デ キ ちゃ っ た !?

むらさ樹

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これが、オレの彼女なんだよね①

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学校が終わって、いつも通り21時までのファミレスのバイトに行くのが毎日の日課。


実家を出て県外の専門学校に通っているのもあって、家はボロいけど安いアパートに1人暮らし。


学費は親からの仕送りでまかなってるけど、生活費全般は自力で何とかするってのが父さんとの条件だから家計は掛け持ちのバイトだけでやりくりしている。




りく!」

もうじきバイトも終わる頃、オレに会いに店に来た子が名前を呼んだ。


「由香っ
ゴメン、もうすぐ終わるから」

「うん、ドリンクバー飲みながら待ってるね」


そう言って、6人は座れる店の禁煙席のテーブルに腰掛けたのは、いま付き合っているオレの彼女。


同じ専門学校のクラスメイト、有富 由香ありどみ ゆかだ。







「お疲れしたー、お先でーす」

定時になるとテキパキっと片付けをしてタイムカードを押し、今日のバイトはこれにて終了。


適当にあいさつをすると、ロッカーで着替えを済ませてまた店の方に戻った。

禁煙席で1人のほほんとホットココアを飲んでいる由香の所まで駆けつける。


「おまたせっ」

「早っ!
…まだ9時2分だよ?」

「仕事はきっちり終わらせたから、大丈夫。
それよりさ、今日はどうなの?」



明日は学校も休みな土曜日なんだが、午前中からはもちろんバイトが入っている。

だけど、今から明日の午前中のバイトまでは、オレはヒマなわけで。


「…今日お母さん夜勤だから、陸んとこ泊まれるよ」

「やったね!
じゃ、早く行こうよ。
オレのアパート」


もちろん大きな目的は、ただ1つなんだけどさ。




オレは衝動に身を任せるように、テーブルでホットココアを飲む由香の腕を引いて立たせようとした。


「ちょっ、陸!
あたしまだこれ1杯目だよっ
ドリンクバーなんだからさぁ…っ」

「イイじゃんイイじゃん、それくらい。
売り上げに貢献、ありがとなっ」

「んもぉ、陸ったら!」


レジで会計をする由香の側に立って待っていると、バイト仲間の木原きはらがオレにチャチャを入れてきた。


「いーな陸は、こんなかわいい彼女がいてさ。
つーか、ドリンクバー代くらい出してやれよ」


「あ、大丈夫ですっ
陸は自分の生活費だけでいっぱいいっぱいなんだから、自分のドリンク代くらい自分で払うんです」


そう言ってドリンクバー代の280円を支払った由香。


「そういう事」

「信じらんねぇな。
由香ちゃん、陸なんかやめて俺にしてもいいんだぜ?」

「オイオイ、彼氏目の前にして堂々と変な誘惑しねぇの」

「あはは…」


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