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姉貴は父さんの指の合図を見ると、何だかおそるおそる居間の中にと入って来た。
中のオレたちの雰囲気を見て、来ちゃマズい空気が伝わったかなぁ。
てゆーか、帰って来るタイミング悪すぎだよ。
…なんて思いながら開けた障子から姉貴が入って来るのを見てると、姉貴に続いて長身の男がペコリと頭を下げながら「お邪魔します」なんて言いながら入ってきた。
特別美人でも派手でもない姉貴と比例して、イケメンでもなんでもない地味な男。
ただ完全に真逆なのが、オレと似て身長が高くない姉貴と違って、やたら背だけはデカいところだった。
そんな姉貴とその男は、父さんと母さんの向かいに座っているオレの横に並んで座った。
「ねぇ、何があったの?」
やっぱりこの空気の悪さに気付いた姉貴が、コソコソとオレに耳打ちした。
「姉貴こそ、どうしたんだよ。
てか、そのでっかい男、姉貴の彼氏か?」
何やら妙な集まりと空気になってしまった中、母さんはチラッと姉貴の彼氏の方を見た。
それからオレと姉貴にも視線を移すと、更に続けて盛大なため息をついた。
「はぁー…
優といい陸といい、どうしてうちの子は自分勝手な事ばっかりするのかしら…」
「…んだよっ
自分勝手って、オレからすれば母さんの方が自分勝手じゃんか」
さっきからそればっかりしか言わない母さんには、オレはいい加減カチンときた。
「陸!
あんた何て事言うのよ!」
「だいたい、なんでオレの人生なのに母さんの言いなりにならなきゃなんないんだよっ
別に母さんの迷惑にはなってないだろ!?」
「言いなりって何なのよ!!
長男が家を継ぐのは当たり前でしょう!!」
「そんなの昔の話だろ!
今どき長男が家継ぐとか古臭いんだよっ」
こうなったら真っ向勝負だ。
とことん母さんとは言い合ってやる!
「古臭いってあんた…!
それに、昔の話じゃないわよ!
現に向こうの家だって、跡取りが欲しいから養子に来いって言ってるんでしょうが!」
大人が5人も集まれば、8畳の居間も狭く感じてしまう。
そんな狭い居間の中で、オレと母さんは怒鳴るように言い合ったんだ。
そしてその空気には、他の誰しもが言葉を失っている。
だからってオレは一歩も譲らないぞ!
長男長男って、うるさいっての!
相川家を継げってんなら、オレだけじゃなく…
「跡取りとか!
だったらオレじゃなくて姉貴にさせりゃいいじゃんよ!」
「へ!?」
まさか自分に矛先が向けられるとは思わなかっただろう。
姉貴は素っ頓狂な声を出してオレの方を見た。
当たり前じゃんよ。
だいたい姉貴はオレより先に生まれてんじゃんか。
「何言ってんの!
優は女なのよ!
いくら弟でも、男のあんたが継がないでどうすんの!」
はいはい。
男が家継いで、女は嫁に行って…だろ?
昔じゃあるまいし、いつまでそんな古臭い事守ってんだか。
そんな事で恋愛の自由を奪われてたまるかよ!
オレは言いたい事は言った。
これ以上は譲らねぇぞ!
「まったく陸は…っ
…お父さんも、何か言ってやってちょうだい」
オレの一歩も譲らない態度に呆れた母さんはもう一度ため息をつくと、ずっと黙っていた父さんの方を向いた。
…う゛っ
ずっと母さんと戦う事しか考えてなかったけど、最終的には父さんに頷いてもらわないとなんだよな。
普段話したりしないから、何考えてるかわかんない父さん。
父さんにまで反対されたら、オレどーすりゃイイんだ…?
中のオレたちの雰囲気を見て、来ちゃマズい空気が伝わったかなぁ。
てゆーか、帰って来るタイミング悪すぎだよ。
…なんて思いながら開けた障子から姉貴が入って来るのを見てると、姉貴に続いて長身の男がペコリと頭を下げながら「お邪魔します」なんて言いながら入ってきた。
特別美人でも派手でもない姉貴と比例して、イケメンでもなんでもない地味な男。
ただ完全に真逆なのが、オレと似て身長が高くない姉貴と違って、やたら背だけはデカいところだった。
そんな姉貴とその男は、父さんと母さんの向かいに座っているオレの横に並んで座った。
「ねぇ、何があったの?」
やっぱりこの空気の悪さに気付いた姉貴が、コソコソとオレに耳打ちした。
「姉貴こそ、どうしたんだよ。
てか、そのでっかい男、姉貴の彼氏か?」
何やら妙な集まりと空気になってしまった中、母さんはチラッと姉貴の彼氏の方を見た。
それからオレと姉貴にも視線を移すと、更に続けて盛大なため息をついた。
「はぁー…
優といい陸といい、どうしてうちの子は自分勝手な事ばっかりするのかしら…」
「…んだよっ
自分勝手って、オレからすれば母さんの方が自分勝手じゃんか」
さっきからそればっかりしか言わない母さんには、オレはいい加減カチンときた。
「陸!
あんた何て事言うのよ!」
「だいたい、なんでオレの人生なのに母さんの言いなりにならなきゃなんないんだよっ
別に母さんの迷惑にはなってないだろ!?」
「言いなりって何なのよ!!
長男が家を継ぐのは当たり前でしょう!!」
「そんなの昔の話だろ!
今どき長男が家継ぐとか古臭いんだよっ」
こうなったら真っ向勝負だ。
とことん母さんとは言い合ってやる!
「古臭いってあんた…!
それに、昔の話じゃないわよ!
現に向こうの家だって、跡取りが欲しいから養子に来いって言ってるんでしょうが!」
大人が5人も集まれば、8畳の居間も狭く感じてしまう。
そんな狭い居間の中で、オレと母さんは怒鳴るように言い合ったんだ。
そしてその空気には、他の誰しもが言葉を失っている。
だからってオレは一歩も譲らないぞ!
長男長男って、うるさいっての!
相川家を継げってんなら、オレだけじゃなく…
「跡取りとか!
だったらオレじゃなくて姉貴にさせりゃいいじゃんよ!」
「へ!?」
まさか自分に矛先が向けられるとは思わなかっただろう。
姉貴は素っ頓狂な声を出してオレの方を見た。
当たり前じゃんよ。
だいたい姉貴はオレより先に生まれてんじゃんか。
「何言ってんの!
優は女なのよ!
いくら弟でも、男のあんたが継がないでどうすんの!」
はいはい。
男が家継いで、女は嫁に行って…だろ?
昔じゃあるまいし、いつまでそんな古臭い事守ってんだか。
そんな事で恋愛の自由を奪われてたまるかよ!
オレは言いたい事は言った。
これ以上は譲らねぇぞ!
「まったく陸は…っ
…お父さんも、何か言ってやってちょうだい」
オレの一歩も譲らない態度に呆れた母さんはもう一度ため息をつくと、ずっと黙っていた父さんの方を向いた。
…う゛っ
ずっと母さんと戦う事しか考えてなかったけど、最終的には父さんに頷いてもらわないとなんだよな。
普段話したりしないから、何考えてるかわかんない父さん。
父さんにまで反対されたら、オレどーすりゃイイんだ…?
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