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二章 聖女さん、新しい日常を謳歌します。
12 聖女さん、情報の擦り合わせ
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「まず私達は四人共、元居た国で理不尽な理由で聖女をクビになっている。理由は全員同じで身に覚えのないミスを指摘されまくった。それが原因で国外追放って感じ。ちなみにどこの国ももれなく新しい聖女としてエロいお姉さんが用意されてた」
こっちは別に身バレとか別にどうでも良い感じだからそう話すと、男は少し考えるように口元に手を運んでから言う。
「理不尽な理由で四人共……それも新しい聖女の用意もされている、か。それが全員被ったのだとすれば流石に偶然とは思えんな……ってちょっと待て。四人? お前らは三人組ではないのか!?」
「あれから一人増えた」
「……マジか」
「マジで」
「……思った以上に深刻な事態だなこれは」
男は軽くため息を付いた後言う。
「もう既に感づいているとは思うが、これにはまず間違いなく裏で手を引いている誰かがいる」
「そうだね。私達も四人目が出てきた時点でそういう話をしてた」
「いや、二人目か三人目でそういう話をしなかったのか?」
「……」
「……しなかったんだな、少なくとも俺達と戦っている段階では。お前らもしや少し天然か? 普通三人どころか二人も居た時点で……」
「あーもう! いいでしょそんな事! で、アンタはその裏で手を引いている誰かに心当たりはあるの? もし知ってるなら教えて欲しいんだけど」
あの山で何が行われていたのかが分からなくても、それが分かれば大収穫。
寧ろ私達の今後の事を考えれば、まず第一に知るべきなのはその事な訳で。
寧ろそれを知る為にあそこで何が行われていたのかを知りたかった部分もあって。
……さあどうだろう。心当たりはあるのかな?
「ある」
「あるの!?」
本当にあったよ!
「まああくまで心当たりで、不確定で曖昧な情報ではあるがな」
それでもいい!
流石に少しテンションが上がる。
私達が追放された理由というか、その裏側で起きてる事。
その答えを知る事ができるかもしれないと思うと、そりゃそんな声も出るよ。
だけどテンションが上がっているのは私だけで。
その誰かについて触れ始めてから、男の表情は暗く重い。
そしてそんな表情を浮かべたまま言う。
「恐らく……俺達の国を乗っ取った連中の仕業だ」
「国を……乗っ取る?」
なんだか突然スケールの大きな話をしてきて思わずそう復唱すると、男は小さく頷いて言う。
「ああ。俺達の国は何者かによって乗っ取られた。到底理解できない経緯で発生したクーデター。それを誘発させた奴らが居る」
「ちょっと待って。ストップストップ」
男の言葉を制止させて言う。
「なんか色々言いたい事はあるけど、まずさっき身元が割れるから何処の国かは言えないみたいな話してたよね? それ言っちゃったら身元特定できちゃうんじゃないの?」
最近クーレターが起きた国の聖女……いや、クーデターが起きて此処にコイツらが居るんなら、まず間違いなく元聖女って所かな。
とにかくその情報を出せば最低限どこの国の聖女だったのか。
あの子の身元が露呈してしまうんじゃないかな。
今は分からないけど、調べれば世界情勢位簡単に情報入ってくるだろうし。
だけど男は言う。
「正直避けたいが特定されるだろうな。ここ最近でクーデターが発生した国などウチの国しかない……筈だ。つまり俺はこれまで隠し通してきた機密情報をお前に話している事になる。正直今後の事を考えるとそれは避けたかった」
「ならなんでそんな事……」
「自分達の国で起きている問題だと思っていた事が、それを通り越してこの世界で起きている問題だったからだ」
そして一拍あけてから、真剣な声音で男は言う。
「これまで自分の属する国を救う為に動いてきた。だが同じ問題で危機に瀕しているのが自国だけでなく他国も。それも一国二国の話ではなくより大きな世界規模の問題なのだとすれば……果たして自国以外を切り捨てるのが正解だろうか? 俺はそうは思わない。あの人も、あの馬鹿も。誰も誰も。きっとそうは思わない」
「……」
「だから伝える必要がある……俺の国で起きている、お前達の居た国でも起きるかもしれない事を」
こっちは別に身バレとか別にどうでも良い感じだからそう話すと、男は少し考えるように口元に手を運んでから言う。
「理不尽な理由で四人共……それも新しい聖女の用意もされている、か。それが全員被ったのだとすれば流石に偶然とは思えんな……ってちょっと待て。四人? お前らは三人組ではないのか!?」
「あれから一人増えた」
「……マジか」
「マジで」
「……思った以上に深刻な事態だなこれは」
男は軽くため息を付いた後言う。
「もう既に感づいているとは思うが、これにはまず間違いなく裏で手を引いている誰かがいる」
「そうだね。私達も四人目が出てきた時点でそういう話をしてた」
「いや、二人目か三人目でそういう話をしなかったのか?」
「……」
「……しなかったんだな、少なくとも俺達と戦っている段階では。お前らもしや少し天然か? 普通三人どころか二人も居た時点で……」
「あーもう! いいでしょそんな事! で、アンタはその裏で手を引いている誰かに心当たりはあるの? もし知ってるなら教えて欲しいんだけど」
あの山で何が行われていたのかが分からなくても、それが分かれば大収穫。
寧ろ私達の今後の事を考えれば、まず第一に知るべきなのはその事な訳で。
寧ろそれを知る為にあそこで何が行われていたのかを知りたかった部分もあって。
……さあどうだろう。心当たりはあるのかな?
「ある」
「あるの!?」
本当にあったよ!
「まああくまで心当たりで、不確定で曖昧な情報ではあるがな」
それでもいい!
流石に少しテンションが上がる。
私達が追放された理由というか、その裏側で起きてる事。
その答えを知る事ができるかもしれないと思うと、そりゃそんな声も出るよ。
だけどテンションが上がっているのは私だけで。
その誰かについて触れ始めてから、男の表情は暗く重い。
そしてそんな表情を浮かべたまま言う。
「恐らく……俺達の国を乗っ取った連中の仕業だ」
「国を……乗っ取る?」
なんだか突然スケールの大きな話をしてきて思わずそう復唱すると、男は小さく頷いて言う。
「ああ。俺達の国は何者かによって乗っ取られた。到底理解できない経緯で発生したクーデター。それを誘発させた奴らが居る」
「ちょっと待って。ストップストップ」
男の言葉を制止させて言う。
「なんか色々言いたい事はあるけど、まずさっき身元が割れるから何処の国かは言えないみたいな話してたよね? それ言っちゃったら身元特定できちゃうんじゃないの?」
最近クーレターが起きた国の聖女……いや、クーデターが起きて此処にコイツらが居るんなら、まず間違いなく元聖女って所かな。
とにかくその情報を出せば最低限どこの国の聖女だったのか。
あの子の身元が露呈してしまうんじゃないかな。
今は分からないけど、調べれば世界情勢位簡単に情報入ってくるだろうし。
だけど男は言う。
「正直避けたいが特定されるだろうな。ここ最近でクーデターが発生した国などウチの国しかない……筈だ。つまり俺はこれまで隠し通してきた機密情報をお前に話している事になる。正直今後の事を考えるとそれは避けたかった」
「ならなんでそんな事……」
「自分達の国で起きている問題だと思っていた事が、それを通り越してこの世界で起きている問題だったからだ」
そして一拍あけてから、真剣な声音で男は言う。
「これまで自分の属する国を救う為に動いてきた。だが同じ問題で危機に瀕しているのが自国だけでなく他国も。それも一国二国の話ではなくより大きな世界規模の問題なのだとすれば……果たして自国以外を切り捨てるのが正解だろうか? 俺はそうは思わない。あの人も、あの馬鹿も。誰も誰も。きっとそうは思わない」
「……」
「だから伝える必要がある……俺の国で起きている、お前達の居た国でも起きるかもしれない事を」
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