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第三部 新たな物語編

第14話 メインヒロイン様達と会談

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「ライル様?」

 黙り込んでしまった俺のことを心配してか、フィオナは俺の隣に来ててを握ってくれる。

 この王女様には、誤魔化しても嘘だと気付かれてしまう。何故なら王女のもつ固有スキルであるものが関連しているのだ。

 ゲームではあまり意味が無い。それはこの現実となった世界では、万能なスキルと言える。

 そのスキルは〈虚言の理〉と言って嘘かホントかを判別できるスキル

 正しくないモノは全て聞き分けることが出来るのだ。

 だけど、多分だが俺の予想が正しければ、この王女様は

「……ふぅ~パルマ王女は人が悪いですね。それに貴方は病弱だったはず、なのに突如として回復なさったのはどういう事か、私にも教えてい長けませんか?それを話してくれるなら、私は……いや俺は洗いざらい吐いてもいいですよ。」

「ーーっ!!やはり貴女も私とも同じ・・・・・なのですね。」

 そう言って、確かな物を得ることが出来た。それはこの王女様も俺と同じ転生者ということ

 だけど、王女様はもしかしたら俺の存在を嫌っているという可能性もあるので、何処まで話せばいいのかというなんとも言えない感情へと苛まれる。だが

「言っておきますが、あんな勇者を好きだなんて思っていませんからね?そこは伝えておかないと私も不義理というもの」

「それは良かった。あんなイカレ野郎……おっと失礼、男の風上にも置けない者を好きだと言われたら俺でも面食らいます。」

「そこはご安心を、私としてもあのような者が、好みとは言いませんから」

 そう言って、お互い納得した所で、俺たちのやり取りをみて一人の少女は

「えっと?こ、これはどういう事なのですか?」

「ああ、一人置いてけぼりにしまったな。すまない話が見えないよな。」

「いえ、大丈夫です。先程よりも良くなったようなら私は何よりなので大丈夫ですよ。」

「そう言ってくれると、俺も嬉しいよ。」

「………なんか次は私が置いてけぼりなんですが、ライル君?」

「え?あぁ…申し訳ございません王女殿下」

 そう言って、パルマ王女は何故か先程よりも不機嫌な表情になって俺に言い放つ。

「……パルマ」

「え?」

「私の事は、パルマと呼んでください!!フィオナさんだけ呼び捨てにしてるなんて不公平です!!だから友達として、私もそう呼んでください!!あ、フィオナも私のことをそう読んでくれていいですからね。という事で、王女命令です。」

「ええ!?そんなお姫様をそんな風に呼んでよろしいのですか?」

「ええ!是非お願いします。ライルも遠慮はしないでくださいね。今後もお付き合いすると思うので」

「………わかりました。ですが公の場では流石にアレなので、人が少ない時にそう呼ばせてもらいますね。パルマ様」

「うぅ…そう呼んでよろしいのならそうさせてもらいます。パルマ様」

「うふふ、ありがとうございます。嬉しいですね。私的な間柄に慣れたのは、私としても何よりも嬉しいですからね。」

 そう言って、微笑むパルマ様は、先程とはまるで別人のように柔らかい笑みを浮かべて嬉しそうにする。

 それを見て、俺は

「(やっぱり転生者だとしても表情から行動まで原作と同じイラストで可愛くて綺麗だな。)」

 そう思いながら、2人を見やる。そんな中で俺と契約しもう一心同体と言える程に、絆が構築された【ノワール】は

『お主も段々とこの世界に魂が馴染んできたな。見ていて微笑ましいぞ。だが、あの勇者は今後恐らく色々と仕掛けてくることは明白、我も準備をし、備えて置かねばな。』

 そう思う【ノワール】だった。



 ◆◇◆



 あれから、少しだけ時間が立ち、俺たちは中を深めていた。

「それでですね。あの人が私に迫ってきた時に、恐れずに私を助けてくれた時のライル様は、本当に物語の勇者様のような凛々しいお姿だったんですよ!!」

「そうなのね。その時は私は違う場所にいたので、見れなくて残念ですね。」

「も、もう良してくれないか?は、恥ずかしすぎるから」

「そんな!恥ずかしいだなんて!!もっと誇ってもいいのですよ!!あの時のライル様は私からしたらこの上なくかっこいい勇者様なのですから!!」

 そう言って、熱弁するフィオナを止めることが出来ずに、なんの羞恥プレイなの?と思いながら、抵抗虚しく聞く羽目になっていた。

 それを聞いているパルマ様は、なんだか活き活きしていてらっしゃるから止めてくれることは皆無と言っていいだろう。

 そう思いながら、俺はゴホンッ!と咳払いをして話を逸らすためにパルマ様に問いかける。

「パルマ様、そういえば訓練所で言っていた話ですが、聖属性を鍛えるという事でいいのですか?パルマ様ならご存知だと思っていたのですが……」

「ああ、そうでしたね。確かに私は上げ方はそれなりに分かっていますが、どうも相性が悪いのか上手くコントロールが出来ないのですよ。もうひとつの属性のせいで」

 そう言って少し怪訝な表情を浮かべるパルマの話を俺は理解した。

「確か、パルマ様の属性は聖属性と闇属性でしたね。珍しい組み合わせて各国でもそれなりに有名ですからね。」

「そうなのですよ。別の相反する属性で、均等ではなく一つ一つやって行ければいいのですが、如何せんどうにも私はそういったどちらかを弱めることが出来ないのです。なのでライル君が方法を知っているならと思い、声をかけましたが、まぁそれは3割程度だったのですがね。」

 そう言って、明らかに7割は隣にいるフィオナが絡んでいることは明白だ。まぁ俺の話も若干あるにはあったのだろうがな。

 そう言って、俺はどうすればいいのかと悩んでいたら、隣のフィオナが俺に話しかけてきて

「それならライル様の、空間魔法で一部封印のような状態には出来ないのですか?ライル様ならできそうな気もするのですが……」

 そう言われた俺は

「フィオナ……確かに試す余地はあるけど、パルマ様が危険になるんじゃないかなと、俺は思っているんだが」

「私はライル君にならそうしてもらっても構わないけど、私が把握している。空間魔法の文献だと、結界のようなモノを創り出すことが出来ると言われているから、体内の魔力の一部を封印できることも可能だと私は思う。」

 そう言って、俺を信頼しているのか期待の眼差しのようなモノを見せてくるパルマ様に少し困惑する。

俺自身かませ犬キャラなのに、なんで転生者であるパルマは、俺をこんなに信頼できるのか疑問に思いつつその事で話を進めていくのであった。



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