カ月も経つとやはりそこはきついらしい。おまけにこんな巨大なものがゴリゴリと入ってくるのだ。散々ほぐされたと言っても痛みが生じ、思わず眉間に皺が寄り身体に力が入る。痛みで薄っすらと目元に雫が生じ瞼を閉じると、そこに温かい何かが触れ雫を掬い、すぐ離れていく。

「息止めないで、身体の力も抜いて」

それが唇だと気づくとほんの少しだけ痛みが和らぎ、息を吸えるようになった。櫻井は優しくこめかみにキスをし、それから口にもちゅ、という音と共に何度もキスを繰り返す。怖くない、安心してと言われているようで、涙脆くないはずだったのに久々に泣きそうになる。

すると痛みよりも、彼を受け入れたいという欲求が凌駕し内壁が中に入ったモノを受け入れようと蜜を滲ませ、伸縮する。やがて彼のモノが根元まで全部入ったと気づくのと下腹部を労わるように撫でられたのは同時だった。挿入される前は凶器だ絶対入らないと好き勝手に評していたのに、それが今自分の中を満たしているのだと実感すると喜びが生まれる。そして男の分身が収まった下腹部を、散々自分を嬲った大きな手で撫でられると…達しそうになった。櫻井もそれに気づいたのか急いで手を離し心配した様子で顔を覗き込む。

「全部挿ったけど、大丈夫?痛いところない?」

その問いに静香はゆっくりと頷く。痛かったはずなのに、今はもう感じない。痛みを忘れるほどの気持ち良さと刺激が襲い掛かり、冗談抜きで頭がおかしくなりそうだ。櫻井はすぐには動かず、自分の身体をぎゅっと抱きしめ馴染ませようとしてる。弄られ赤くなった先端が櫻井の胸板に潰され、それが気持ち良くてはしたないと分かっていても擦りつける。眉毛がピクっと動いたから、静香の動きに気づいているはずだが何も言わない。まんざらでもないらしい。汗の匂いと体温に安心感を覚え、ついさっきまで体内に燻ぶっていた「優しくしなくていい、好きに動いて滅茶苦茶にして欲しい」という欲求が収まった。助かった、口に出していたらどうなっていたか、多分一日中布団に包まって悶えることになっていたはずだ。

取りあえず彼を受け入れることが出来たことに安堵し、痛みと緊張で強張ってた顔が綻び伸ばしていた両腕を彼の背中に回す。口から大きく息を吐くと、熱の籠もったそれが櫻井の耳を掠り身体が揺れる。繋がっているので些細な動きでもこちらに伝わる。苦しそうに感じたのか「どうした?」と気遣われる。何ともないのだが誤魔化して会話を終わらせるのも勿体ないので、思っていたことをそのまま口に出した。

「いや、あんな大きいもの良く入ったなってほっとして」

「…」

が、櫻井は何も言わない。目を細め、唇をきつく引き結んでいると思ったその時、膣内に収まっているモノの質量が増した。隙なくピッタリと押し広げられていた内壁も膨張に合わせて広がり、「え…あっ…!」と戸惑い交じりの喘ぎが漏れる。

「何で…」

「…今の俺悪くないから。今度から大きいとかそういうこと絶対言うなよ、冗談抜きでイきそうになるから」

いつか聞いたことのある言い草だ。そんな言葉だけで、と軽く受け取った静香だったが櫻井の欲情しきった掠れ声と何かを必死に耐えている表情で、冗談ではないのだと悟った。好きな男のそんないじらしい姿を見せられるとどうなるかというと。膨張したそれをぎゅうっと締め付けたのだ、それこそ搾り取らんばかりの勢いで。

「っ…急に締め付けるなよっ…」

「そっちが悪いんですよ…」

「はぁ?俺悪くない…まあいいや、そろそろヤバいから動く」

彼が動き始める。はちきれんばかりに凶悪化したそれがぐちゅ、ぐちゅという水音と共にぬかるんだ内壁を摩擦する。納得してなさそうな態度だったから、てっきり強引に挿送されると思っていたが、どこまでも優しく中を労わり入念な動きで、静香の良いところを探し出そうとしている。腰を引き、また奥まで押し入れる、腰と腰がぶつかった音よりも欲望が押し入れられた時の水音の方が遥かに寝室に響いた。

(熱い…何これ)

繰り返し擦られている膣内が燃えるように熱い。その熱さはそこだけに留まらず、すぐに全身に広がる。気持ち良すぎて脳みそが解けるのではないかと錯覚した。エアコンはついているのに額や髪は汗で濡れている。櫻井も同じで、行為に集中しているのか瞼は閉じられ、眉を顰め切なさを称えた表情には汗が滲んでいた。一滴の汗が静香の胸元に落ちる。必死に何かに耐えている彼の左頬にそっと右手を添えると、彼が目を開いた。色香に溢れた理性と本能の狭間で揺れる瞳。

「何、急に?」

「…我慢してます?」

すると彼の目が大きく見開かれ、悪戯がバレた子供を彷彿させる顔で笑う。あどけなさを感じさせるその顔は初めて見た気がする。

「あーバレた?気持ち良すぎて気を抜くとイキそうなんだ、静香は?気持ち良い?」

あっさりと認めたことを意外には思わなかった。多分動き始める前からそんなに余裕がなかったのだろう、静香と同じで嬉しかった。そんな彼を更に気持ち良くしたくて、勇気を振り絞って言うつもりのない言葉を聞かせる。

「…私も気持ち良すぎて脳みそ溶けそう…」

震える声で告げられたそれは櫻井の耳に届いていた。急に更に足を広がられたかと思うと一層強く最奥まで突き入れられ、一際大きい悲鳴が出た。コツン、と腹の奥で蠢くモノが当たり全身の毛穴が開かれる。静香の悲鳴を聞き届けた瞬間強引に口を塞がれ、奥まで穿たれた衝撃で碌に反応を示すことのできない静香に唐突に唇を離した彼は低い声で命令した。

「舌出して…もっと」

有無を言わせぬ声に抗う術はない。素直に舌を出した静香に満足げに笑うと、舌と舌を絡め合い自分の舌をかぷ…と噛むと唇を塞ぐ。衝撃で身体がピクピク震え呻き声も嬌声も抑えられないが、口を塞がれているおかげで恥ずかしい声を聞かれずに済んでいる。けれど、彼には密着している口内を通じて伝わっているかもしれない。熱い舌を絡めとりぐちゅぐちゅと繋がった場所から響く卑猥な音と、互いの熱い吐息と微かな喘ぎが自分の鼓膜を犯し、おかしくさせる。銀糸を引いて唇を離した櫻井の目が焦点の合わない静香の目を射抜いた。当然揺さぶりは止まない。

「奥に当たってるの分かる…?奥突かれるの好きだったよな。音も、静香が俺の事受け入れてくれてる音、ドンドン大きくなってる、気持ち良い?」

静香がコクコクと頷くのと誇張なしに膣内が収縮し、締め付けが更に酷くなった。櫻井も端正な顔を歪め呻く。

「っ…きっつ…締め過ぎ…ああ、もう限界か」

ただでさえ限界の近かった静香は恥ずかしい言葉を耳に吹き込まれ、もう持ちそうになかった。櫻井もそれに気づくと自分を楽にさせようと、容赦なくゴリゴリと内壁を抉り突き入れる。快楽の波が押し寄せ、もうすぐそれが来ると言うのが何となく分かった。揺さぶりに耐えるため、彼の背中に回していた右腕を外し顔の横に置かれた彼の手にそっと触れた。次に彼の目を覗き込むと。

「一緒がいいから…手繋いで…」

自分でも驚くくらい甘ったるく強請る声。こんな声今まで出したことはない。途切れ途切れの言葉で静香の意図を組んだ櫻井はゴクリと喉を鳴らすと静香の手に自らの指を絡め力強く握った。安心させるように。

「分かった、一緒にイこう…?」

そこから先は記憶が曖昧だ。音がドンドン早くなり、挿送も小刻みになる。辛うじて意識を保っている状態で、もし一度でも達していたらこの時点で意識が飛んでいただろう。櫻井はそこまで見越していたのかとか、もうどうでもいい。最初の時とは比べものにならない、ずっと自分を気遣っていた彼がやっと好きに動いている。我慢を捨て去り、がむしゃらに腰を振り、内側を抉り蹂躙し揺さぶり続けた。けれど背中を支えている右手はやはり優しい。

そして繋がっている部分が一際熱くなり、限界が来た気がして空いている左腕を首に回し背中に爪を立てた。痛いのか眉寄せたが一瞬だ、それすらも快感なのか満足げに微笑む。目の前で火花が散ったかと思うと、頭の中が真っ白になり弾けた。足の爪の先まで弓なりにしなり最後の最後にナカを締め上げる。潤んだ視界の中、櫻井の色気と欲望を宿した瞳が伏せられ、唇をきつく結んだかと思うと喉の奥から絞り出したような呻き声が漏れ出る。静香はこの顔が見たかった、と今気づいた。前回は見れなかったから。達した時こんな顔をするのか、と新しい一面を見ることが出来心の中が満たされる。
入っているモノがドクン、と大きく脈打つ。最奥で薄い膜越しに熱いものが放たれたのが分かる。腹の中が酷く熱い。櫻井は全身が折れるのではないと言う程強い力で抱きしめ、唇を塞ぐ。乱れた呼吸を整える暇も与えられず互いに吐息を奪い合うように吸い、舌を絡めた。

やがて唇を離した櫻井は身体を起こすと額に軽く口付ける。



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