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2-1 招かれざる客
14 乱戦
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一体何故こちらが動き出すのを悠長に待っていたのかは分からない。
だが篠原の銃声でこちらが動き出したのと同時に、アンノウン達も動き始めた。
(一人頭十体……いや、勝手に目標設けんな。やれるだけ全部だ!)
そう考えながら鉄平はユイを構えて間合いを詰め、勢いよく切り払った。
その手には然程反動が伝わってこない。
あまりそれを感じる事が無い程度には、敵の装甲を鋭い切れ味で切り刻めている。
直後、別個体の腕からブレードが生え、鉄平を串刺しにしようと拳が放たれる。
だが、鉄平に焦りはない。
その攻撃を見切り交わしながら、流れるようにその腕に蹴りを放ち圧し折った後、そのまま体を捻って更に別個体の攻撃を躱しながらその個体を袈裟斬りにする。
(数にビビんな……大丈夫だ)
一体一体の速度も強度も、未完成のジェノサイドボックスよりは遥かに劣る。
そしてあの時の鉄平は所詮、膨大な力を手にしただけの素人だ。
その時から二ヶ月弱、これまでの人生の中で一番と言って良い程頑張ってきた今の鉄平は付け焼き刃程度の技量は習得している。
そう、付け焼き刃。
それでも刃は刃だ。
「次ッ!」
初めて全力で手を伸ばして掴んだその刃は、そこらのなまくら刀よりも遥かに鋭い。
故に負けない。
そして今の自分ですら危なげなく戦えているのだ。
……他の三人も大丈夫だ。
そう確信しながら、迫り来るアンノウン達を斬り倒していく。
その最中だった。
(なんだ……?)
交戦中のアンノウンの目元が赤く発光した。
その直後切り捨て動かなくなった個体以外も、視界に映る全ての個体が。
自分達が戦っている場そのものであるアンノウンの四方の壁が、大きな物音と共に開いた。
……外が見える。
そう認識した次の瞬間、アンノウン達の動きが変わった。
『不味いぞ鉄平!』
「……!?」
鉄平の視界の先でまだ動いていたアンノウンの数は七体。
内三体が鉄平の前へと立ち塞がり、残り四体が踵を返し背を向け走り出した。
逃亡……否。
進行だ。
つまり目の前のアンノウン達は、何らかの原因で今まで外に出られないでいて、それが今解消された。
……このままではAランクのアンノウンが複数体、市街地に投下される。
次の瞬間、篠原が叫んだ。
「風間ァッ!」
「分かってるっすよ!」
次の瞬間、視界の端で柚子が自身に近い位置の入り口を結界で塞ぐ。
だがそれが可能なのは一番近い場所のみ。
そして間伐空けずに篠原が叫ぶ。
「杉浦と風間は先に中のアンノウンを殲滅しろ! 赤坂と俺は外だ! 神崎! そっちに内部のアンノウンが行くぞ!」
言いながら走り出した篠原は射線を塞ぐように立ち塞がるアンノウンを魔術が付与された銃弾を撃ち込み破壊しながら、外に逃げたアンノウンを追う。
「あーもう! 逃げんな馬鹿!」
赤坂も同じようにアンノウンを蹴散らし掻い潜り追っていった。
そして鉄平と柚子は。
「杉浦さん! さっさとコイツらぶっ壊して私らも応援行くっすよ!」
「当たり前だ!」
軽々とAランクのアンノウンを破壊できる戦力を足止めするように今も此処に残り臨戦態勢を取っているように見えるアンノウン達を、一秒でも早く殲滅する。
すぐに下の応援に行けるように。
敗北して、市街地に増援を送られるような事がないように。
だが篠原の銃声でこちらが動き出したのと同時に、アンノウン達も動き始めた。
(一人頭十体……いや、勝手に目標設けんな。やれるだけ全部だ!)
そう考えながら鉄平はユイを構えて間合いを詰め、勢いよく切り払った。
その手には然程反動が伝わってこない。
あまりそれを感じる事が無い程度には、敵の装甲を鋭い切れ味で切り刻めている。
直後、別個体の腕からブレードが生え、鉄平を串刺しにしようと拳が放たれる。
だが、鉄平に焦りはない。
その攻撃を見切り交わしながら、流れるようにその腕に蹴りを放ち圧し折った後、そのまま体を捻って更に別個体の攻撃を躱しながらその個体を袈裟斬りにする。
(数にビビんな……大丈夫だ)
一体一体の速度も強度も、未完成のジェノサイドボックスよりは遥かに劣る。
そしてあの時の鉄平は所詮、膨大な力を手にしただけの素人だ。
その時から二ヶ月弱、これまでの人生の中で一番と言って良い程頑張ってきた今の鉄平は付け焼き刃程度の技量は習得している。
そう、付け焼き刃。
それでも刃は刃だ。
「次ッ!」
初めて全力で手を伸ばして掴んだその刃は、そこらのなまくら刀よりも遥かに鋭い。
故に負けない。
そして今の自分ですら危なげなく戦えているのだ。
……他の三人も大丈夫だ。
そう確信しながら、迫り来るアンノウン達を斬り倒していく。
その最中だった。
(なんだ……?)
交戦中のアンノウンの目元が赤く発光した。
その直後切り捨て動かなくなった個体以外も、視界に映る全ての個体が。
自分達が戦っている場そのものであるアンノウンの四方の壁が、大きな物音と共に開いた。
……外が見える。
そう認識した次の瞬間、アンノウン達の動きが変わった。
『不味いぞ鉄平!』
「……!?」
鉄平の視界の先でまだ動いていたアンノウンの数は七体。
内三体が鉄平の前へと立ち塞がり、残り四体が踵を返し背を向け走り出した。
逃亡……否。
進行だ。
つまり目の前のアンノウン達は、何らかの原因で今まで外に出られないでいて、それが今解消された。
……このままではAランクのアンノウンが複数体、市街地に投下される。
次の瞬間、篠原が叫んだ。
「風間ァッ!」
「分かってるっすよ!」
次の瞬間、視界の端で柚子が自身に近い位置の入り口を結界で塞ぐ。
だがそれが可能なのは一番近い場所のみ。
そして間伐空けずに篠原が叫ぶ。
「杉浦と風間は先に中のアンノウンを殲滅しろ! 赤坂と俺は外だ! 神崎! そっちに内部のアンノウンが行くぞ!」
言いながら走り出した篠原は射線を塞ぐように立ち塞がるアンノウンを魔術が付与された銃弾を撃ち込み破壊しながら、外に逃げたアンノウンを追う。
「あーもう! 逃げんな馬鹿!」
赤坂も同じようにアンノウンを蹴散らし掻い潜り追っていった。
そして鉄平と柚子は。
「杉浦さん! さっさとコイツらぶっ壊して私らも応援行くっすよ!」
「当たり前だ!」
軽々とAランクのアンノウンを破壊できる戦力を足止めするように今も此処に残り臨戦態勢を取っているように見えるアンノウン達を、一秒でも早く殲滅する。
すぐに下の応援に行けるように。
敗北して、市街地に増援を送られるような事がないように。
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