ホテルのお仕事 〜心療内科と家を往復するだけだったニートの逆転劇〜

F星人

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 鞘師さんと一緒に事務所を出て、2階のエレベーターホールへ。

 俺も鞘師さんも右手に拭き上げタオル、左手に衛生検査官。

「そういえば、掃除機はかけなくても大丈夫ですか?」

 俺が聞くと、鞘師さんは何故か嬉しそうに「はい」と答えて、

「本当はエレベーターホールの床とエレベーター内の床にも掃除機をかけますが、僕が先にやっておきました。今度からはお願いします」

「分かりました」

 ……うーん、やはり鞘師さんの胸中が全く読めない。

 俺が聞いたりするとすごく嬉しそうにしたり驚いたりするのは何故だろう。

「じゃあ早速掃除しましょう。和泉さんはそこの一番大きいエレベーターをお願いします。僕はその間、出来る限り残り三つを掃除しますんで」

「あ、はい、分かりました」

 鞘師さんはカードキーをかざした後、エレベーターの上ボタンを押した。

「あと言い忘れてました。一階も二階と同じでエレベーターを動かすにはカードキーが必要なので気を付けて下さい」

「はい」

 つまり乗り降りは三階以上の階で、だな。

「それと、例えば間違えて十階のボタンを押してしまった場合、もう一度同じ十階のボタンを押せばキャンセル出来ます」

「へー、そうなんですね。そんなシステムが……。なんかゲームの裏ワザみたいですね」

 鞘師さんは笑ってくれた。

 と、ここで俺が清掃することになった大きなエレベーターが着いた。

「じゃあ和泉さん、お願いします。ゲストには気を付けて下さいね」

「分かりました。あ、終わった後にちゃんと出来てるかどうか確認お願いします」

 俺が言うと、またまた鞘師さんは驚いた顔。
 した後、嬉しそうに笑みを零した。

「分かりました。ではお願いします」

 
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