17 / 76
➂
しおりを挟む
「あの、高梨さん。
次は私に教えて下さい。
高梨さんは、どんなものをプレゼントされたら嬉しいですか?」
「僕?
あはは、今度は立場が逆になったんだね」
高梨さんの事だから、それこそブランド品かな?
お財布にあんまり余裕もないんだけど、でも今日は絶対良い物を買って帰りたいな。
「僕がプレゼントされて嬉しいものか…。
困ったな、何かほしいって思った事がないからなぁ」
「えっ、そうなんですか?」
「ん。
て言うか、ほしいって思った物は真っ先に自分で手に入れてしまうからね」
あぁ、なるほど…。
さすが社長さんは言う事が一般人である私と違うなぁ。
だとしたら、高梨さんに見繕ってもらうのは難しいのかも。
「あ、そうだ。高梨が今まで彼女さんにプレゼントされた物って、どんな物がありますか?」
2人の仲がどれくらいの関係なのかは知らないけど、何かしらプレゼントされたって物くらいあるよね。
社長さんだから、ネクタイとかかな?
でも勇さんは仕事柄ネクタイはしないから、これは贈れないかなぁ。
「プレゼントされた物…か…。
これまでいろんな物をもらったなぁ」
「え、本当ですか?
聞きたいです!」
「んー…今日乗ってきた車もそうだし…この腕時計もそうだし…」
え、車?
それに腕時計って…その袖からチラチラと見え隠れしている腕時計は…
何だかキラキラした石がたくさんついてる、物凄く高価そうな時計の事だろうか…っ
「そして一番高いプレゼントは、マンションかな。
もう売っちゃったけどね」
…話の次元が全く違っていた。
社長さんって生き物は、みんなこんな感じなのかな…。
あるいは、もしかして高梨さんの彼女さんがもの凄い人なのかもしれない。
どうしよう。
これじゃあ何を選んだらいいか、全然わかんないよぉ。
「…だけどね。
こうやって色々プレゼントされたけど、ちっとも嬉しいなんて思えなかったよ」
「えぇっ、こんなにいっぱいお金かかっちゃってるのにですか?」
「あはは。
なんて言うか…やっぱりお金じゃ心は買えないって言うのかな。
物なんかいらないんだよ。
その純粋な気持ちさえ手に入れられれば…」
お金じゃ心は買えない…。
そう、だね。
いくらお値段の高いものをプレゼントされたからって、必ずしも喜ばれるとは思えない。
本当に相手を想う気持ちこそが大事なんだよね。
「だから…僕がプレゼントされるなら、その純粋な気持ちが欲しいな」
「そう…ですね」
今は目の届かない所にいる勇さん。
高梨さんの純粋な気持ちって言葉で、何だか勇さんが愛おしくなっちゃったよ。
今晩も、起きて待ってようかなぁ…。
とは言え、せっかくここまで来たのに手ぶらで帰ってしまったら何の為に来たのかわかんない。
あ、いや、もちろん高梨さんのお買い物に付き合ったのが本来の目的だけどね。
「うーん…」
「あ、ごめんね。
僕が何か言わなきゃ、相川さんの買う物に困るんだよね」
「え、えーと…」
せっかく素敵な話をしてもらったのに、そこでまた物を選んでもらうのって水を差すみたいだよねぇ。
うーん、どうしようかな…。
「もしかして、相川さんの彼氏にプレゼントかい?」
「あ、はい…実はそうなんです…」
お見合いで知り合った人に恋人へのプレゼントを選ばせるなんて、私たちのしてる事ってきっと変なんだろうな。
一緒にお店をまわり、男性ものを扱ってる所で高梨さんは足を止めた。
「腕時計やライターとかどうかな。
彼氏はタバコとか吸う人かい?」
「あ、はい」
決してヘビースモーカーって程じゃないけど、勇さんは一応喫煙者。
タバコ屋さんでカートン買いするともらえるライターを使っているみたいだけど、もっとオシャレなライターとか買ってあげたら喜ぶかな?
「Zippoもピンからキリまであるからね。
そうだな…僕だったら、こんなのを選ぶかな」
高梨さんがショーケースを指差した先には、浮き彫りのしてある銀のライターだった。
お値段も5000円を切ったぐらいで、プレゼントにはまぁまぁ良いぐらいだよね。
というか…高梨さんからすれば、物凄く安いものを選んでくれたんだろうなぁ。
次は私に教えて下さい。
高梨さんは、どんなものをプレゼントされたら嬉しいですか?」
「僕?
あはは、今度は立場が逆になったんだね」
高梨さんの事だから、それこそブランド品かな?
お財布にあんまり余裕もないんだけど、でも今日は絶対良い物を買って帰りたいな。
「僕がプレゼントされて嬉しいものか…。
困ったな、何かほしいって思った事がないからなぁ」
「えっ、そうなんですか?」
「ん。
て言うか、ほしいって思った物は真っ先に自分で手に入れてしまうからね」
あぁ、なるほど…。
さすが社長さんは言う事が一般人である私と違うなぁ。
だとしたら、高梨さんに見繕ってもらうのは難しいのかも。
「あ、そうだ。高梨が今まで彼女さんにプレゼントされた物って、どんな物がありますか?」
2人の仲がどれくらいの関係なのかは知らないけど、何かしらプレゼントされたって物くらいあるよね。
社長さんだから、ネクタイとかかな?
でも勇さんは仕事柄ネクタイはしないから、これは贈れないかなぁ。
「プレゼントされた物…か…。
これまでいろんな物をもらったなぁ」
「え、本当ですか?
聞きたいです!」
「んー…今日乗ってきた車もそうだし…この腕時計もそうだし…」
え、車?
それに腕時計って…その袖からチラチラと見え隠れしている腕時計は…
何だかキラキラした石がたくさんついてる、物凄く高価そうな時計の事だろうか…っ
「そして一番高いプレゼントは、マンションかな。
もう売っちゃったけどね」
…話の次元が全く違っていた。
社長さんって生き物は、みんなこんな感じなのかな…。
あるいは、もしかして高梨さんの彼女さんがもの凄い人なのかもしれない。
どうしよう。
これじゃあ何を選んだらいいか、全然わかんないよぉ。
「…だけどね。
こうやって色々プレゼントされたけど、ちっとも嬉しいなんて思えなかったよ」
「えぇっ、こんなにいっぱいお金かかっちゃってるのにですか?」
「あはは。
なんて言うか…やっぱりお金じゃ心は買えないって言うのかな。
物なんかいらないんだよ。
その純粋な気持ちさえ手に入れられれば…」
お金じゃ心は買えない…。
そう、だね。
いくらお値段の高いものをプレゼントされたからって、必ずしも喜ばれるとは思えない。
本当に相手を想う気持ちこそが大事なんだよね。
「だから…僕がプレゼントされるなら、その純粋な気持ちが欲しいな」
「そう…ですね」
今は目の届かない所にいる勇さん。
高梨さんの純粋な気持ちって言葉で、何だか勇さんが愛おしくなっちゃったよ。
今晩も、起きて待ってようかなぁ…。
とは言え、せっかくここまで来たのに手ぶらで帰ってしまったら何の為に来たのかわかんない。
あ、いや、もちろん高梨さんのお買い物に付き合ったのが本来の目的だけどね。
「うーん…」
「あ、ごめんね。
僕が何か言わなきゃ、相川さんの買う物に困るんだよね」
「え、えーと…」
せっかく素敵な話をしてもらったのに、そこでまた物を選んでもらうのって水を差すみたいだよねぇ。
うーん、どうしようかな…。
「もしかして、相川さんの彼氏にプレゼントかい?」
「あ、はい…実はそうなんです…」
お見合いで知り合った人に恋人へのプレゼントを選ばせるなんて、私たちのしてる事ってきっと変なんだろうな。
一緒にお店をまわり、男性ものを扱ってる所で高梨さんは足を止めた。
「腕時計やライターとかどうかな。
彼氏はタバコとか吸う人かい?」
「あ、はい」
決してヘビースモーカーって程じゃないけど、勇さんは一応喫煙者。
タバコ屋さんでカートン買いするともらえるライターを使っているみたいだけど、もっとオシャレなライターとか買ってあげたら喜ぶかな?
「Zippoもピンからキリまであるからね。
そうだな…僕だったら、こんなのを選ぶかな」
高梨さんがショーケースを指差した先には、浮き彫りのしてある銀のライターだった。
お値段も5000円を切ったぐらいで、プレゼントにはまぁまぁ良いぐらいだよね。
というか…高梨さんからすれば、物凄く安いものを選んでくれたんだろうなぁ。
0
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私が素直になったとき……君の甘過ぎる溺愛が止まらない
朝陽七彩
恋愛
十五年ぶりに君に再開して。
止まっていた時が。
再び、動き出す―――。
*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*
衣川遥稀(いがわ はるき)
好きな人に素直になることができない
松尾聖志(まつお さとし)
イケメンで人気者
*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
寡黙な貴方は今も彼女を想う
MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。
ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。
シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。
言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。
※設定はゆるいです。
※溺愛タグ追加しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
誰にも言えないあなたへ
天海月
恋愛
子爵令嬢のクリスティーナは心に決めた思い人がいたが、彼が平民だという理由で結ばれることを諦め、彼女の事を見初めたという騎士で伯爵のマリオンと婚姻を結ぶ。
マリオンは家格も高いうえに、優しく美しい男であったが、常に他人と一線を引き、妻であるクリスティーナにさえ、どこか壁があるようだった。
年齢が離れている彼にとって自分は子供にしか見えないのかもしれない、と落ち込む彼女だったが・・・マリオンには誰にも言えない秘密があって・・・。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
あなたには、この程度のこと、だったのかもしれませんが。
ふまさ
恋愛
楽しみにしていた、パーティー。けれどその場は、信じられないほどに凍り付いていた。
でも。
愉快そうに声を上げて笑う者が、一人、いた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです
星空永遠
恋愛
6年前、ホームレスだった藤堂樹と出会い、一緒に暮らしていた。しかし、ある日突然、藤堂は桜井千夏の前から姿を消した。それから6年ぶりに再会した藤堂は藤堂ブランド化粧品の社長になっていた!?結婚を前提に交際した二人は45階建てのタマワン最上階で再び同棲を始める。千夏が知らない世界を藤堂は教え、藤堂のスパダリ加減に沼っていく千夏。藤堂は千夏が好きすぎる故に溺愛を超える執着愛で毎日のように愛を囁き続けた。
2024年4月21日 公開
2024年4月21日 完結
☆ベリーズカフェ、魔法のiらんどにて同作品掲載中。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる