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第9話 悪夢
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あの日から私の涙は止まらない。
目の淵がひりひりと痛み、きっと酷い顔になっているに違いない。
あれから彼女がくれたクッションの数は変わらない。優しい色合いのクッションをそっと一つ抱きしめる。
流れる涙が布地に落ちてシミをつくっていく。
日課の運動もする気力もなく、食欲も湧かない。
今までの別れは、生きたままだったからまだ耐えられた。しかし今回は違う。
あんなに腕輪が血で染まっていたのだ、残酷なジルバーノが犯人ならば殺してしまったのかもしれない。
シャヌの姿を思い浮かべる。まだ若く10代後半ほどの彼女、死んでしまうにはあまりにも早い年齢だ。
なぜ殺されてしまったのだろう。私と仲良くなったからだろうか、だとしたら私のせいだ。
ぐるぐると同じ事を考えては暗く沈む毎日を過ごした。
日に日に弱っていく私を見てジルバーノはねっとりと嬉しそうに笑う。この男はきっと誰かが悲しむ様を見て喜ぶ狂人なのだ、そうとしか考えられなかった。頬に触れる男の手を振り払う気力もなくなされるがままになっている。ただ、怒りの籠った目を向け続けた。それすら男はにんまりと笑うのだ。
新しく来た使用人さんは私の目の周りに甘い香りのする液体を塗るようになった。それを塗られるとやや痛みが引いている気がする。私は新しい使用人さんの名前を知らない。名乗らない彼女も私と必要以上に仲良くなるとジルバーノに殺されると思っているのだと思う。あの狂人の男なら、やりかねないのだ。
だから聞かない、聞いてはいけない。
私は一人で鳥籠の中で生きなければならないのだ。
また一筋涙が零れた。
何日か経った頃新しい使用人さんは花を持ってくるようになった。
青い綺麗な花、その色はシャヌの瞳の色を連想させた。
その花を見ていると心が少し穏やかになり、涙も止まった。
花が枯れるとまた新しい花を持ってきてくれた。あぁ、彼女も私を慰めてくれているのだ。
けれど私からは歩み寄ってはいけない、これ以上被害者を出してはいけない。
私は再びここから逃げ出す事を決意した。
ここにいなければ誰も殺されずに済むかもしれない。
食事もきちんと取るようになり、運動も少しずつまた始めた。
少しでも体力をつけ、逃げ出すために。
目標を持ち前を向き始めた私の事がジルバーノは気に食わないらしい。
毎日執拗に首を絞めに訪れるようになった。
「イナカナゼナ」
ブツブツと囁き、首を絞める。
でも私だってもう諦めない、こんな所で死にはしない。
シャヌの分まで生きると決意したのだ。
「絶対に、逃げてやる」
真っすぐに狂気に染まった男の目を見返す。
ジルバーノは動揺したように私の目を覗き込み、去っていった。
しばらくして新しい使用人さんがお皿の上にクレープのようなお菓子を持ってきた。
お皿と一緒にフォークとナイフが添えられている。デザート用で小さいがナイフである。
私は食べ終わった後、ナイフだけクッションの下にそっと隠した。
使用人さんは何も言わなかったが、瞳を揺らし去っていった。
私は今日、実行に移そうと決めた。トイレに行く際についてくる監視は男の使用人一人だけ。
首の枷についた縄をいつも握られている。縄は手では千切れないが、さほど頑丈にも見えない。
使用人はがっしりした体格で、力では勝てないとは思うが隙をつけば逃げられるかもしれない。
私の部屋は廊下の突き当りだった、そこからいつも真っすぐに右にトイレに向かう。
他の部屋は扉が閉ざされ中を伺うことはできない。だが、私がこの屋敷に来た時、どこをどう曲がるかしっかりと覚えている。前回のように迷うこともなく出られるだろう。
言葉が分からない私のためか、定期的にトイレに連れて行かれる。
その瞬間を狙うのだ。手に入れた小さなナイフでは心もとなく、食べ物以外切れるのかすら怪しい。
もっとも人を傷つけようとは思っていない。縄を少しでも切れたら、と考えただけだ。
上手くいく保証も何もないが、やらないで後悔するのは悔しすぎる。
小さなナイフを服の中に隠し、その時をじっと待った。
扉が開き、私は目を疑った。
「え…」
なぜか3人の男たちが入ってきた。これでは隙をつくことすら出来ない。
バレたのだろうか、きっとそうだ。なぜ。
私は動揺を隠しきれないまま、トイレに連れて行かれた。もちろん行動は起こせなかった。
私は鳥籠に戻され、手の中にあるナイフをただ見つめた。
作戦は、失敗した。
夜、ジルバーノが来た。
笑顔がいつにも増して張り付けたような不自然さ。
私を見つめる目はいつもよりも険しく笑っていなかった。
背筋が寒くなる。とうとう殺しに来たのだろうか。
猫なで声でジルバーノは囁く。
「エマタシダヲフイナ」
腕をあげ、指で指示した方向は。クッションが積んである方向。
ナイフの事を言っているのだ。完全にばれている。
嫌な汗が背中を流れる。そして見てしまった、扉の隙間から新しい使用人さんが覗いていることに。
ほっとしたような表情で、胸に手を当てている姿を。
あぁ、彼女に裏切られたのだ。胸のあたりが冷たくなった。
だが彼女を恨むのはお門違いだ、彼女はただ自分の身を守っただけだ。
今更気づいた、ナイフを隠し持っていれば、お菓子を運んだ彼女が真っ先に疑われるのだ。
なんと浅はかな考えだったのだろう、彼女を守るどころか危険に晒していたのだ。
ジルバーノが鍵を開け入ってくる。私にゆっくりと近づく。
私は胸元に隠し持ったナイフを取り出し、ギラリと光る切っ先を真っすぐに相手の胸へ向けて構えた。
ジルバーノがやれやれといった風に首を振る。
「こないで」
ナイフが小刻みに揺れる。人に刃物を向けた経験なんてない。
なぜ、笑うの。ジルバーノがねっとりと笑っている。
実に愉快そうな表情で。
滑稽なのはわかっている、たかがお菓子用のナイフだ。
けれど刃物を向けられて笑うなんて予想していなかった。
そのままジルバーノは距離を詰めてくる。私は思わず後ずさりクッションに足を取られ倒れこんだ。
ジルバーノが上から覆いかぶさり、ナイフを自身の首にあてた。
理解ができなかった。何をしているのだこの男は。
やはり狂っている。
「エマタミテッキタシウド、ラホ」
酷く楽しそうに囁いた。手が震える。
駄目だ、どんな悪い男だとしても、シャヌを殺した男でも、私にはナイフを振るう事はできない。
目から涙が零れた。私は弱い。酷く悔しかった。
何もできないのだ。
ジルバーノはうっとりと笑い、私の手からナイフを抜き取った。
そのまま頬にふれる。
「リトノゴカトッズハエマオ」
男の指が私の額に触れ、そこから私の意識は途切れた。
私は真っ暗な中を漂っていた。
上も下も分からない空間、真っ暗な闇の中。
ただ、光もなく広がる所にいた。誰もいない、寂しさが募る。
そこにシャヌが現れた。私に向かって恨みがましい視線を向ける。
「あなたと仲良くなったせいで、私は殺されたのよ!」
「私はもっと生きたかったのに!」
「あんたなんかに優しくしなければよかった!」
シャヌが私を責め立てる。
ごめんなさい、ごめんなさい、私は彼女に謝り続けた。
シャヌが私の上に馬乗りになり、首を絞めた。
「あなたが死ねばよかったのに」
「あなたが死ねば!」
ごめんなさい、それしか伝えられない私の首を彼女は絞め続ける。
場面が切り替わる。
今度は新しい使用人さんが私を見下ろして笑ってた。
「ちょっと優しくしてあげただけでコロッと騙されるんですもの」
「笑っちゃうわ」
「私を守るつもりだったですって?」
「危険に晒してよくそんな事が言えるわね」
ごめんなさい、ごめんなさい、私はそれしか伝える事ができない。
また場面が変わり、ジルバーノが現れた。
「ほら、お前を想っているのは私だけなのだよ」
「早く私のところに落ちておいで」
「お前の泣き顔が毎日見たいのだよ」
嫌だ、うるさい、うるさい!
耳をふさぐのにジルバーノの声は聞こえてくる。
やめて、やめて!私は泣き叫ぶ。
「やめて!」
私は飛び起きた、心臓がドクドクと不快なほど大きく脈打つ。
息を整えようと深呼吸したが、心臓の方はまだ落ち着かなかった。
悪夢だった、シャヌになじられるのが辛かった。
冷たい使用人さんの目、気持ちの悪い男の笑み。
悲しみが胸を覆い、涙がまた止まらなくなった。嗚咽が漏れる。
突然、廊下から怒号が聞こえ大勢の足音が鳴り響く。
何が起こっているのだろう。
部屋の扉が大きな音を立てて開かれる。ジルバーノと手下の男たちが険しい表情で入ってきた。
男たちは腰に剣を差している。物々しい空気が部屋に流れる。
男たちが部屋の扉に大きな鎖で施錠している間、ジルバーノは鳥籠の前まで歩いてくる。
もう、嫌だ私に近づかないで。
涙に濡れたまま私は男を見上げた。
目の淵がひりひりと痛み、きっと酷い顔になっているに違いない。
あれから彼女がくれたクッションの数は変わらない。優しい色合いのクッションをそっと一つ抱きしめる。
流れる涙が布地に落ちてシミをつくっていく。
日課の運動もする気力もなく、食欲も湧かない。
今までの別れは、生きたままだったからまだ耐えられた。しかし今回は違う。
あんなに腕輪が血で染まっていたのだ、残酷なジルバーノが犯人ならば殺してしまったのかもしれない。
シャヌの姿を思い浮かべる。まだ若く10代後半ほどの彼女、死んでしまうにはあまりにも早い年齢だ。
なぜ殺されてしまったのだろう。私と仲良くなったからだろうか、だとしたら私のせいだ。
ぐるぐると同じ事を考えては暗く沈む毎日を過ごした。
日に日に弱っていく私を見てジルバーノはねっとりと嬉しそうに笑う。この男はきっと誰かが悲しむ様を見て喜ぶ狂人なのだ、そうとしか考えられなかった。頬に触れる男の手を振り払う気力もなくなされるがままになっている。ただ、怒りの籠った目を向け続けた。それすら男はにんまりと笑うのだ。
新しく来た使用人さんは私の目の周りに甘い香りのする液体を塗るようになった。それを塗られるとやや痛みが引いている気がする。私は新しい使用人さんの名前を知らない。名乗らない彼女も私と必要以上に仲良くなるとジルバーノに殺されると思っているのだと思う。あの狂人の男なら、やりかねないのだ。
だから聞かない、聞いてはいけない。
私は一人で鳥籠の中で生きなければならないのだ。
また一筋涙が零れた。
何日か経った頃新しい使用人さんは花を持ってくるようになった。
青い綺麗な花、その色はシャヌの瞳の色を連想させた。
その花を見ていると心が少し穏やかになり、涙も止まった。
花が枯れるとまた新しい花を持ってきてくれた。あぁ、彼女も私を慰めてくれているのだ。
けれど私からは歩み寄ってはいけない、これ以上被害者を出してはいけない。
私は再びここから逃げ出す事を決意した。
ここにいなければ誰も殺されずに済むかもしれない。
食事もきちんと取るようになり、運動も少しずつまた始めた。
少しでも体力をつけ、逃げ出すために。
目標を持ち前を向き始めた私の事がジルバーノは気に食わないらしい。
毎日執拗に首を絞めに訪れるようになった。
「イナカナゼナ」
ブツブツと囁き、首を絞める。
でも私だってもう諦めない、こんな所で死にはしない。
シャヌの分まで生きると決意したのだ。
「絶対に、逃げてやる」
真っすぐに狂気に染まった男の目を見返す。
ジルバーノは動揺したように私の目を覗き込み、去っていった。
しばらくして新しい使用人さんがお皿の上にクレープのようなお菓子を持ってきた。
お皿と一緒にフォークとナイフが添えられている。デザート用で小さいがナイフである。
私は食べ終わった後、ナイフだけクッションの下にそっと隠した。
使用人さんは何も言わなかったが、瞳を揺らし去っていった。
私は今日、実行に移そうと決めた。トイレに行く際についてくる監視は男の使用人一人だけ。
首の枷についた縄をいつも握られている。縄は手では千切れないが、さほど頑丈にも見えない。
使用人はがっしりした体格で、力では勝てないとは思うが隙をつけば逃げられるかもしれない。
私の部屋は廊下の突き当りだった、そこからいつも真っすぐに右にトイレに向かう。
他の部屋は扉が閉ざされ中を伺うことはできない。だが、私がこの屋敷に来た時、どこをどう曲がるかしっかりと覚えている。前回のように迷うこともなく出られるだろう。
言葉が分からない私のためか、定期的にトイレに連れて行かれる。
その瞬間を狙うのだ。手に入れた小さなナイフでは心もとなく、食べ物以外切れるのかすら怪しい。
もっとも人を傷つけようとは思っていない。縄を少しでも切れたら、と考えただけだ。
上手くいく保証も何もないが、やらないで後悔するのは悔しすぎる。
小さなナイフを服の中に隠し、その時をじっと待った。
扉が開き、私は目を疑った。
「え…」
なぜか3人の男たちが入ってきた。これでは隙をつくことすら出来ない。
バレたのだろうか、きっとそうだ。なぜ。
私は動揺を隠しきれないまま、トイレに連れて行かれた。もちろん行動は起こせなかった。
私は鳥籠に戻され、手の中にあるナイフをただ見つめた。
作戦は、失敗した。
夜、ジルバーノが来た。
笑顔がいつにも増して張り付けたような不自然さ。
私を見つめる目はいつもよりも険しく笑っていなかった。
背筋が寒くなる。とうとう殺しに来たのだろうか。
猫なで声でジルバーノは囁く。
「エマタシダヲフイナ」
腕をあげ、指で指示した方向は。クッションが積んである方向。
ナイフの事を言っているのだ。完全にばれている。
嫌な汗が背中を流れる。そして見てしまった、扉の隙間から新しい使用人さんが覗いていることに。
ほっとしたような表情で、胸に手を当てている姿を。
あぁ、彼女に裏切られたのだ。胸のあたりが冷たくなった。
だが彼女を恨むのはお門違いだ、彼女はただ自分の身を守っただけだ。
今更気づいた、ナイフを隠し持っていれば、お菓子を運んだ彼女が真っ先に疑われるのだ。
なんと浅はかな考えだったのだろう、彼女を守るどころか危険に晒していたのだ。
ジルバーノが鍵を開け入ってくる。私にゆっくりと近づく。
私は胸元に隠し持ったナイフを取り出し、ギラリと光る切っ先を真っすぐに相手の胸へ向けて構えた。
ジルバーノがやれやれといった風に首を振る。
「こないで」
ナイフが小刻みに揺れる。人に刃物を向けた経験なんてない。
なぜ、笑うの。ジルバーノがねっとりと笑っている。
実に愉快そうな表情で。
滑稽なのはわかっている、たかがお菓子用のナイフだ。
けれど刃物を向けられて笑うなんて予想していなかった。
そのままジルバーノは距離を詰めてくる。私は思わず後ずさりクッションに足を取られ倒れこんだ。
ジルバーノが上から覆いかぶさり、ナイフを自身の首にあてた。
理解ができなかった。何をしているのだこの男は。
やはり狂っている。
「エマタミテッキタシウド、ラホ」
酷く楽しそうに囁いた。手が震える。
駄目だ、どんな悪い男だとしても、シャヌを殺した男でも、私にはナイフを振るう事はできない。
目から涙が零れた。私は弱い。酷く悔しかった。
何もできないのだ。
ジルバーノはうっとりと笑い、私の手からナイフを抜き取った。
そのまま頬にふれる。
「リトノゴカトッズハエマオ」
男の指が私の額に触れ、そこから私の意識は途切れた。
私は真っ暗な中を漂っていた。
上も下も分からない空間、真っ暗な闇の中。
ただ、光もなく広がる所にいた。誰もいない、寂しさが募る。
そこにシャヌが現れた。私に向かって恨みがましい視線を向ける。
「あなたと仲良くなったせいで、私は殺されたのよ!」
「私はもっと生きたかったのに!」
「あんたなんかに優しくしなければよかった!」
シャヌが私を責め立てる。
ごめんなさい、ごめんなさい、私は彼女に謝り続けた。
シャヌが私の上に馬乗りになり、首を絞めた。
「あなたが死ねばよかったのに」
「あなたが死ねば!」
ごめんなさい、それしか伝えられない私の首を彼女は絞め続ける。
場面が切り替わる。
今度は新しい使用人さんが私を見下ろして笑ってた。
「ちょっと優しくしてあげただけでコロッと騙されるんですもの」
「笑っちゃうわ」
「私を守るつもりだったですって?」
「危険に晒してよくそんな事が言えるわね」
ごめんなさい、ごめんなさい、私はそれしか伝える事ができない。
また場面が変わり、ジルバーノが現れた。
「ほら、お前を想っているのは私だけなのだよ」
「早く私のところに落ちておいで」
「お前の泣き顔が毎日見たいのだよ」
嫌だ、うるさい、うるさい!
耳をふさぐのにジルバーノの声は聞こえてくる。
やめて、やめて!私は泣き叫ぶ。
「やめて!」
私は飛び起きた、心臓がドクドクと不快なほど大きく脈打つ。
息を整えようと深呼吸したが、心臓の方はまだ落ち着かなかった。
悪夢だった、シャヌになじられるのが辛かった。
冷たい使用人さんの目、気持ちの悪い男の笑み。
悲しみが胸を覆い、涙がまた止まらなくなった。嗚咽が漏れる。
突然、廊下から怒号が聞こえ大勢の足音が鳴り響く。
何が起こっているのだろう。
部屋の扉が大きな音を立てて開かれる。ジルバーノと手下の男たちが険しい表情で入ってきた。
男たちは腰に剣を差している。物々しい空気が部屋に流れる。
男たちが部屋の扉に大きな鎖で施錠している間、ジルバーノは鳥籠の前まで歩いてくる。
もう、嫌だ私に近づかないで。
涙に濡れたまま私は男を見上げた。
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