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三章 聖女さん、冒険者やります

41 聖女さん達、注文

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「今六人で入れるっすか? あー煙草は吸わないっす。なんで禁煙席空いてたらそっちの方が良いっすね」

 あれから各々準備を済ませて合流の後、私達六人は焼肉屋へ。
 待たずに六人席(禁煙)を確保できた私達は無事着席。

「……いやー良いっすね。やっぱ焼肉屋はテンション上がるっす! よーし、食べるぞー!」

 とにかくシズクのテンションが上がりまくりである。
 なんというか……うん、良かったね。

 さて、とりあえず飲み物は皆烏龍茶やジュース辺りを選択してここからは大事なお肉の注文だ。

「さっきミーシャ、実家焼肉屋って言ってたよな? 俺良く分かんねえんだけど、焼肉食う時ってこういう順番で食べた方が良いみたいな作法とかってあるんだっけ?」

「そうですわね……これ元々業界に居た人間がするような発言じゃないかもしれませんが、結局食べたい物を好きな順番で好きなだけ食べて、最後に楽しく満足して終われているのが勝ちですわ」

「なるほど」

「強いて言うなら箸で生肉に触れずちゃんとトングで焼いてくださいましって事と、豚肉や鶏肉は良く火を通すって位でしょうか。あ、生食用じゃないレバーを生で食べるのだけは勘弁して頂けると……随分昔にレバーを生で食べるのが世界的に禁止になった筈なのに食べようとする人が後を絶たないので……」

「すっごく真っ当なアドバイス来たね」

「そういえばボク達が生まれる前から、食べちゃ駄目な感じでしたよね。どんな感じなんすかね生レバーって」

「わっかんねえな。でもまあ最悪腹壊してもある程度は治癒魔術でどうとでも……」

「いけませんわ」

 やや強めの声音でミーシャが言う。

「そういう人達が定期的にレバーを生食で食べて、本人たちは食中毒になるものの治癒魔術で無事。ですがお店は営業停止処分みたいな理不尽はこの業界良くある事ですので。食べた人のお腹が無事でもお店が無事じゃなくなりますわ」

「じょ、冗談だって……俺も居候先が飲食店だから良く分かるよ」

「あ、そうですの?」

「ああ。俺がこの国に来た時な──」

 そんな風に、私達は雑談を交わしつつ飲み物やお肉などを注文。
 そしてやがてやってきたお肉(とりあえず牛タン)を焼きながらシズクが音頭を取る。

「じゃあ今日はお疲れさまでしたってのと、色々大変な事になってる感じっすけど皆で頑張りましょうって事で、かんぱーい!」

「「「「「かんぱーい」」」」」

 そしてお肉が焼ける前に、喉が乾いていた事もありとりあえず烏龍茶を一口。

「……?」

 ……あれ? 烏龍茶ってこんなだったっけ?
 なんだろう、この絶妙に違う感。
 飲んだこと無いから知らんけど、えーっとなんだっけアレ。

 これウーロンハイって奴じゃない?
 多分だけどこれ……お酒、じゃないかな?
 お酒とか飲んだ事無いけど、多分そうだ。

 間違えるような物か? って思うけど事実間違ってるし……どうしよこれ。

 ……ま、別にいっか。
 毒盛られた訳じゃないし、壁のポスターにお酒は16歳になってからって書いてあるけど、私18歳でその辺も問題ないし。
 あとなんかこれ違うんですけど、ってクレーム入れて空気悪くなるのも嫌だしね。
 別に毒盛られた訳じゃないんだし、一杯くらい大丈夫でしょ。

 改めてもう一口。

 ……うん、大丈夫じゃないかな、多分。
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