14 / 31
おお、スーパードクター!
しおりを挟む面接から約三週間後。
「おめでとう! 決まったんだね!」
ドクター中田は嬉しそうに言った。
「は、はあ、まあ……」
対する俺は複雑な気持ちでいた。
「良かったじゃん。ねえ?」
と、ドクター中田は傍らに座る助手の白衣姿の女性に言った。女性は微笑みながら何度も小さく頷く。
「決まったは良いんですけど、ちょっと心配事があって……」
俺はことの顛末を全て話した。
面接の雑さはサラッと言っておいて、サヤシという男が俺を敵視してることを重点に。
「ああなるほど、そういうことか」
「……何がですか?」
「こっちの話」へっへっへっとドクター中田は笑う。「とりあえずそのサヤシさんには、まず第一にキミの年齢を伝えてあげて」
「は、はあ」
なぜ? とは聞けなかった。
「それくらいかな。あとは仕事前にワイパックス飲めば大丈夫でしょ」
「そうですかね……。すごい不安です……」
「面接では大丈夫だったんでしょ? じゃあ大丈夫だよ」
「いや、あれは特殊というか」
へっへっへっとドクター中田は笑った。
「大丈夫大丈夫。仕事もそんな感じだよ。ねえ?」
と再び助手と同じやりとりをした。
「六月二十日ってことは」ドクター中田は部屋にかかったカレンダーを見て、「一週間後じゃん。頑張ってね~」
「は、はあ……」
俺は来月の頭に予約を取って、病院をあとにした。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる