5 / 41
第一章〜エルガレフト神国〜
第5話 血のピクニック
しおりを挟む
「あの餓鬼たちは欲まみれで動かしやすいですな」
「うむ、持ち上げられていい気になっておる。所詮勇者と言っても人の子よ」
「報告ですが追い出した元勇者ですが、冒険者になったようですぞ。しかも、絶世の美女を従えているらしく巷の噂になっているらしいですぞ」
「ふむ、ちと面倒臭いのう。大人しく暮らしておれば見逃してやったものを。目立ったばかりに殺されてしまうとはなんと憐れな。神が直々に導いてくれるでしょうな」
「はは、そうですな。調子に乗った餓鬼は教育するのが1番です。まあ次の人生に向けての教育ですがな」
「ははは、面白いことを言うな。では、暗部に命じてあの餓鬼を殺ってこい。ついでに女のほうはつれてこい」
「は!」
* * * *
絡まれたあと、俺たちは武器屋に来ていた。割と冒険者ギルドから近く、多くの冒険者がいた。
「らっしゃ……」
店主であろうゴツイおっさんは完全にカンナに見惚れている。行くとこどこで毎回絡まれてたらキリがねぇな。ゴツイおっさんが頬を赤らめてもきしょいだけだぞ!
は、っと我に返ったのか、こちらによってきた。目をらんらんとさせてるのが怖いんだが。
「どんな武器探してんだ?」
「えっと、僕と彼女の剣をですね探してるんです」
日本にいた頃の癖で自然と敬語になっちゃうな。この世界で冒険者をやって行くなら舐められるし、敬語を使わずに喋れるようにならないとな。
「予算はいくらだ?」
「えっと…2000ゴールドです」
「2000ゴールドか…ちと厳しいな。鉄くずみたいなやつしか買えねーぞ?」
「武器になりそうなものだったらなんでもいいです」
「おいおい、自分の命を預ける武器をそんな適当に決めてはダメだぞ。それに坊主はこの可愛いお嬢ちゃんを危険に晒すつもりか?」
思わず俺は黙り込んでしまう。確かに武器は命を預ける大事なものだし、このおっさんの言うことはもっともだ。だがなにもないよりはマシだし、金がないからもっと良いのを買うことも出来ない。
「…ったく、じゃあ分割払いってのはどうだ?」
「分割払いですか?」
「ああ、先に2000ゴールドだけ払ってもらってあとで足りない分を払えばいいんだ」
分割払いか。その考えはなかった。しかし、いつ命を落とすかも分からない冒険者に一括払いではなく、分割払いをすすめるのはなんでなんだ?なんか怪しい。
「僕達はいつ死ぬかも分かりませんよ? そんな存在にあとで支払ってもらうつもりでもし死んで、払えなかったらどうするんですか?」
「まあ、そこら辺の冒険者にゃこんなこと話せんが、純粋にそこのかわいいお嬢ちゃんに死んで欲しくないんだ。まあ冒険者をやめろとかそんなん部外者が喋れることでもないから、少しでも生存率をあげて欲しいからいい武器を使って欲しいんだ」
「……うちのカンナは渡しませんよ?」
「ガハハ、取る気はねーよ。ただ可愛いお嬢ちゃんを見れるだけで眼福なんだよ。ほら、特別サービスしたら贔屓にしてもらいやすくなるだろ?」
ただ単純にカンナに釣られただけのようだ。でもカンナはやらんぞ?
「ほら、これ持ってけ」
そうやって渡された2本の剣は見るからにお高そうな武器だった。鑑定してみたが、性能もいい。
「これ絶対高くないですか?」
「まーまーな。まあ払えるくらいには値引きしてやるから安心しろ」
「ちなみにおいくらですか?」
「そーだな、普通だったら2本合わせて4万ゴールドなんだが、2万ゴールドでどうだ?」
半額か、それでも結構高いけど命に関わる物だしなぁ。こんな好条件他ではないだろう。よし買うか。
「わかりました。買います」
「毎度あり!また来てくれよ」
そうおっさんに言われながら俺たちは店をでた。なぜか武器屋なのに八百屋みたいなことを言ってて少し笑ってしまった。まあこの世界の人からしたら、武器屋も八百屋と同じように身近なものなのかも知れないが。ちなみに武器の性能はこれだ。
名称:鋼鉄の剣
希少級
攻撃力80 耐久値:500/500
効果:サビ防止、攻撃力小上昇
希少級というのがまたいい。なんかお得した気分になる。そんな訳で武器を揃えたので、ゴブリンの狩場である近くの森に移動することにした。
「身分証明になるものをお見せ下さい」
森に行くためには街を囲っている塀にある門みたいなのを通るのだが身分証明になるものがいるらしい。やっぱ取っといてよかったなギルドカード。俺とカンナは衛兵さんにギルドカードを渡して門をくぐる。
あ、ちなみに衛兵も言葉はちゃんと喋れてたけど、顔がめっちゃニヤニヤしてたよ。道行く人にも見られるし、有名人ってこういう感じなのかな?まあ見られてるのはカンナなんだけど。
森までは歩いて15分くらいということなので徒歩で移動する。まあ徒歩以外の移動方法もないのだが。森につくまではカンナと喋ったりした。やっぱり、記憶はないらしい。でも、好きな食べ物や、苦手な物とかはあるらしい。
記憶がないのにそれがわかるのは不自然だが、何故か一般常識的なことはわかる仕様なのかな?まあ記憶喪失とかでも、そういうのは知ってることが多いので、まあそんなもんなのかな。そうこう喋ってるうちに森についた。
うわー、なんか薄暗くて不気味だな。見通しも若干悪い。そうこうしてると緑色のあやつを見つけた。そうファンタジーの定番のゴブリンだ! リアルゴブリンは結構キモい。人間でたとえると、ブスが更に整形で失敗して顔が変形したみたいな感じだ。布みたいなのを肩から膝ぐらいまでにつけているな。ローマ人スタイルみたいだ。手には……ん? 木の枝? そこはナイフとかじゃねーのか? まあ大人なら誰でも倒せるレベルらしいからそんな強くないんだろうね。一応鑑定してみるか。
名称:ゴブリン
種族:ゴブリン族
状態:平常
ステータス レベル:1
HP:23 MP:2 腕力:17 体力:11 敏捷:13 知力:16 魔力:3 器用:18
スキル
棒術Lv1
よっわ。てか木の枝って棒扱いなのか。まあこれなら余裕で勝てそうだな。問題は殺したらグロい事だな。さあどうするか。まあこの世界に生きるなら慣れないと行けないことなんだけどな。まあ海外のゾンビドラマをご飯中に流す親のもとで育ったから多少耐性はあると思うんだけどな。海外のって日本のと比にならないくらいグロいんだよな。ちなみにつけてたのは〇ォー〇ング・〇ッドってやつだぞ!
んー最初だし、どうしようかなぁ。カンナの強さも見てみたいかな。
「カンナ」
「はい!ご主人様。なんですか?」
「あそこにいるゴブリンを殺ってくれないか?カンナがどのくらい戦えるのか見てみたいんだ」
リョーカイです。と敬礼みたいに手をおでこにあててカンナは言った。は、可愛いかよ。因みに結構ゴブリンは遠いので気づいていない。
「いってきます!」
「ギャアアォ」
カンナがそういった瞬間、ゴブリンの体と頭が永遠の別れを告げた。首からは血が滴れてる。まあ血といっても赤くないんだが、ゴブリンの血ってなんか虫を潰したときにでる、緑色の汁みたいな色をしている。まさかゴブリンって虫の亜種だったのか? にしても強すぎる。残像しか見えなかった。こりゃ余程の強敵と会わない限りは安全そうだな。まあそこそこ強かったらカンナとの戦闘の余波でおさらばしちゃうかもだが。
カンナは解体のスキルも持っているようなのでゴブリンを解体してもらう。まあ解体するっていっても魔石を取り出すのと、ゴブリンの耳を削ぎ落とすだけなのだが。魔物にはどの個体にも魔石があり、魔道具に使ったり、魔力に変換したり出来るようだ。まあ魔力の変換はロスが凄いのであんまいい使い方ではないようだが。ちなみにこの情報はカウンターのお姉さんに聞いた。
「ご主人様っ」
「ん? なんだ?」
「そこ、誰かいます。しかも結構人数多いです。明らかについてきてるです」
なにやらカンナがこしょこしょ声で言ってくる。ああ、耳が幸せだ。って、そんなこと言っている場合じゃない。なぜストーカーさんがいるんだ? カンナが可愛すぎてストーカーしに来たのか?
「おい、そこ、出てこい。隠れているのは分かってるんだぞ」
取り敢えず見えないけどそこに声をかけてみる。これで居なかったら恥ずいぞ俺。
「ッチ、なんでばれたんだよ」
おうおう、結構な数の人間が出てきたぜぇ。なんかみんな暗殺者みたいな格好してるな。なんかこう全体暗めな感じ? 6人か…てかよくそんな上手く木に隠れてたな。
「お前達はなんなんだ?」
「教えてやる義理はねーよ」
そう言いながら、6人がこちらに走ってくる。咄嗟に俺は先頭を走るリーダーであろう人間に鑑定をかける。
名称:オルゾ 年齢:28歳
種族:人族
職業:暗殺者
状態:精神不安定
ステータス レベル:16
HP:260 MP:215 腕力:211 体力:241 敏捷:320 知力:120 魔力:231 器用:176
スキル
短剣術Lv2、暗殺術Lv3、追跡Lv2、気配遮断Lv2、恐慌Lv2、毒薬知識Lv1
称号
教会の暗部
完全に暗殺者タイプだな。てか称号に教会の暗部とあるじゃないか。完全にこれ俺を召喚して追い出しやがった教会の仕業だわ。ステータスは若干俺じゃ相手するには辛いな。女の子に手を染めさせるのは男として情けないが、ここで意地張ると死ぬのでここはカンナにやってもらうか。
「カンナ、1番前のリーダー格のやつは無力化して、あとは全員殺っていい」
「分かりましたご主人様!」
そういうとカンナはなにやら呪文を唱えながら走る。1番前のリーダー格らしき男の腕を切り落とし、腱を切った。まあ見えなかったからあとから聞いた話なんだけどね。そのまま男が崩れる。うわ、グロっ。
「ファイヤーアロー!!」
そうカンナが叫ぶと5本の火の矢が現れ、凄い速さで残りの男達の眉間にぶっ刺さった。あれじゃ多分即死だろう。
〘レベルアップしました〙テッテレー
頭になにか響いた。レベルアップ? 男たちを殺したことでレベルが上がったのか?てか、魔物を倒した時にだけ経験値が入ると思っていたのだが、PK…プレイヤーキルでも経験値って入るものなのか? でもなんで俺がレベルアップするんだ?倒したのはカンナだろ?
「カンナ、なんか俺のレベルが上がったっぽいんだが、カンナはレベル上がったか?」
「んー、上がってないです」
顎に手をあてながらカンナがいった。うーんポーズは絵になるのに視界に入る血だらけの男がなぁ。サイコパス感が凄い。まあ、レベルアップの話は置いておいてこの暗殺者から話を聞き出すとでもするか。
「ギャァァァ」
出血多量で死なないように傷口を焼いたんだが相当痛いらしいな。暗殺者が叫んでいる。まあそりゃいてーか。さて、話を聞くか。勿論平和的にね。
「うむ、持ち上げられていい気になっておる。所詮勇者と言っても人の子よ」
「報告ですが追い出した元勇者ですが、冒険者になったようですぞ。しかも、絶世の美女を従えているらしく巷の噂になっているらしいですぞ」
「ふむ、ちと面倒臭いのう。大人しく暮らしておれば見逃してやったものを。目立ったばかりに殺されてしまうとはなんと憐れな。神が直々に導いてくれるでしょうな」
「はは、そうですな。調子に乗った餓鬼は教育するのが1番です。まあ次の人生に向けての教育ですがな」
「ははは、面白いことを言うな。では、暗部に命じてあの餓鬼を殺ってこい。ついでに女のほうはつれてこい」
「は!」
* * * *
絡まれたあと、俺たちは武器屋に来ていた。割と冒険者ギルドから近く、多くの冒険者がいた。
「らっしゃ……」
店主であろうゴツイおっさんは完全にカンナに見惚れている。行くとこどこで毎回絡まれてたらキリがねぇな。ゴツイおっさんが頬を赤らめてもきしょいだけだぞ!
は、っと我に返ったのか、こちらによってきた。目をらんらんとさせてるのが怖いんだが。
「どんな武器探してんだ?」
「えっと、僕と彼女の剣をですね探してるんです」
日本にいた頃の癖で自然と敬語になっちゃうな。この世界で冒険者をやって行くなら舐められるし、敬語を使わずに喋れるようにならないとな。
「予算はいくらだ?」
「えっと…2000ゴールドです」
「2000ゴールドか…ちと厳しいな。鉄くずみたいなやつしか買えねーぞ?」
「武器になりそうなものだったらなんでもいいです」
「おいおい、自分の命を預ける武器をそんな適当に決めてはダメだぞ。それに坊主はこの可愛いお嬢ちゃんを危険に晒すつもりか?」
思わず俺は黙り込んでしまう。確かに武器は命を預ける大事なものだし、このおっさんの言うことはもっともだ。だがなにもないよりはマシだし、金がないからもっと良いのを買うことも出来ない。
「…ったく、じゃあ分割払いってのはどうだ?」
「分割払いですか?」
「ああ、先に2000ゴールドだけ払ってもらってあとで足りない分を払えばいいんだ」
分割払いか。その考えはなかった。しかし、いつ命を落とすかも分からない冒険者に一括払いではなく、分割払いをすすめるのはなんでなんだ?なんか怪しい。
「僕達はいつ死ぬかも分かりませんよ? そんな存在にあとで支払ってもらうつもりでもし死んで、払えなかったらどうするんですか?」
「まあ、そこら辺の冒険者にゃこんなこと話せんが、純粋にそこのかわいいお嬢ちゃんに死んで欲しくないんだ。まあ冒険者をやめろとかそんなん部外者が喋れることでもないから、少しでも生存率をあげて欲しいからいい武器を使って欲しいんだ」
「……うちのカンナは渡しませんよ?」
「ガハハ、取る気はねーよ。ただ可愛いお嬢ちゃんを見れるだけで眼福なんだよ。ほら、特別サービスしたら贔屓にしてもらいやすくなるだろ?」
ただ単純にカンナに釣られただけのようだ。でもカンナはやらんぞ?
「ほら、これ持ってけ」
そうやって渡された2本の剣は見るからにお高そうな武器だった。鑑定してみたが、性能もいい。
「これ絶対高くないですか?」
「まーまーな。まあ払えるくらいには値引きしてやるから安心しろ」
「ちなみにおいくらですか?」
「そーだな、普通だったら2本合わせて4万ゴールドなんだが、2万ゴールドでどうだ?」
半額か、それでも結構高いけど命に関わる物だしなぁ。こんな好条件他ではないだろう。よし買うか。
「わかりました。買います」
「毎度あり!また来てくれよ」
そうおっさんに言われながら俺たちは店をでた。なぜか武器屋なのに八百屋みたいなことを言ってて少し笑ってしまった。まあこの世界の人からしたら、武器屋も八百屋と同じように身近なものなのかも知れないが。ちなみに武器の性能はこれだ。
名称:鋼鉄の剣
希少級
攻撃力80 耐久値:500/500
効果:サビ防止、攻撃力小上昇
希少級というのがまたいい。なんかお得した気分になる。そんな訳で武器を揃えたので、ゴブリンの狩場である近くの森に移動することにした。
「身分証明になるものをお見せ下さい」
森に行くためには街を囲っている塀にある門みたいなのを通るのだが身分証明になるものがいるらしい。やっぱ取っといてよかったなギルドカード。俺とカンナは衛兵さんにギルドカードを渡して門をくぐる。
あ、ちなみに衛兵も言葉はちゃんと喋れてたけど、顔がめっちゃニヤニヤしてたよ。道行く人にも見られるし、有名人ってこういう感じなのかな?まあ見られてるのはカンナなんだけど。
森までは歩いて15分くらいということなので徒歩で移動する。まあ徒歩以外の移動方法もないのだが。森につくまではカンナと喋ったりした。やっぱり、記憶はないらしい。でも、好きな食べ物や、苦手な物とかはあるらしい。
記憶がないのにそれがわかるのは不自然だが、何故か一般常識的なことはわかる仕様なのかな?まあ記憶喪失とかでも、そういうのは知ってることが多いので、まあそんなもんなのかな。そうこう喋ってるうちに森についた。
うわー、なんか薄暗くて不気味だな。見通しも若干悪い。そうこうしてると緑色のあやつを見つけた。そうファンタジーの定番のゴブリンだ! リアルゴブリンは結構キモい。人間でたとえると、ブスが更に整形で失敗して顔が変形したみたいな感じだ。布みたいなのを肩から膝ぐらいまでにつけているな。ローマ人スタイルみたいだ。手には……ん? 木の枝? そこはナイフとかじゃねーのか? まあ大人なら誰でも倒せるレベルらしいからそんな強くないんだろうね。一応鑑定してみるか。
名称:ゴブリン
種族:ゴブリン族
状態:平常
ステータス レベル:1
HP:23 MP:2 腕力:17 体力:11 敏捷:13 知力:16 魔力:3 器用:18
スキル
棒術Lv1
よっわ。てか木の枝って棒扱いなのか。まあこれなら余裕で勝てそうだな。問題は殺したらグロい事だな。さあどうするか。まあこの世界に生きるなら慣れないと行けないことなんだけどな。まあ海外のゾンビドラマをご飯中に流す親のもとで育ったから多少耐性はあると思うんだけどな。海外のって日本のと比にならないくらいグロいんだよな。ちなみにつけてたのは〇ォー〇ング・〇ッドってやつだぞ!
んー最初だし、どうしようかなぁ。カンナの強さも見てみたいかな。
「カンナ」
「はい!ご主人様。なんですか?」
「あそこにいるゴブリンを殺ってくれないか?カンナがどのくらい戦えるのか見てみたいんだ」
リョーカイです。と敬礼みたいに手をおでこにあててカンナは言った。は、可愛いかよ。因みに結構ゴブリンは遠いので気づいていない。
「いってきます!」
「ギャアアォ」
カンナがそういった瞬間、ゴブリンの体と頭が永遠の別れを告げた。首からは血が滴れてる。まあ血といっても赤くないんだが、ゴブリンの血ってなんか虫を潰したときにでる、緑色の汁みたいな色をしている。まさかゴブリンって虫の亜種だったのか? にしても強すぎる。残像しか見えなかった。こりゃ余程の強敵と会わない限りは安全そうだな。まあそこそこ強かったらカンナとの戦闘の余波でおさらばしちゃうかもだが。
カンナは解体のスキルも持っているようなのでゴブリンを解体してもらう。まあ解体するっていっても魔石を取り出すのと、ゴブリンの耳を削ぎ落とすだけなのだが。魔物にはどの個体にも魔石があり、魔道具に使ったり、魔力に変換したり出来るようだ。まあ魔力の変換はロスが凄いのであんまいい使い方ではないようだが。ちなみにこの情報はカウンターのお姉さんに聞いた。
「ご主人様っ」
「ん? なんだ?」
「そこ、誰かいます。しかも結構人数多いです。明らかについてきてるです」
なにやらカンナがこしょこしょ声で言ってくる。ああ、耳が幸せだ。って、そんなこと言っている場合じゃない。なぜストーカーさんがいるんだ? カンナが可愛すぎてストーカーしに来たのか?
「おい、そこ、出てこい。隠れているのは分かってるんだぞ」
取り敢えず見えないけどそこに声をかけてみる。これで居なかったら恥ずいぞ俺。
「ッチ、なんでばれたんだよ」
おうおう、結構な数の人間が出てきたぜぇ。なんかみんな暗殺者みたいな格好してるな。なんかこう全体暗めな感じ? 6人か…てかよくそんな上手く木に隠れてたな。
「お前達はなんなんだ?」
「教えてやる義理はねーよ」
そう言いながら、6人がこちらに走ってくる。咄嗟に俺は先頭を走るリーダーであろう人間に鑑定をかける。
名称:オルゾ 年齢:28歳
種族:人族
職業:暗殺者
状態:精神不安定
ステータス レベル:16
HP:260 MP:215 腕力:211 体力:241 敏捷:320 知力:120 魔力:231 器用:176
スキル
短剣術Lv2、暗殺術Lv3、追跡Lv2、気配遮断Lv2、恐慌Lv2、毒薬知識Lv1
称号
教会の暗部
完全に暗殺者タイプだな。てか称号に教会の暗部とあるじゃないか。完全にこれ俺を召喚して追い出しやがった教会の仕業だわ。ステータスは若干俺じゃ相手するには辛いな。女の子に手を染めさせるのは男として情けないが、ここで意地張ると死ぬのでここはカンナにやってもらうか。
「カンナ、1番前のリーダー格のやつは無力化して、あとは全員殺っていい」
「分かりましたご主人様!」
そういうとカンナはなにやら呪文を唱えながら走る。1番前のリーダー格らしき男の腕を切り落とし、腱を切った。まあ見えなかったからあとから聞いた話なんだけどね。そのまま男が崩れる。うわ、グロっ。
「ファイヤーアロー!!」
そうカンナが叫ぶと5本の火の矢が現れ、凄い速さで残りの男達の眉間にぶっ刺さった。あれじゃ多分即死だろう。
〘レベルアップしました〙テッテレー
頭になにか響いた。レベルアップ? 男たちを殺したことでレベルが上がったのか?てか、魔物を倒した時にだけ経験値が入ると思っていたのだが、PK…プレイヤーキルでも経験値って入るものなのか? でもなんで俺がレベルアップするんだ?倒したのはカンナだろ?
「カンナ、なんか俺のレベルが上がったっぽいんだが、カンナはレベル上がったか?」
「んー、上がってないです」
顎に手をあてながらカンナがいった。うーんポーズは絵になるのに視界に入る血だらけの男がなぁ。サイコパス感が凄い。まあ、レベルアップの話は置いておいてこの暗殺者から話を聞き出すとでもするか。
「ギャァァァ」
出血多量で死なないように傷口を焼いたんだが相当痛いらしいな。暗殺者が叫んでいる。まあそりゃいてーか。さて、話を聞くか。勿論平和的にね。
0
お気に入りに追加
1,713
あなたにおすすめの小説

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった
Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。
*ちょっとネタばれ
水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!!
*11月にHOTランキング一位獲得しました。
*なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。
*パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる