54 / 115
1-EX 日常編(春)
5 彼と彼女の日常についての調査 下
しおりを挟む
その後洗い物を済ませてから、特に何も予定の無い休日の午後が始まった。
ジュースとお菓子をスタンバってゲーム機の電源をオン。
それを雑談を交えながらダラダラするだけという、最近の激動の平日と比べれば遥かに平穏な杉浦家の日常……+1
「ぐぬぬ……このボス早いし固すぎんか!? いくら何でも手強すぎじゃ!」
「すっげえコントローラーの操作と一緒に体傾いてる。ていうか右! 右から来てるぞ!」
「うわほんとじゃ! これ絶対無理じゃって!」
「白熱してるっすねー。杉浦さんこれ三巻どこっすか?」
「え、そこ無い? あーちょっと待って。そっちの紙袋の中。この前別の漫画と一緒に貸してたの返して貰ってそのままだ。四巻からもそっち」
「はーい。あ、読んだら本棚に片付けとくっすよ」
「あざーっす」
「ぬおおおおおッ。あ、これ駄目な奴じゃ……」
「見事に完敗だな。俺もユイも二連敗。途中一回触った柚子も完敗。まだ多分中盤だよな……ゲームバランス狂ってね?」
「装備見直すかの」
「これ装備見直してどうにかなんのか……?」
「くそ……こんなクソザコ主人公じゃなく、ワシと鉄平ならあんな奴楽勝なんじゃが……」
「斬新な感想来たな……」
「でも実際そうなんじゃないっすか。あ、三巻発見」
漫画の三巻を見つけ出した柚子がこちらに戻ってきながら言う。
「私の見立てだと、二級ウィザードならなんとか。準一級なら楽勝ってところっすかね」
「ゲームのボス相手に具体的な考察出ちゃったよ。そういや柚子が準一級だっけ?」
「はいっす! 準一級以上まで上がれるのが一握りという中で、この歳で準一級までスピード出世したっす! 滅茶苦茶エリートっすよ!」
胸を張って物凄く良い感じのドヤ顔を浮かべる柚子。
「ここぞとばかりに自慢するじゃん」
「そういうタイミングだと思ったっすから」
「あーまあ実際そういうタイミング。色々とウィザードの事知ったらすげえなって思ったよ」
ウィザードの等級は幅広い。
まず最初は皆五級からスタートし、研修期間が終わると四級。そこからは各種実績を積み上げた上で試験などもこなし、三級、二級、準一級、一級と上がっていくそうだ。
そして大体の人は三級か二級止まり。その中で準一級にまで上り詰められるのは一部のエリートだけだ。
そしてその等級に、試験とか関係なく実績だけのゴリ押しで特例での到達を果たしたのが風間柚子だ。
色々な意味で凄いと思う……色々な意味で。
「鉄平は今五級じゃろ? ワシと鉄平が組めば最強じゃからの。はやいとこ柚子みたいにゴリ押しでその準一級とやらに上がるのじゃ」
「いやできれば真っ当な形で認められていきてえなぁ」
「失礼っすね。まるで私の出世ロードが真っ当じゃないみたいじゃないっすか!」
「いや真っ当ではなくねえか……多分」
「それはぐうの音も出ないっすね。じゃあ目指すなら神崎さんルートっすね。あの人は真っ当な昇進の仕方してるっすよ」
「……ていうかあの人今いくつだっけ?」
「お姉ちゃんの一歳年上の筈なんで、24っすね」
「それはそれで超スピードじゃね? 知らんけど」
「いや普通に超エリートっすよあの人。あの年で準一級まで上がってる人、それこそ数える程しかいないっすから」
「やっぱそうだよな」
以前前包帯ぐるぐるで訓練に出て来た時に、自分が弱いだのどうだの言っていたが、篠原の言う通り上澄みという事で間違いないらしい。
……確実に弱くはない。間違いなく。
「まあ流石に私の方がエリートっすけどね! ふはははは! まあ戦い以外で準一級に回ってくるような仕事は殆どできないっすけどね!」
「おい後半はドヤるなよ」
「言うほど柚子はエリートではない気がしてきたのじゃ……」
(という事はそういう事のしわ寄せが別の所に……別のところ……)
そう考えて浮かんでくるのは篠原と神埼の顔だ。
……やはり目指すビジョンはそっちだ。
まあそれはそれとして。
「……しっかし気になるんだけどよ」
「なんすか?」
「お前さ、なんでその歳でウィザードなんてやってんの?」
この辺は普通に疑問だったからこの際聞いておこうと思った。
柚子の年齢で準一級云々以前に、そもそも漫画じゃないのだから子供がそういう仕事に就いている事についてシンプルに疑問だ。
「まあ普通のルートでなろうと思ったら無理っすけど、代々ウィザードをやっている家系みたいなのは色々と特例だらけなんすよね。だからなろうと思えばなる事自体は簡単なんすよ」
「で、お前はなろうと思った」
「そういう事っす!」
「何故に?」
その問いに柚子はドヤ顔で胸を張って言う。
「私天才っすから! お金は稼げて世界も救えて勉強頑張らなくても将来安泰! 最高っすよ!」
「お、おう……」
「凄いなんかこう……アレな理由じゃな」
「え、あ、冗談っす冗談っすよ! これがマジだと思われたら嫌なんで正直に話すっすよ!」
柚子は冷め切った二人に対して慌てて訂正する。
今度は真剣な声音で。
「ウチの両親は二人ともウィザードだったんすけど……まあ仕事中に不幸があって……」
「「……」」
(あ、これ踏み込んじゃ駄目な奴だ……)
聞いちゃいけない事を聞いてしまったような、お通夜みたいな空気が場を支配する。
間違いなく冗談の方の理由の方が良かった。
そんな中で柚子は言葉を紡ぐ。
「そんな時私を支えてくれてたのが、まだ高校生になったばかりだったお姉ちゃんだったんすよね。目の前でその不幸を見てメンタルボロボロだった筈なのにそれでも……あの頃のお姉ちゃん、魔術使うたびに吐いてたっけ」
「「……」」
「その時からずっとお姉ちゃんは、私にウィザードにならなくてもいい。好きな事をやればいいってずっと言ってくれてたっす」
「それでもウィザードになっとるって事は……これが柚子の好きな事じゃったのか?」
「いや今は嫌いじゃないっすけど、別にそうじゃないっすね。結局アレっすよ。私お姉ちゃんの事大好きっすから。そんなお姉ちゃんを支えたかったし……お姉ちゃんみたいにカッコいい大人になりたかった。それが私がウィザードやってる理由っす」
「……そっか」
それを聞いて、静かに思う。
「立派な理由じゃん」
「なんで最初馬鹿みたいな嘘で隠したのじゃ」
「いやーなんか恥ずかしくないっすかね、なんとなく」
「いやそんな事ねえだろ」
「そうじゃよ…立派だと思うのじゃ。柚子も風間さんも」
「……そうっすか。そう思ってくれたなら良かったっす」
今度はドヤ顔などは浮かべず静かにそう呟いた。
最初はお通夜みたいな空気だったが、終ってみれば悪くない。
そんな空気が場を包む。
……だけどそれはそれとして、一つ聞いておきたい。
「なあ、柚子」
「なんすか?」
「こういう話する割には、お前姉ちゃんに結構辛辣な事言ってねえ?」
やる時しかやらないとんでもないポンコツ扱いをしている訳で。
そもそも杏がポンコツ云々を最初に言っていたのが柚子だった気がする。
……こういう話をする割には、前振りで物凄く貶してしまっている。
そしてその問いに柚子は苦笑いを浮かべて言った。
「ああ、それはそれ、これはこれっす」
「そんなもん?」
「そんなもんっすよ。だってお姉ちゃんたまにやべー奴なのはマジっすもん」
「そ、そうか……」
(ま、まあアレだ……本人達がそれでいいなら、もうそれで良いかぁ!)
家庭内の事ほど、第三者が正確に把握できない事も無い。
とにかく今、風間姉妹がうまくやれているのなら、それで良いのだろう。
「あ、そうだ聞いてほしいんすよ! この前お姉ちゃんが……」
……それでいい筈だ。
あとこの後普通に漫画読んでゲームしておやつ食べて帰っていった訳だが、カッコいい姉を目指していた奴の姿がこれで良いのかとも思った。
これでいい筈だ……多分。
*****
「一応聞くけどどうだった杉浦家の様子は。まあ別に何事も無いとは思うが」
柚子が監理局に帰ると、デスクワークをこなしていた篠原にそう問い掛けられる。
「炒飯がマジで美味しかったっす!」
「え、なにお前中華料理屋の調査でも行ってた? ていうかその手の紙袋はなんだ?」
「7巻から15巻まで借りたっす! いやー名作と巡りあったっすよ!」
「お前本当に何しに行ってた!? ……どんどん姉の方みたいになっていくな」
篠原はそう言ってため息を付いた。
それでも報告書は無事それっぽく書けました。
ジュースとお菓子をスタンバってゲーム機の電源をオン。
それを雑談を交えながらダラダラするだけという、最近の激動の平日と比べれば遥かに平穏な杉浦家の日常……+1
「ぐぬぬ……このボス早いし固すぎんか!? いくら何でも手強すぎじゃ!」
「すっげえコントローラーの操作と一緒に体傾いてる。ていうか右! 右から来てるぞ!」
「うわほんとじゃ! これ絶対無理じゃって!」
「白熱してるっすねー。杉浦さんこれ三巻どこっすか?」
「え、そこ無い? あーちょっと待って。そっちの紙袋の中。この前別の漫画と一緒に貸してたの返して貰ってそのままだ。四巻からもそっち」
「はーい。あ、読んだら本棚に片付けとくっすよ」
「あざーっす」
「ぬおおおおおッ。あ、これ駄目な奴じゃ……」
「見事に完敗だな。俺もユイも二連敗。途中一回触った柚子も完敗。まだ多分中盤だよな……ゲームバランス狂ってね?」
「装備見直すかの」
「これ装備見直してどうにかなんのか……?」
「くそ……こんなクソザコ主人公じゃなく、ワシと鉄平ならあんな奴楽勝なんじゃが……」
「斬新な感想来たな……」
「でも実際そうなんじゃないっすか。あ、三巻発見」
漫画の三巻を見つけ出した柚子がこちらに戻ってきながら言う。
「私の見立てだと、二級ウィザードならなんとか。準一級なら楽勝ってところっすかね」
「ゲームのボス相手に具体的な考察出ちゃったよ。そういや柚子が準一級だっけ?」
「はいっす! 準一級以上まで上がれるのが一握りという中で、この歳で準一級までスピード出世したっす! 滅茶苦茶エリートっすよ!」
胸を張って物凄く良い感じのドヤ顔を浮かべる柚子。
「ここぞとばかりに自慢するじゃん」
「そういうタイミングだと思ったっすから」
「あーまあ実際そういうタイミング。色々とウィザードの事知ったらすげえなって思ったよ」
ウィザードの等級は幅広い。
まず最初は皆五級からスタートし、研修期間が終わると四級。そこからは各種実績を積み上げた上で試験などもこなし、三級、二級、準一級、一級と上がっていくそうだ。
そして大体の人は三級か二級止まり。その中で準一級にまで上り詰められるのは一部のエリートだけだ。
そしてその等級に、試験とか関係なく実績だけのゴリ押しで特例での到達を果たしたのが風間柚子だ。
色々な意味で凄いと思う……色々な意味で。
「鉄平は今五級じゃろ? ワシと鉄平が組めば最強じゃからの。はやいとこ柚子みたいにゴリ押しでその準一級とやらに上がるのじゃ」
「いやできれば真っ当な形で認められていきてえなぁ」
「失礼っすね。まるで私の出世ロードが真っ当じゃないみたいじゃないっすか!」
「いや真っ当ではなくねえか……多分」
「それはぐうの音も出ないっすね。じゃあ目指すなら神崎さんルートっすね。あの人は真っ当な昇進の仕方してるっすよ」
「……ていうかあの人今いくつだっけ?」
「お姉ちゃんの一歳年上の筈なんで、24っすね」
「それはそれで超スピードじゃね? 知らんけど」
「いや普通に超エリートっすよあの人。あの年で準一級まで上がってる人、それこそ数える程しかいないっすから」
「やっぱそうだよな」
以前前包帯ぐるぐるで訓練に出て来た時に、自分が弱いだのどうだの言っていたが、篠原の言う通り上澄みという事で間違いないらしい。
……確実に弱くはない。間違いなく。
「まあ流石に私の方がエリートっすけどね! ふはははは! まあ戦い以外で準一級に回ってくるような仕事は殆どできないっすけどね!」
「おい後半はドヤるなよ」
「言うほど柚子はエリートではない気がしてきたのじゃ……」
(という事はそういう事のしわ寄せが別の所に……別のところ……)
そう考えて浮かんでくるのは篠原と神埼の顔だ。
……やはり目指すビジョンはそっちだ。
まあそれはそれとして。
「……しっかし気になるんだけどよ」
「なんすか?」
「お前さ、なんでその歳でウィザードなんてやってんの?」
この辺は普通に疑問だったからこの際聞いておこうと思った。
柚子の年齢で準一級云々以前に、そもそも漫画じゃないのだから子供がそういう仕事に就いている事についてシンプルに疑問だ。
「まあ普通のルートでなろうと思ったら無理っすけど、代々ウィザードをやっている家系みたいなのは色々と特例だらけなんすよね。だからなろうと思えばなる事自体は簡単なんすよ」
「で、お前はなろうと思った」
「そういう事っす!」
「何故に?」
その問いに柚子はドヤ顔で胸を張って言う。
「私天才っすから! お金は稼げて世界も救えて勉強頑張らなくても将来安泰! 最高っすよ!」
「お、おう……」
「凄いなんかこう……アレな理由じゃな」
「え、あ、冗談っす冗談っすよ! これがマジだと思われたら嫌なんで正直に話すっすよ!」
柚子は冷め切った二人に対して慌てて訂正する。
今度は真剣な声音で。
「ウチの両親は二人ともウィザードだったんすけど……まあ仕事中に不幸があって……」
「「……」」
(あ、これ踏み込んじゃ駄目な奴だ……)
聞いちゃいけない事を聞いてしまったような、お通夜みたいな空気が場を支配する。
間違いなく冗談の方の理由の方が良かった。
そんな中で柚子は言葉を紡ぐ。
「そんな時私を支えてくれてたのが、まだ高校生になったばかりだったお姉ちゃんだったんすよね。目の前でその不幸を見てメンタルボロボロだった筈なのにそれでも……あの頃のお姉ちゃん、魔術使うたびに吐いてたっけ」
「「……」」
「その時からずっとお姉ちゃんは、私にウィザードにならなくてもいい。好きな事をやればいいってずっと言ってくれてたっす」
「それでもウィザードになっとるって事は……これが柚子の好きな事じゃったのか?」
「いや今は嫌いじゃないっすけど、別にそうじゃないっすね。結局アレっすよ。私お姉ちゃんの事大好きっすから。そんなお姉ちゃんを支えたかったし……お姉ちゃんみたいにカッコいい大人になりたかった。それが私がウィザードやってる理由っす」
「……そっか」
それを聞いて、静かに思う。
「立派な理由じゃん」
「なんで最初馬鹿みたいな嘘で隠したのじゃ」
「いやーなんか恥ずかしくないっすかね、なんとなく」
「いやそんな事ねえだろ」
「そうじゃよ…立派だと思うのじゃ。柚子も風間さんも」
「……そうっすか。そう思ってくれたなら良かったっす」
今度はドヤ顔などは浮かべず静かにそう呟いた。
最初はお通夜みたいな空気だったが、終ってみれば悪くない。
そんな空気が場を包む。
……だけどそれはそれとして、一つ聞いておきたい。
「なあ、柚子」
「なんすか?」
「こういう話する割には、お前姉ちゃんに結構辛辣な事言ってねえ?」
やる時しかやらないとんでもないポンコツ扱いをしている訳で。
そもそも杏がポンコツ云々を最初に言っていたのが柚子だった気がする。
……こういう話をする割には、前振りで物凄く貶してしまっている。
そしてその問いに柚子は苦笑いを浮かべて言った。
「ああ、それはそれ、これはこれっす」
「そんなもん?」
「そんなもんっすよ。だってお姉ちゃんたまにやべー奴なのはマジっすもん」
「そ、そうか……」
(ま、まあアレだ……本人達がそれでいいなら、もうそれで良いかぁ!)
家庭内の事ほど、第三者が正確に把握できない事も無い。
とにかく今、風間姉妹がうまくやれているのなら、それで良いのだろう。
「あ、そうだ聞いてほしいんすよ! この前お姉ちゃんが……」
……それでいい筈だ。
あとこの後普通に漫画読んでゲームしておやつ食べて帰っていった訳だが、カッコいい姉を目指していた奴の姿がこれで良いのかとも思った。
これでいい筈だ……多分。
*****
「一応聞くけどどうだった杉浦家の様子は。まあ別に何事も無いとは思うが」
柚子が監理局に帰ると、デスクワークをこなしていた篠原にそう問い掛けられる。
「炒飯がマジで美味しかったっす!」
「え、なにお前中華料理屋の調査でも行ってた? ていうかその手の紙袋はなんだ?」
「7巻から15巻まで借りたっす! いやー名作と巡りあったっすよ!」
「お前本当に何しに行ってた!? ……どんどん姉の方みたいになっていくな」
篠原はそう言ってため息を付いた。
それでも報告書は無事それっぽく書けました。
0
お気に入りに追加
259
あなたにおすすめの小説
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした
御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。
異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。
女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。
――しかし、彼は知らなかった。
転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。

はぁ?とりあえず寝てていい?
夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。
※第二章は全体的に説明回が多いです。
<<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる