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南部辺境遠征編
110 カナタ、定例会議でも目立つ
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定例会議は辺境周辺などの遠隔地の領地を持つ地方貴族を除いた封地貴族と、法衣貴族という王都に住む爵位だけの貴族が一堂に会する年に一度の機会だった。
そこでは各領地からの運営報告や、功績のあった貴族の陞爵や、悪さをした貴族の降爵といった人事異動も行われていた。
いわば貴族の勤務査定の場のようなものだった。
これが年に一度必ず行われているのだが、地方貴族は移動の日数や経費もバカにならないため、基本的には出席を免除されていた。
尤も、領地を代官に任せて、本人は王都に住んでいるといった封地貴族も存在するので、一概に全員が欠席というわけではなかった。
このメルティーユ王国は東西南北全てで他国と国境を接していた。
その東西南北の僻地には辺境伯領が置かれ、辺境伯は国境の守護を任されていた。
その辺境伯のもう一つの仕事が、そういった王都まで行かれない地方貴族の管理監督だった。
地方貴族は定例会議を欠席出来たとしても、辺境伯により厳しい査定を受けることになるのだ。
その辺境伯も魔導通信機の魔導具で定例会議に参加するのが習わしだった。
ただし、魔導通信機は国家機密指定の極秘装置なため、侯爵以上しか同席出来ない場所にそれは設置されていた。
なので、伯爵以下はこの魔導通信機の存在すら知りもしなかった。
では、なぜアラタは伯爵なのにここに居るのか?
それはアラタの伯爵位が、この王国では侯爵と同列とみなされている辺境伯扱いだったためだ。
中央近くの領地を賜っているのに辺境伯というのもおかしいので、俗に中央伯と称される特別な爵位だった。
だが、通常は伯爵家で通っているので、扱いが侯爵なみという以外では普通に伯爵と呼ばれていた。
何しろアラタは王国の三英雄の一人なのだ。
アラタの使命は王家の守護。
近衛とも王国軍とも独立した王家のためだけの個人戦力だった。
定例会議(伯爵以下)の様子は魔導通信機の表示装置に映し出されていた。
この装置は横長で、議場を斜め上から俯瞰して撮影した様子が映し出されていた。
議場の音声も全て拾われており、いわば集団用の魔導通信機とでもいうものだった。
誰もこの魔導通信機の撮影装置には気付いていないようで、好き勝手なことを言う調子に乗った貴族も散見された。
「あればバッカ―ニア子爵か。
相変わらず自分の事を棚に上げて騒いでいるのだな」
王がこのような茶番を見ている必要はないのだが、王の前の顔と他者に向ける顔が違う貴族などゴロゴロいるので、その本性を把握するのにこの魔導具は便利だった。
これによりバッカ―ニア子爵が減点を食らったのは言うまでもない。
「さて、こちらはこちらで報告を願う」
東西南北4つの地方の辺境伯から報告があがる。
全ての辺境伯領に魔導通信機が配備されており、全辺境伯がその表示装置の中に映っていた。
東西北は国境に変化なし、管轄下の貴族に不祥事なしで簡単に話が終わった。
「続けて南部辺境伯」
司会進行の侯爵によりライジン辺境伯が指名された。
他とは違い南は報告する内容がてんこ盛りだった。
「ウルティア国より発生した魔物の氾濫は無事に鎮圧した。
しかし、魔物の数1万超えに、最終的にはリッチやグリーンドラゴンが出たぞ」
その報告に議場がざわつく。
ドラゴンが出るなど国家存亡の危機だったからだ。
リッチも都市を丸々一つ壊滅させるクラスの魔物だ。
「よくぞ鎮圧に成功してくれた。
功労金は色をつけて出そう」
メルティーユ王の言葉に財務担当の侯爵が慌ててメモをとる。
これで功労金上乗せ確定だった。
「その功労者に子爵位か男爵位を与えようと思っている。
これは南部辺境伯枠の爵位だが、一応叙爵の報告はしておこうと思ってな」
「グリーンドラゴン討伐なら、辺境伯枠ではなく、我から法衣貴族になるが爵位を授けよう。
それだけの価値のある偉業だ。そうだな子爵で問題ないだろう」
王が子爵を授けると言い出した。
「問題は、その功労者が……こいつなわけだ」
ライジン辺境伯が隣――撮影装置に映らない位置――で待たせていたカナタを引っ張り込んだ。
「うちの子でカナタだ」
ライジン辺境伯、懲りない人だった。
「違う! それはうちの子だ!」
「まあまあ、冗談はそれぐらいにしておけ」
アラタが突っ込みを入れ、事情を知っているメルティーユ王が仲裁に入った。
「そうか。カナタくんが功労者だったのか。
となるといきなり子爵は拙いな。
妬み嫉みで何があるかわかったものではない」
「だろ? だから俺の一存で爵位をやれば、少しは当たりが違うだろ?」
ライジン辺境伯は一応カナタに配慮していたらしい。
「いや、そこで貴重な辺境伯枠を使うことも無い。
そうだ。爵位は男爵として俺が叙爵する。
だが法衣貴族ではなく、南部辺境伯領の領地を与えて封地貴族とする。
これで後ろ盾が3つになるだろう?」
メルティーユ王が茶目っ気のある笑顔で言う。
メルティーユ王が言うのは王家、ライジン辺境伯家、実家のファーランド伯家、つまり王国の三英雄がカナタの後ろ盾ということになるのだ。
「そして、時を見て子爵に陞爵だ。
アラタよ、良い子を持ったな」
「はっ! 有難き幸せ」
アラタは恭しく頭を垂れた。
そしてあの寝たきりだったカナタが出世したことに密かに涙した。
これでカナタは独立した貴族家当主となった。
現状の立場では伯爵家次期当主の長男ナユタよりも上になってしまった。
カナタはその怒涛の展開に口をポカンと開けて為すがままにされるしかなかった。
「次に、俺の管轄下の男爵が良くない条例を作った件なんだが……」
ライジン辺境伯は、口ごもるとカナタを魔導通信機の置かれた部屋から退席させた。
どうやらカナタには知らせたくない件らしい。
「カンザス男爵という領主なんだが、自領からの食肉に持ち出しに制限をかけるという条例を作った」
「それの何が問題なのだ?」
法務担当の公爵が首を傾げる。
「まずは、その条例の告知義務を怠っている。
いや、わざと怠っているふしがある。
それにより条例違反で捕まえて、無理難題を押し付けるというのが手口だ」
「つまり、条例を使って問題を起こしているということだな?」
「ああ、それにカナタが巻き込まれていた」
「!」
アラタから殺気に似たオーラが立ち上る。
「カナタは新型冷蔵庫を開発していて、それを奪われそうになったようだ。
おい、アラタ、あの子は魔導具開発に天賦の才があるぞ。
この魔導通信機を見て、音声機能だけの通信機なら簡単に創れると言いやがった」
「「「!」」」
その報告にはメルティーユ王もアラタも魔法省長官に侯爵も驚いていた。
そのようなものが開発されれば、各領地間の情報伝達が一気に飛躍することになる。
正に情報革命がおきるのだ。
「その通信機はそのうち現物を見せられるだろう。
話を戻すが、その新型冷蔵庫、とんでもない代物だった。
カナタからその新型冷蔵庫を奪ったカンザスは、その複製を配下の技術者に作らせようとしたようだが、その技術者は複製出来ないと結論付けた」
「そんなバカな!」
魔法省長官が驚きの声を上げる。
実はカンザス領にいる魔導具技術者は、魔法省長官の縁者でとても優秀な男だったのだ。
「あいつに複製出来ないなら、王都の技術者にも複製は無理だということだ。
カナタくんは、いったいどのような技術を持っているのだ?」
「カナタは魔導通信機の仕組みも理解していたぞ?
それだけでもカナタの叙爵は意味があると思えるだろ?」
メルティーユ王は、先に唾を付けておいて良かったとこの時思ったという。
そして、三英雄で後ろ盾になったおかげでカナタを悪い虫から護れそうだった。
「そんなとんでもない新型冷蔵庫を難癖付けて奪おうとした。
しかもそれが合法となってしまう条例など、問題だと思わないか?」
「国からは是正勧告を出そう。
告知義務違反があれば無条件で無罪とすること。
違反者が受ける罰則は、持ち出し分の肉以上でないこと。
それに違反すればカンザス男爵を罰すると伝えよ!」
カンザス男爵は王家からも目を付けられることとなった。
これにより、増々カンザス領は落ち目となって行くのだった。
そこでは各領地からの運営報告や、功績のあった貴族の陞爵や、悪さをした貴族の降爵といった人事異動も行われていた。
いわば貴族の勤務査定の場のようなものだった。
これが年に一度必ず行われているのだが、地方貴族は移動の日数や経費もバカにならないため、基本的には出席を免除されていた。
尤も、領地を代官に任せて、本人は王都に住んでいるといった封地貴族も存在するので、一概に全員が欠席というわけではなかった。
このメルティーユ王国は東西南北全てで他国と国境を接していた。
その東西南北の僻地には辺境伯領が置かれ、辺境伯は国境の守護を任されていた。
その辺境伯のもう一つの仕事が、そういった王都まで行かれない地方貴族の管理監督だった。
地方貴族は定例会議を欠席出来たとしても、辺境伯により厳しい査定を受けることになるのだ。
その辺境伯も魔導通信機の魔導具で定例会議に参加するのが習わしだった。
ただし、魔導通信機は国家機密指定の極秘装置なため、侯爵以上しか同席出来ない場所にそれは設置されていた。
なので、伯爵以下はこの魔導通信機の存在すら知りもしなかった。
では、なぜアラタは伯爵なのにここに居るのか?
それはアラタの伯爵位が、この王国では侯爵と同列とみなされている辺境伯扱いだったためだ。
中央近くの領地を賜っているのに辺境伯というのもおかしいので、俗に中央伯と称される特別な爵位だった。
だが、通常は伯爵家で通っているので、扱いが侯爵なみという以外では普通に伯爵と呼ばれていた。
何しろアラタは王国の三英雄の一人なのだ。
アラタの使命は王家の守護。
近衛とも王国軍とも独立した王家のためだけの個人戦力だった。
定例会議(伯爵以下)の様子は魔導通信機の表示装置に映し出されていた。
この装置は横長で、議場を斜め上から俯瞰して撮影した様子が映し出されていた。
議場の音声も全て拾われており、いわば集団用の魔導通信機とでもいうものだった。
誰もこの魔導通信機の撮影装置には気付いていないようで、好き勝手なことを言う調子に乗った貴族も散見された。
「あればバッカ―ニア子爵か。
相変わらず自分の事を棚に上げて騒いでいるのだな」
王がこのような茶番を見ている必要はないのだが、王の前の顔と他者に向ける顔が違う貴族などゴロゴロいるので、その本性を把握するのにこの魔導具は便利だった。
これによりバッカ―ニア子爵が減点を食らったのは言うまでもない。
「さて、こちらはこちらで報告を願う」
東西南北4つの地方の辺境伯から報告があがる。
全ての辺境伯領に魔導通信機が配備されており、全辺境伯がその表示装置の中に映っていた。
東西北は国境に変化なし、管轄下の貴族に不祥事なしで簡単に話が終わった。
「続けて南部辺境伯」
司会進行の侯爵によりライジン辺境伯が指名された。
他とは違い南は報告する内容がてんこ盛りだった。
「ウルティア国より発生した魔物の氾濫は無事に鎮圧した。
しかし、魔物の数1万超えに、最終的にはリッチやグリーンドラゴンが出たぞ」
その報告に議場がざわつく。
ドラゴンが出るなど国家存亡の危機だったからだ。
リッチも都市を丸々一つ壊滅させるクラスの魔物だ。
「よくぞ鎮圧に成功してくれた。
功労金は色をつけて出そう」
メルティーユ王の言葉に財務担当の侯爵が慌ててメモをとる。
これで功労金上乗せ確定だった。
「その功労者に子爵位か男爵位を与えようと思っている。
これは南部辺境伯枠の爵位だが、一応叙爵の報告はしておこうと思ってな」
「グリーンドラゴン討伐なら、辺境伯枠ではなく、我から法衣貴族になるが爵位を授けよう。
それだけの価値のある偉業だ。そうだな子爵で問題ないだろう」
王が子爵を授けると言い出した。
「問題は、その功労者が……こいつなわけだ」
ライジン辺境伯が隣――撮影装置に映らない位置――で待たせていたカナタを引っ張り込んだ。
「うちの子でカナタだ」
ライジン辺境伯、懲りない人だった。
「違う! それはうちの子だ!」
「まあまあ、冗談はそれぐらいにしておけ」
アラタが突っ込みを入れ、事情を知っているメルティーユ王が仲裁に入った。
「そうか。カナタくんが功労者だったのか。
となるといきなり子爵は拙いな。
妬み嫉みで何があるかわかったものではない」
「だろ? だから俺の一存で爵位をやれば、少しは当たりが違うだろ?」
ライジン辺境伯は一応カナタに配慮していたらしい。
「いや、そこで貴重な辺境伯枠を使うことも無い。
そうだ。爵位は男爵として俺が叙爵する。
だが法衣貴族ではなく、南部辺境伯領の領地を与えて封地貴族とする。
これで後ろ盾が3つになるだろう?」
メルティーユ王が茶目っ気のある笑顔で言う。
メルティーユ王が言うのは王家、ライジン辺境伯家、実家のファーランド伯家、つまり王国の三英雄がカナタの後ろ盾ということになるのだ。
「そして、時を見て子爵に陞爵だ。
アラタよ、良い子を持ったな」
「はっ! 有難き幸せ」
アラタは恭しく頭を垂れた。
そしてあの寝たきりだったカナタが出世したことに密かに涙した。
これでカナタは独立した貴族家当主となった。
現状の立場では伯爵家次期当主の長男ナユタよりも上になってしまった。
カナタはその怒涛の展開に口をポカンと開けて為すがままにされるしかなかった。
「次に、俺の管轄下の男爵が良くない条例を作った件なんだが……」
ライジン辺境伯は、口ごもるとカナタを魔導通信機の置かれた部屋から退席させた。
どうやらカナタには知らせたくない件らしい。
「カンザス男爵という領主なんだが、自領からの食肉に持ち出しに制限をかけるという条例を作った」
「それの何が問題なのだ?」
法務担当の公爵が首を傾げる。
「まずは、その条例の告知義務を怠っている。
いや、わざと怠っているふしがある。
それにより条例違反で捕まえて、無理難題を押し付けるというのが手口だ」
「つまり、条例を使って問題を起こしているということだな?」
「ああ、それにカナタが巻き込まれていた」
「!」
アラタから殺気に似たオーラが立ち上る。
「カナタは新型冷蔵庫を開発していて、それを奪われそうになったようだ。
おい、アラタ、あの子は魔導具開発に天賦の才があるぞ。
この魔導通信機を見て、音声機能だけの通信機なら簡単に創れると言いやがった」
「「「!」」」
その報告にはメルティーユ王もアラタも魔法省長官に侯爵も驚いていた。
そのようなものが開発されれば、各領地間の情報伝達が一気に飛躍することになる。
正に情報革命がおきるのだ。
「その通信機はそのうち現物を見せられるだろう。
話を戻すが、その新型冷蔵庫、とんでもない代物だった。
カナタからその新型冷蔵庫を奪ったカンザスは、その複製を配下の技術者に作らせようとしたようだが、その技術者は複製出来ないと結論付けた」
「そんなバカな!」
魔法省長官が驚きの声を上げる。
実はカンザス領にいる魔導具技術者は、魔法省長官の縁者でとても優秀な男だったのだ。
「あいつに複製出来ないなら、王都の技術者にも複製は無理だということだ。
カナタくんは、いったいどのような技術を持っているのだ?」
「カナタは魔導通信機の仕組みも理解していたぞ?
それだけでもカナタの叙爵は意味があると思えるだろ?」
メルティーユ王は、先に唾を付けておいて良かったとこの時思ったという。
そして、三英雄で後ろ盾になったおかげでカナタを悪い虫から護れそうだった。
「そんなとんでもない新型冷蔵庫を難癖付けて奪おうとした。
しかもそれが合法となってしまう条例など、問題だと思わないか?」
「国からは是正勧告を出そう。
告知義務違反があれば無条件で無罪とすること。
違反者が受ける罰則は、持ち出し分の肉以上でないこと。
それに違反すればカンザス男爵を罰すると伝えよ!」
カンザス男爵は王家からも目を付けられることとなった。
これにより、増々カンザス領は落ち目となって行くのだった。
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