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ガチャ屋開業編
062 ヨーコ、機転を利かす
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お知らせ
61話でカナタが勘太になっている箇所がありました。
打ち間違いでkantaとaが抜けるとカナタが勘太になるようです。
今後はないように気を付けたいのですが、たまにそのまま残っている可能性があるので、脳内でカナタとして読んでもらえると幸いです。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
衛兵に犯罪者と決めつけられている現状に、カナタよりヨーコの方が危機感を持っていた。
ヨーコが奴隷にされてしまった理由も、帝国軍による冤罪が切っ掛けだったのだ。
ヨーコの国の王族たちは、自分たちが何の罪も犯していないから誤解を解けば身の潔白が証明出来ると考えていた。
だが、相手を嵌めようと悪だくみをしている連中に拘束されたのだから、そこには弁解も何もする余地がなかった。
ヨーコたちは、そのまま奴隷に落とされてしまうだけだったのだ。
ヨーコの小国は、侵略され貶められるためだけの道しか残されていなかったのだ。
カナタが冤罪をかけられたこの状況は、ヨーコにはまさに自分たちと同じ状況と思えてならなかった。
カナタの能力を利用しようと思ったなら、罪をでっちあげて自分の奴隷として支配してしまうのが一番手っ取り早い。
まさにその危機にあるとヨーコだけが認識していた。
「さて、どう切り抜けるか……」
ヨーコだけが捕まったら終わりだと思っていた。
カナタも緊張で抱いているシフォンをモフモフする手が止まらなかった。
その緊張が頂点に達し、カナタが言ってはいけないセリフを吐きそうになる。
「僕は偽貴族じゃないよ?
身の潔白を晴らすため「お待ち下さい!」……」
カナタが衛兵に同行して身の潔白を証明しようと逮捕を容認してしまおうとした。
それを、奴隷の身のヨーコが主人であるカナタの台詞を遮ってまで止めた。
奴隷紋により制約のあるヨーコにとって、これは苦痛を伴う行為だった。
だが、ここで発言しなければ、全員が終わりだという危機感がヨーコにはあった。
よく痴漢冤罪事件があるが、あれも駅員に同行を求められて連れて行かれたら99%終わりだそうだ。
この場合、自分が犯人ではないので同行を拒否すると宣言し、何か聞きたいことがあれば連絡するようにと連絡先を教え立ち去ればいいのだそうだ。
犯人ではないという否定と、逃げたわけではないという毅然とした態度を取れば、後は犯人であるという証明は冤罪をかけた側がしなければならないのだそうだ。
まさにこの件でも偽貴族の証明は衛兵側がしなければならない立場だった。
「ご主人さま、なりません。
ご主人さまの貴族証明書は魔法証明付きです。
その証明の信憑性は、この王国では絶対です。
この魔法証明を覆せないなら、彼らに逮捕権など存在しません!」
貴族証明書はカナタを本人だと証明する書類だ。
それは高位の魔術師の魔法により裏付けされた本人であるとの証明であり、それを覆すならば同等以上の魔術師により偽物だとの鑑定を得る必要があった。
カナタの証明書は王家に仕える筆頭宮廷魔術師のものだった。
これは王と父アラタが昵懇なおかげで得た特別な証明書なのだ。
この国でこれ以上の証明書は存在しないというレアな証明書だった。
「この魔法証明書は筆頭宮廷魔術師であるギュスラン様によるものです。
偽だと言うなら彼を上回る魔術師を連れて来なさい!
そこで偽物だと証明出来るまで、ご主人さまには手出し無用です!」
衛兵たちは、筆頭宮廷魔術師ギュスランの名を聞いて、この証明書を覆すのは難しいと察した。
しかし、グリューン子爵よりカナタの捕縛を厳命されていた。
グリューン子爵側は冒険者ギルド――受付嬢の漏洩――からもカナタ本人が亡くなっているとの情報を得ていた。
しかし、ここでカナタを逮捕してしまったら、筆頭宮廷魔術師いや王家の権威に盾着くこととなってしまう。
「ええい。そのような言い訳は通用せん!「待ちなさい」」
それでも逮捕を強行しようとした衛兵隊長。
グリューン子爵と一蓮托生なため、逮捕さえしてしまえば後はどうとでもなると思っていたのだ。
そこに、待ったの声をかけられる男が存在していた。
「何の騒ぎかと思ったら、偽貴族かと疑いをかけられたカナタ少年の件か」
二階から降りて来た男は、このギルドのギルドマスターだった。
ギルドマスターは受付嬢の方を見つめると咎めるように声をかける。
「キャサリン、当人が死亡したという情報は、まだ確定情報ではないと言いましたよね?
王都ギルドのサブマスターがファーランド伯爵本人に確認をとるので、その結果を待つようにという話だったはずですよ?
どうして衛兵が彼を捕まえに来ているのですか?」
ギルドマスターに睨まれたキャサリンと呼ばれた受付嬢は小さくなっていた。
通報装置のボタンを押して衛兵を呼びつけたのはキャサリンだったからだ。
カナタたちが逃げないように時間稼ぎをしたのも彼女だ。
実はこの受付嬢は、あまり評判の良くない男と付き合っていた。
その男がカナタがなんらかの金になるスキル持ちであることをキャサリンから聞き出し、その情報をグリューン子爵に売っていたのだ。
その情報により、なんとかカナタを利用しようと画策していたグリューン子爵に、カナタが死亡していてここの街に来るカナタは偽者であるかもしれないという情報が入って来た。
まさに渡りに船で、逮捕を強行し冤罪でカナタを奴隷化しようという計画を立てていたのだ。
「カナタ少年の身分は貴族証明書により保証されていると、ギルドマスターの名に於いて宣言します。
彼と同行者は冒険者ギルドが保護します。
グリューン子爵には、貴族証明書を覆すことの出来る魔術師の鑑定結果を要求します。
筆頭宮廷魔術師以上の魔術師がいるなら連れて来なさい!」
そのギルドマスターの宣言に衛兵隊長は苦々しい表情をしながら衛兵に撤退を命じた。
ホッとするヨーコとカナタ。戦闘態勢を解くニク。
不安でずっとカナタにモフモフされていたシフォンもやっと解放された。
「カナタ少年たちは、ちょっと応接室で待っていてくれ」
ギルドマスターが顎で応接室の方向を示すと、別の受付嬢がカナタの案内を買って出た。
そしてギルドマスターはキャサリンと呼ばれた受付嬢の首根っこを摑まえると二階へと連れて行った。
どうやら受付嬢はお灸をすえられるらしい。
「助かった。のかな?」とカナタ。
「たぶん」とヨーコ。
実は助かったのは今にも暴発しそうなニクに狙われていた衛兵たちだったのは秘密だ。
いつでも攻撃出来るように全衛兵はニクによりロックオン済みだったのだ。
「待て」と「手加減」を覚えさせていたカナタの手柄だった。
61話でカナタが勘太になっている箇所がありました。
打ち間違いでkantaとaが抜けるとカナタが勘太になるようです。
今後はないように気を付けたいのですが、たまにそのまま残っている可能性があるので、脳内でカナタとして読んでもらえると幸いです。
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衛兵に犯罪者と決めつけられている現状に、カナタよりヨーコの方が危機感を持っていた。
ヨーコが奴隷にされてしまった理由も、帝国軍による冤罪が切っ掛けだったのだ。
ヨーコの国の王族たちは、自分たちが何の罪も犯していないから誤解を解けば身の潔白が証明出来ると考えていた。
だが、相手を嵌めようと悪だくみをしている連中に拘束されたのだから、そこには弁解も何もする余地がなかった。
ヨーコたちは、そのまま奴隷に落とされてしまうだけだったのだ。
ヨーコの小国は、侵略され貶められるためだけの道しか残されていなかったのだ。
カナタが冤罪をかけられたこの状況は、ヨーコにはまさに自分たちと同じ状況と思えてならなかった。
カナタの能力を利用しようと思ったなら、罪をでっちあげて自分の奴隷として支配してしまうのが一番手っ取り早い。
まさにその危機にあるとヨーコだけが認識していた。
「さて、どう切り抜けるか……」
ヨーコだけが捕まったら終わりだと思っていた。
カナタも緊張で抱いているシフォンをモフモフする手が止まらなかった。
その緊張が頂点に達し、カナタが言ってはいけないセリフを吐きそうになる。
「僕は偽貴族じゃないよ?
身の潔白を晴らすため「お待ち下さい!」……」
カナタが衛兵に同行して身の潔白を証明しようと逮捕を容認してしまおうとした。
それを、奴隷の身のヨーコが主人であるカナタの台詞を遮ってまで止めた。
奴隷紋により制約のあるヨーコにとって、これは苦痛を伴う行為だった。
だが、ここで発言しなければ、全員が終わりだという危機感がヨーコにはあった。
よく痴漢冤罪事件があるが、あれも駅員に同行を求められて連れて行かれたら99%終わりだそうだ。
この場合、自分が犯人ではないので同行を拒否すると宣言し、何か聞きたいことがあれば連絡するようにと連絡先を教え立ち去ればいいのだそうだ。
犯人ではないという否定と、逃げたわけではないという毅然とした態度を取れば、後は犯人であるという証明は冤罪をかけた側がしなければならないのだそうだ。
まさにこの件でも偽貴族の証明は衛兵側がしなければならない立場だった。
「ご主人さま、なりません。
ご主人さまの貴族証明書は魔法証明付きです。
その証明の信憑性は、この王国では絶対です。
この魔法証明を覆せないなら、彼らに逮捕権など存在しません!」
貴族証明書はカナタを本人だと証明する書類だ。
それは高位の魔術師の魔法により裏付けされた本人であるとの証明であり、それを覆すならば同等以上の魔術師により偽物だとの鑑定を得る必要があった。
カナタの証明書は王家に仕える筆頭宮廷魔術師のものだった。
これは王と父アラタが昵懇なおかげで得た特別な証明書なのだ。
この国でこれ以上の証明書は存在しないというレアな証明書だった。
「この魔法証明書は筆頭宮廷魔術師であるギュスラン様によるものです。
偽だと言うなら彼を上回る魔術師を連れて来なさい!
そこで偽物だと証明出来るまで、ご主人さまには手出し無用です!」
衛兵たちは、筆頭宮廷魔術師ギュスランの名を聞いて、この証明書を覆すのは難しいと察した。
しかし、グリューン子爵よりカナタの捕縛を厳命されていた。
グリューン子爵側は冒険者ギルド――受付嬢の漏洩――からもカナタ本人が亡くなっているとの情報を得ていた。
しかし、ここでカナタを逮捕してしまったら、筆頭宮廷魔術師いや王家の権威に盾着くこととなってしまう。
「ええい。そのような言い訳は通用せん!「待ちなさい」」
それでも逮捕を強行しようとした衛兵隊長。
グリューン子爵と一蓮托生なため、逮捕さえしてしまえば後はどうとでもなると思っていたのだ。
そこに、待ったの声をかけられる男が存在していた。
「何の騒ぎかと思ったら、偽貴族かと疑いをかけられたカナタ少年の件か」
二階から降りて来た男は、このギルドのギルドマスターだった。
ギルドマスターは受付嬢の方を見つめると咎めるように声をかける。
「キャサリン、当人が死亡したという情報は、まだ確定情報ではないと言いましたよね?
王都ギルドのサブマスターがファーランド伯爵本人に確認をとるので、その結果を待つようにという話だったはずですよ?
どうして衛兵が彼を捕まえに来ているのですか?」
ギルドマスターに睨まれたキャサリンと呼ばれた受付嬢は小さくなっていた。
通報装置のボタンを押して衛兵を呼びつけたのはキャサリンだったからだ。
カナタたちが逃げないように時間稼ぎをしたのも彼女だ。
実はこの受付嬢は、あまり評判の良くない男と付き合っていた。
その男がカナタがなんらかの金になるスキル持ちであることをキャサリンから聞き出し、その情報をグリューン子爵に売っていたのだ。
その情報により、なんとかカナタを利用しようと画策していたグリューン子爵に、カナタが死亡していてここの街に来るカナタは偽者であるかもしれないという情報が入って来た。
まさに渡りに船で、逮捕を強行し冤罪でカナタを奴隷化しようという計画を立てていたのだ。
「カナタ少年の身分は貴族証明書により保証されていると、ギルドマスターの名に於いて宣言します。
彼と同行者は冒険者ギルドが保護します。
グリューン子爵には、貴族証明書を覆すことの出来る魔術師の鑑定結果を要求します。
筆頭宮廷魔術師以上の魔術師がいるなら連れて来なさい!」
そのギルドマスターの宣言に衛兵隊長は苦々しい表情をしながら衛兵に撤退を命じた。
ホッとするヨーコとカナタ。戦闘態勢を解くニク。
不安でずっとカナタにモフモフされていたシフォンもやっと解放された。
「カナタ少年たちは、ちょっと応接室で待っていてくれ」
ギルドマスターが顎で応接室の方向を示すと、別の受付嬢がカナタの案内を買って出た。
そしてギルドマスターはキャサリンと呼ばれた受付嬢の首根っこを摑まえると二階へと連れて行った。
どうやら受付嬢はお灸をすえられるらしい。
「助かった。のかな?」とカナタ。
「たぶん」とヨーコ。
実は助かったのは今にも暴発しそうなニクに狙われていた衛兵たちだったのは秘密だ。
いつでも攻撃出来るように全衛兵はニクによりロックオン済みだったのだ。
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