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買い出しに、張り切っちゃいました! 1

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「ひな子、今日も遊びに行くの?」


「あ…っ、う、うん!」



翌日の午前中。


朝起きてお母さんと一緒にトーストを食べ、洗濯物を干し終わってからの事だ。



仕事が休みの日であっても、だいたいいつも部屋の中でダラダラ過ごしている私なんだけど、今日は違う。




11時の約束にはまだ時間の早い9時過ぎ。

今日もまた、どれも似たり寄ったりな服をあれでもないこれでもないと選りすぐり。

結局、何の洒落っ気もないプリントTシャツにジーンズというスタイルになったものの…。


どうしても待ち合わせ時間までの間がやけに緊張してしまい、そしてそれが目の不自由なお母さんにさえ何かいつもと様子が違うと感じ取ったのだろう。


変に勘ぐられたくなくて出掛ける直前まで言わないつもりだったのに、先に「今日も遊びに行くの?」って訊かれちゃったよぉ。




「ん、だから今日もお昼ご飯、いらないから…」


「はいはい、お母さんの事は気にしないでいいから」


「うん、ごめんね。
最近友だちと遊ぶの、楽しくって」


「そう」



まさか仕事先のお客さんの家に遊びに行くなんて、言えるわけないからね。


まぁ、“友だちと遊ぶ”って言葉には、ウソはないもん。


…って。
私もいつの間にか慎吾くんを、友だち扱いしちゃってるなぁ。



そして今日はあくまでも、店では買えない私特製(?)のリンゴサラダを作ってあげるだけ。


だけど、待ち合わせ時間が今日も11時って事だから、これは多分お昼ご飯も一緒に食べようって事にもなっちゃってるよねっ。



とか言って、実はそうじゃなかったら気張ってた自分が恥ずかしくなるから、あまり期待しないようにしなきゃだなぁ。



…て言うか!

何か私ってば、振り回されっぱなし!?



「……………………」




だけど、また一緒に食べれたらいいな…とか、ちょっと期待してたりもしてね。



それでその後は、うちのサラダとリンゴを買いにデパ地下に一緒に………






…ん?

だけど、うちの店で私と慎吾くんが一緒に買い物してる所をスタッフたちに見られたら…は 恥ずかしいなぁっ。



「ひな坊!お客さんとデートか!?」…なんて久保店長に冷やかされそう。


いや、むしろ「若い子は初々しくていいわねぇ」と小山さんに言われるのがオチだ。


て言うか!
いくら皆さんより若いからって、私はアラサーで彼はまだ高校生なんだってば!!


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