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私だって女だもん。
やっぱりいずれ子どもを生んで育てるって事をしたいって思ってた。
しかも相手は、本当に好きで心から愛してる人。
そんな人との赤ちゃんだったら、それは嬉しいって思えるの。
ただ…人間社会で生きる為には、どうしても世間体を気にしなくちゃいけないものね。
恋人とは仲良くしていたくても、子どもはできてほしくないって考えの人もいるだろうし。
だからこそ、結果生まれた命をなかった事にしちゃう人だっている…。
だけど私は、正直に嬉しいって感じた。
勇さんはなんて思うかわからないけど、でも私は…
「産みたいって…思った…っ」
自分の事なのに、ようやく本音が口にできたんだ。
そしてようやく、結論も出たんだ…!
何だか…目頭が熱くなってきちゃった。
私、どうして今までこんな事で悩んでいたんだろうって思えてきたの。
ましてや、おろす手段まで頭に入れていたわけなんだ。
よくよく考えたら、なんて恐ろしい事を考えていたんだろうね。
「…そうだよね。
わたしの時も一応そうやって悩んだよ」
目に溜まった大粒の涙が、今にも落ちそうになってしまった。
そんな私に、そっと和泉さんがポケットのハンカチで涙を拭ってくれた。
「でもよく考えたら、好きな男との子供がお腹に出来たんだからね。
これ以上幸せな事ってないんじゃない?」
「幸せ……うん。
私も、そう思う」
子どもは結婚してからってのが一般的かもしれないけど、でも順番が替わっただけって思えば、ごく自然な事かもしれない。
大好きな勇さんとの赤ちゃん。
私、絶対に産みたい!
…なんて思ってはみたものの。
私が決心した事以外は、何も事実は変わらない。
まずは、何よりこの事を勇さんに言わなくちゃ。
どんな反応をしてくれるか気になる所なんだけど…。
結婚してくれる気があるんなら、きっと喜んでくれるよね。
そう自分に言い聞かせながら、私は仕事に戻った。
お客さんが少なくなった今の時間。
私は店内を回り、本棚陳列棚の整理をした。
すると、ふと雑誌のコーナーで育児出産のものが目に付いた。
「………………」
初めて妊娠したんだ。
そこら辺の知識は、実のところ殆どない。
産むと決めた以上は、こんな雑誌も読んでおいた方がきっと良いよね。
…近くにお客さんがいないのを確認すると、私は1冊ほど妊婦さん向けの雑誌を手に取ってみた。
お腹を大きく膨らませた女性の写真がページのあちこちに写っている。
妊婦さん用なのに、かわいい服とかいろいろあるんだなぁ。
ペラペラとめくる程度だったつもりなのに、何だか私はつい本格的に文字を目で追ってしまっていた。
実際に妊娠してから起こる事や備える事、それから出産までの出来事が事例に沿って紹介されている。
「へぇ……」
これからの身体の変化には、何だか不安を感じてしまいそうになるなぁ。
だ、大丈夫。
みんな通る道なんだから!
それからページをめくり、次に書かれていた内容に目を向けた。
「…………!」
それは、妊娠してから出産するまでの費用についてだった。
定期的に病院に行かなきゃならない上に、出産にかかる費用。
えっ、これ全部健康保険がきかないの?
毎回の定期検診に5000円ぐらい?
それが1ヵ月に1回で、お腹が大きくなるにつれて1ヵ月に2回、週に1回…。
出産に至っては、40~50万円!?
ええっ
お産ってそんなにお金かかっちゃうの!?
「…………………」
今の生活は決して苦しくもないけど、ゆとりもない。
勇さんは私が安心して結婚できるようにって意味で、仕事を増やすって言ってた。
なのに
こんなにも出費がかかる事になるなんて…
…い、言えないかも。
どうしよう…。
――『お金の心配だってしなくていい。
優は目をつむっていれば済むんだ』
あれ?
今なんで高梨さんの言葉が頭の中に浮かんだの?
違う!
私はそんな事なんて考えてない!
――『じゃああと1週間だけ、考える時間をあげるから。
来週の日曜日に、優の答えを聞くからね』
私の答えは、もう決まってるもの。
今更変わりはしないもん!
やっぱりいずれ子どもを生んで育てるって事をしたいって思ってた。
しかも相手は、本当に好きで心から愛してる人。
そんな人との赤ちゃんだったら、それは嬉しいって思えるの。
ただ…人間社会で生きる為には、どうしても世間体を気にしなくちゃいけないものね。
恋人とは仲良くしていたくても、子どもはできてほしくないって考えの人もいるだろうし。
だからこそ、結果生まれた命をなかった事にしちゃう人だっている…。
だけど私は、正直に嬉しいって感じた。
勇さんはなんて思うかわからないけど、でも私は…
「産みたいって…思った…っ」
自分の事なのに、ようやく本音が口にできたんだ。
そしてようやく、結論も出たんだ…!
何だか…目頭が熱くなってきちゃった。
私、どうして今までこんな事で悩んでいたんだろうって思えてきたの。
ましてや、おろす手段まで頭に入れていたわけなんだ。
よくよく考えたら、なんて恐ろしい事を考えていたんだろうね。
「…そうだよね。
わたしの時も一応そうやって悩んだよ」
目に溜まった大粒の涙が、今にも落ちそうになってしまった。
そんな私に、そっと和泉さんがポケットのハンカチで涙を拭ってくれた。
「でもよく考えたら、好きな男との子供がお腹に出来たんだからね。
これ以上幸せな事ってないんじゃない?」
「幸せ……うん。
私も、そう思う」
子どもは結婚してからってのが一般的かもしれないけど、でも順番が替わっただけって思えば、ごく自然な事かもしれない。
大好きな勇さんとの赤ちゃん。
私、絶対に産みたい!
…なんて思ってはみたものの。
私が決心した事以外は、何も事実は変わらない。
まずは、何よりこの事を勇さんに言わなくちゃ。
どんな反応をしてくれるか気になる所なんだけど…。
結婚してくれる気があるんなら、きっと喜んでくれるよね。
そう自分に言い聞かせながら、私は仕事に戻った。
お客さんが少なくなった今の時間。
私は店内を回り、本棚陳列棚の整理をした。
すると、ふと雑誌のコーナーで育児出産のものが目に付いた。
「………………」
初めて妊娠したんだ。
そこら辺の知識は、実のところ殆どない。
産むと決めた以上は、こんな雑誌も読んでおいた方がきっと良いよね。
…近くにお客さんがいないのを確認すると、私は1冊ほど妊婦さん向けの雑誌を手に取ってみた。
お腹を大きく膨らませた女性の写真がページのあちこちに写っている。
妊婦さん用なのに、かわいい服とかいろいろあるんだなぁ。
ペラペラとめくる程度だったつもりなのに、何だか私はつい本格的に文字を目で追ってしまっていた。
実際に妊娠してから起こる事や備える事、それから出産までの出来事が事例に沿って紹介されている。
「へぇ……」
これからの身体の変化には、何だか不安を感じてしまいそうになるなぁ。
だ、大丈夫。
みんな通る道なんだから!
それからページをめくり、次に書かれていた内容に目を向けた。
「…………!」
それは、妊娠してから出産するまでの費用についてだった。
定期的に病院に行かなきゃならない上に、出産にかかる費用。
えっ、これ全部健康保険がきかないの?
毎回の定期検診に5000円ぐらい?
それが1ヵ月に1回で、お腹が大きくなるにつれて1ヵ月に2回、週に1回…。
出産に至っては、40~50万円!?
ええっ
お産ってそんなにお金かかっちゃうの!?
「…………………」
今の生活は決して苦しくもないけど、ゆとりもない。
勇さんは私が安心して結婚できるようにって意味で、仕事を増やすって言ってた。
なのに
こんなにも出費がかかる事になるなんて…
…い、言えないかも。
どうしよう…。
――『お金の心配だってしなくていい。
優は目をつむっていれば済むんだ』
あれ?
今なんで高梨さんの言葉が頭の中に浮かんだの?
違う!
私はそんな事なんて考えてない!
――『じゃああと1週間だけ、考える時間をあげるから。
来週の日曜日に、優の答えを聞くからね』
私の答えは、もう決まってるもの。
今更変わりはしないもん!
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