26 / 115
1-3 新しい日常 新しい非日常
4 壁
しおりを挟む
頑張って感情を表に出さないようにしながらも内心テンション上がりまくりの鉄平は、とにかく平常心を意識しながら挨拶をする。
「明日からお世話になります杉浦鉄平です! よろしくお願いします!」
「えぇ……鉄平テンション高ぁ……」
隣でユイがそう呟くが、これでも抑えた方だと自負している。
そしてユイも軽く溜息を吐いてから言う。
「ユイじゃ。よろしく頼む、風間さん」
「杉浦君にユイちゃん。ようこそ北陸第一支部へ」
そう言って笑みを浮かべる杏。
(天使かな?)
今此処でその笑顔を拝めた喜びを噛み締める鉄平から視線を反らし、杏は神崎に声を掛ける。
「マコっちゃんもお疲れ様。ごめんね、杉浦君の書類全般とか今みたいな案内役を全部やってもらって」
「いや、良いですよ別に。誰かがやらないといけない事なら、この位俺がやります」
「マコっちゃん……?」
えらく緊張感の無い呼び名かつ親し気な呼び名が飛び出てきて思わずそう呟くと、杏が答える。
「ああ、彼のフルネームがね、神崎誠って言うんだ。だから皆親しみを込めてマコっちゃんと呼んでるの」
「いやアンタした呼んでないんですけどそれ! 正直恥ずかしいんで止めてくれませんか!?」
「つまりマコっちゃん……さんって事になるのかの?」
「ならねえならねえ! ほら影響受ける奴出て来た!」
「良いじゃん。広めて行こうよ」
「そうですよ、悪くないと思いますよマコっちゃん先輩」
「乗ったぁ!? お前そっちに乗るのか杉浦!?」
「すみません、そういうノリかと思って普通に調子乗りました神崎さん」
「よーし素直に謝れるのはいいぞ杉浦」
「よっ、優しいっすねマコっちゃん先輩!」
「風間お前そろそろ一回シバくぞ!」
「え、怖いよマコっちゃん」
「アンタの方じゃねえ!」
「なるほど、中々大変なポジションじゃの、マコ……神崎さんは」
「よしよーく抑えた。その調子で頼むわ」
そう言って軽く溜息を吐く神崎に杏は小さく笑みを浮かべた後、鉄平達に言う。
「さて、杉浦君にユイちゃん。難しい事は大体篠原さんが説明してくれていると思うし、これから分からない事が有ったら面倒見の良いマコっちゃんが色々教えてくれると思う。だから私から何か難しい事を言うつもりは無いよ。難しい話は苦手だしね。この通り難しい書類が山積みになってる位には……マコっちゃん後で助けて」
「分かったから泣き事は終わってから言ってください。話進まないから」
「やったー希望の光が見えた―! っしゃあ!」
テンション上げてガッツポーズする杏。
可愛い。なんか大人で美人な女性って感じの雰囲気からのこの滅茶苦茶なギャップが凄い良い。
……明らかに矢印が神崎に向いている事に目を瞑れば。
だけどその辺を認識できたからか、ある程度冷静さが戻ってきて改めて思う。
(にしてもこの人……支局長って感じの人じゃねぇ……)
今の所書類溜まってる事以外はポンコツ要素は見えてこないけど、なんというか言動から他にも色々とやらかしていそうな雰囲気が凄い。
だがそんな雰囲気を一応抑えて、やや強引だが再び真面目なトーンで彼女は言う。
「とにかく、私からは何も言えない。言えるのはお願い位かな」
そう言って一拍空けてから彼女は言う。
「悪くない未来を信じてこの選択を選んだ現場の皆を裏切らないで上げて欲しい。ただ、それだけ」
その声音は酷く重い。
これまでの軽さも相まってか、深く重く。
(というか……なんつーか、この人からは壁を感じる)
会ってすぐは馬鹿になっていた。だからそうした事がノイズとなって気付かなかった。
この人は篠原を始めとするあの現場に居たウィザードとは違う。
明るく見えて。軽く見えて……それでも感じる壁。
ユイに対する、警戒心。
それに気付いているのか否か、それは定かではないがユイは言う。
「そうならんように頑張るよワシは。鉄平もそうじゃが柚子達にも迷惑は掛けたくないからの」
そんなユイに続くように鉄平も言葉を紡ぐ。
「裏切るどころかより信頼を積み重ねられるように頑張りますよ」
この先、この組織の頭が張った壁をちゃんと壊せるように。
「……その言葉、信じるから」
杏がそう言ったところで場が静かになる。
それを頃合いと判断したのか神崎が口を開いた。
「アンタも仕事が山積みでしょう。そろそろ俺達は行きますよ」
「うん、じゃあまた」
「よーし、このまま今日挨拶に行ける所に行けるだけ行くぞ」
「了解です」
「了解じゃ」
「ところで私っていた方がいい?」
「流れで着いて来てたけど、非番なんだから帰って良いんじゃねえの?」
そういうやり取りをしながら鉄平達は退室しようとする。
しようとはしたが、杏の声が背後から聞こえる。
「あ、マコっちゃんマコっちゃん。ちょっといい? 一分、二分だけで良いから」
「……? まあ分かりました。わるいけど二人は部屋の外で待っててくれ。風間も気ぃ付けて帰れよ」
「はーい」
「じゃ、ワシらは外で待っておるのじゃ」
「失礼しました」
各々そんな返答を返して局長室から退室する。
そして退出してすぐにユイが胸元に手を添えて呟いた。
「……勝てねぇ……」
口調が崩れる位に、何らかのショックを受けているみたいだが、一体どうしたのだろうか?
そしてユイの言葉に反応して柚子は言う。
「お、もしかしてユイちゃん、お姉ちゃんの強さ分かっちゃったっすか?」
「あ、いや、そういう事ではなくて……えーっと、ワシの言葉は忘れて欲しいのじゃ」
「「……?」」
鉄平と柚子で軽く首を傾げた後、鉄平は問いかける。
「で、お前の姉ちゃんアレか。強さ云々って事はもしかしたら現場でのドンパチするのは凄いみたいな感じか?」
「なんというか全盛期のお姉ちゃんは間違いなく最強だったっすよ。去年まではウィザードの階級で最高ランクの特級でした。降格しちゃって今は一級っすけど」
「降格とかそんなのあるんだな。なんかやらかしたのか? 不祥事……いや、全盛期なんて言葉が出てくるって事は、まさか怪我でもして後遺症でも残ってんのか?」
「ご明察。ユイちゃんを巡った戦いに参加していないって事は……つまりそういう事っす」
「マジか……何が有ったんだ?」
「色々っすよ色々。とりあえず今はそういう事にしといて欲しいっす」
「? ……まあ良いけど」
別に確実に知らなければならない情報でも無い。
そこにあるのが安易に触れてはならない情報なら……今は触れないでおこうと、そう思った。
これから信頼を積み重ねていけば、きっとそういう事にも手が届く筈だから。
「明日からお世話になります杉浦鉄平です! よろしくお願いします!」
「えぇ……鉄平テンション高ぁ……」
隣でユイがそう呟くが、これでも抑えた方だと自負している。
そしてユイも軽く溜息を吐いてから言う。
「ユイじゃ。よろしく頼む、風間さん」
「杉浦君にユイちゃん。ようこそ北陸第一支部へ」
そう言って笑みを浮かべる杏。
(天使かな?)
今此処でその笑顔を拝めた喜びを噛み締める鉄平から視線を反らし、杏は神崎に声を掛ける。
「マコっちゃんもお疲れ様。ごめんね、杉浦君の書類全般とか今みたいな案内役を全部やってもらって」
「いや、良いですよ別に。誰かがやらないといけない事なら、この位俺がやります」
「マコっちゃん……?」
えらく緊張感の無い呼び名かつ親し気な呼び名が飛び出てきて思わずそう呟くと、杏が答える。
「ああ、彼のフルネームがね、神崎誠って言うんだ。だから皆親しみを込めてマコっちゃんと呼んでるの」
「いやアンタした呼んでないんですけどそれ! 正直恥ずかしいんで止めてくれませんか!?」
「つまりマコっちゃん……さんって事になるのかの?」
「ならねえならねえ! ほら影響受ける奴出て来た!」
「良いじゃん。広めて行こうよ」
「そうですよ、悪くないと思いますよマコっちゃん先輩」
「乗ったぁ!? お前そっちに乗るのか杉浦!?」
「すみません、そういうノリかと思って普通に調子乗りました神崎さん」
「よーし素直に謝れるのはいいぞ杉浦」
「よっ、優しいっすねマコっちゃん先輩!」
「風間お前そろそろ一回シバくぞ!」
「え、怖いよマコっちゃん」
「アンタの方じゃねえ!」
「なるほど、中々大変なポジションじゃの、マコ……神崎さんは」
「よしよーく抑えた。その調子で頼むわ」
そう言って軽く溜息を吐く神崎に杏は小さく笑みを浮かべた後、鉄平達に言う。
「さて、杉浦君にユイちゃん。難しい事は大体篠原さんが説明してくれていると思うし、これから分からない事が有ったら面倒見の良いマコっちゃんが色々教えてくれると思う。だから私から何か難しい事を言うつもりは無いよ。難しい話は苦手だしね。この通り難しい書類が山積みになってる位には……マコっちゃん後で助けて」
「分かったから泣き事は終わってから言ってください。話進まないから」
「やったー希望の光が見えた―! っしゃあ!」
テンション上げてガッツポーズする杏。
可愛い。なんか大人で美人な女性って感じの雰囲気からのこの滅茶苦茶なギャップが凄い良い。
……明らかに矢印が神崎に向いている事に目を瞑れば。
だけどその辺を認識できたからか、ある程度冷静さが戻ってきて改めて思う。
(にしてもこの人……支局長って感じの人じゃねぇ……)
今の所書類溜まってる事以外はポンコツ要素は見えてこないけど、なんというか言動から他にも色々とやらかしていそうな雰囲気が凄い。
だがそんな雰囲気を一応抑えて、やや強引だが再び真面目なトーンで彼女は言う。
「とにかく、私からは何も言えない。言えるのはお願い位かな」
そう言って一拍空けてから彼女は言う。
「悪くない未来を信じてこの選択を選んだ現場の皆を裏切らないで上げて欲しい。ただ、それだけ」
その声音は酷く重い。
これまでの軽さも相まってか、深く重く。
(というか……なんつーか、この人からは壁を感じる)
会ってすぐは馬鹿になっていた。だからそうした事がノイズとなって気付かなかった。
この人は篠原を始めとするあの現場に居たウィザードとは違う。
明るく見えて。軽く見えて……それでも感じる壁。
ユイに対する、警戒心。
それに気付いているのか否か、それは定かではないがユイは言う。
「そうならんように頑張るよワシは。鉄平もそうじゃが柚子達にも迷惑は掛けたくないからの」
そんなユイに続くように鉄平も言葉を紡ぐ。
「裏切るどころかより信頼を積み重ねられるように頑張りますよ」
この先、この組織の頭が張った壁をちゃんと壊せるように。
「……その言葉、信じるから」
杏がそう言ったところで場が静かになる。
それを頃合いと判断したのか神崎が口を開いた。
「アンタも仕事が山積みでしょう。そろそろ俺達は行きますよ」
「うん、じゃあまた」
「よーし、このまま今日挨拶に行ける所に行けるだけ行くぞ」
「了解です」
「了解じゃ」
「ところで私っていた方がいい?」
「流れで着いて来てたけど、非番なんだから帰って良いんじゃねえの?」
そういうやり取りをしながら鉄平達は退室しようとする。
しようとはしたが、杏の声が背後から聞こえる。
「あ、マコっちゃんマコっちゃん。ちょっといい? 一分、二分だけで良いから」
「……? まあ分かりました。わるいけど二人は部屋の外で待っててくれ。風間も気ぃ付けて帰れよ」
「はーい」
「じゃ、ワシらは外で待っておるのじゃ」
「失礼しました」
各々そんな返答を返して局長室から退室する。
そして退出してすぐにユイが胸元に手を添えて呟いた。
「……勝てねぇ……」
口調が崩れる位に、何らかのショックを受けているみたいだが、一体どうしたのだろうか?
そしてユイの言葉に反応して柚子は言う。
「お、もしかしてユイちゃん、お姉ちゃんの強さ分かっちゃったっすか?」
「あ、いや、そういう事ではなくて……えーっと、ワシの言葉は忘れて欲しいのじゃ」
「「……?」」
鉄平と柚子で軽く首を傾げた後、鉄平は問いかける。
「で、お前の姉ちゃんアレか。強さ云々って事はもしかしたら現場でのドンパチするのは凄いみたいな感じか?」
「なんというか全盛期のお姉ちゃんは間違いなく最強だったっすよ。去年まではウィザードの階級で最高ランクの特級でした。降格しちゃって今は一級っすけど」
「降格とかそんなのあるんだな。なんかやらかしたのか? 不祥事……いや、全盛期なんて言葉が出てくるって事は、まさか怪我でもして後遺症でも残ってんのか?」
「ご明察。ユイちゃんを巡った戦いに参加していないって事は……つまりそういう事っす」
「マジか……何が有ったんだ?」
「色々っすよ色々。とりあえず今はそういう事にしといて欲しいっす」
「? ……まあ良いけど」
別に確実に知らなければならない情報でも無い。
そこにあるのが安易に触れてはならない情報なら……今は触れないでおこうと、そう思った。
これから信頼を積み重ねていけば、きっとそういう事にも手が届く筈だから。
0
お気に入りに追加
259
あなたにおすすめの小説
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。
亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。
さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。
南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。
ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。

はぁ?とりあえず寝てていい?
夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。
※第二章は全体的に説明回が多いです。
<<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

黄金蒐覇のグリード 〜力と財貨を欲しても、理性と対価は忘れずに〜
黒城白爵
ファンタジー
とある異世界を救い、元の世界へと帰還した玄鐘理音は、その後の人生を平凡に送った末に病でこの世を去った。
死後、不可思議な空間にいた謎の神性存在から、異世界を救った報酬として全盛期の肉体と変質したかつての力である〈強欲〉を受け取り、以前とは別の異世界にて第二の人生をはじめる。
自由気儘に人を救い、スキルやアイテムを集め、敵を滅する日々は、リオンの空虚だった心を満たしていく。
黄金と力を蒐集し目指すは世界最高ランクの冒険者。
使命も宿命も無き救世の勇者は、今日も欲望と理性を秤にかけて我が道を往く。
※ 更新予定日は【月曜日】と【金曜日】です。
※第301話から更新時間を朝5時からに変更します。

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした
御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。
異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。
女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。
――しかし、彼は知らなかった。
転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる