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1-1 魔剣少女との出会いについて
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「というかワシなんでこんなに思い上がっておったんじゃ。別にそんなに可愛くも無いし体付きは物凄く貧相だし。あーワシはあれじゃ。何の魅力も無いゴミじゃぁ……」
(えぇ……流石にダメージ受けすぎぃ。……なんか本気で可哀想になって来たぞ)
ただ自分がロリコンでは無い事を証明したかっただけなのに、結構酷い事をやらかした加害者みたいな気分になってくる。
……流石にフォローを入れないのは、あまりに人の心が無さすぎる。
「あーあのな、ユイ。何の魅力も無いってのは流石に言い過ぎというか、絶対そんな事は無いと思うぞ?」
「……そうかの?」
「そうだって。ほら、あくまで……なんというか、俺がそういう感じで見る趣味から外れているってだけで、お前が可愛いか可愛くないかで言えば滅茶苦茶可愛いし、魅力のある無しで言えばえげつない位魅力ありまくりだと思うぞ」
嘘は言っていない。
本当に自分が個人的にそういう趣味じゃないだけで、彼女の容姿は上澄みも上澄みだ。これでなんの魅力も無いなんて言わせちゃいけないだろう。
成長するのかは知らないが、このまま成長したら良い意味でとんでもない事になるのは間違いない。
将来性◎。圧倒的◎。百二十点。エクセレント超合格!
(……こういうの真剣に考えるのもなんかキモいな)
ちょっとだけ自分にダメージが入りつつも、そんな鉄平と反比例するようにユイの方はテンションのギアが入っていく。
「ほんとか、ワシ魅力たっぷりか!?」
「ああ、お前最強だよ」
「っしゃあ! ワシ最強! ワシ最強! いえーい!」
なんか良く分からないテンションで求めて来たハイタッチに応じた後で、落ち着いた声音で鉄平は言う。
「ユイ」
「なんじゃ!」
「もう夜遅いし壁も薄いから静かにな」
「あ、ごめん……うるさくしてすみませーん」
隣の部屋に念を飛ばすように小さな声でそう言ってから、少し落ち着いたように改めてソファに座るユイは、一拍空けて仕切り直すように言ってくる。
「しかし趣味では無いか。折角見る目があるのに残念じゃのう……それでじゃ鉄平」
「なんだ?」
「そういう理由で無いなら結局どうしてワシを助けた。さっきも言ったが鉄平にはメリットが無いじゃろう」
「そうだな、メリットなんか何もねえよマジで。損得で動てねえよあの時の俺は」
軽く息を吐いてから言う。
「多分剣じゃなくなったお前の容姿が人間じゃなかったら俺はお前の事を助けてないと思う。ただお前が人間の姿で、しかも子供って思ったら……そりゃ手の届く範囲で位なら何とかしてやらねえとって思う。ただそれだけだ」
「……そうか。つまりお主が良い奴だからという感じの認識で良いのかの」
「人の姿してなきゃ助けてねえって発言してる奴ってあんまりいい奴感無くね?」
「ワシが助けられてワシがそう思った。ならワシの中の答えはそれで良いじゃろ」
「……そんなもんか」
「そんなもんじゃ」
そう言って笑みを浮かべた後、噛み締めるように静かに言う。
「しかし……ワシのこの形態が助けようと思われる程度には好感を持ってもらえる姿で良かったの」
「そのおかげで助かってるからな」
「ああ。それに……どうせ誰かと関わるなら、嫌われるより好かれている方が良いからの」
「……お前、ほんとなんで世界征服なんてしに来ちゃったんだよ。絶対向いてねえじゃん」
「……ほんと、なんでじゃろなぁ。動機も現在進行形で燻り続けている感情も良く分からんよ。絶対楽しくないじゃろ、世界征服とかしても」
その言葉を聞きながら、改めて考える。
ユイを生かした者として、責任を持って最悪な事態は回避しなければならないと考える事と同時に……ユイにそういう事をさせてはいけないと強く考え始めた。
……それは本当に駄目だと思うから。
(えぇ……流石にダメージ受けすぎぃ。……なんか本気で可哀想になって来たぞ)
ただ自分がロリコンでは無い事を証明したかっただけなのに、結構酷い事をやらかした加害者みたいな気分になってくる。
……流石にフォローを入れないのは、あまりに人の心が無さすぎる。
「あーあのな、ユイ。何の魅力も無いってのは流石に言い過ぎというか、絶対そんな事は無いと思うぞ?」
「……そうかの?」
「そうだって。ほら、あくまで……なんというか、俺がそういう感じで見る趣味から外れているってだけで、お前が可愛いか可愛くないかで言えば滅茶苦茶可愛いし、魅力のある無しで言えばえげつない位魅力ありまくりだと思うぞ」
嘘は言っていない。
本当に自分が個人的にそういう趣味じゃないだけで、彼女の容姿は上澄みも上澄みだ。これでなんの魅力も無いなんて言わせちゃいけないだろう。
成長するのかは知らないが、このまま成長したら良い意味でとんでもない事になるのは間違いない。
将来性◎。圧倒的◎。百二十点。エクセレント超合格!
(……こういうの真剣に考えるのもなんかキモいな)
ちょっとだけ自分にダメージが入りつつも、そんな鉄平と反比例するようにユイの方はテンションのギアが入っていく。
「ほんとか、ワシ魅力たっぷりか!?」
「ああ、お前最強だよ」
「っしゃあ! ワシ最強! ワシ最強! いえーい!」
なんか良く分からないテンションで求めて来たハイタッチに応じた後で、落ち着いた声音で鉄平は言う。
「ユイ」
「なんじゃ!」
「もう夜遅いし壁も薄いから静かにな」
「あ、ごめん……うるさくしてすみませーん」
隣の部屋に念を飛ばすように小さな声でそう言ってから、少し落ち着いたように改めてソファに座るユイは、一拍空けて仕切り直すように言ってくる。
「しかし趣味では無いか。折角見る目があるのに残念じゃのう……それでじゃ鉄平」
「なんだ?」
「そういう理由で無いなら結局どうしてワシを助けた。さっきも言ったが鉄平にはメリットが無いじゃろう」
「そうだな、メリットなんか何もねえよマジで。損得で動てねえよあの時の俺は」
軽く息を吐いてから言う。
「多分剣じゃなくなったお前の容姿が人間じゃなかったら俺はお前の事を助けてないと思う。ただお前が人間の姿で、しかも子供って思ったら……そりゃ手の届く範囲で位なら何とかしてやらねえとって思う。ただそれだけだ」
「……そうか。つまりお主が良い奴だからという感じの認識で良いのかの」
「人の姿してなきゃ助けてねえって発言してる奴ってあんまりいい奴感無くね?」
「ワシが助けられてワシがそう思った。ならワシの中の答えはそれで良いじゃろ」
「……そんなもんか」
「そんなもんじゃ」
そう言って笑みを浮かべた後、噛み締めるように静かに言う。
「しかし……ワシのこの形態が助けようと思われる程度には好感を持ってもらえる姿で良かったの」
「そのおかげで助かってるからな」
「ああ。それに……どうせ誰かと関わるなら、嫌われるより好かれている方が良いからの」
「……お前、ほんとなんで世界征服なんてしに来ちゃったんだよ。絶対向いてねえじゃん」
「……ほんと、なんでじゃろなぁ。動機も現在進行形で燻り続けている感情も良く分からんよ。絶対楽しくないじゃろ、世界征服とかしても」
その言葉を聞きながら、改めて考える。
ユイを生かした者として、責任を持って最悪な事態は回避しなければならないと考える事と同時に……ユイにそういう事をさせてはいけないと強く考え始めた。
……それは本当に駄目だと思うから。
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