デ キ ちゃ っ た !?

むらさ樹

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ジッとオレの表情を伺いながら、返答を待つ由香。

付き合ってんのに不安を抱かせてるなんて、オレってば彼氏としてダメじゃんよ。


「キライになんて、なるわけないだろ?」

「…本当?」

「当たり前じゃないか!」


そう言ってオレたちは顔を寄せ合うと…


「……ん…」


どちらからともなく、唇を合わせた。



彼氏らしい事なんて、ロクにしてやれてないのに。
いつもオレのペースに合わせて、付いて来てくれて。

好きなのに、大事にしてやりたいのに。
なのに不安にばかりさせて、終いには泣かせちゃったりもした。


「…なぁ、由香。
オレさ、春休み中に実家に帰ってさ、由香との事、真剣に考えてたよ」

「え…っ」

だけど由香を本気で好きって気持ちは、ちゃんと伝えたい。

男のクセにドが付く程のケチで、なのに人一倍にエッチは好きで。


「今はまだムリだけどさ、オレがちゃんと働いてまともに稼げるようになったらさ…」


こんなオレなのに、そうやって全力でしがみついてくれて、すげぇ嬉しいよ。


「そしたら、由香に似合う一番キレイなダイヤが付いた指輪を買うよ。
だから…」


…指輪。
そうだ、指輪ってイイな。
由香に似合う指輪、どんなのがあるかな。



「その日が来るまで、まだ少し待たせるかもしんないけどさ。
でもそん時は…」


ジッとその先の言葉を待つ由香の肩を、オレは掴んだ。



「そん時は、オレと結婚、しような…?」

「___陸っ」

オレの気の早いプロポーズを聞いた由香は、オレの首に腕を回して思い切り強く抱きしめてきた。



「わっ……ととっ」

勢いよく抱きつかれたオレの身体は、そのまま流れで床に倒れた。


背中を丸くして勢いを軽減させたから痛くはなかったけど。

ただ今まで、由香にそんな風にされた事がなかったからちょっと驚いた。


「陸っ、大好き!大好き!
あたし、今すごく嬉しいーっ」


頬も強く合わせて、全身を密着させて喜ぶ由香。
嬉しいのはオレだって同じだって!


「ほら、由香。
こっち向いて…」

「陸、…ん……」


上になった由香の頬に手を添えると、オレはそのまま自分に近付けてもう一度唇を合わせた。

今度はさっきみたいな、重ねただけのキスじゃない。


ちゅっ くちゅっ

ついばんでみたり、甘く噛んでみたり。


「ん…陸っ……り く…っ」


次第にエロい声を漏らし始めた由香に、思わずその気になりそうになる。

だけど、今はエッチをする為にアパートに呼んだわけじゃないんだ。

だんだんと全身の血が熱くなってくる自分を、懸命に鎮めようとする。

ガマンだ!
今はガマンだぞ、オレ!

今日オレが由香をここに呼んだのは、あの事を言う為なんだから…っ!



「ぁ…………んっ」


だけど。

エロいキスを何度も交わし甘い声を聞いていると、どうしても気分が高まってしまう。

そういえば春休みの間は、ずっとシてないんだった。

由香の頬に添えていた手をゆっくりと肩の方、腰の方へと滑らせていった。


久しぶりの由香の匂いや、柔らかい感触。
やっぱりガマンなんてできな…………


「………ねぇ、陸…?」

「えっ、あ、な 何?」


お尻の方にと移動させる予定だった手を止め、腰で留まらせる。

そのまま、腰をギュッと抱きしめる形になった。

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