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本編
06.始動
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視察後の日程は目まぐるしかった。
ハミルトン様が前もって開墾計画を立てていた為に、それに沿って人員を割り当て、速やかに準備に取り掛かることができた為だ。
1週間が経つといよいよ作業に取り掛かることができた。
専門家に指示を仰ぎ、割り当てられた騎士隊員と有志の農民からなる伐採チームが稼働する。
2週間目は更にチームを細分化し、伐採したスペースで行う木材加工班と、炭焼き班ができた。
4週間目には伐採場で大きな熊が現れ、ひと騒動起きたが、私を含む護衛係が仕留め、幸いにも怪我人は出なかった。
猛獣が現れたのは森の深部まで到達したと同時に、計画が順調に進んでいる証拠でもあった。
しかし、ハミルトン様に進捗を報告するたび、彼は口角を上げきらない微笑み顔を作った。
喜びと労いの言葉を口に出しはするものの、輝かんばかりのいつもの笑顔とは違う、どこか悲しそうな表情を浮かべているように感じた。
1ヶ月も経てば土地も徐々に広がり、木材や木炭の量も順調に増加した。
そこで1度、女たちが作った毛織物と一緒にそれらを隣領の村に売りに出すことになった。いつもその役を担っている者に、今回は騎士隊から護衛をつけて送り出した。
燃料は需要がある。きっと食糧確保に役立つだろう。
ハミルトン様が望んでいたような、良いサイクルができつつあった。
「もうだめだ!」
作業終了時刻、ダンが音を上げて、積み重ねた丸太の脇に寝転がった。ところどころ土の見える緑地に彼のおさげが横たわると、まるでマリーゴールドが咲いているようだ。
それを見た他の面々も綿布で汗を拭いながら、近くの切り株へ腰を下ろした。
私も含め皆、上着は朝のうちに脱ぎ捨て、シャツ1枚で汗だくになっていた。
「クリスタル様、そろそろエルガーの班と担当を交替しましょうよ~!」
エルガーには、私が率いる伐採関係とは別の班として、30名程の騎士隊員を任せていた。
城や村の警備、それから隣領の村へ向かう物流係の護衛や、戦争の未帰還兵等の情報を集めに西部の中心地であるアグニオッチへ赴く遠征係など。つまり、伐採以外の全てだ。
「そもそも、普通、逆ですよ!こういう肉体労働は、隊長であるクリスタル様ではなく、エルガーの奴がやるべきです!」
「私は自分で希望してやっているんだ。」
「それがおかしいって言ってんですよ!」
いつものダンの文句に、周りも「始まった。」と笑って流している。
ふと痛みを感じて手の平を見ると、左手の豆が1つ潰れていた。毎日剣を振り、分厚くなったはずの皮がめくれている。
皆も笑っていはいるが、もしかすると痛みを隠している者もいるのだろうか。
「他に不満のある者は?」
不満が募るようであれば、ダンの言うように班編成を再考する必要がある。そう思って声を掛けたのだが、皆は目を白黒させ、次いで、呆れたように笑った。
「ほら、補佐官のギャグを隊長が本気にしちゃったじゃないですか。」
「補佐官は細いので、もう少し肉体労働をした方がいいですよ。」
ギャグじゃない!と目尻を吊り上げるダンを、隊員たちはさらに茶化した。
気の良い連中だということはよく分かっている。私が子供の頃から共に鍛錬を重ね、戦場では背を預けてきたのだ。
それでも少しくらい何かあるだろうと、「本当に何もないのか?」と念を押すと、彼らは顔を見合わせて肩を竦めた。
近くの切り株に座っていた者は「俺は実家がきこりなので、帰ってもやることはさほど変わりません。」と。またある者は「俺は戦場で意識のないとこを、隊長に担がれたんですよ?どこまででもついて行きます。」と、腕を折って上腕二頭筋を膨らませて見せた。
隊員たちの温かい言葉に胸を打たれていると、遠くから「お~い!」と呼ばれているような声が聞こえ、そちらを振り返ると目を疑った。
車椅子ごとロバ車に乗り、大きく手を振る人物。
「ハミルトン様!」
即座に全員立ち上がり、私は彼のいる場所、簡易的に造られた搬送用の農道へと急いだ。
御者から干し草を与えられている2頭のロバが牧歌的で、農道の景色によく似合うが、太陽のような存在感を放つハミルトン様だけは浮いている。
彼の横にはショーンさんも控えていた。
「ハミルトン様、こんな所までいかがいたしましたか?でこぼこ道でそうとう揺れたのでは?」
「大丈夫だ。少し楽しかった。」
いたずらに歯を見せて目を細めるハミルトン様。
車椅子生活で、戦慄的な感覚に飢えているのだろうか。
「それよりも、この1ヶ月で随分と進んだな。」
木々が切られ、広くなった土地を見渡して言った。
「わざわざ御確認にいらしたのですか?」
「ああ、ちゃんと自分の目で見ておきたかったんだ。」
「作業は順調です。計画していた予定よりも進みが良いです。」
「さすがカッソニア家が誇る騎士団員たちだな。頼もしい限りだ。」
「明日以降も着々と進めていきます。農地ができるのも遠くないでしょう。」
伐採をする人数を少し減らし、切り株を抜く作業を入れて、耕作は村人たちを中心に進めてもらおう。頭の中で必要なタスクをリスト化しているのを妨げたのは、「待ってくれ。」というハミルトン様の穏やかな声だった。
「どうなさいましたか?」
「ここ1ヶ月、皆、働きづめだっただろう?」
ハミルトン様の視線の先を追うと、先程まで一緒に座って談笑していた騎士隊員たちが、後片付けをしていた。
「俺の目からも、やはり疲れているように見える。」
いいえこれしき、と言いたかったが、作業終了時刻と共に横に倒れ込んだダンの姿を思い出した。
「君たちのお陰で開墾計画は順調だし、明日は1日休みにしたらどうだ?」
しかし、と口にした私を遮って、ハミルトン様は続けた。
「そして、これからは1週間に1度は休日を作るんだ。」
「計画に遅れが生じます。」
「君たちの働きぶりからして、その心配はなさそうだ。」
「お気遣いはありがたいのですが、共に戦場を駆けてきた屈強な者たちです。これくらいなんともありません。」
気づかいは無用であると、きっぱり言い切ると、ハミルトン様は「うーん。」と小さく唸り、顎をこつこつと拳で2度小突いた。
そして優しく微笑んだかと思うと、穏やかに口を開いた。
「クリスタル卿、ここは戦場ではない。」
ハミルトン様の言いたいことが分からず、軽く首を傾げた。
「ここはしがない田舎領の小さな村だ。」
「存じております。」
「なにも体力の限界まで働く必要はないし、せっかく縁あって来てくれて、滞在期間はカッソニア伯次第だが、しばらくはいてもらうことになるし、ネッサのことを好きになって欲しいとも思ってるんだ。」
郷に入っては郷に従えという言葉がある。つまりはそういうことだろうか。
確かに、伐採チームに混ざっている村人たちは決して裕福ではないだろうに、どこか心に余裕があるような緩慢な性質がちらほら見えた。
ハミルトン様だってそうだ。苦境に立たされながらも笑顔を絶やさず、実に大らかである。
「村の西側には小さな湖もあるし、狩がしたければ相談して貰えれば狩場も考えるよ。」
「分かりました。ハミルトン様のお心づかいに甘えさせて頂きます。」
「あ、狩がしたいの?」
にこりと笑って指を差してくるハミルトン様に「違います。」ときっぱり言うと、私に向いていた彼の人差し指が居心地悪そうに拳にしまわれた。
「部下たちも休暇は喜ぶと思いますので。」
「そうか。それは何よりだ。」
その決定を騎士隊に告げると、ダンは当然として、他の皆も思いのほか喜んでくれた。
皆して疲労が溜まっていたのかもしれない。私に付き合わせて酷なことをしてしまった。
私は何をしようか。
正直、忙しい日々に救われていたところがあった。余計な事を考える暇もなかったから。
久しぶりに兄の顔が思い浮かんだ。父譲りの黒髪を短く整え、疲れが現れた薄灰色の瞳。
私から離れて、少しは気を休めてくれているだろうか。
そうだと良い。そうでなければ私が左遷された意味が無くなってしまうから。
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猛獣が現れたのは森の深部まで到達したと同時に、計画が順調に進んでいる証拠でもあった。
しかし、ハミルトン様に進捗を報告するたび、彼は口角を上げきらない微笑み顔を作った。
喜びと労いの言葉を口に出しはするものの、輝かんばかりのいつもの笑顔とは違う、どこか悲しそうな表情を浮かべているように感じた。
1ヶ月も経てば土地も徐々に広がり、木材や木炭の量も順調に増加した。
そこで1度、女たちが作った毛織物と一緒にそれらを隣領の村に売りに出すことになった。いつもその役を担っている者に、今回は騎士隊から護衛をつけて送り出した。
燃料は需要がある。きっと食糧確保に役立つだろう。
ハミルトン様が望んでいたような、良いサイクルができつつあった。
「もうだめだ!」
作業終了時刻、ダンが音を上げて、積み重ねた丸太の脇に寝転がった。ところどころ土の見える緑地に彼のおさげが横たわると、まるでマリーゴールドが咲いているようだ。
それを見た他の面々も綿布で汗を拭いながら、近くの切り株へ腰を下ろした。
私も含め皆、上着は朝のうちに脱ぎ捨て、シャツ1枚で汗だくになっていた。
「クリスタル様、そろそろエルガーの班と担当を交替しましょうよ~!」
エルガーには、私が率いる伐採関係とは別の班として、30名程の騎士隊員を任せていた。
城や村の警備、それから隣領の村へ向かう物流係の護衛や、戦争の未帰還兵等の情報を集めに西部の中心地であるアグニオッチへ赴く遠征係など。つまり、伐採以外の全てだ。
「そもそも、普通、逆ですよ!こういう肉体労働は、隊長であるクリスタル様ではなく、エルガーの奴がやるべきです!」
「私は自分で希望してやっているんだ。」
「それがおかしいって言ってんですよ!」
いつものダンの文句に、周りも「始まった。」と笑って流している。
ふと痛みを感じて手の平を見ると、左手の豆が1つ潰れていた。毎日剣を振り、分厚くなったはずの皮がめくれている。
皆も笑っていはいるが、もしかすると痛みを隠している者もいるのだろうか。
「他に不満のある者は?」
不満が募るようであれば、ダンの言うように班編成を再考する必要がある。そう思って声を掛けたのだが、皆は目を白黒させ、次いで、呆れたように笑った。
「ほら、補佐官のギャグを隊長が本気にしちゃったじゃないですか。」
「補佐官は細いので、もう少し肉体労働をした方がいいですよ。」
ギャグじゃない!と目尻を吊り上げるダンを、隊員たちはさらに茶化した。
気の良い連中だということはよく分かっている。私が子供の頃から共に鍛錬を重ね、戦場では背を預けてきたのだ。
それでも少しくらい何かあるだろうと、「本当に何もないのか?」と念を押すと、彼らは顔を見合わせて肩を竦めた。
近くの切り株に座っていた者は「俺は実家がきこりなので、帰ってもやることはさほど変わりません。」と。またある者は「俺は戦場で意識のないとこを、隊長に担がれたんですよ?どこまででもついて行きます。」と、腕を折って上腕二頭筋を膨らませて見せた。
隊員たちの温かい言葉に胸を打たれていると、遠くから「お~い!」と呼ばれているような声が聞こえ、そちらを振り返ると目を疑った。
車椅子ごとロバ車に乗り、大きく手を振る人物。
「ハミルトン様!」
即座に全員立ち上がり、私は彼のいる場所、簡易的に造られた搬送用の農道へと急いだ。
御者から干し草を与えられている2頭のロバが牧歌的で、農道の景色によく似合うが、太陽のような存在感を放つハミルトン様だけは浮いている。
彼の横にはショーンさんも控えていた。
「ハミルトン様、こんな所までいかがいたしましたか?でこぼこ道でそうとう揺れたのでは?」
「大丈夫だ。少し楽しかった。」
いたずらに歯を見せて目を細めるハミルトン様。
車椅子生活で、戦慄的な感覚に飢えているのだろうか。
「それよりも、この1ヶ月で随分と進んだな。」
木々が切られ、広くなった土地を見渡して言った。
「わざわざ御確認にいらしたのですか?」
「ああ、ちゃんと自分の目で見ておきたかったんだ。」
「作業は順調です。計画していた予定よりも進みが良いです。」
「さすがカッソニア家が誇る騎士団員たちだな。頼もしい限りだ。」
「明日以降も着々と進めていきます。農地ができるのも遠くないでしょう。」
伐採をする人数を少し減らし、切り株を抜く作業を入れて、耕作は村人たちを中心に進めてもらおう。頭の中で必要なタスクをリスト化しているのを妨げたのは、「待ってくれ。」というハミルトン様の穏やかな声だった。
「どうなさいましたか?」
「ここ1ヶ月、皆、働きづめだっただろう?」
ハミルトン様の視線の先を追うと、先程まで一緒に座って談笑していた騎士隊員たちが、後片付けをしていた。
「俺の目からも、やはり疲れているように見える。」
いいえこれしき、と言いたかったが、作業終了時刻と共に横に倒れ込んだダンの姿を思い出した。
「君たちのお陰で開墾計画は順調だし、明日は1日休みにしたらどうだ?」
しかし、と口にした私を遮って、ハミルトン様は続けた。
「そして、これからは1週間に1度は休日を作るんだ。」
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「君たちの働きぶりからして、その心配はなさそうだ。」
「お気遣いはありがたいのですが、共に戦場を駆けてきた屈強な者たちです。これくらいなんともありません。」
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「なにも体力の限界まで働く必要はないし、せっかく縁あって来てくれて、滞在期間はカッソニア伯次第だが、しばらくはいてもらうことになるし、ネッサのことを好きになって欲しいとも思ってるんだ。」
郷に入っては郷に従えという言葉がある。つまりはそういうことだろうか。
確かに、伐採チームに混ざっている村人たちは決して裕福ではないだろうに、どこか心に余裕があるような緩慢な性質がちらほら見えた。
ハミルトン様だってそうだ。苦境に立たされながらも笑顔を絶やさず、実に大らかである。
「村の西側には小さな湖もあるし、狩がしたければ相談して貰えれば狩場も考えるよ。」
「分かりました。ハミルトン様のお心づかいに甘えさせて頂きます。」
「あ、狩がしたいの?」
にこりと笑って指を差してくるハミルトン様に「違います。」ときっぱり言うと、私に向いていた彼の人差し指が居心地悪そうに拳にしまわれた。
「部下たちも休暇は喜ぶと思いますので。」
「そうか。それは何よりだ。」
その決定を騎士隊に告げると、ダンは当然として、他の皆も思いのほか喜んでくれた。
皆して疲労が溜まっていたのかもしれない。私に付き合わせて酷なことをしてしまった。
私は何をしようか。
正直、忙しい日々に救われていたところがあった。余計な事を考える暇もなかったから。
久しぶりに兄の顔が思い浮かんだ。父譲りの黒髪を短く整え、疲れが現れた薄灰色の瞳。
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