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二章 聖女という存在について
5 自己紹介
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「それで俺達を此処に連れてきたのは、その隠さないとマズい素性を明かす為って事で良いんですか?」
賑やか慌てふためく二人に対して、軌道修正するようにクロードがそう問いかける。
「え、あ、うん……そんな感じっす。まあ言わずとも伝わっちゃってるんすけど……ハハハ」
そう言って苦笑いを浮かべるユイ。
だけど一拍空けて少しだけ真剣な表情を浮かべたユイは、私に向かって言う。
「だけど何も自己紹介の為だけには呼ばないっすよ……ウチ達は、アンタの事も知りたいんす」
「私の事……」
「聖結界を完璧に処置してくれたっすよね……あんなのは普通の一般人にはできないんすよ」
「うん……まあそうだね」
ユイの言葉に私も頷く。
聖魔術を扱えるというだけでほんの一握りで……ああいう適切な処置ができる人となればそういない。
そんな言い方をしたらちょっと自惚れてるような感じになっちゃうけど……事実そうだと思う。
「だからアンタ達が何者なのかを聞こうと思って。なんで教えて欲しいっす。アンタ達は一体──」
ユイがそう言いかけたその時、ユイの頭をライアンが軽くチョップする。
「あだっ……ちょ、何するんすかライアンさん!」
「マジで気になってるのは分かるけどそうじゃねえだろ。どうせ色々バレてんだ。まずはこっちから名乗るのが礼儀だろうが」
「……そうっすね。ご指摘感謝っす」
そして軽く咳払いした後、ユイは改めて私達に言う。
「じゃあ改めて。ウチはユイ・アメリア。この国の聖女の一人っす」
軽く胸を張りちょっとドヤ顔で言うユイ。
うん、まあ分かるよ。凄い事の筈だもんね、聖女をやるって事は。
……ってちょっと待って。
「で、こっちはライアンさん。この人はウチのボディーガードで──」
「ちょ、ちょっと待って!」
思わず話に割り込んだ。
「え、ライアンさんの事は興味なかったっすか?」
「まあ俺なんて何処にでもいる有象無象だからよ」
「そんな事ないっすよ! ライアンさんだってなんかこう……凄いじゃないっすか!」
「咄嗟に出て来た慰めの言葉がそれってのが逆にすげえよお前……で、どうしたお二人さん。なんか引っ掛かる事でもあったか?」
お二人と、私だけじゃなく複数形で聞いて来たので思わずクロードの方に視線を向ける。
その表情を見ると……クロードにも引っ掛かった事があるみたいだ。
「とりあえずお嬢が先にどうぞ。まあおそらく同じ事が引っ掛かったんだと思いますが」
「うん、分かった。じゃあ……ユイ、私達の自己紹介の前に一つ聞いても良い?」
「どうぞっす。ウチも何が気になったのかが気になっているんで」
「じゃあ、単刀直入に」
そして私は問いかける。
「聖女の一人って……どういう事?」
まるで聖女がこの国に複数人いるかのような、訳の分からない言葉について。
賑やか慌てふためく二人に対して、軌道修正するようにクロードがそう問いかける。
「え、あ、うん……そんな感じっす。まあ言わずとも伝わっちゃってるんすけど……ハハハ」
そう言って苦笑いを浮かべるユイ。
だけど一拍空けて少しだけ真剣な表情を浮かべたユイは、私に向かって言う。
「だけど何も自己紹介の為だけには呼ばないっすよ……ウチ達は、アンタの事も知りたいんす」
「私の事……」
「聖結界を完璧に処置してくれたっすよね……あんなのは普通の一般人にはできないんすよ」
「うん……まあそうだね」
ユイの言葉に私も頷く。
聖魔術を扱えるというだけでほんの一握りで……ああいう適切な処置ができる人となればそういない。
そんな言い方をしたらちょっと自惚れてるような感じになっちゃうけど……事実そうだと思う。
「だからアンタ達が何者なのかを聞こうと思って。なんで教えて欲しいっす。アンタ達は一体──」
ユイがそう言いかけたその時、ユイの頭をライアンが軽くチョップする。
「あだっ……ちょ、何するんすかライアンさん!」
「マジで気になってるのは分かるけどそうじゃねえだろ。どうせ色々バレてんだ。まずはこっちから名乗るのが礼儀だろうが」
「……そうっすね。ご指摘感謝っす」
そして軽く咳払いした後、ユイは改めて私達に言う。
「じゃあ改めて。ウチはユイ・アメリア。この国の聖女の一人っす」
軽く胸を張りちょっとドヤ顔で言うユイ。
うん、まあ分かるよ。凄い事の筈だもんね、聖女をやるって事は。
……ってちょっと待って。
「で、こっちはライアンさん。この人はウチのボディーガードで──」
「ちょ、ちょっと待って!」
思わず話に割り込んだ。
「え、ライアンさんの事は興味なかったっすか?」
「まあ俺なんて何処にでもいる有象無象だからよ」
「そんな事ないっすよ! ライアンさんだってなんかこう……凄いじゃないっすか!」
「咄嗟に出て来た慰めの言葉がそれってのが逆にすげえよお前……で、どうしたお二人さん。なんか引っ掛かる事でもあったか?」
お二人と、私だけじゃなく複数形で聞いて来たので思わずクロードの方に視線を向ける。
その表情を見ると……クロードにも引っ掛かった事があるみたいだ。
「とりあえずお嬢が先にどうぞ。まあおそらく同じ事が引っ掛かったんだと思いますが」
「うん、分かった。じゃあ……ユイ、私達の自己紹介の前に一つ聞いても良い?」
「どうぞっす。ウチも何が気になったのかが気になっているんで」
「じゃあ、単刀直入に」
そして私は問いかける。
「聖女の一人って……どういう事?」
まるで聖女がこの国に複数人いるかのような、訳の分からない言葉について。
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