男女比:1:450のおかしな世界で陽キャになることを夢見る

ほとりちゃん

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44話

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「逆に裕翔が死んだときはどんなだったの?」


「刺されたんだ。通り魔に」


「ふーん?刺された?」


 結構衝撃的。通り魔なんて一年に一回あるかの大ニュースだしその場に居合わすなんて結構天文学的確率じゃない?


「刺された。寒かったし暑かったよ」


「わかんないその感情」


「多分死ぬ時しか感じれない体験かもしれないな。今でも残ってるよ」


「へぇ」


 俺も死んだときには体験したんだろうか。

 でも心筋梗塞とかだったら外傷もないしそんなことも感じなかったかもしれない。


「それにしてもなんで直前の記憶がなくなったんだろうな。その他に関しては覚えてるのに」


「ほんとに。頭が思い出したくないとか?」


 頭は思い出せないけど体は覚えてるっていうのよくあるよな。体違うから覚えてないだろうけど。


「そうかもしれないな」


「いつか前世の友達だった人とかも会いたいけどな」


 裕翔がそんなことをいう。


「でも、それって友達も死んじゃってるってことでしょ?」


「まぁそうなるな」


「友達とか関係持ってる人が死んでるとか考えたくないね」


 一応友達にも家族はいるんだし友達の友達もいる。悲しむ人は一人でも少ないほうがいいはず。


「お前は優しいな。確かにそうだが、いつかまた楽しく話せたらなと」


「まあそうだね」


 鳥越とか渡辺とか朝比奈とか今頃何してるかなぁ。


「よくよく考えたら歴史は地続きになってるわけだから子孫はいるんじゃ?」


「そういえば確かに」


「会いに行く?」


「いや~、俺ルーツ北海道だしその地に代々とどまってるとも考えずらくね」


「ほんとだ...」


 そもそも子孫と会ったところで『君の曾祖父曾祖母と僕は仲が良かったんだよ~』って言って何になるんだ。

 というか裕翔は北海道出身なんだ。転生したら縁もゆかりもない土地にって面白いな。


「一番ありがたいのはあんまり風景が変わってないところだよね。これで近未来的な感じだったら頭混乱するし」


「あぁ。だけど100年たっても美醜もデザインも美しさも技術もあまり発展していないと考えると少し残念だな」


「まあね。でも歴史は面白いぐらいに変わってたね」


「だな。歴史だけ見るとちゃんと未来にきてるんだって思えるよ」


「もっとも、僕たちが死んだ後の2025から歯車が狂い始めたっぽいけどね」


「そこらへんを生きてなかったと思うときもある」


「前世の人たちには申し訳ないけどほんとにね」





「ねぇ知ってる?」


「なになに?」


「なんか桐ヶ谷中等部に男の子が入ったらしいよ」


 出たよ茜の噂好き。


「桐ヶ谷中ってあのお嬢様校でしょ。私たちに関係なくない?」


「その入った子、バカ美少年らしい」


「っていう噂ね。芸能界とか根も葉もない噂ばっかじゃん」


「ふふーん、写真あるんだよね~今回は」


「マジ?みせてみせて」


 茜が証拠持ってくるのとか初めてじゃ?


「はいこれ」


「えっっっっ」


 エロティクスを感じる…


「いまね、どの事務所もこの子をどうにか芸能界デビューさせれないかを模索してるんだって」


「へぇ~。でもそんなの存在してるの?aiじゃない?」


「いや、桜ちゃんが証言してたから絶対ほんと」


「あの桜ちゃんが?」


 桜ちゃんといえば見た目とは裏腹なクールな物腰の子だ。桜ちゃんが嘘をつくとは言い難い。


「でもさ、そんな子が芸能界くる?魔境だよ?」


「待てよこの純粋そうな瞳!きっとそんなこと知らないよ!」


「そうかなぁ」


「うちの事務所きてくれるかな?」


「ないない。ありえないね」


「もー、姫乃は夢見なさすぎ」


「なら茜は夢見すぎだね。私たちの事務所は今火の車なんだからそんなお金はないよ」


「社長が不動産投資!とかいって土地転がし失敗したからね~」


「あー、その子来てくれないかな~」







///






「姉さん、土曜にショッピングいきたいんだけ「ダメ」」


「なんで?」


「外にはナンパ師とかたくさんいるし話は良さそうだけど中身は酷い芸能界のスカウトとかもあるの。まだ奏音には早いわ」


「もう中学生だよ?」


「中学生は自分が思ってるより子供なんだよ?まだお姉ちゃんに守られる存在なんだよ」


 俺一応前世で高校生まで行ってるから精神年齢的には30歳前後なんだけどなぁ。


「姉さんとお出かけしたいんだ。だめ?」


「え、え~?いやそれなら~、うーん」


 チョロいな。


「何の話や?」


「椛には関係ない。どっかいって」


「そんなんいわんといてーな。私も混ぜてや」


「うーるーさーいー!」


 二条さんがいるのにもなれてきてカジュアルな感じで話せるようになってきた。


「椛姉さんには秘密です」


「そんなひどいこといわずになぁ」

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