3 / 115
1-1 魔剣少女との出会いについて
3 復活、魔剣ちゃん
しおりを挟む
「ど、どうだ調子は」
「めっちゃうまいが?」
「……自分で考えた策とはいえ、流石に元気になり過ぎでは?」
卵粥を作って持って来ると貰い物のクッキーは全滅しており、少しだけ元気を取り戻したような彼女が力なくソファに座っていた。
この時点で人間ではありえないの回復力に驚いていた訳だが、ここからお粥を頬張って行くにつれてみるみる血色がよくなって……そして今、完食した。
「いやーうまかったの。そして生きていくのに問題ない程度のエネルギー補給完了じゃぁ! ワシ大復活!」
立ち上がりガッツポーズする剣の女の子(仮称)。
「ふははは! どういうつもりかは知らんがお主はワシを助けようとして成功したのじゃ! もっと喜べ人間!」
「あの、夜遅いし壁もそこまで厚くないから、ちょっと声のボリューム下げてくれね?」
「あ、ごめん」
そう言ってちょこんとソファーに座り直す剣の女の子。
(……態度デカイのに滅茶苦茶素直じゃん)
「あとこの国じゃ飯食った後は手を合わせてご馳走様でしたって言うのがマナーだ」
「? ごちそうさまでした」
(え、滅茶苦茶素直じゃん……)
ファーストコンタクトは最悪で、普通に態度もデカイのだけれど。
それでも先程までの弱った姿やこの素直さに加え、元気になった今でもこちらに危害を加えてくる様子も無い。
(……コイツ、マジで危険な感じしないな)
まあ安全であるに越したことはないが。
色々な意味で安堵する鉄平に、剣の女の子は言う。
「そんな訳でボリュームは落とすがワシ大復活じゃ」
改めて満面の笑みを浮かべてピースサインを向けてくる彼女に、鉄平は問いかける。
「元気になったのはマジで良かったよ。それはほんと良かった……で、元気になったお前にいくつか質問してえんだけど良いか? 早速で悪いんだけど」
「うむ、構わんぞ。お主はワシの恩人じゃからの………いや、そもそもお主に何かをされたからああなったと思うんじゃが……これお主、命の恩人とかの前に加害者ではないか?」
「いや、俺マジで何もしてねえよ。なんか剣を抜かねえといけない気がして抜いた。やった事なんてマジでそれだけなんだ」
「ふむ……多分じゃけど嘘ついとらん気がするしのぉ……うん、多分お主嘘付いてないの。だって助けてくれたもん」
そう言って再びぱーっとした明るい笑みを浮かべる。
「じゃあお主はやっぱり命の恩人じゃ! じゃからワシの聞きたい事は後回しじゃ! 何でも聞いていいぞ!」
(素直! そしてちょっっっっっっっろぉッ!)
益々脅威レベルが下がっていく。
もう完全に人畜無害だ。そんな気がする。
そしてそんな彼女だからこそ、ありがたい事に質問権は取れた。
……今後どうするべきか。その判断をする為にも聞けることは聞いておきたい。
「で、何が聞きたいのじゃ?」
「まず剣の姿で突き刺さっていたお前は一体何が目的でこの世界に来たんだ。俺の体を乗っ取れていたら一体何をするつもりだった」
「え、普通に世界侵略じゃが?」
(……コイツ言う程人畜無害か?)
なんだか雲行きが怪しくなってきた気がする。
「あの、もう一回良いか? 一応念の為……聞き間違えかもしれないし」
「世界侵略じゃ! 滅茶苦茶無双して完全勝利なのじゃぁ」
目的を達成した姿を想像するように、ご満悦な表情でそう言う剣の女の子(仮称)。
(コイツ……やっぱあの時点でウィザードに突き出さないといけない奴だったんじゃ……)
そう考える鉄平に対し剣の少女は言う。
「まあもう出来んがの」
「できない?」
「お主と契約して今のワシは大幅に弱体化しておる。その上お主の体を乗っ取れんという事はまともに戦う事すら出来んわけじゃ。そんな訳で完全敗北じゃよ今のワシ。残念じゃのう……うん、残念じゃ」
「……?」
契約がどうのとか色々と聞きたい事は山積みだが、一つ感じた違和感を先に処理しておきたい。
「お前……本当に残念だと思っているか?」
直感でしかないが、表情や声音からそこまで現状に不満を感じていないように思える。
そしてその問いに彼女は悩むように難しい表情を浮かべて腕を組んで言う。
「…………その辺ワシも今自分で言っておいて疑問に思ってたところじゃ」
「疑問?」
「いや、世界征服してやるぞー、おーって感じは頭の中であるのじゃが、改めて考えてみるとそれ本当にやりたいか? ってなってての。できないって事実に対してそっかぁ無理かぁ、的な軽い感想しか湧いて来ん。なにこれ」
「いや知らんけども……お前自分で世界征服しようとしてこの世界に来たんじゃないのかよ」
「いや……世界征服やったるぞーって感じの気分というか使命感を持ってあの場に居たというか、それ事態は今もあるのじゃが……うん、そう思うに至った経緯というか、この世界に来る前の事は思い出せん」
「記憶喪失って事か?」
「そんな感じになるとは思うのじゃが、名前は覚えてるんじゃよ不思議な事に」
「そんな器用な記憶喪失ある?」
「事実なっとるじゃろうが」
「確かに……あ、名前聞いといて良いか折角だし」
「ユイじゃ。お主は?」
「俺は杉浦鉄平だ。えーっと、よろしく? で良いのか俺達」
「良いのではないか? とりあえずよろしくじゃ鉄平」
そう言って再び笑みを浮かべるユイ。
(……これ結構ありがたい状況なんじゃねえか?)
此処までの短い時間だけで大体理解できる。
……目の前のユイという剣の少女、根は悪い奴ではない。
普通のいい子に、物騒な目的や使命感だけが乗っかってるような、そんな印象だ。
……つまり、捻じ曲げられるかもしれない。
(今後力を取り戻したり俺を乗っ取ったりできるようになった時に、ヤバい事をやらかさないように軌道修正できるかもしれねえ)
まだ完全に安全とは言えない目の前の少女を、ウィザードによるおそらく物騒になるであろう解決方に頼らずに止められるかもしれない。
(……通報せずにコイツを復活させたのは俺だ。責任もってそこはやらねえと)
具体的にこの先どうするかは何も決められていないが、その方向性だけは定めた。
「めっちゃうまいが?」
「……自分で考えた策とはいえ、流石に元気になり過ぎでは?」
卵粥を作って持って来ると貰い物のクッキーは全滅しており、少しだけ元気を取り戻したような彼女が力なくソファに座っていた。
この時点で人間ではありえないの回復力に驚いていた訳だが、ここからお粥を頬張って行くにつれてみるみる血色がよくなって……そして今、完食した。
「いやーうまかったの。そして生きていくのに問題ない程度のエネルギー補給完了じゃぁ! ワシ大復活!」
立ち上がりガッツポーズする剣の女の子(仮称)。
「ふははは! どういうつもりかは知らんがお主はワシを助けようとして成功したのじゃ! もっと喜べ人間!」
「あの、夜遅いし壁もそこまで厚くないから、ちょっと声のボリューム下げてくれね?」
「あ、ごめん」
そう言ってちょこんとソファーに座り直す剣の女の子。
(……態度デカイのに滅茶苦茶素直じゃん)
「あとこの国じゃ飯食った後は手を合わせてご馳走様でしたって言うのがマナーだ」
「? ごちそうさまでした」
(え、滅茶苦茶素直じゃん……)
ファーストコンタクトは最悪で、普通に態度もデカイのだけれど。
それでも先程までの弱った姿やこの素直さに加え、元気になった今でもこちらに危害を加えてくる様子も無い。
(……コイツ、マジで危険な感じしないな)
まあ安全であるに越したことはないが。
色々な意味で安堵する鉄平に、剣の女の子は言う。
「そんな訳でボリュームは落とすがワシ大復活じゃ」
改めて満面の笑みを浮かべてピースサインを向けてくる彼女に、鉄平は問いかける。
「元気になったのはマジで良かったよ。それはほんと良かった……で、元気になったお前にいくつか質問してえんだけど良いか? 早速で悪いんだけど」
「うむ、構わんぞ。お主はワシの恩人じゃからの………いや、そもそもお主に何かをされたからああなったと思うんじゃが……これお主、命の恩人とかの前に加害者ではないか?」
「いや、俺マジで何もしてねえよ。なんか剣を抜かねえといけない気がして抜いた。やった事なんてマジでそれだけなんだ」
「ふむ……多分じゃけど嘘ついとらん気がするしのぉ……うん、多分お主嘘付いてないの。だって助けてくれたもん」
そう言って再びぱーっとした明るい笑みを浮かべる。
「じゃあお主はやっぱり命の恩人じゃ! じゃからワシの聞きたい事は後回しじゃ! 何でも聞いていいぞ!」
(素直! そしてちょっっっっっっっろぉッ!)
益々脅威レベルが下がっていく。
もう完全に人畜無害だ。そんな気がする。
そしてそんな彼女だからこそ、ありがたい事に質問権は取れた。
……今後どうするべきか。その判断をする為にも聞けることは聞いておきたい。
「で、何が聞きたいのじゃ?」
「まず剣の姿で突き刺さっていたお前は一体何が目的でこの世界に来たんだ。俺の体を乗っ取れていたら一体何をするつもりだった」
「え、普通に世界侵略じゃが?」
(……コイツ言う程人畜無害か?)
なんだか雲行きが怪しくなってきた気がする。
「あの、もう一回良いか? 一応念の為……聞き間違えかもしれないし」
「世界侵略じゃ! 滅茶苦茶無双して完全勝利なのじゃぁ」
目的を達成した姿を想像するように、ご満悦な表情でそう言う剣の女の子(仮称)。
(コイツ……やっぱあの時点でウィザードに突き出さないといけない奴だったんじゃ……)
そう考える鉄平に対し剣の少女は言う。
「まあもう出来んがの」
「できない?」
「お主と契約して今のワシは大幅に弱体化しておる。その上お主の体を乗っ取れんという事はまともに戦う事すら出来んわけじゃ。そんな訳で完全敗北じゃよ今のワシ。残念じゃのう……うん、残念じゃ」
「……?」
契約がどうのとか色々と聞きたい事は山積みだが、一つ感じた違和感を先に処理しておきたい。
「お前……本当に残念だと思っているか?」
直感でしかないが、表情や声音からそこまで現状に不満を感じていないように思える。
そしてその問いに彼女は悩むように難しい表情を浮かべて腕を組んで言う。
「…………その辺ワシも今自分で言っておいて疑問に思ってたところじゃ」
「疑問?」
「いや、世界征服してやるぞー、おーって感じは頭の中であるのじゃが、改めて考えてみるとそれ本当にやりたいか? ってなってての。できないって事実に対してそっかぁ無理かぁ、的な軽い感想しか湧いて来ん。なにこれ」
「いや知らんけども……お前自分で世界征服しようとしてこの世界に来たんじゃないのかよ」
「いや……世界征服やったるぞーって感じの気分というか使命感を持ってあの場に居たというか、それ事態は今もあるのじゃが……うん、そう思うに至った経緯というか、この世界に来る前の事は思い出せん」
「記憶喪失って事か?」
「そんな感じになるとは思うのじゃが、名前は覚えてるんじゃよ不思議な事に」
「そんな器用な記憶喪失ある?」
「事実なっとるじゃろうが」
「確かに……あ、名前聞いといて良いか折角だし」
「ユイじゃ。お主は?」
「俺は杉浦鉄平だ。えーっと、よろしく? で良いのか俺達」
「良いのではないか? とりあえずよろしくじゃ鉄平」
そう言って再び笑みを浮かべるユイ。
(……これ結構ありがたい状況なんじゃねえか?)
此処までの短い時間だけで大体理解できる。
……目の前のユイという剣の少女、根は悪い奴ではない。
普通のいい子に、物騒な目的や使命感だけが乗っかってるような、そんな印象だ。
……つまり、捻じ曲げられるかもしれない。
(今後力を取り戻したり俺を乗っ取ったりできるようになった時に、ヤバい事をやらかさないように軌道修正できるかもしれねえ)
まだ完全に安全とは言えない目の前の少女を、ウィザードによるおそらく物騒になるであろう解決方に頼らずに止められるかもしれない。
(……通報せずにコイツを復活させたのは俺だ。責任もってそこはやらねえと)
具体的にこの先どうするかは何も決められていないが、その方向性だけは定めた。
0
お気に入りに追加
259
あなたにおすすめの小説
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
俺がいなくても世界は回るそうなので、ここから出ていくことにしました。ちょっと異世界にでも行ってみます。ウワサの重来者(甘口)
おいなり新九郎
ファンタジー
ハラスメント、なぜだかしたりされちゃったりする仕事場を何とか抜け出して家に帰りついた俺。帰ってきたのはいいけれど・・・。ずっと閉じ込められて開く異世界へのドア。ずっと見せられてたのは、俺がいなくても回るという世界の現実。あーここに居るのがいけないのね。座り込むのも飽きたし、分かった。俺、出ていくよ。その異世界って、また俺の代わりはいくらでもいる世界かな? 転生先の世界でもケガで職を追われ、じいちゃんの店に転がり込む俺・・・だけど。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

巻き込まれて気づけば異世界 ~その配達員器用貧乏にて~
細波
ファンタジー
(3月27日変更)
仕事中に異世界転移へ巻き込まれたオッサン。神様からチートもらってやりたいように生きる…
と思ってたけど、人から頼まれる。神から頼まれる。自分から首をつっこむ!
「前の世界より黒くないし、社畜感無いから余裕っすね」
周りの人も神も黒い!
「人なんてそんなもんでしょ? 俺だって黒い方だと思うし」
そんな元オッサンは今日も行く!

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

はぁ?とりあえず寝てていい?
夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。
※第二章は全体的に説明回が多いです。
<<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる