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三章 聖女さん、冒険者やります

24 聖女さん達VS幽霊屋敷

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「と、とりあえず帰ろっか……一応仕事も終わった訳だし」

「そうだな……なんかしっくり来ねえけど」

 そんな訳で一応目的をクリアしちゃった以上、こんな所にはもう居る意味が無いから帰る事になった。

「あーでもちょっと待てよ。何処から出られるんだここ」

「……そういえばその問題が有ったの忘れてたね」

 私とステラは顔を合わせて軽く溜息を吐く。

「何処からって普通に玄関から出れば良いんじゃないですか?」

「なんならその辺の窓開けて外に出るのもアリじゃないっすか?」

 あーそうだ、シルヴィとシズクは知らないんだ。

「それが出来たら苦労しないんだよ」

「さっき窓突き破ったらまだ屋内で壁に激突したからね私達」

「「……?」」

「窓とかの先が別の空間に繋がってんだよ」

「「…………?」」

 二人は首を傾げる。
 あーこれ信じてないね。
 でもこれはすぐに納得してもらえるよ。

「ほら、こんな感じ」

 近くの適当な窓をオープン!

「……うわ、屋内ですね」

「屋内……っすねえ」

 流石に信用して貰えたかな。

「「……」」

 そして顔を合わせた二人は……その窓の先に飛び込んだ!

「ちょ、何やってんだお前ら!」

「ど、どこい……あれ?」

 一瞬合わせた私とステラだけど、すぐに二人は戻って来る。

「あのー二人共どうしたの?」

「ま、まさかまた変なのに乗り移られたか?」

「おいそれじゃとワシが変な奴に見えるじゃろ」

 ブーイングを飛ばしてくるレリアさんは一旦置いておいて。

「で、えーっと、大丈夫?」

「あ、全然大丈夫ですよ」

「ちょっとちゃんと自我がしっかりしている状態で、不思議体験しておきたかったんすよ」

「ちょっと体験しておかないと損じゃないですか。特に私はほら、ここに来てからすぐ意識失ってたんで、何にもしてないですからね」

「思い出作りって感じっすかね」

「そんな感じです」

 ま、まあそれで嫌な思い出を流してくれたら良いんじゃないかな、うん。

「で、どうやって出るっすかね」

「本当に別の所に繋がってましたからね。これは当たりの場所を虱潰しで探さないと駄目なんですよね」

「あーうん、多分そうなる」

「面倒だけどやるしかねえか」

「いや、その点は大丈夫じゃ」

 レリアさんは言う。

「それはもうワシが見付けておる」

「本当ですかレリアさん!」

「うむ。最初はワシも此処を出ようと思っていたからの。で、そこまで到達してこの場から出られん事が分かったという訳じゃ」

 あーそうか。出られないからシルヴィの体を乗っ取ろうとしていた訳だからね。

「それで、出入り口は何処にあるんだ?」

「キッチンの戸棚を空けたら外に繋がっておったぞ」

 ……調べてくれておいて助かったー!
 そんなとこ絶対中々見つからないじゃん!

「す、凄い所が外に繋がってるんすね」

「じゃあとりあえずキッチンを目指しますか」

「外への出口を知ってるって事は、キッチンへの道も知ってるよな」

「うむ。案内しよう。着いて来るがよい」

 そう言ってレリアさんは歩き出す。
 そして近くの窓を開けながら、私達に言う。

「ああ、でもここら一体の幽霊は何処かに消えたみたいじゃが、まだ屋敷内にはわんさかおると思うから、警戒は怠るなよ。ワシはこの状態で戦うのはしんどいから、正直加勢はできんぞ」

「あーそれは大丈夫です」

「……そうじゃの、お主らなら大丈夫かの。ここらの幽霊に苦戦しまくるようなら、世界規模の大きな事はやれん」

 ……うん、大丈夫。
 レリアさんみたいなイレギュラーが出て来なければ、戦い方が分かれば幽霊位対処できる。

「じゃあ皆行こっか」

「「「おー!」」」

 とにかく此処を出てさっさと帰ろう!
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