114 / 115
2-2 剣と銃
3 更新される最悪
しおりを挟む
一瞬、何を言っているのか理解できなかった。
否、数刻経ってもその意味を正しく認識できない。
認識しようとしない。
「柚子がアンノウンに……え? 神崎さん、それって一体どういう……」
『わりいが時間がねえ。一発で理解して後は移動中になんとか理解して飲み込め』
そして神崎は言う。
『現れたのはユイの同系だ』
「ユイと同系……?」
『キリング…………人間体を持つ武器のアンノウンだ。形状は銃っていう報告が上がっている』
一瞬何かを言いかけた気がするが、そんな事はどうでもよくて。
「ゆ、柚子は!? 今そっちはどうなってるんですか!? 他の皆は!? ていうか神崎さんは大丈夫なんですか!?」
『悪いが俺は現場に居ねえ。俺や杏さんはディルバインの監視をしていないといけなかったからな……今俺は、現場から上がって来た報告を俺の判断でお前に流してる』
「それって……」
諸々の状況を聞く前に、最悪な可能性が脳裏を過った。
今の話を聞く限り、ディルバインの監視を神崎が。
そして現場の指揮を篠原が担っていると考えても良いだろう。
そう……その篠原が現場の責任者として立っている筈なのだ。
にも関わらず、別件に当たっている筈の部隊のナンバー2である神崎の元へ情報が入り、こうして指示が下ってきている。
それはつまりこの一件の指揮系統に何かしらの問題が発生しているという事になる筈だ。
それがつまりどういう事なのか。
「……篠原……さんは?」
現場で篠原が指揮を取れない状態にあるという事だ。
『一命は取り留めたらしい。意識は戻ってねえみたいだが……』
「……」
薄々察してはいたのに血の気が引いた。
柚子の精神が乗っ取られ、篠原は一命は取り留めたものの、意識不明の重体。
……この時点で既に、感覚的には四月上旬のジェノサイドボックスの出現よりも最悪な状況になってしまっている。
「とにかく、その辺も含めて上がって来た情報を纏めて流すぞ』
「……ええ」
そして神崎は詳細な状況を端的に伝えてくる。
変わらず……否、より酷く重い声音で。
否、数刻経ってもその意味を正しく認識できない。
認識しようとしない。
「柚子がアンノウンに……え? 神崎さん、それって一体どういう……」
『わりいが時間がねえ。一発で理解して後は移動中になんとか理解して飲み込め』
そして神崎は言う。
『現れたのはユイの同系だ』
「ユイと同系……?」
『キリング…………人間体を持つ武器のアンノウンだ。形状は銃っていう報告が上がっている』
一瞬何かを言いかけた気がするが、そんな事はどうでもよくて。
「ゆ、柚子は!? 今そっちはどうなってるんですか!? 他の皆は!? ていうか神崎さんは大丈夫なんですか!?」
『悪いが俺は現場に居ねえ。俺や杏さんはディルバインの監視をしていないといけなかったからな……今俺は、現場から上がって来た報告を俺の判断でお前に流してる』
「それって……」
諸々の状況を聞く前に、最悪な可能性が脳裏を過った。
今の話を聞く限り、ディルバインの監視を神崎が。
そして現場の指揮を篠原が担っていると考えても良いだろう。
そう……その篠原が現場の責任者として立っている筈なのだ。
にも関わらず、別件に当たっている筈の部隊のナンバー2である神崎の元へ情報が入り、こうして指示が下ってきている。
それはつまりこの一件の指揮系統に何かしらの問題が発生しているという事になる筈だ。
それがつまりどういう事なのか。
「……篠原……さんは?」
現場で篠原が指揮を取れない状態にあるという事だ。
『一命は取り留めたらしい。意識は戻ってねえみたいだが……』
「……」
薄々察してはいたのに血の気が引いた。
柚子の精神が乗っ取られ、篠原は一命は取り留めたものの、意識不明の重体。
……この時点で既に、感覚的には四月上旬のジェノサイドボックスの出現よりも最悪な状況になってしまっている。
「とにかく、その辺も含めて上がって来た情報を纏めて流すぞ』
「……ええ」
そして神崎は詳細な状況を端的に伝えてくる。
変わらず……否、より酷く重い声音で。
0
お気に入りに追加
259
あなたにおすすめの小説
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

巻き込まれて気づけば異世界 ~その配達員器用貧乏にて~
細波
ファンタジー
(3月27日変更)
仕事中に異世界転移へ巻き込まれたオッサン。神様からチートもらってやりたいように生きる…
と思ってたけど、人から頼まれる。神から頼まれる。自分から首をつっこむ!
「前の世界より黒くないし、社畜感無いから余裕っすね」
周りの人も神も黒い!
「人なんてそんなもんでしょ? 俺だって黒い方だと思うし」
そんな元オッサンは今日も行く!

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

はぁ?とりあえず寝てていい?
夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。
※第二章は全体的に説明回が多いです。
<<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる