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「南は…まだ来てないか」
ボソッと強盗犯は何かを呟いた。
古めかしい木で造られた小屋。
カビだか植物だかわからないものがまとわりついてるドアを、強盗犯は小さな南京錠を外し開けた。
ギィギィなるドアを潜り、強盗犯はすぐ側にあったランプを灯した。
いくら小さな小屋ったって、ランプの灯りくらいじゃ普通の家の明かりに比べたら全然暗い。
小屋の中はよく見えないけど、ダンボールみたいな箱やらちょっとした毛布やらが散らばっているだけだ。
強盗犯は私に銃口を向けたまま何か部屋の物を取り出した。
それは…太くて丈夫そうないわゆるロープというものだ。
わかってる。
あれで私の身体の自由を奪おうとする事を。
「あ あの…」
でもその前に、これだけは言わなきゃ。
ロープを持って近付く強盗犯は私の言葉を無視して、私の手首を掴んだ。
「ま 待って!あの…!
………トイレ、行かせて…」
恥ずかしいやら何やらわからない。
でももうずっと前から我慢してるもの。
いい加減下腹部がパンパンで苦しいって言うより痛い…。
「…お前、人質って立場わかってんのか?」
ようやく茶髪の強盗犯は返事をしてくれた。
「逃げたりしないから…お願い…。
も…限界なの…」
こんなにも我慢した事なかったから、初めての苦痛に涙さえ滲んできた。
そんな私の表情を見てわかってくれたのか、強盗犯はロープをとりあえず置いてくれた。
よかった。
もうこれ以上、本当に無理だもん…。
だけど強盗犯の返した言葉は、私を驚愕させるものだった。
「こんな所にトイレなんかあるわけねぇだろ。
仕方ねぇから外まで付き合ってやるよ」
「え…ちょっと…っ
外って…?」
さっきくぐったばかりのドアを強盗犯に掴まれながら出た。
小屋の外から見える景色は木と草だけ。
そしてすぐ側に立つこの強盗犯…。
「ほら、早くしろよ。
言っとくが、騒いだりしたらすぐに撃つからな」
再び銃口を私に向けて、強盗犯は2~3歩下がった。
え…早くしろって。
まさか、ここでしろって事!?
しかも男の強盗犯の見てる前で!?
「む 無理よ。
だって、見られてちゃ出ない…」
「見てないと逃げるだろうが!
お前だけが俺の顔を見たんだぞ」
好きで顔見たわけじゃないのに~!!
サングラスやマスクが外れたのは不可抗力だよぉ。
「しないんだったら中に戻るぞ。
どうするんだ?」
どうするって言われたって…私だって限界だし、しないわけにもいかない。
ううう~っ
…背に腹はかえられないよね…。
仕方ない。
私は…ここでする覚悟を決めた。
じっと強盗犯に見られている中、ワンピースのスカートの中に手を入れて中のパンツに手をかける。
「……………」
「……………」
それからゆっくりとパンツを膝の上まで下ろす。
スカートが膝下まであるから、多分中の様子は強盗犯には見られてはいないと思…う。
Gパンとかじゃなくて本当によかった…。
ズボンとかだと、スカートみたいに隠せないもんね。
それからスカートを軽く持ってしゃがんだ。
これでいつでも出せる態勢は整ったわけなんだけど…。
「あの…、ちょっとだけでいいから、あっち向いてて…」
「いいから早くしろ!」
ちょっとの間見ないでくれたらいいだけなのに、たったそれだけのお願いも強盗犯は訊いてくれない。
私は…ギュッと目をつむって、我慢し続けていたお腹を緩めた。
「……………っ」
あー…溜まっていたものが、どんどん出て行く。
草がたくさん生えてる所だし、陽も暮れて暗いから直接見えてはないと思うけど、どうしても音だけは隠せず恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら私は用を足した。
こんな事になって…もうお嫁には行けないかも。
…ぐすん。
ボソッと強盗犯は何かを呟いた。
古めかしい木で造られた小屋。
カビだか植物だかわからないものがまとわりついてるドアを、強盗犯は小さな南京錠を外し開けた。
ギィギィなるドアを潜り、強盗犯はすぐ側にあったランプを灯した。
いくら小さな小屋ったって、ランプの灯りくらいじゃ普通の家の明かりに比べたら全然暗い。
小屋の中はよく見えないけど、ダンボールみたいな箱やらちょっとした毛布やらが散らばっているだけだ。
強盗犯は私に銃口を向けたまま何か部屋の物を取り出した。
それは…太くて丈夫そうないわゆるロープというものだ。
わかってる。
あれで私の身体の自由を奪おうとする事を。
「あ あの…」
でもその前に、これだけは言わなきゃ。
ロープを持って近付く強盗犯は私の言葉を無視して、私の手首を掴んだ。
「ま 待って!あの…!
………トイレ、行かせて…」
恥ずかしいやら何やらわからない。
でももうずっと前から我慢してるもの。
いい加減下腹部がパンパンで苦しいって言うより痛い…。
「…お前、人質って立場わかってんのか?」
ようやく茶髪の強盗犯は返事をしてくれた。
「逃げたりしないから…お願い…。
も…限界なの…」
こんなにも我慢した事なかったから、初めての苦痛に涙さえ滲んできた。
そんな私の表情を見てわかってくれたのか、強盗犯はロープをとりあえず置いてくれた。
よかった。
もうこれ以上、本当に無理だもん…。
だけど強盗犯の返した言葉は、私を驚愕させるものだった。
「こんな所にトイレなんかあるわけねぇだろ。
仕方ねぇから外まで付き合ってやるよ」
「え…ちょっと…っ
外って…?」
さっきくぐったばかりのドアを強盗犯に掴まれながら出た。
小屋の外から見える景色は木と草だけ。
そしてすぐ側に立つこの強盗犯…。
「ほら、早くしろよ。
言っとくが、騒いだりしたらすぐに撃つからな」
再び銃口を私に向けて、強盗犯は2~3歩下がった。
え…早くしろって。
まさか、ここでしろって事!?
しかも男の強盗犯の見てる前で!?
「む 無理よ。
だって、見られてちゃ出ない…」
「見てないと逃げるだろうが!
お前だけが俺の顔を見たんだぞ」
好きで顔見たわけじゃないのに~!!
サングラスやマスクが外れたのは不可抗力だよぉ。
「しないんだったら中に戻るぞ。
どうするんだ?」
どうするって言われたって…私だって限界だし、しないわけにもいかない。
ううう~っ
…背に腹はかえられないよね…。
仕方ない。
私は…ここでする覚悟を決めた。
じっと強盗犯に見られている中、ワンピースのスカートの中に手を入れて中のパンツに手をかける。
「……………」
「……………」
それからゆっくりとパンツを膝の上まで下ろす。
スカートが膝下まであるから、多分中の様子は強盗犯には見られてはいないと思…う。
Gパンとかじゃなくて本当によかった…。
ズボンとかだと、スカートみたいに隠せないもんね。
それからスカートを軽く持ってしゃがんだ。
これでいつでも出せる態勢は整ったわけなんだけど…。
「あの…、ちょっとだけでいいから、あっち向いてて…」
「いいから早くしろ!」
ちょっとの間見ないでくれたらいいだけなのに、たったそれだけのお願いも強盗犯は訊いてくれない。
私は…ギュッと目をつむって、我慢し続けていたお腹を緩めた。
「……………っ」
あー…溜まっていたものが、どんどん出て行く。
草がたくさん生えてる所だし、陽も暮れて暗いから直接見えてはないと思うけど、どうしても音だけは隠せず恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら私は用を足した。
こんな事になって…もうお嫁には行けないかも。
…ぐすん。
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