30 / 47
28話
しおりを挟む月曜日の昼休み、俺はとあることで悩んでいた。
「部活体験ねぇ~...どこいこう」
「あれ?バスケ部じゃないの?」
「ちょっと吹部とも迷っててね」
元吹奏楽部、前世なら部活動は中高と吹奏楽だったし大学に入っても社会人になっても吹奏楽を続けようと考えていたが、今世では姉さんがいる。
姉さんを優先してバスケ部に入ってマネージャーになるか魂を貫いて吹奏楽部になるか。
元々人に尽くすのは好きだったからマネージャーでもいいんだけどなぁ。
「まぁ体験期間は数日あるしどっちも行ってみたら?」
「そうするよ」
と、言っても最初にどっちに行こう。
56時間目に考えとこう。
***
選ばれたのは、吹奏楽部でした。
「体験の人は音楽室に来て下さーい!」
久しぶりの吹部、体験とはいえワクワクするなぁ。
どうやらこの部活体験、高等部外部入試の人もくるらしく合同部活体験となっている。中等部の人にも高等部の人にもジロジロ見られてちょっと気まずい。
「今日は部活体験ということで、楽器体験を二回してから演奏を聞きに行くという内容になっています!それでは最初の楽器のフダを配っていきますので確認してください!」
俺が配られたフダはユーフォニアム、ほぼ吹奏楽しかつかわれない楽器でこれを見ると吹奏楽部を実感する。
え、ちなみに楽器の形かわってたりしないよね。
「ユーフォニアムの子は私についてきて下さーい!」
ボブの女性がユーフォニアム担当か。
俺はその女性についていく。
「ふたりね!じゃあスリッパ履いてついてきて~」
どうやら俺の他にも一人女の子がいるらしい。見たことあるな。たしか...清水さんだったか?
「確か一条先輩の弟さんの奏音くんと波根の妹さんの波瑠ちゃんだよね?」
「ですです」「そうです」
「知ってる人の弟さん妹さんだとちょっと扱いずらいよね~笑」
笑顔でそんなこというな!中学一年生はそんなの反応できないって普通!
「ちょっとユーフォニアムの練習部屋は遠いんだよね~」
「どこなんですか?」
「えっとね~、中等部のB棟の3階!」
中央棟からだから...移動に2分くらいかかるじゃん。めっちゃ遠いな。
*****
「ここ!入ったら先輩がいらっしゃるからその先輩の指示に従ってね!」
「「わかりました」」
誘導してくれた人は教えてくれないのかい。
「おっきたな。って奏音くんやないか」
えっ、二条さんか。
「えっ、あの一条くん!?噂に聞いてたとおり、と言うかそれ以上かも」
家に帰っても二条さん、学校きても二条さんってなにか運命なの?怖いんだけど。
「ほな奏音くんはうちが教えるからあんたはあの子教えたって」
「りょーかい」
「ってわけでよろしくな、奏音くん」
「はぃ...椛お姉様」
ちょっと怖くて声でなくなってきた。
「そんな緊張せんでも!てか、一応遠い親戚やねんから椛お姉ちゃんとか椛姉さんとかでええねんで?」
あ~こわいこわい。そんなの呼べるわけ無いじゃん。
「いえ、椛お姉s「椛姉さん、な?」はい...椛姉さん」
こんな人だっけ二条さんって。部活の時だけ怖いタイプの人だったりする?
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
95
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる