上 下
11 / 19
第二部 魔狼フェンリル篇

第9話

しおりを挟む

 スタンピードを収めて、私たちは、転移魔法を使ってダンジョンの外へ出る。察知魔法を使ってあの騒がしい程に居た魔物は、今や静けさと化していた。

 ローダー領の方も皆怪我人がいるぐらいで死者は出てないことに私は胸を撫で下ろす。

「エレイル、お疲れ様でした。少し休んでいきますか?」

 オリビエからそう言われ、私は――――

「大丈夫だよ、魔力を消耗しすぎただけだから、それに、オリビエも手伝ってくれてありがとうね・・・・・・・・・・・・・。オリビエがいなかったらどうなってたことか」

 そう言って私はオリビエに笑顔を見せる・・・・・・

「い、いえお構いなく....」

 そう言ってオリビエは、手を顔に抑えながら返事をするのだった。



 sideオリビエ

 私は、不本意ではあったけど、エレイルの行動を尊重したく、あの冒険者たちの傷を直してから、事の発端が始まった。

 不明な冒険者の失踪に、あの森では発生しない黒いモヤにデビルグリズリー色んなことが重なって、今回の事件は私たちで解決しないとこの町ローダー領はなくなってしまうかもしれないという自体にまで陥った。

 最初は、エレイルがやるならと思っていたが、こんな所で邪魔されたらと思うと少しモヤモヤする。

 それでも、エレイルと一緒に....隣にいられるならなんて考えてら、案の定で魔族や魔王の手先みたいなのが出てきて、そんなこんなでローダー領の人達と協力するんだけど、そこで出会った人達は、エレイルや私にも邪な視線を送ってくる。

 それに私は、気づかれない程度に視線の方に殺気を放つ。

 そうしたらびっくりしたのか皆が目を逸らす。
 それからはギルドマスターであるノルトと共に私たち二人は執務室へと歩みを進める。

 エレイルがノルトに何が起きたのかの経緯を話している最中も入る前に仕掛けたエレイル特性の魔法陣頭に魔法陣を浮かべて空間魔法でその場所に貼り付けるという高度どころかそんな魔法を確立できる存在なんてこの世界に何人いることか。

 その仕掛けが見事に決まり、グロムというこの冒険者ギルドの職員が罠にかかる。その罠は悪意ややましい事を考えていたら反応するように仕掛けたそうだけど、そんなのもはや意味不明なのよね。

 ちなみに言うとエレイルの魔法属性はこの世界ではありえない数なのだ、それを私に教えてくれるということは、私は信頼されているということむふ!!と行けない行けない。
 そうこのエレイルの魔法属性は、聖魔法と光魔法を除く全て【火・炎・水・氷・土・風・雷・闇・植物・空間・無】を備えているそうだ。

 この情報は、エレイルの両親のみ知っているとのことで、領内では3属性のみ使っていたと言われた。

 この世界における属性は神が13柱いてその頂点に創造神がいる。その創造神は人間にある程度のカゴは与えられるが個人に1人信託を授ける存在を決めるという。

 だけど、エレイルはそんな創造神以外の神全てから属性を与えられているということは、それだけ、神が溺愛しているということ、私に関しては確かに聖魔法や光魔法に加えて創造神の加護を一身に受けているからなのか創造魔法何てモノもある。

 そのせいなのかは分からないけど、聖魔法に考えた事ができるようになったのは言うまでもないことで、私は魔力を使って微弱な聖魔法をエレイルに与えている。

 これは、段々と好意を抱くように仕向ける仕掛けだけど、罪悪感とかはもちろん無いよ?洗脳とは少し違うからね?本当だよ?

 そして迎えたスタンピードでは、私に抵抗があったエレイルもすっかり抵抗が薄れているではありませんか!やだ!!

 飛んで向かう時も、くっつけれるし至近距離でエレイルのいい香りを堪能できるとかもはや天国にいる心地良さだよ!!

 それからはダンジョン内に入って私は圧倒的な強さでダンジョン内の魔物を凍らしたり灰にしたりする勇姿をゆっとりとながめながら進んでいく。

 私は特等席で、エレイルの行いを見れるとかもう抱いてもいいだろうか!!おっといけない、トリップする所だったよ。←(もはや手遅れ)

 そんな感じて、なんやかんやあって無事に事の始末を終える。

 それからはダンジョン内からエレイルが転移魔法で外へと出る。私は疲れていると思ったので声がけして労うと、エレイルから―――

「大丈夫だよ、魔力を消耗しすぎただけだから、それに、オリビエも手伝ってくれてありがとうね・・・・・・・・・・・・・。オリビエがいなかったらどうなってたことか」

 と言われた私はここまでになるのにどれだけの時間を費やした事がと思いながらその想いが溢れてきて私はニヤける口を抑えて赤くなる。

「い、いえお構いなく....」

 と私は恥じらうように見せてニヤけた顔を抑えるのだった。




 ◆◇◆◇◆



 あれから私たちは、ローダー領についてから、皆に話しかけられている。私とオリビエはついて早々に感謝の言葉を外にいた冒険者やこのローダー領の騎士や兵士に言われる。

 そして町の人達にも感謝の言葉を言われながらこの町の領主であるローダー男爵にも頭を下げられる始末で、そんなローダー男爵からは、自分の息子と結婚しないかなんて言われるし、なんならその息子さんはまだ10歳という(頭大丈夫か?)

 なんて思いながらも皆が私たちを歓迎ムードでお祭り騒ぎ、そんな中でオリビエはと言うと

『私のエレイルに近づかないでください!!』

 なんて言っていたりする。いや私あんたのモノじゃないからね?

 そんな感じてこの一日は濃すぎる日常だった、色々と食べたり飲んだりして落ち着くのによる9時ぐらいまでなってやっと解放されて、私たちは男爵の屋敷のお客様専用部屋にオリビエと2人っきりでいる。

「オリビエはさ」

「なんですかエレイル?」

 そう呟いて私はある事をいう。

「いつでも襲おうと思えば襲えるのになんで私の事襲わないの?幾らでも機会なんてあったじゃない?」

 そう告げる私にオリビエは―――

「だってそこには愛がないじゃないですか、私これでも乙女なんですよ?エレイルにだけはこの愛が抑えきれないだけで」

 そう告げられる私は、欲望の化身みたいなオリビエの事を改めないと行けないのかもしれないと、この時少なから思ってしまった。

「そうなんだね、とりあえずはいやいややるのではなくて、まぁ...少しずつ関係をその伸ばしてもいいか...な?」

「ほんと!?ありがとうエレイル♡」

 そう言って満面の笑みで私に微笑みかけてくるオリビエに私は胸の当たりがドクッと跳ねるのを感じながら、いつものようにオリビエとくっついて眠るように、今日一日の疲れ(オリビエとのやり取り)癒すべく眠りにつくのだった。

 いつもと同じように私は目を覚ます。
 オリビエはと言うと―――

「…zzZ」

 幸せそうな笑顔をして眠りこけていた。
 いつもとは違う男爵の屋敷での目覚めだけど、意外となんだかスッキリしたような目覚めを迎える。

 多分だけど、オリビエとのわだかまりが無くなったおかげもあって快適に眠ることが出来たのかもしれない、まぁ最近では日課になっていたせいかもうほとんど一緒に寝るのに抵抗はほぼ無くなっていた。

 でも一線は超えないようにある程度の防御魔法を自分自身に掛けているから、まぁ信頼してない訳では無いけど、私の貞操のためだからね。うんそうゆうことだからね!!

 それから私はオリビエを起こす。

「オリビエ、起きて朝よ。」

「ふぇぁぁ~おふぁよ~エ~レイル~♡」

 そう言って起きるオリビエはさながら女神のように気だるそうに私を見て微笑みながら朝の挨拶をする。

 私はオリビエを起こしたあとはベルを鳴らして使用人を呼び、朝食の準備を頼んでから私の空間魔法に入れてある。

 顔を洗う桶を取り出して水魔法で冷たい水をその桶に注ぐ、とりあえずは私は準備した水で顔を洗いオリビエにも洗わせる。

 そうしているうちに、朝食が運び込まれて来て私たちはそれを食べる。食べ終えてからは、次に何処に行くかをオリビエと相談するため少し町に出て考える。

 町ゆく人々は、私たちに挨拶をしながら、笑顔で私たちも挨拶をしつつ、目的の場所である冒険者ギルドにつく。

「あ、エレイルさん!おはようございます!何かご用事時ですか?」

「はい、ノルトさんはいますか?」

「はい、いますよ!少し待っていてください今から呼びますので!!」

 そう言って受付にいた可愛らしい女の子が嬉しそうに、ノルトさんの所にいく

 それから直ぐにノルトさんが少し駆け足でこちらに来る。

「エレイル殿にオリビエ殿!すみません少し書類に手間取ってしまって」

「別に急がなくてもいいんですよ?こちらが無理に来た訳ですから」

「いえいえそういう訳にはいきませんよ!なんてったてここのローダー領を救ってくれた方なのですから!!」

 そう言われて私は少し照れる。そして私たちはノルトさんの執務室へと足を運び、少しだけ今回の事で知り得た事で聞きたいことをノルトさんに話す。

「ノルトさん、ここなら迷いの森に行くのはどれぐらいかかりますか?」

 そう聞くと驚いたように目を見開くノルトさんそして次に放たれた言葉に私とオリビエは少し驚いたような顔をする。

「迷いの森には、近よっては行けないです。」

「何故ですか?」

「――――あそこには、魔狼フェンリルという昔から住みついている災害級の魔物がいるのです」

 とそうノルトさんが言い放つのだった。




◆◇◆◇◆◇◆

〈あとがき〉

sideオリビエ如何だったでしょうか?
やはりと言っていいほどに煩悩まみれだったでしょうか?(笑)

それにエレイルのとんでもチートはこれから更に加速します。乞うご期待(*´ч ` *)

次回は迷いの森に旅立つ回です。
色々と試行錯誤してエレイルとオリビエの関係を進展させるような展開を練っていきます。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

半魔のお姉さんに買われて、奴隷幼女の私が抵抗しながらも堕とされた??話

中毒のRemi
恋愛
おねロリの主導権をロリに握らせるな!! 奴隷幼女が誘い受け? 人外お姉さん(少女)が攻めのお話。 短編2作目 この物語の元ネタはVRChat の無言勢 いいね、感想、しおり、励みになります

3年振りに帰ってきた地元で幼馴染が女の子とエッチしていた

ねんごろ
恋愛
3年ぶりに帰ってきた地元は、何かが違っていた。 俺が変わったのか…… 地元が変わったのか…… 主人公は倒錯した日常を過ごすことになる。 ※他Web小説サイトで連載していた作品です

私たちは、女同士でエッチする

ハイパーキャノン
ファンタジー
 女性同士のセックスだけを描きます。  主な内容と致しましては貝合わせメインの汗だくおねロリエッチモノです。  予定しているシチュエーションは以下の通りです。  色白女子幼稚園児&肌色女子小学生  色白女子小学生&黒ギャル女子高生  空手女子中学生&褐色アメリカン筋肉美女  退魔士幼女&異世界魔法少女  退魔士女子中学生&赤肌筋肉格闘美女  スポーツ女子高生&体育会系オフィスレディ  執筆内容により一部、順番が前後する場合が御座います。  若干の魔法要素、又は異世界要素を含みます(また疑似ふたなり化、有機双頭ディルドでのレズエッチも存在しております)。  汗塗れ汁塗れでグチョグチョになりながらもお互いを求めて貪り合う女の子同士の貝合わせレズエッチを御堪能下さいませ。  ちなみに読者の皆様方、御存知でしたか?  実は女性器って殆どの人が産まれてから暫くの間(幼女期~少女期)は“超前付き”なんだとか。  それが身体が成長して行くに従って臀部(要するにお尻)の筋肉や骨格が発達するのに合わせて徐々に後ろへと引っ張られて行き、最終的によく知られている位置、状態に落ち着くのだそうです。  その設定を取り入れてみました、なのでこの物語に出て来るヒロインとパートナーは全員が“前付き”か“超前付き”です(これらは勿論、彼女達の身体的特徴でもありますが、それに加えて皆、幼い頃から何某かの運動をしていた為に各関節が柔らかくなり、それと同時に腹部や腰部に鼠径部、そして太股等の足周りの筋肉や骨格が臀部のそれらに負けない位に発達して女性器の後退が起こらなかった、と言う訳です)。  そしてその結果として多少、無理な体勢も難なく取る事が出来る上に、キツく抱き締め合っての密着貝合わせレズセックスも可能と言う状況になっているのです、どうぞ悪しからず御了承下さいませ。

【完結】【R18百合】会社のゆるふわ後輩女子に抱かれました

千鶴田ルト
恋愛
本編完結済み。細々と特別編を書いていくかもしれません。 レズビアンの月岡美波が起きると、会社の後輩女子の桜庭ハルナと共にベッドで寝ていた。 一体何があったのか? 桜庭ハルナはどういうつもりなのか? 月岡美波はどんな選択をするのか? おすすめシチュエーション ・後輩に振り回される先輩 ・先輩が大好きな後輩 続きは「会社のシゴデキ先輩女子と付き合っています」にて掲載しています。 だいぶ毛色が変わるのでシーズン2として別作品で登録することにしました。 読んでやってくれると幸いです。 「会社のシゴデキ先輩女子と付き合っています」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/759377035/615873195 ※タイトル画像はAI生成です

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

【完結】【R18百合】女子寮ルームメイトに夜な夜なおっぱいを吸われています。

千鶴田ルト
恋愛
本編完結済み。細々と特別編を書いていくかもしれません。 風月学園女子寮。 私――舞鶴ミサが夜中に目を覚ますと、ルームメイトの藤咲ひなたが私の胸を…! R-18ですが、いわゆる本番行為はなく、ひたすらおっぱいばかり攻めるガールズラブ小説です。 おすすめする人 ・百合/GL/ガールズラブが好きな人 ・ひたすらおっぱいを攻める描写が好きな人 ・起きないように寝込みを襲うドキドキが好きな人 ※タイトル画像はAI生成ですが、キャラクターデザインのイメージは合っています。 ※私の小説に関しては誤字等あったら指摘してもらえると嬉しいです。(他の方の場合はわからないですが)

処理中です...