人間不信気味のイケメン作家の担当になりましたが、意外と上手くやれています(でも好かれるのは予想外)

水無月瑠璃

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第二部

38話…※

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「変態」

薄っすらと涙に覆われた目で睨むと頬が上気していた櫻井は獲物を捕らえた肉食獣のようにギラリと嗤った。

「これくらい普通…何?もっと変態っぽいことされたい?」

変態っぽいこと…ネットで調べたハイレベルな行為の数々が頭の中を回り背中に変な汗を掻いた。経験の浅い自分にはハードルが高い、到底無理だと目で訴えると「まあ今日はしない」とあっさり引いてくれたのはホッとした。…今日は?つまりいつかはするという…静香は考えることを放棄し、目の前の男に集中することにする。

しかし、本当に静香の胸が好きらしい。櫻井は自分の胸を触るのが好きと言っているが下着越しで満足しているのだろうか。今さっき後悔するなと脅したから、即効服を全部脱がされると思っていたが実際兎に角静香を気持ちよくさせようとしてくれているし、先ほどから鳩尾の辺りに強張った熱い何かが当たっている。ジーパン越しでもそれは固く、擦れるたびに下腹部が疼く。自分ばかりが気持ち良くしてもらっているのに、櫻井は静香の反応を見て興奮してくれている。それが堪らなく嬉しい。

櫻井にも気持ち良くなって貰いたいのだが、今の状態で懇願しても彼は頑なに首を縦には振らない。静香は自分の下腹部の、一度しか男を受け入れていない場所が潤んでいるのに気づいていた。今のまま彼を受け入れることは出来なくもないと思うが「痛いから絶対駄目」と拒否する櫻井の怒った顔が目に浮かぶ。

しかし、その状態を放置するのはかなり苦しいと聞く。櫻井は平気で我慢してしまうだろう。碌に働かない薄ぼんやりした思考の中、どうするべきか考えていると。

「…何考えてるんだ、集中して」

不機嫌さの滲む声が聞こえたと思ったら下着の上からでも分かるまでに主張し始めていた先端をぎゅっと摘まんだ。甲高い喘ぎが漏れる。

「ここ、すっかり固くなってる、そんなに気持ち良かった?」

ゆっくりと頷くと「良かった」と安堵し顔を綻ばせる。

「そろそろ直接触った方が良いと思うけど…シャワー浴びるのとベッドに行くの、どっちが良い、10秒以内に答えて」

と思ったら何故か2つの選択肢を突き付けられ、呆気に取られてしまう。

「…玄関でするんじゃないんですね」

とポツリと零した瞬間、自分が余計なことを言ったことに気づく。すーっと目を細めた櫻井が先端をグリグリと弄り始め、静香は快楽に身をよじるしか出来ない。

「しないよ、するわけないだろ。何、盛ってそのまま玄関でおっぱじめると思ってたの?
まあ盛っていたのは否定しないけど。珍しく気を遣ったらこれだよ。あーでも静香こんなに尖りきっているからシャワー浴びる方がきついか、ならベッド行く?俺はまだへいきっ!!!」

と楽し気な表情が一転、苦悶に歪む。いや、正確には敏感なところを撫でられ快楽によってもたらされる声を呑み込んだのだ。何故かと言うとすっかり盛り上がったジーパンの部分に右手を擦りつけたから。熱く固いそれを指でなぞると櫻井は口元を手で覆い、荒っぱく、くぐもった呼吸音が漏れ聞こえる。欲に濡れた瞳は静香を睨んでいるが、そこには怒りの気配は微塵も見えない。実際己の分身を服越しに触られて喜んでいた。

「…これでシャワー浴びれるんですか」

「このっ…言っとくけどこうなったの静香のせいだから、あんないやらしい姿見たら勃つよ。静香の中に入らないと収まらないから、覚悟しといて」

「…」

露骨な言葉を囁かれ、顔どころか首まで真っ赤に染まった。優位に立てたのは一瞬だった。ここはもう経験の差が物を言うのだ、根っこが初心な静香に勝ち目は絶対にない。

「積極的かと思ったら顔真っ赤にするし、ほんと分かんないなぁ…もうとっくに10秒過ぎたか、時間切れ。ベッド直行するよ」

いきなり櫻井がしゃがみ込んだかと思うと、細身の身体に似合わない力強さを発揮し軽々と静香を抱き上げた。器用なことに片手で静香の靴を脱がして、そっと玄関に並べた。予期せぬ櫻井の行動に静香は抵抗を試みる。

「え、何でお姫様抱っこ?恥ずかしいんですけど」

「この方が楽だし、それに君歩くの厳しいでしょ」

「…はい?」

「だって足の間さっきから擦ってるし、もうぬr…いった!!何で今つねる!?」

「やらしい…」

「それ君にだけは言われたくないし、そんなに怒るってことは事実だろ」

「…もういいです、せめて下ろしてください、私身長の割に重いので折れますよ」

「俺の事枝か何かだと思ってんの、座り仕事は太るからジム通ってるんだよ。静香1人抱きかかえるくらい出来る。というか重いのは胸がおおk…だから痛いって!」

「次変なこと言ったら別の場所つねりますよ…」

「ねぇ、この状態でそんなことしたら確実に君のこと落とすから絶対辞めて」

「流石にやりませんよ、今は」

「絶対後でやるだろ!」





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