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五章 絶界の楽園
ex 戦う相手が違うなら
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病室を出ると茜は壁に背を預ける様にして立っていた。
「お待たせしました」
「いいっていいって。こんなの待った内に入らないよ」
そう言って軽く笑った茜はそれじゃあ、とエルに言う。
「とりあえず当初の予定通り何か食べよっか」
「そうですね。そうしましょう」
「よしよし。でも改めて何食べようか。さっきはお寿司を押してたわけだけど……改めて考えてみれば、普通に食堂も使えそうなんだよね」
茜は先程の話を覆すようにそんな事を言い始める。
「注目浴びても大丈夫そうかなって事ですか?」
元々エルが注目を浴びる事を懸念して選択肢から外したようだったので、それが再び選択肢に組み込まれるという事はそういう事になるのだろうか?
だけどそれを茜は少し慌てる様に否定する。
「いやいや、だとしたら結構酷い奴だよ私。流石に注目の的に進んでさせようだなんて真似はしないよ」
そういう事じゃないんだと言った茜は、言葉の真意を口にする。
「今の時間が十時。考えてみればあまり利用する人が少ない時間だし、それに込むような時間だったとしても今日はそこまで人がいないんじゃないかなって思うんだ」
「……どうしてですか?」
「今日は皆忙しいみたいだから。誠一君が此処に戻ってきていないのもそういう事」
「仕事……ですか」
「うん。今日あった事の事後処理に加えて……後は警戒だよ。精霊の出現には連続性があるから」
「……」
連続性。確かにそういったものは存在するのだろう。
精霊がこの世界へと飛ぶ為の条件。満月が空に昇っている事。つまりはその条件を満たしている間は精霊はこの世界へと飛ぶ事とができる。飛んでしまう事ができる。
だからそれが結果的に連続性があるという事になる。
だけどそれならきっと普段通りだ。そして勝手な憶測だが、普段通りなら人が少ない様な状況にはならないだろう。
だとすればそれは何故か。それは考えてみれば出てきそうな答えだった。
「それにね……結果的に精霊がこっちの世界に来るのを止めていた人……業者だっけ? その最低な人達が居ない訳でしょ? だったらより多くの精霊が辿り着く可能性が出てきたって事になるんだよ」
「……確かに今なら安全にあの場所を通れるから……」
通過した精霊がやがてこの世界にやってくる。
……あの業者に数を減らされる事無く通過した精霊たちがだ。
「本来だったら数人程度でしか現れないのに、今回みたいな人数で……ううん、もっと大勢でこの世界に現れるかもしれない。だからね、人員を増やす必要があるんだよ。元々人手不足だから残る人も減る。だから大勢が食堂に居るなんて事は無いんじゃないかって思うんだ。飯食ってる場合じゃねえって感じだよ」
「なるほど……確かにそうかもしれませんね」
エルはそういう返答をしたし、多分それが合理的な判断なのだとも思った。
だけど実際の所そういう風に人員を増やす必要があったのかと思えば多分それは違うとも思った。
何か論理的な話では無く、感覚的に。
向こうの世界からこちらの世界へと飛ぶための力。あの時あの湖に辿り着いてから使える様になった精霊術は今現在使えそうにない。この世界にたどり着いた直後にそれが可能かを確かめていなかった為、この世界であの術がそもそも使えるのかどうかは定かではないが、実際に暴走した精霊がどういう訳かエイジにあの術を使ったからこそエイジはあの世界へとやってきた。だからきっと使えない今は条件から外れてしまっているのだと思う。
……もっとも自分が条件と認識している事もどこまで正しいのかは分からないが。
夜にあの湖からこの世界へと飛び、同時刻と言っていいような夜の時間にこの世界へと辿り着いた。それはつまりあの湖と池袋と呼ばれているこの場所には大きな時差が無いという事になる。
だけどエイジは向こうの世界に昼間に飛ばされた。つまり真昼に精霊がこの世界へと飛んできている事になる。
それは自分達がヒルダ達から聞かされた絶界の楽園へと渡るための条件とは異なっていて……その時点で自分の知識が大きく欠落している事が理解できる。自分達がこの世界へと向かった際の条件がAだとすれば、それ以外の条件Bが存在している訳だ。でないと辻褄が合わない。
だから感覚的に違うと思えても、全てを知らない時分に言えることは無い。自分がその術を使えなくなっている程度の事で軽々しく口出しなどできやしない。
「うん。だからエルちゃんがそれで良かったら……行ってみる?」
だから今はそれ以上掘り下げない事にした。流れていく話に乗っかる事にした。
「じゃあそうします。そもそも人が沢山居たとしても、こういう世界に来た以上慣れないと。といっても一か月は人に交じって生活してましたから。大勢いてもちょっと怖くて苦手なだけなんですけどね」
今はどうにもできない世界の事は頭から切り離し、自分の周りの事だけを考えよう。
どんな時であれ、きっと自分にはそれが精一杯だ。
「だとすればもしかすると、人付き合い苦手な人間の方が人が苦手なのかもしれないね。でもまあそれでも無理は禁物だよ。何かあったらすぐ言ってね」
「はい。その時はお願いします」
「任せたまえ! ピンチの際に茜ちゃんを召還すると五十五パーセント程度の確率で状況が好転するぞ!」
「残り四十五パーセントは?」
「悪化するぞッ!」
茜はウィンクしながらノリノリでそんな事を言う。
「ドヤァ……」
「まあ半分以上好転できてたらそれはきっと凄いですよ。心強いです」
「……て嘘、肯定された!?」
「という訳でお願いしますね」
「え、あ、ちょっと! 私が思ってるピンチでソレなら相当ポンコツだよ!? そんな泥船に簡単に乗っちゃ駄目だぁ!」
「大丈夫ですよ。最悪沈めば泳ぎますから」
「うわぁ、なんかカッコいい……」
「それはどうも。じゃあ行きましょうか、茜さん」
「よぉーし、沈んでたまるか。頑丈な船になる!」
「頑張りましょう、応援します」
「あれ? 何で私がサポートされる側になってるんだろう?」
そんなやり取りをしながら二人は食堂を目指して歩き出した。
「確かに人少ないですね」
「そうだね、この時間帯でも普段はもう少し居るんだけどね、やっぱり飯食ってる場合じゃねえって感じだね」
辿り着いた食堂は聞いた通り閑散としていた。エルとしては気楽でいいのだが、そうなっている原因が遠因なだけに笑えない。
「じゃあとりあえず食券買おうか。何食べたい?」
「えーっと、じゃあ茜さんのお勧めで」
「よーし、じゃあね……此処はカレーうどんがうまいのだー、エイ!」
小銭を入れてボタンをプッシュ。その動作を二回繰り返す。
そうして出てきた食券をカウンターまで持っていってから近くのテーブルの椅子に腰を下ろす。
「あ、はい、水」
「どうも」
茜はエルに水を手渡してから、再び周囲に視線を向ける。
「もう待ってる人はほぼいないだろうし、すぐできるよ」
「そうみたいですね」
「……大丈夫かな、誠一君」
ふと茜がそんな言葉を口にする。
今は特別な警戒が必要な程に危険な状況という事になっている。心配の一つや二つ位してもおかしくないだろう。
「……そういえば茜さんは参加するように言われなかったんですか?」
「まあ私がこういう方向の事で使い物にならないのは皆知ってるからね。だってまともに戦えないもん。足手まといもいいところだよ。実力自体は結構自信あるんだけどね、誠一君をやっつけられる位には強いと思うよ。一体どこでこの力を使えばいいんだろ?」
このままじゃただのポンコツですよポンコツ、と茜は笑う。
だけどやがてその笑みは消え、言葉の続きを述べていく。
「……やっぱりそうなってくると相手は人間か。精霊捕まえてる業者だっけ? そういうどうしようもない人達が相手なら、多分戦えるんだけどね。きっと、全力で」
「お待たせしました」
「いいっていいって。こんなの待った内に入らないよ」
そう言って軽く笑った茜はそれじゃあ、とエルに言う。
「とりあえず当初の予定通り何か食べよっか」
「そうですね。そうしましょう」
「よしよし。でも改めて何食べようか。さっきはお寿司を押してたわけだけど……改めて考えてみれば、普通に食堂も使えそうなんだよね」
茜は先程の話を覆すようにそんな事を言い始める。
「注目浴びても大丈夫そうかなって事ですか?」
元々エルが注目を浴びる事を懸念して選択肢から外したようだったので、それが再び選択肢に組み込まれるという事はそういう事になるのだろうか?
だけどそれを茜は少し慌てる様に否定する。
「いやいや、だとしたら結構酷い奴だよ私。流石に注目の的に進んでさせようだなんて真似はしないよ」
そういう事じゃないんだと言った茜は、言葉の真意を口にする。
「今の時間が十時。考えてみればあまり利用する人が少ない時間だし、それに込むような時間だったとしても今日はそこまで人がいないんじゃないかなって思うんだ」
「……どうしてですか?」
「今日は皆忙しいみたいだから。誠一君が此処に戻ってきていないのもそういう事」
「仕事……ですか」
「うん。今日あった事の事後処理に加えて……後は警戒だよ。精霊の出現には連続性があるから」
「……」
連続性。確かにそういったものは存在するのだろう。
精霊がこの世界へと飛ぶ為の条件。満月が空に昇っている事。つまりはその条件を満たしている間は精霊はこの世界へと飛ぶ事とができる。飛んでしまう事ができる。
だからそれが結果的に連続性があるという事になる。
だけどそれならきっと普段通りだ。そして勝手な憶測だが、普段通りなら人が少ない様な状況にはならないだろう。
だとすればそれは何故か。それは考えてみれば出てきそうな答えだった。
「それにね……結果的に精霊がこっちの世界に来るのを止めていた人……業者だっけ? その最低な人達が居ない訳でしょ? だったらより多くの精霊が辿り着く可能性が出てきたって事になるんだよ」
「……確かに今なら安全にあの場所を通れるから……」
通過した精霊がやがてこの世界にやってくる。
……あの業者に数を減らされる事無く通過した精霊たちがだ。
「本来だったら数人程度でしか現れないのに、今回みたいな人数で……ううん、もっと大勢でこの世界に現れるかもしれない。だからね、人員を増やす必要があるんだよ。元々人手不足だから残る人も減る。だから大勢が食堂に居るなんて事は無いんじゃないかって思うんだ。飯食ってる場合じゃねえって感じだよ」
「なるほど……確かにそうかもしれませんね」
エルはそういう返答をしたし、多分それが合理的な判断なのだとも思った。
だけど実際の所そういう風に人員を増やす必要があったのかと思えば多分それは違うとも思った。
何か論理的な話では無く、感覚的に。
向こうの世界からこちらの世界へと飛ぶための力。あの時あの湖に辿り着いてから使える様になった精霊術は今現在使えそうにない。この世界にたどり着いた直後にそれが可能かを確かめていなかった為、この世界であの術がそもそも使えるのかどうかは定かではないが、実際に暴走した精霊がどういう訳かエイジにあの術を使ったからこそエイジはあの世界へとやってきた。だからきっと使えない今は条件から外れてしまっているのだと思う。
……もっとも自分が条件と認識している事もどこまで正しいのかは分からないが。
夜にあの湖からこの世界へと飛び、同時刻と言っていいような夜の時間にこの世界へと辿り着いた。それはつまりあの湖と池袋と呼ばれているこの場所には大きな時差が無いという事になる。
だけどエイジは向こうの世界に昼間に飛ばされた。つまり真昼に精霊がこの世界へと飛んできている事になる。
それは自分達がヒルダ達から聞かされた絶界の楽園へと渡るための条件とは異なっていて……その時点で自分の知識が大きく欠落している事が理解できる。自分達がこの世界へと向かった際の条件がAだとすれば、それ以外の条件Bが存在している訳だ。でないと辻褄が合わない。
だから感覚的に違うと思えても、全てを知らない時分に言えることは無い。自分がその術を使えなくなっている程度の事で軽々しく口出しなどできやしない。
「うん。だからエルちゃんがそれで良かったら……行ってみる?」
だから今はそれ以上掘り下げない事にした。流れていく話に乗っかる事にした。
「じゃあそうします。そもそも人が沢山居たとしても、こういう世界に来た以上慣れないと。といっても一か月は人に交じって生活してましたから。大勢いてもちょっと怖くて苦手なだけなんですけどね」
今はどうにもできない世界の事は頭から切り離し、自分の周りの事だけを考えよう。
どんな時であれ、きっと自分にはそれが精一杯だ。
「だとすればもしかすると、人付き合い苦手な人間の方が人が苦手なのかもしれないね。でもまあそれでも無理は禁物だよ。何かあったらすぐ言ってね」
「はい。その時はお願いします」
「任せたまえ! ピンチの際に茜ちゃんを召還すると五十五パーセント程度の確率で状況が好転するぞ!」
「残り四十五パーセントは?」
「悪化するぞッ!」
茜はウィンクしながらノリノリでそんな事を言う。
「ドヤァ……」
「まあ半分以上好転できてたらそれはきっと凄いですよ。心強いです」
「……て嘘、肯定された!?」
「という訳でお願いしますね」
「え、あ、ちょっと! 私が思ってるピンチでソレなら相当ポンコツだよ!? そんな泥船に簡単に乗っちゃ駄目だぁ!」
「大丈夫ですよ。最悪沈めば泳ぎますから」
「うわぁ、なんかカッコいい……」
「それはどうも。じゃあ行きましょうか、茜さん」
「よぉーし、沈んでたまるか。頑丈な船になる!」
「頑張りましょう、応援します」
「あれ? 何で私がサポートされる側になってるんだろう?」
そんなやり取りをしながら二人は食堂を目指して歩き出した。
「確かに人少ないですね」
「そうだね、この時間帯でも普段はもう少し居るんだけどね、やっぱり飯食ってる場合じゃねえって感じだね」
辿り着いた食堂は聞いた通り閑散としていた。エルとしては気楽でいいのだが、そうなっている原因が遠因なだけに笑えない。
「じゃあとりあえず食券買おうか。何食べたい?」
「えーっと、じゃあ茜さんのお勧めで」
「よーし、じゃあね……此処はカレーうどんがうまいのだー、エイ!」
小銭を入れてボタンをプッシュ。その動作を二回繰り返す。
そうして出てきた食券をカウンターまで持っていってから近くのテーブルの椅子に腰を下ろす。
「あ、はい、水」
「どうも」
茜はエルに水を手渡してから、再び周囲に視線を向ける。
「もう待ってる人はほぼいないだろうし、すぐできるよ」
「そうみたいですね」
「……大丈夫かな、誠一君」
ふと茜がそんな言葉を口にする。
今は特別な警戒が必要な程に危険な状況という事になっている。心配の一つや二つ位してもおかしくないだろう。
「……そういえば茜さんは参加するように言われなかったんですか?」
「まあ私がこういう方向の事で使い物にならないのは皆知ってるからね。だってまともに戦えないもん。足手まといもいいところだよ。実力自体は結構自信あるんだけどね、誠一君をやっつけられる位には強いと思うよ。一体どこでこの力を使えばいいんだろ?」
このままじゃただのポンコツですよポンコツ、と茜は笑う。
だけどやがてその笑みは消え、言葉の続きを述べていく。
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