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それからも毎日が、朝ご飯を作っては学校に行って。
帰ったらお掃除に晩ご飯にお風呂、それから時には肩もみなんかと、そんな毎日を送っていた。
学校ではバレないように、サイさんの車に乗り降りする時は細心の注意を払う。
教室ではご主人様とは何の関係も感づかれないよう、ほとんど無視に近いような態度をとっていた。
いつも学校ではひとりでいるご主人様。
家に帰ってもまともに家族もいなくて、いつもひとりぼっちみたい……。
……そうだ。
学校では秘密の関係だけど、家の中なら逆に誰の目にも触れないから安心なんだよね。
だったら、家事が色々あって忙しいけど、時間がある限りお話してみよう。
ご主人様はあたしの事をペットにしか見てないだろうけど、でもお話するのって、少しは楽しいんじゃないかなぁ?
「ライスがパラパラしてないし、味がまだらになってる。
卵も焦げてるし、10点」
相変わらずご主人様の評価は厳しく、今日も頑張って作ったオムライスにあっさり撃沈した。
……んだけど。
こんなに評価はヒドいのに、ちゃんと残さずキレイに食べてくれるのは正直に嬉しかった。
「……次はもっと頑張ります」
「期待はしてないよ。
でもご苦労さん」
そう言って、最近は頭をポンポンと撫でてくれるようになった。
ちゃんと食べてはくれるんだけど、やっぱり「美味しい!」って言葉が聞けるまで、あたしも頑張るもんねー!!
「そうだ、ご主人様の好きなお料理って何ですか?」
「好きな料理?」
何でも美味しく作れたら一番いいんだけど、それが難しいならせめて好物を作って近道で「美味しい!」を言わせよう。
うむ、あたしってば頭いい!
「好きな料理なんて別にないよ」
「え? 何か1つくらいあるでしょう?
ほら、ハンバーグとか、焼き肉とか、お寿司とか?」
「別に。
食事なんて、どうせお腹を満たせればそれでいいんじゃないの?」
「……………」
お腹を満たせればそれでいいだなんて。
そんなんじゃあ、何が楽しくて生きてるとかないんじゃないかなぁ。
あたしだったら、美味しいもの食べたら幸せ~って感じちゃうのに。
そんな幸せもご主人様は知らないでいるなんて、何だかかわいそうだなぁ……。
「……ねぇ、ご主人様。
次の土曜日、一緒にお買い物して、一緒にご飯作りませんか?」
「はぁ?」
好きな食べ物がなくっても、自分で作ったものなら美味しいハズだもん。
材料を買う所から一緒にすれば、きっと大満足なご飯ができちゃうに違いないよ!
__結局
あんまり乗り気ではなかったんだけど、とりあえず土曜日はご主人様と一緒にお買い物に行く約束を(ほぼ強制的に)取り付けた。
もちろん歩いては行けないので車を出してもらわなくちゃならないから、サイさんにもお願いして予定を空けてもらった。
この辺りのスーパーをふたりで歩いて、クラスの誰かに見つかったらまた何か疑われちゃうよね。
だからなるべく遠くのスーパーに……と思っていたら、今までキッチンに用意されている食材はサイさんが買ってきてるもので、みんな一流のものを扱ってる特殊なお店かららしいの。
だからあたしみたいな一般人が来る事はないから、安心してふたりで見てまわれるってわけなんだ。
ご主人様とお買い物!
デートみたいでワクワクしちゃうなぁ。
「……そうだ。
サイさんなら!」
あたしがここに来る前までは、全ての家事やご主人様の身の回りのお世話はサイさんがしていたって言ってた。
じゃあ今度、相談してみようかと思う事があるんだよね。
サイさんは四六時中のサングラスは最初怖かったけど、慣れると平気になっちゃった。
それに車での送迎中にお話する時、丁寧な受け答えをする人なのもあって、むしろ話しやすかったりする。
見た目じゃ人は判断できないもんね。
……だけど、どうしていつもサングラスをしてるんだろうなぁ。
帰ったらお掃除に晩ご飯にお風呂、それから時には肩もみなんかと、そんな毎日を送っていた。
学校ではバレないように、サイさんの車に乗り降りする時は細心の注意を払う。
教室ではご主人様とは何の関係も感づかれないよう、ほとんど無視に近いような態度をとっていた。
いつも学校ではひとりでいるご主人様。
家に帰ってもまともに家族もいなくて、いつもひとりぼっちみたい……。
……そうだ。
学校では秘密の関係だけど、家の中なら逆に誰の目にも触れないから安心なんだよね。
だったら、家事が色々あって忙しいけど、時間がある限りお話してみよう。
ご主人様はあたしの事をペットにしか見てないだろうけど、でもお話するのって、少しは楽しいんじゃないかなぁ?
「ライスがパラパラしてないし、味がまだらになってる。
卵も焦げてるし、10点」
相変わらずご主人様の評価は厳しく、今日も頑張って作ったオムライスにあっさり撃沈した。
……んだけど。
こんなに評価はヒドいのに、ちゃんと残さずキレイに食べてくれるのは正直に嬉しかった。
「……次はもっと頑張ります」
「期待はしてないよ。
でもご苦労さん」
そう言って、最近は頭をポンポンと撫でてくれるようになった。
ちゃんと食べてはくれるんだけど、やっぱり「美味しい!」って言葉が聞けるまで、あたしも頑張るもんねー!!
「そうだ、ご主人様の好きなお料理って何ですか?」
「好きな料理?」
何でも美味しく作れたら一番いいんだけど、それが難しいならせめて好物を作って近道で「美味しい!」を言わせよう。
うむ、あたしってば頭いい!
「好きな料理なんて別にないよ」
「え? 何か1つくらいあるでしょう?
ほら、ハンバーグとか、焼き肉とか、お寿司とか?」
「別に。
食事なんて、どうせお腹を満たせればそれでいいんじゃないの?」
「……………」
お腹を満たせればそれでいいだなんて。
そんなんじゃあ、何が楽しくて生きてるとかないんじゃないかなぁ。
あたしだったら、美味しいもの食べたら幸せ~って感じちゃうのに。
そんな幸せもご主人様は知らないでいるなんて、何だかかわいそうだなぁ……。
「……ねぇ、ご主人様。
次の土曜日、一緒にお買い物して、一緒にご飯作りませんか?」
「はぁ?」
好きな食べ物がなくっても、自分で作ったものなら美味しいハズだもん。
材料を買う所から一緒にすれば、きっと大満足なご飯ができちゃうに違いないよ!
__結局
あんまり乗り気ではなかったんだけど、とりあえず土曜日はご主人様と一緒にお買い物に行く約束を(ほぼ強制的に)取り付けた。
もちろん歩いては行けないので車を出してもらわなくちゃならないから、サイさんにもお願いして予定を空けてもらった。
この辺りのスーパーをふたりで歩いて、クラスの誰かに見つかったらまた何か疑われちゃうよね。
だからなるべく遠くのスーパーに……と思っていたら、今までキッチンに用意されている食材はサイさんが買ってきてるもので、みんな一流のものを扱ってる特殊なお店かららしいの。
だからあたしみたいな一般人が来る事はないから、安心してふたりで見てまわれるってわけなんだ。
ご主人様とお買い物!
デートみたいでワクワクしちゃうなぁ。
「……そうだ。
サイさんなら!」
あたしがここに来る前までは、全ての家事やご主人様の身の回りのお世話はサイさんがしていたって言ってた。
じゃあ今度、相談してみようかと思う事があるんだよね。
サイさんは四六時中のサングラスは最初怖かったけど、慣れると平気になっちゃった。
それに車での送迎中にお話する時、丁寧な受け答えをする人なのもあって、むしろ話しやすかったりする。
見た目じゃ人は判断できないもんね。
……だけど、どうしていつもサングラスをしてるんだろうなぁ。
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