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二章 聖女さん、新しい日常を謳歌します。

27 聖女さん達、突入王都地下ダンジョン

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「なんかこう、後から無理矢理作りました感が凄いね」

 そこにあった階段は螺旋階段で、まあこれだけ見ても地下水道での作業用に作られた感じじゃないよね。

「まさしくこの下にあるのは魔術で作られた空間という訳だ……此処から先はより一層向うの掌の上という訳だ。気を付けろよ」

「弱体化の可能性があるアンタが一番ね」

 言いながら私達は階段を下りていく。
 その空間には変わらず魔術が張り巡らされているけれど、変わった事があるとすれば視界に映る光景かな。
 今までは怪しい地下水道って感じだったのが、どこかの研究施設の中のような。
 そう言った感じの光景へと変わっている。
 ……よくこんな空間、誰にも気づかれずに作れたよね。
 その辺だけ考えても無茶苦茶だよ。

 そして螺旋階段を下りきる。
 通路は二手に分かれているけど、まあ元々反応を追って来てる訳だから道にあまり迷う要素が無いのが助かるよ。

 ……で、ここまで足を踏み入れたなら、変化があるならもう起きても良いんじゃないかな。

「で、そっちはどんな感じ?」

 ルカの弱体化が起きているかどうか。
 それで此処からの行動を決めていく必要がある。
 そしてルカは少し安堵したように言う。

「どうやら杞憂で済んだようだ。今まで通り力は供給されてる」

「もしかしたら、もうちょっと先に進んだら供給切れる感じだったりするんじゃない?」

「その可能性を100パーセント否定する事はできないが、現時点で座標が乱れて上の階層へと飛ぶような真似は出来なくなっているようだ。もう俺達が危惧していた事が起きるかもしれない条件は最大限揃っている」

「……今の時点で大丈夫なら大丈夫って事かな」

「つまり空間を断絶させる程の術式では無いという事だ。というよりあの時のお前の結界術が異常だっただけなんだよ。あれが無ければ此処でこんな懸念を抱かなくても良かったくらいにはな……冷静に考えてなんだよ空間を断絶って」

「……」

「無言でドヤ顔するのは少し腹立つから止めろ」

 なんかこう、ちゃんと魔術の事凄い分かってる奴からそういう事言われると、よっしゃーってなるよね。
 良いでしょ少し位ドヤっても。

 ……で、私が優越感に浸っているのはこの位にして。

「……で、アンタが弱体化する感じがないんだったら、立ち話をする必要も無いよね……さっさと進もうか」

「そう簡単に進ませてくれるならな」

「……そうだね」

 次の瞬間この然程広くない空間で、私達を挟み撃ちにするように。

「簡単には進めないか」

 無数多様な魔術の雨が降り注ぐ。
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