229 / 274
三章 聖女さん、冒険者やります
24 聖女さん達VS幽霊屋敷
しおりを挟む
「と、とりあえず帰ろっか……一応仕事も終わった訳だし」
「そうだな……なんかしっくり来ねえけど」
そんな訳で一応目的をクリアしちゃった以上、こんな所にはもう居る意味が無いから帰る事になった。
「あーでもちょっと待てよ。何処から出られるんだここ」
「……そういえばその問題が有ったの忘れてたね」
私とステラは顔を合わせて軽く溜息を吐く。
「何処からって普通に玄関から出れば良いんじゃないですか?」
「なんならその辺の窓開けて外に出るのもアリじゃないっすか?」
あーそうだ、シルヴィとシズクは知らないんだ。
「それが出来たら苦労しないんだよ」
「さっき窓突き破ったらまだ屋内で壁に激突したからね私達」
「「……?」」
「窓とかの先が別の空間に繋がってんだよ」
「「…………?」」
二人は首を傾げる。
あーこれ信じてないね。
でもこれはすぐに納得してもらえるよ。
「ほら、こんな感じ」
近くの適当な窓をオープン!
「……うわ、屋内ですね」
「屋内……っすねえ」
流石に信用して貰えたかな。
「「……」」
そして顔を合わせた二人は……その窓の先に飛び込んだ!
「ちょ、何やってんだお前ら!」
「ど、どこい……あれ?」
一瞬合わせた私とステラだけど、すぐに二人は戻って来る。
「あのー二人共どうしたの?」
「ま、まさかまた変なのに乗り移られたか?」
「おいそれじゃとワシが変な奴に見えるじゃろ」
ブーイングを飛ばしてくるレリアさんは一旦置いておいて。
「で、えーっと、大丈夫?」
「あ、全然大丈夫ですよ」
「ちょっとちゃんと自我がしっかりしている状態で、不思議体験しておきたかったんすよ」
「ちょっと体験しておかないと損じゃないですか。特に私はほら、ここに来てからすぐ意識失ってたんで、何にもしてないですからね」
「思い出作りって感じっすかね」
「そんな感じです」
ま、まあそれで嫌な思い出を流してくれたら良いんじゃないかな、うん。
「で、どうやって出るっすかね」
「本当に別の所に繋がってましたからね。これは当たりの場所を虱潰しで探さないと駄目なんですよね」
「あーうん、多分そうなる」
「面倒だけどやるしかねえか」
「いや、その点は大丈夫じゃ」
レリアさんは言う。
「それはもうワシが見付けておる」
「本当ですかレリアさん!」
「うむ。最初はワシも此処を出ようと思っていたからの。で、そこまで到達してこの場から出られん事が分かったという訳じゃ」
あーそうか。出られないからシルヴィの体を乗っ取ろうとしていた訳だからね。
「それで、出入り口は何処にあるんだ?」
「キッチンの戸棚を空けたら外に繋がっておったぞ」
……調べてくれておいて助かったー!
そんなとこ絶対中々見つからないじゃん!
「す、凄い所が外に繋がってるんすね」
「じゃあとりあえずキッチンを目指しますか」
「外への出口を知ってるって事は、キッチンへの道も知ってるよな」
「うむ。案内しよう。着いて来るがよい」
そう言ってレリアさんは歩き出す。
そして近くの窓を開けながら、私達に言う。
「ああ、でもここら一体の幽霊は何処かに消えたみたいじゃが、まだ屋敷内にはわんさかおると思うから、警戒は怠るなよ。ワシはこの状態で戦うのはしんどいから、正直加勢はできんぞ」
「あーそれは大丈夫です」
「……そうじゃの、お主らなら大丈夫かの。ここらの幽霊に苦戦しまくるようなら、世界規模の大きな事はやれん」
……うん、大丈夫。
レリアさんみたいなイレギュラーが出て来なければ、戦い方が分かれば幽霊位対処できる。
「じゃあ皆行こっか」
「「「おー!」」」
とにかく此処を出てさっさと帰ろう!
「そうだな……なんかしっくり来ねえけど」
そんな訳で一応目的をクリアしちゃった以上、こんな所にはもう居る意味が無いから帰る事になった。
「あーでもちょっと待てよ。何処から出られるんだここ」
「……そういえばその問題が有ったの忘れてたね」
私とステラは顔を合わせて軽く溜息を吐く。
「何処からって普通に玄関から出れば良いんじゃないですか?」
「なんならその辺の窓開けて外に出るのもアリじゃないっすか?」
あーそうだ、シルヴィとシズクは知らないんだ。
「それが出来たら苦労しないんだよ」
「さっき窓突き破ったらまだ屋内で壁に激突したからね私達」
「「……?」」
「窓とかの先が別の空間に繋がってんだよ」
「「…………?」」
二人は首を傾げる。
あーこれ信じてないね。
でもこれはすぐに納得してもらえるよ。
「ほら、こんな感じ」
近くの適当な窓をオープン!
「……うわ、屋内ですね」
「屋内……っすねえ」
流石に信用して貰えたかな。
「「……」」
そして顔を合わせた二人は……その窓の先に飛び込んだ!
「ちょ、何やってんだお前ら!」
「ど、どこい……あれ?」
一瞬合わせた私とステラだけど、すぐに二人は戻って来る。
「あのー二人共どうしたの?」
「ま、まさかまた変なのに乗り移られたか?」
「おいそれじゃとワシが変な奴に見えるじゃろ」
ブーイングを飛ばしてくるレリアさんは一旦置いておいて。
「で、えーっと、大丈夫?」
「あ、全然大丈夫ですよ」
「ちょっとちゃんと自我がしっかりしている状態で、不思議体験しておきたかったんすよ」
「ちょっと体験しておかないと損じゃないですか。特に私はほら、ここに来てからすぐ意識失ってたんで、何にもしてないですからね」
「思い出作りって感じっすかね」
「そんな感じです」
ま、まあそれで嫌な思い出を流してくれたら良いんじゃないかな、うん。
「で、どうやって出るっすかね」
「本当に別の所に繋がってましたからね。これは当たりの場所を虱潰しで探さないと駄目なんですよね」
「あーうん、多分そうなる」
「面倒だけどやるしかねえか」
「いや、その点は大丈夫じゃ」
レリアさんは言う。
「それはもうワシが見付けておる」
「本当ですかレリアさん!」
「うむ。最初はワシも此処を出ようと思っていたからの。で、そこまで到達してこの場から出られん事が分かったという訳じゃ」
あーそうか。出られないからシルヴィの体を乗っ取ろうとしていた訳だからね。
「それで、出入り口は何処にあるんだ?」
「キッチンの戸棚を空けたら外に繋がっておったぞ」
……調べてくれておいて助かったー!
そんなとこ絶対中々見つからないじゃん!
「す、凄い所が外に繋がってるんすね」
「じゃあとりあえずキッチンを目指しますか」
「外への出口を知ってるって事は、キッチンへの道も知ってるよな」
「うむ。案内しよう。着いて来るがよい」
そう言ってレリアさんは歩き出す。
そして近くの窓を開けながら、私達に言う。
「ああ、でもここら一体の幽霊は何処かに消えたみたいじゃが、まだ屋敷内にはわんさかおると思うから、警戒は怠るなよ。ワシはこの状態で戦うのはしんどいから、正直加勢はできんぞ」
「あーそれは大丈夫です」
「……そうじゃの、お主らなら大丈夫かの。ここらの幽霊に苦戦しまくるようなら、世界規模の大きな事はやれん」
……うん、大丈夫。
レリアさんみたいなイレギュラーが出て来なければ、戦い方が分かれば幽霊位対処できる。
「じゃあ皆行こっか」
「「「おー!」」」
とにかく此処を出てさっさと帰ろう!
0
お気に入りに追加
713
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星河由乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
あかり
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
拝啓、私を追い出した皆様 いかがお過ごしですか?私はとても幸せです。
香木あかり
恋愛
拝啓、懐かしのお父様、お母様、妹のアニー
私を追い出してから、一年が経ちましたね。いかがお過ごしでしょうか。私は元気です。
治癒の能力を持つローザは、家業に全く役に立たないという理由で家族に疎まれていた。妹アニーの占いで、ローザを追い出せば家業が上手くいくという結果が出たため、家族に家から追い出されてしまう。
隣国で暮らし始めたローザは、実家の商売敵であるフランツの病気を治癒し、それがきっかけで結婚する。フランツに溺愛されながら幸せに暮らすローザは、実家にある手紙を送るのだった。
※複数サイトにて掲載中です
聖女の姉が行方不明になりました
蓮沼ナノ
ファンタジー
8年前、姉が聖女の力に目覚め無理矢理王宮に連れて行かれた。取り残された家族は泣きながらも姉の幸せを願っていたが、8年後、王宮から姉が行方不明になったと聞かされる。妹のバリーは姉を探しに王都へと向かうが、王宮では元平民の姉は虐げられていたようで…聖女になった姉と田舎に残された家族の話し。
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>
ラララキヲ
ファンタジー
フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。
それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。
彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。
そしてフライアルド聖国の歴史は動く。
『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……
神「プンスコ(`3´)」
!!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!!
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇ちょっと【恋愛】もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる