23 / 274
一章 聖女さん、追放されたので冒険者を始めます。
22 聖女さん、戦闘開始
しおりを挟む
「お疲れ様。帰りもよろしくねリュウ君」
しばらくして目的地付近まで辿り着いた私達は地上へ降り立った。
此処からは歩いて行く。
リュウ君に怪我させられないしね。
「ありがとうございますリュウ君」
「いや、すげえ早くて風が気持ちよかった。ありがとなリュウ君」
二人もそれぞれリュウ君に礼を言った所で、リュウ君は機嫌が良さそうに魔法陣を通って帰っていく。
「しっかし本当に早かったな。並みの連中なら振り落とされるだろ」
「ですね。少なくとも風が気持ちいいとかそういう感想は持てなさそうですね」
「まあ私を乗せる事に慣れちゃってるからね」
……そういう感想を他の誰かから言われると、やっぱり普通の人は乗れないんだって改めて自覚する。
良かった、此処にいるのがこの二人で。
「……ま、それはさておき」
軽く深呼吸して、掌に拳を打ち付ける。
「此処から先、いつ魔物が襲ってくるか分からないから、気を引き締めて行こう」
「はーい」
「了解」
そんなやり取りを交わして私達は歩き出す。
目的地の山まではまだ距離があって、この辺りでドラゴンと会敵するような事はあまり無いとは思うけど、基本的に結界の外……居住区の外はいつ魔物に襲われてもおかしくはないから注意は必要だ。
流石に完全に気を抜いた時に死角から襲われでもしたら、いくら私達でもかすり傷位負うかもしれないし、痛いのは嫌だしね。
だからちゃんと警戒する。
……していたからこそ、気付いた。
……なんか凄い勢いで色々向かって来ている事に。
「「「……!」」」
全員で一斉に身構える。
「なんか……無茶苦茶来てるね」
「10……20……いや、もっといません?」
「すげえなこれがSランクの依頼か……」
「いや……なーんか違和感あるよこれ」
私達に向かって大勢の魔物が向かって来てくる気配。
私達を獲物だって思って狩りに来てるって思えば、その事事態は不思議じゃないけど……それでも明らかな違和感。
「……他種族の魔物どうしで徒党を組んでるね」
「ですね……」
感じる気配の群は明らかに同一に近い物だけで構成されていない。
この辺りの魔物が皆仲良しってのは無いだろうから……違和感しかない。
まあ違和感があろうがなかろうがやる事は一つだけど。
「ま、向かって来るなら返り討ち。これからドラゴンと戦うかもしれないから、ウォーミングアップといこうよ」
「「おー!」」
そして各々神経を研ぎ澄ましていた所で…私達の視界に現れる。
「いや、改めて本当に統一感ねえな!」
ステラの言う通り本当に多種多様。バラバラな強そうな魔物達が。
……総勢、60匹程。
「それもそうなんですけど、普通一度にこれだけの数が襲ってくる事ってあるんですかね」
「いや、あらゆる面で普通にイレギュラーだと思うよ」
流石にこれはないだろうと思う。
知らんけど。
でもまあ、どちらにしても。
「ま、この依頼受けたのが私達で良かったよ」
「そうだな」
「ですねー」
そう言いながら私達は各々掌を魔物の群へと向ける。
「私達ならどうにでもなるでしょ!」
そして私達の掌に、魔方陣が刻まれた。
しばらくして目的地付近まで辿り着いた私達は地上へ降り立った。
此処からは歩いて行く。
リュウ君に怪我させられないしね。
「ありがとうございますリュウ君」
「いや、すげえ早くて風が気持ちよかった。ありがとなリュウ君」
二人もそれぞれリュウ君に礼を言った所で、リュウ君は機嫌が良さそうに魔法陣を通って帰っていく。
「しっかし本当に早かったな。並みの連中なら振り落とされるだろ」
「ですね。少なくとも風が気持ちいいとかそういう感想は持てなさそうですね」
「まあ私を乗せる事に慣れちゃってるからね」
……そういう感想を他の誰かから言われると、やっぱり普通の人は乗れないんだって改めて自覚する。
良かった、此処にいるのがこの二人で。
「……ま、それはさておき」
軽く深呼吸して、掌に拳を打ち付ける。
「此処から先、いつ魔物が襲ってくるか分からないから、気を引き締めて行こう」
「はーい」
「了解」
そんなやり取りを交わして私達は歩き出す。
目的地の山まではまだ距離があって、この辺りでドラゴンと会敵するような事はあまり無いとは思うけど、基本的に結界の外……居住区の外はいつ魔物に襲われてもおかしくはないから注意は必要だ。
流石に完全に気を抜いた時に死角から襲われでもしたら、いくら私達でもかすり傷位負うかもしれないし、痛いのは嫌だしね。
だからちゃんと警戒する。
……していたからこそ、気付いた。
……なんか凄い勢いで色々向かって来ている事に。
「「「……!」」」
全員で一斉に身構える。
「なんか……無茶苦茶来てるね」
「10……20……いや、もっといません?」
「すげえなこれがSランクの依頼か……」
「いや……なーんか違和感あるよこれ」
私達に向かって大勢の魔物が向かって来てくる気配。
私達を獲物だって思って狩りに来てるって思えば、その事事態は不思議じゃないけど……それでも明らかな違和感。
「……他種族の魔物どうしで徒党を組んでるね」
「ですね……」
感じる気配の群は明らかに同一に近い物だけで構成されていない。
この辺りの魔物が皆仲良しってのは無いだろうから……違和感しかない。
まあ違和感があろうがなかろうがやる事は一つだけど。
「ま、向かって来るなら返り討ち。これからドラゴンと戦うかもしれないから、ウォーミングアップといこうよ」
「「おー!」」
そして各々神経を研ぎ澄ましていた所で…私達の視界に現れる。
「いや、改めて本当に統一感ねえな!」
ステラの言う通り本当に多種多様。バラバラな強そうな魔物達が。
……総勢、60匹程。
「それもそうなんですけど、普通一度にこれだけの数が襲ってくる事ってあるんですかね」
「いや、あらゆる面で普通にイレギュラーだと思うよ」
流石にこれはないだろうと思う。
知らんけど。
でもまあ、どちらにしても。
「ま、この依頼受けたのが私達で良かったよ」
「そうだな」
「ですねー」
そう言いながら私達は各々掌を魔物の群へと向ける。
「私達ならどうにでもなるでしょ!」
そして私達の掌に、魔方陣が刻まれた。
10
お気に入りに追加
712
あなたにおすすめの小説
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星井柚乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
団長サマの幼馴染が聖女の座をよこせというので譲ってあげました
毒島醜女
ファンタジー
※某ちゃんねる風創作
『魔力掲示板』
特定の魔法陣を描けば老若男女、貧富の差関係なくアクセスできる掲示板。ビジネスの情報交換、政治の議論、それだけでなく世間話のようなフランクなものまで存在する。
平民レベルの微力な魔力でも打ち込めるものから、貴族クラスの魔力を有するものしか開けないものから多種多様である。勿論そういった身分に関わらずに交流できる掲示板もある。
今日もまた、掲示板は悲喜こもごもに賑わっていた――
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
【完結】虐待された少女が公爵家の養女になりました
鈴宮ソラ
ファンタジー
オラルト伯爵家に生まれたレイは、水色の髪と瞳という非凡な容姿をしていた。あまりに両親に似ていないため両親は彼女を幼い頃から不気味だと虐待しつづける。
レイは考える事をやめた。辛いだけだから、苦しいだけだから。心を閉ざしてしまった。
十数年後。法官として勤めるエメリック公爵によって伯爵の罪は暴かれた。そして公爵はレイの並外れた才能を見抜き、言うのだった。
「私の娘になってください。」
と。
養女として迎えられたレイは家族のあたたかさを知り、貴族の世界で成長していく。
前題 公爵家の養子になりました~最強の氷魔法まで授かっていたようです~
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる