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2-1 招かれざる客
27 何の為に
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一応無事駐車に成功した杏の車から降り、各々コンビニで軽く買い物をした後再び移動を開始した。
ひとまずユイが購入したのはアイスだ。
それなりの時間剣にしていた事と、その間に斬撃や結界を含め色々と力を使って消耗している事を考えれば、夕食までの繋ぎとしては悪くない選択だと思う。
何よりユイは甘い物が好きだ。
これで万事解決などする訳が無いが、それでもメンタル的にしんどい時は好きな物を食べる事で多少なりとも前向きな気分になれるんじゃないかと思う。
なって欲しいと思う。
「うん、偶に食べると凄く美味しいのじゃこれ。まあ偶にじゃなくても美味しいが……鉄平もそう思うじゃろ?」
「分かった分かった。明日帰りにもアイス買って行こうな」
「やったー!」
(……)
表面上、元気には見える。
見えるだけ。
寧ろ時間が経つにつれて悪化していっている気がする。
先程のアンノウンの内部に居た時は、ディルバインの事を含め色々と注意を向けなければならない事が多々あったが、こうして一応一段落付き落ち着けるようになった今、良くも悪くも考える時間が生まれる。
生まれてしまう。
それ故にだろうか。
そんな空元気とも取れる雰囲気でアイスを食べるユイと、そして鉄平に杏は言う。
「杉浦君、ユイちゃん。今日はもう上がって良いよ。ゆっくり休んで」
「え、上がって良いって……俺達明日の朝までなんですけど」
「流石に早退するにしても早過ぎじゃないかの? 体調不良とかしているならともかく」
「心も体の一部だよ。あんまり無理しない方が良いよユイちゃん」
「無理なんて……」
「……ユイ」
杏の言葉を聞いて小さく息を吐いてから、鉄平はユイの肩に手を置いて言う。
「今日の所はお言葉に甘えさせてもらおう。流石に結構しんどい感じになってるのは分かるからさ。帰らせてもらおうぜ今日の所は」
そう言った鉄平は杏に言う。
「じゃあ申し訳ないんですけど、今日の所はユイ連れて帰ります。ありがとうございます色々とバタバタしているタイミングなのに」
「良いよ、大丈夫。元々非番の人も来てもらってシフトぐちゃぐちゃだからね。後でうまい事なんとかなるでしょ」
それに、と杏は言う。
「世界や管理局が抱えている問題よりもキミはまずユイちゃん優先。キミがどうしてウィザードになったのかをよく考えれば当然の事だよ。最高ランクのアンノウンを管理する者としても、ユイちゃんを守ってあげないといけない保護者としても。やるべき事をちゃんとやらないとね……ユイちゃんもそれでいいよね?」
「………助かるのじゃ」
ようやく溜め込んでいた事を自発的に吐き出すようにユイはそう言う。
「……それで良いよ。こんな時に休んだって誰も文句は言わない。言わせないから」
そして車は一旦北陸支部へと向かうのだった。
ひとまずユイが購入したのはアイスだ。
それなりの時間剣にしていた事と、その間に斬撃や結界を含め色々と力を使って消耗している事を考えれば、夕食までの繋ぎとしては悪くない選択だと思う。
何よりユイは甘い物が好きだ。
これで万事解決などする訳が無いが、それでもメンタル的にしんどい時は好きな物を食べる事で多少なりとも前向きな気分になれるんじゃないかと思う。
なって欲しいと思う。
「うん、偶に食べると凄く美味しいのじゃこれ。まあ偶にじゃなくても美味しいが……鉄平もそう思うじゃろ?」
「分かった分かった。明日帰りにもアイス買って行こうな」
「やったー!」
(……)
表面上、元気には見える。
見えるだけ。
寧ろ時間が経つにつれて悪化していっている気がする。
先程のアンノウンの内部に居た時は、ディルバインの事を含め色々と注意を向けなければならない事が多々あったが、こうして一応一段落付き落ち着けるようになった今、良くも悪くも考える時間が生まれる。
生まれてしまう。
それ故にだろうか。
そんな空元気とも取れる雰囲気でアイスを食べるユイと、そして鉄平に杏は言う。
「杉浦君、ユイちゃん。今日はもう上がって良いよ。ゆっくり休んで」
「え、上がって良いって……俺達明日の朝までなんですけど」
「流石に早退するにしても早過ぎじゃないかの? 体調不良とかしているならともかく」
「心も体の一部だよ。あんまり無理しない方が良いよユイちゃん」
「無理なんて……」
「……ユイ」
杏の言葉を聞いて小さく息を吐いてから、鉄平はユイの肩に手を置いて言う。
「今日の所はお言葉に甘えさせてもらおう。流石に結構しんどい感じになってるのは分かるからさ。帰らせてもらおうぜ今日の所は」
そう言った鉄平は杏に言う。
「じゃあ申し訳ないんですけど、今日の所はユイ連れて帰ります。ありがとうございます色々とバタバタしているタイミングなのに」
「良いよ、大丈夫。元々非番の人も来てもらってシフトぐちゃぐちゃだからね。後でうまい事なんとかなるでしょ」
それに、と杏は言う。
「世界や管理局が抱えている問題よりもキミはまずユイちゃん優先。キミがどうしてウィザードになったのかをよく考えれば当然の事だよ。最高ランクのアンノウンを管理する者としても、ユイちゃんを守ってあげないといけない保護者としても。やるべき事をちゃんとやらないとね……ユイちゃんもそれでいいよね?」
「………助かるのじゃ」
ようやく溜め込んでいた事を自発的に吐き出すようにユイはそう言う。
「……それで良いよ。こんな時に休んだって誰も文句は言わない。言わせないから」
そして車は一旦北陸支部へと向かうのだった。
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