12 / 431
一章 人尊霊卑の異世界
11 勝利の裏側
しおりを挟む
「うぐ……ッ」
鳩尾に拳を喰らったエルドさんは、勢いよく地面を転がって止まった所で倒れ伏せる。
ダメージの影響か展開されていたキューブは全て消滅し、それは今の一撃でそれだけのダメージをエルドさんが受けたという事を意味していた。
でもエルドさんの意識は消えていない。確かにそこにある。今の一撃ではそこまでしかダメージを与えられなかった。
全力の拳。そこに加わっているのは肉体強化の恩恵だけ。それだけじゃこれが限界。だけどそれでいい。
というより、そうでなければならなかった。
だからこそ、俺の隣で動き出したエルを俺は止めなければならない。
「待ってくれ、エル」
俺の隣で、まるで得物を追い詰めるように動き出したエルの腕を取る。
「だってまだこの人――」
「……頼むよ、エル」
エルがやろうとしたのは自分の身を守るためにやるべき事だ。自分を捕まえに来た存在がまだ意識を保っている。精霊術を用いていつ反撃してくるかも分からない相手の意識は、最低でも奪っておく必要がある。
だから……コレは俺の我儘だ。
「頼むよ」
俺がもう一度そう言うと、少し悩むように顔を俯かせたエルは、掻き消えそうな声で「……分かりました」と呟くと、俺の後ろに隠れるように陣取る。
これで改めて、俺はエルドさんと向き合う形になった。
「……何故止めたのですか?」
エルドさんは体を起しながら不思議そうに聞いてくる。
「キミが何を思って行動しているのかは分からない。だけどその道に僕が邪魔者として立っているのは理解しているつもりだ。その僕を、キミはどうして助けた?」
「まあきっと、エルドさんが俺の敵で邪魔者なのは間違いないんだと思います。だから俺は戦う事が正しいと思ったし、その正しさを貫くためにこうしてエルドさん達と戦いました」
エルドさんだけでなく、この世界の当たり前の常識を持った人間すべて。全て全て俺の敵だと言ってもいい。
だけど……それでも、敵だとしても。
「だけど……エルドさんが俺の命の恩人だって事も間違いないんです」
それだけは何があったって変わらない。変えたくない。
「だから俺のやれるのは此処までなんです。それが正しい事だと思うから」
正しく、俺がそうしたいと思ったから。
「……それだけの為に、いつ反撃されたっておかしくない様な状況を作っているんですか? エイジ君は」
「一応、それだけじゃありませんよ」
エルドさんの意識を奪わなかった理由は、もう一つある。
「エルドさんまで大怪我して気を失ったら、一体誰がルキウス達を介抱するんですか」
エルドさんの表情が、僅かだが驚いた風になる。
「一応殺さない様に攻撃したつもりですけど、それでも大怪我を負っている事は間違いないんです。だから、エルドさんにはルキウス達を助けてほしい」
「あの状況で……殺す気で動かないと乗り切れない様な状況下で、キミは相手の事を考えながら戦っていたのか。もしかするとキミは不殺主義者という奴なのかい?」
「……そんなんじゃないですよ」
人を殺める事に抵抗は当然ある。誰かを殺さなければならない。そういう状況に立たされて本当に殺せるかなんてのは、そういう状況に立ってみなければ分からない。
だけどそれが正しいと思える何かがあれば、きっと俺はそれをやれてしまうのかもしれない。やれてしまうかもしれない様な奴だから、俺はエルに手を差し伸べられたのだろう。
でも裏を返せば、それが正しいと思えなければ、殺せる訳が無い。
少なくとも、今回はそうだ。
「ただ、俺はルキウス達を殺す事は間違っていると思った。理由はそれだけです」
ルキウスはこの世界の正しさからあぶれる俺を、最後まで引き戻そうとしてくれた。
石を投げられても、石を突きさされても。エルと組んで明確な敵意を見せても。それでもこの世界にとってのクズ野郎を見捨てようとしなかったんだ。
楽観的な考えなのかもしれないけれど、エルドさんやルキウスの様な人達とつるんでいるあの二人も、決して殺されていい様な奴ではないと思う。
例え俺の眼に間違って見える価値観を抱いていたとしても。
俺はあの人達を殺してはいけないと思った。
「だから頼みます。俺はあなたには負けませんし、エルも渡しません。だから俺に掛けられる労力でアイツらを助けてやってください」
エルドさんからの返答は中々返ってこなかった
だがやがて、ゆっくりと立ち上がりながら口を開く。
「……わかりました。今日の所は撤退という事にします。今はルキウス達を助ける事が先決だ」
そう言ってエルドさんは俺の隣を横切る。
警戒は緩めなかった。だけどその必要はなく、エルドさんは俺から離れて行く。
「エイジ君」
途中立ち止まったエルドさんは、俺の方を振り返ってこう言ってくれる。
「キミが見ている世界がどういう物なのかを、僕達は理解できない。でもね、これだけは言える。キミが間違っていて、歪んでいて、それはいずれキミを壊すよ。それが内側なのか外側なのかは分からないけれど。だから……そうなる前に目を覚ますんだ。キミは正しくあれる人間だ。キミは壊れちゃいけない人間だ。もし正しい事が見えたのならば、その時は今度は一緒にディナーにでも行きましょう」
そんなエルドさんに、俺は一言だけ返す。
「……ありがとうございます」
命を助けてくれた事に。
最後の最後まで俺の事を心配してくれている事に。
その善意を踏み躙り続ける俺は、それでも感謝の気持ちを告げてエルの手を引き歩きだす。
後ろからは誰も追ってこない。
本当にエルドさんはルキウス達を助けに向かったのだろう。
それがエルドさんにとっての、今やるべき事だ。
……では、戦いが終わった俺のやるべき事はなんなのだろうか。
それを考えながら、俺達はエルドさん達との距離を取るために無言で歩き続けた。
でも一つの答えに辿りついて俺は立ち止まる。
「どうしました?」
「……いや。忘れていた事を、思い出した」
「忘れていた事?」
「エルドさん達が連れていたドール化された精霊。アイツらをまだ助けていない」
元々エルを助けた後はドール化された精霊を助けようと思っていたけれど、色々あって頭から抜けてしまっていた。
「助ける? ……何を言っているんですか?」
「まあ確かにあの場に戻るのはどうかと思うよ。ああいう会話の後で戻り辛いってのもあるけど、なにより危険だしな。でも、助けないといけないだろ?」
ルキウス達はともかく、あの精霊達に対しても物理攻撃で対処していた理由がコレだ。
「……無理ですよ」
「いや、大丈夫だろ。今の俺達ならあの場から精霊四人を連れだす位なんとか……」
「そっちじゃないんですよ。知ってるくせに……言わせないでください」
そして言いにくそうに、辛そうな表情でエルは答える。
「一度ドール化した精霊は二度と元には戻らない。そんな事は……常識じゃないですか」
一瞬、エルが何を言っているのか分からなかった。
助ける方法は分からない。だけど確かにあると思った。それをエルに聞けばいいと思った。
だけど返ってきたのは、そんな聞きたくも無かった答え。
つまりエルはこう言いたいのだ。
彼女達はもう手遅れだと。
鳩尾に拳を喰らったエルドさんは、勢いよく地面を転がって止まった所で倒れ伏せる。
ダメージの影響か展開されていたキューブは全て消滅し、それは今の一撃でそれだけのダメージをエルドさんが受けたという事を意味していた。
でもエルドさんの意識は消えていない。確かにそこにある。今の一撃ではそこまでしかダメージを与えられなかった。
全力の拳。そこに加わっているのは肉体強化の恩恵だけ。それだけじゃこれが限界。だけどそれでいい。
というより、そうでなければならなかった。
だからこそ、俺の隣で動き出したエルを俺は止めなければならない。
「待ってくれ、エル」
俺の隣で、まるで得物を追い詰めるように動き出したエルの腕を取る。
「だってまだこの人――」
「……頼むよ、エル」
エルがやろうとしたのは自分の身を守るためにやるべき事だ。自分を捕まえに来た存在がまだ意識を保っている。精霊術を用いていつ反撃してくるかも分からない相手の意識は、最低でも奪っておく必要がある。
だから……コレは俺の我儘だ。
「頼むよ」
俺がもう一度そう言うと、少し悩むように顔を俯かせたエルは、掻き消えそうな声で「……分かりました」と呟くと、俺の後ろに隠れるように陣取る。
これで改めて、俺はエルドさんと向き合う形になった。
「……何故止めたのですか?」
エルドさんは体を起しながら不思議そうに聞いてくる。
「キミが何を思って行動しているのかは分からない。だけどその道に僕が邪魔者として立っているのは理解しているつもりだ。その僕を、キミはどうして助けた?」
「まあきっと、エルドさんが俺の敵で邪魔者なのは間違いないんだと思います。だから俺は戦う事が正しいと思ったし、その正しさを貫くためにこうしてエルドさん達と戦いました」
エルドさんだけでなく、この世界の当たり前の常識を持った人間すべて。全て全て俺の敵だと言ってもいい。
だけど……それでも、敵だとしても。
「だけど……エルドさんが俺の命の恩人だって事も間違いないんです」
それだけは何があったって変わらない。変えたくない。
「だから俺のやれるのは此処までなんです。それが正しい事だと思うから」
正しく、俺がそうしたいと思ったから。
「……それだけの為に、いつ反撃されたっておかしくない様な状況を作っているんですか? エイジ君は」
「一応、それだけじゃありませんよ」
エルドさんの意識を奪わなかった理由は、もう一つある。
「エルドさんまで大怪我して気を失ったら、一体誰がルキウス達を介抱するんですか」
エルドさんの表情が、僅かだが驚いた風になる。
「一応殺さない様に攻撃したつもりですけど、それでも大怪我を負っている事は間違いないんです。だから、エルドさんにはルキウス達を助けてほしい」
「あの状況で……殺す気で動かないと乗り切れない様な状況下で、キミは相手の事を考えながら戦っていたのか。もしかするとキミは不殺主義者という奴なのかい?」
「……そんなんじゃないですよ」
人を殺める事に抵抗は当然ある。誰かを殺さなければならない。そういう状況に立たされて本当に殺せるかなんてのは、そういう状況に立ってみなければ分からない。
だけどそれが正しいと思える何かがあれば、きっと俺はそれをやれてしまうのかもしれない。やれてしまうかもしれない様な奴だから、俺はエルに手を差し伸べられたのだろう。
でも裏を返せば、それが正しいと思えなければ、殺せる訳が無い。
少なくとも、今回はそうだ。
「ただ、俺はルキウス達を殺す事は間違っていると思った。理由はそれだけです」
ルキウスはこの世界の正しさからあぶれる俺を、最後まで引き戻そうとしてくれた。
石を投げられても、石を突きさされても。エルと組んで明確な敵意を見せても。それでもこの世界にとってのクズ野郎を見捨てようとしなかったんだ。
楽観的な考えなのかもしれないけれど、エルドさんやルキウスの様な人達とつるんでいるあの二人も、決して殺されていい様な奴ではないと思う。
例え俺の眼に間違って見える価値観を抱いていたとしても。
俺はあの人達を殺してはいけないと思った。
「だから頼みます。俺はあなたには負けませんし、エルも渡しません。だから俺に掛けられる労力でアイツらを助けてやってください」
エルドさんからの返答は中々返ってこなかった
だがやがて、ゆっくりと立ち上がりながら口を開く。
「……わかりました。今日の所は撤退という事にします。今はルキウス達を助ける事が先決だ」
そう言ってエルドさんは俺の隣を横切る。
警戒は緩めなかった。だけどその必要はなく、エルドさんは俺から離れて行く。
「エイジ君」
途中立ち止まったエルドさんは、俺の方を振り返ってこう言ってくれる。
「キミが見ている世界がどういう物なのかを、僕達は理解できない。でもね、これだけは言える。キミが間違っていて、歪んでいて、それはいずれキミを壊すよ。それが内側なのか外側なのかは分からないけれど。だから……そうなる前に目を覚ますんだ。キミは正しくあれる人間だ。キミは壊れちゃいけない人間だ。もし正しい事が見えたのならば、その時は今度は一緒にディナーにでも行きましょう」
そんなエルドさんに、俺は一言だけ返す。
「……ありがとうございます」
命を助けてくれた事に。
最後の最後まで俺の事を心配してくれている事に。
その善意を踏み躙り続ける俺は、それでも感謝の気持ちを告げてエルの手を引き歩きだす。
後ろからは誰も追ってこない。
本当にエルドさんはルキウス達を助けに向かったのだろう。
それがエルドさんにとっての、今やるべき事だ。
……では、戦いが終わった俺のやるべき事はなんなのだろうか。
それを考えながら、俺達はエルドさん達との距離を取るために無言で歩き続けた。
でも一つの答えに辿りついて俺は立ち止まる。
「どうしました?」
「……いや。忘れていた事を、思い出した」
「忘れていた事?」
「エルドさん達が連れていたドール化された精霊。アイツらをまだ助けていない」
元々エルを助けた後はドール化された精霊を助けようと思っていたけれど、色々あって頭から抜けてしまっていた。
「助ける? ……何を言っているんですか?」
「まあ確かにあの場に戻るのはどうかと思うよ。ああいう会話の後で戻り辛いってのもあるけど、なにより危険だしな。でも、助けないといけないだろ?」
ルキウス達はともかく、あの精霊達に対しても物理攻撃で対処していた理由がコレだ。
「……無理ですよ」
「いや、大丈夫だろ。今の俺達ならあの場から精霊四人を連れだす位なんとか……」
「そっちじゃないんですよ。知ってるくせに……言わせないでください」
そして言いにくそうに、辛そうな表情でエルは答える。
「一度ドール化した精霊は二度と元には戻らない。そんな事は……常識じゃないですか」
一瞬、エルが何を言っているのか分からなかった。
助ける方法は分からない。だけど確かにあると思った。それをエルに聞けばいいと思った。
だけど返ってきたのは、そんな聞きたくも無かった答え。
つまりエルはこう言いたいのだ。
彼女達はもう手遅れだと。
0
お気に入りに追加
372
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
「元」面倒くさがりの異世界無双
空里
ファンタジー
死んでもっと努力すればと後悔していた俺は妖精みたいなやつに転生させられた。話しているうちに名前を忘れてしまったことに気付き、その妖精みたいなやつに名付けられた。
「カイ=マールス」と。
よく分からないまま取りあえず強くなれとのことで訓練を始めるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる