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第一章 第一部 追放篇

第7話

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 私たちは地上に降りて、『銀月』と合流する。

「メアリアさん、これからは私に魔族の方を任せて貰えませんか?見た感じですが、今の貴方達では、すぐにやられてしまうほどの魔力を持っていますので────」

「まぁ、そうなるとは思ってましたよ。でも気を付けてくださいよ!エレイル、いくら貴方達が強いからって、おごったりなんかしたら許しませんよ。
 それに後で色々と聞きたい事とかも山ほどあるんですからね例えばその目とか、だから早く帰ってきてくださいね。」

「ええ、分かっていますよ。大丈夫です。これでも半年間勇者パーティで経験は積んでいますしヘマをしたりしません、それに私には心強いパートナー・・・・・もいますからね。」

 そう言って私は、オリビエの方をむくと、その言葉を聞いて少し嬉しそうにするオリビエの姿があった。

 何処に嬉しい要素があったのか私は分からなかったが、まぁこれでやる気になってくれるなら私としてはいいのだけど。

 そして、『銀月』の皆さんはそれを聞いて、頷いてくれる。

 私たちは再び、飛行魔法を使って空を飛ぶ、一応ではあるが重くならないように、オリビエに重力魔法をかける。

 大量に湧いている魔物がいるから、この時だけはベッタリくっつかれていたら、対象できるかも分からない。

 それにくっつかれていたら、なんか、その....変な気分・・・・になるというか、なんでこんな胸がザワつくような感覚になるのかは、分からないが、戦闘中になって不意をつかれたらダメだと思うから、そう思いながら私は、少し遠ざけるようにオリビエを横に浮かせてくっ付けないようにする。

 そうしたら、オリビエは不満そうにしていたけど、これは致し方ないのだ。許してくれとは言わないし、くっ付くのも条件より長い時もあるのだから、妥協はして貰わないとそう思いながら森にいる魔物で驚異がありそうな奴だけ、この目で対象する。

 規模的には前に私が収めたスタンピードのやく3倍程の量で脅威度C~AAまでの魔物がいるから脅威度A以下は今のローダー領の人達なら対処出来るし、全て灰燼かいじんしたら、今出ている人たちの潤いも無くなるからね。

 そうして、私たちは目的の場所である、ダンジョンに辿り着く、そこには文献で見た事はあるが、初めて生で見る存在、マンティコアが一体ダンジョン入口で佇んでいた。

 私はそれを見て、確かに察知で魔族の気配とは別に強い個体がいるのは分かっていたが、まさかマンティコアがいるとは思わないよ。

 そして下にいたマンティコアが私たちの存在を認知したのか、見上げて私たちを威嚇してくる。どうやらこの魔物は、オルトという魔族の使い魔かペットなのだろう、ダンジョンから出てくる、魔物はどれも同じ個体だから、マンティコアである魔物は消滅させて魔石にするよりも、その状態のままの方がいいかと、私はそう思い、瞳の六芒星を万華鏡のように回して形を変える。

 次なる、魔法はどんな業火でも溶けることの無いまさに地獄の極寒地帯にあるようなその氷結魔法、『零の息吹アブソリュート・ゼロ』を唱える。息吹に触れたマンティコアや周りにいた脅威度A以上の魔物は、瞬く間に凍っていく。

 そして私たちはダンジョンの入り口へと降り立ち、中にいる数体の魔物を蹴散らしながら、中へと進んでいく。

 ダンジョン内は、以前見た感じの光景が広がっていた。ノルトさんが言うには、このダンジョンは5階層しかないが、どれも強力な魔物がいるということ、森にあるダンジョンながら中も森というのは、何だか捻りのないダンジョンだなと思う。

 ここで森ではなく遺跡やら、迷路みたいなモノでもいいんじゃないかと思える。まぁ自然発生するダンジョンに、文句を言ってもしょうがないけども、そして私たちはダンジョンの入口を凍りつかせて前に進む。

 察知した時に、オルトの魔力は覚えているから今どこにいるのかはもはや筒抜けだ。
 今は5階層の一番奥にいるようだ、多分ダンジョンコアがある所だろう。まぁこれを停めてしまえばいいのかもしれないけど、そうしたらローダー領の収入源が無くなるかもしれない。

 まぁそれは、その時次第でもいいだろうとは思うけど、どうしたものかと悩んでいたらオリビエが話しかけてくる

「エレイル、そんなローダー領の事考えてないで、まずは前に進みましょう。早く終わらせないと、私エレイルのことどうにかしてしまいそうになるから。」

 そう言って、脅すように行ってくるオリビエは本当に襲ってきそうなギラギラした目で私を見てくる。

 本能的に、これはまずいと思わせるようなその目は、何故だが吸い込まれそうな・・・・・・・・感じがしていたが、私はそれにこう切り出す。

「今はそんなこと言わないで、私の気を紛らわさないで・・・・・・・・・・・

 そう言って私は、ダンジョン内へと向かうのだった。


 ◆◇◆◇◆


 最初の階層は、そこまで溢れかえっていないのかと思っていたが、かなり魔物が密集していて私たちを待ち構えるようにいた。

 だけどいくら数が多くても私なら難なく突破できる。そして空間魔法と察知魔法を使って階層の階段を見つけながら、私とオリビエは、少し急ぎ足で向かう。

 4階層まで、手こずること無く進んでいき、私たちは、5階層まで辿り着く。その道中では、オリビエによる私へのアプローチが激しくて魔物よりも、厄介極まりない存在へと化していた。

 魔物が出れば、わざとらしく私の腕に胸を押し当てたり、強引に怖いなどと言って目を潤ませたりと、わざととしか思えない行動をするけど、そんな行動をしていても、なぜかドキドキしてしまうのは、慣れてしまった影響なのかそれとも別の要因なのか。

 そんな葛藤の末に今この場所にいる。
 何をしてるんだと言われてしまえばそれまでだが、私はそんな某脳に打ち勝ちながらもこの5階層へと辿り着くことができた。

「オリビエもこんな状況で、あんな事をしないでね。これコントロールするのまだ慣れてないんだから」
「でも....」
「でもじゃない!!そんな上目遣いで見てもダメよ!!ここからは集中しないと、条件増やすわよ。」
「う、わかった真面目にするよ...」

 そう言ってやっとの思いで解放してくれる。
 私たちは、5階層の洞窟内を回りながらボス部屋の入り口に向かう。

 5階層ともなると、魔物もかなり減っていて楽なものだけど、普通の冒険者ならかなり苦戦するような魔物がチラホラといる。
 前上にいたデビルグリズリーやミノタウロス、ウルフの上位種であるサウンドウルフ等の脅威度A以上の魔物がそこら辺にいるのだ。

 だけど、ここの周りを固めているということはそろそろダンジョンコアがある所に近づいてきている私たちは、歩みを停めない。

 そして、ようやくボス部屋へと辿り着く。
 魔族らしき魔力は以前この部屋の中で、もう1匹別の魔物、恐らくはここのダンジョンマスターだろうと思わしき個体が、オルトと思われる奴と、一緒にいる。

 私たちは、扉を開けて中にいる奴らを懲らしめる為に。そこに入るとやはり魔族らしき角と羽が生えた魔族の貴族らしい奴がいた。
 その隣にいる魔物は、ここのボスであろうミノタウロスの見た目をした体が真っ黒な姿だった。


◆◇◆◇◆

〈あとがき〉

次回が追放編の最終話です。

次からは番外編二話ほど上げていきますので、よろしくお願いします。更新日としましては、30日ぐらいに最終話をあげて、番外編は8月の終わる前には投稿する予定です。
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